ビンロウジュ
Areca catechu
檳榔樹 ( ビンロウジュ)という言葉は日本にいたときから聞いたことはあったけど、シンガポールに来るまで何のことかわかってなかった。じつはヤシの名前。薬用・染料として、日本にも古くから、このヤシの実が輸入されて使われていたということなので、だから「びんろう」という言葉を聞いたことがあったのかなぁ…。
果実(卵くらいの大きさ。熟れるとオレンジ色~赤)は葉の下につくのだけど、この中の種を、台湾やインドをはじめとする東南アジア一帯に広がる風習に使うのだそうだ。
風習というのは嗜好品の一種と言うべきか。「ベテルナッツチューイング」という風習。この種子を薄くスライスして、石灰の粉にまぶし、コショウの仲間のキンマの葉に包んで噛む(シンガポールではペースト状にした石灰をキンマの葉に塗りつけるそうです)…というもの。これにスペシャルフレーバーとしてギャンビアやドライココナッツ、サフラン、砂糖、クローブ、カルダモン、ターメリックなどをお好みでプラスして楽しむのだそう。すっとするとかしないとか…。
お客様が来た時などは、きれいな入れ物にこれらのセットを入れて出し、もてなす…そんなことがつい最近までよく行われていたとのことで、シンガポールの博物館に行くと、お客様をもてなすための銀で作ったセットなどが、展示されていて面白いです。最近は発がん性が指摘されて、楽しむ人は減っているとのことでした。
(詳しく知りたい方はウィキペディアに飛んで「ビンロウ」と入力してください。)
そんな風に、シンガポールを含むこの地域では重要な産物だったので、シンガポールのちょっと外れとかウビン島とかちょっと田舎に、野菜などと一緒に植えられています。
シンガポールでは今でもインド人街に行けば、キンマの葉に石灰とビンロウジュの種のスライスをセットで売ってくれるお店があります。最後まで食べてしまうのではなく、チューインガムのように、吐き出すのだとかで、売っているお店の周りの床は赤っぽい色にあちこち染まっていて、誰かがテキトーに吐き出した跡を見て取ることができます。
売ってる檳榔子(ビンロウジ)の写真が載っているブログ。(木の写真は多分クリスマスパームの方だと思うけど。)こちらもどうぞ。
関連ページ ビンロウジュの花 http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2006/08/post_bbe6.html
ヤシ科 Arecaceae
アレカヤシ亜科 アレカヤシ連 アレカヤシ亜連
Arecoideae Areceae Arecinae Areca
原産地: マレー半島原産???(実を使うために東南アジア一帯で栽培されているけれど、wild plantは知られていないと書いてありました)
Common Name: Betel Nut Palm, Pinang, Areca Palm, ビンロウジュ
2005.11.8 ウビン島で撮影。
資料: 「観葉植物 」山と渓谷社 P564
「Tropical Trees and Shrubs 」 P165
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コメント
こんにちは。どの記事も非常に詳細に記載されておりとても参考になります。時々訪問させていただきます。
投稿: HOJO | 2006年3月24日 (金) 13時06分