シンガポールロードデンドロン
Melastoma malabathricum
ノボタン科 Melastomataceae ( バラ亜綱 フトモモ目 )
原産地:シンガポールとその周辺
Common Name: Straits Rhododendron, Sendudok.シンガポールロードデンドロン
知っておられるとは思うけど、ロードデンドロンというのはシャクナゲのこと。シンガポールロードデンドロンはもちろんシャクナゲの仲間ではありません。
イギリス人はきれいな花を見るとすぐに「○○ローズ」と名前を付けるのだけど、イギリス人がバラと同じくらい好きなシャクナゲの名前を使ってこのお花はこう呼ばれるようになりました。
シンガポールの森の周辺など明るい場所に普通に生えている高さ2~3mの潅木です。シンガポール植物園では、パームバレー横のレインフォレストエリアの外辺の緑の中によく咲いています。
日本で園芸店で出回っているノボタンと同じ属でよく似ています。
お花の直径は6~7cmくらいでしょうか。きれいな紫の花びらに黄色のおしべが印象的です。
実はこのおしべ、黄色の部分は虫を呼び寄せるための仕掛けで、その先の色の着いていない部分に、本当のおしべがあり、先っぽの袋のようになった中に花粉が入っています。甲虫などがやってきて羽音をたてると、その音に反応して袋が開いて花粉が出てくるのだとか。うーん、さすが。
これは若い実です。
これが熟すと実の下の部分がぱかっと割れて、中の粒々の種が顔を出します。これが、ほんのり甘くて、粒々した感触がして、鳥が大好き!
人間が食べても大丈夫とのことだったので、ちょっとお味見。甘くはないけど、食感が面白かったです。黒い粒々なので、食べると口の中が黒く染まります。(でも皆さんは絶対に食べないで!!このブログを見て食べておなかをこわしたと言っても、責任は持ちません!!別のものと間違えたら大変です)
属名の学名 「Melastoma」の「Melas」はギリシャ語で黒色のこと (メラニン色素のメラニンも同じ語源) 「stoma」は口のこと。シンガポールデンドロンの実を食べると口が黒く染まることから、こんな学名になったのだそうです。
帽子のように周りの部分が完全に取れたところ。
実と新葉を使った下痢止めの漢方薬がシンガポールでは売られているそうです。
参考文献:「1001 Garde Plants in Singapore」P169
「Wayside Trees of Malaya」Corner P486
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