ブキバトネイチャーパーク
ブキバトネイチャーパーク (Bukit Batok Nature Park)
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ブキバトネイチャーパークはブキティマネイチャーパークからほんの少し南西にある、公園です。広さは36ha。
石切り場だったところを1988年に公園に改修しました。
子どもの遊び場など作りこまれた場所もありますが、公園のほとんどが二次林の林の中の散策路。私達が行った時にも平日にもかかわらず、たくさんの人がお散歩していました。
在シンガポールの日本人はあんまり行かない場所かなと思います。
写真の石切り場の跡の上に、今はテレビ塔があります。日本によるシンガポール占領時にはこの場所に、日本軍戦没者のための忠霊塔があったそうですが、日本軍の降伏の時に爆破されたそうです。
どうしてここにそんなものがあったかと言うと、日本軍のシンガポール侵攻の際の、最大の激戦地のひとつであったからとか。日本軍と中国人抗日義勇軍がここで戦い、大勢の日本人、中国人が若い命を落としました。合掌。
左は石切り場跡の池の近くにあるプレイパーク。池から流れる流れの遊び場のようなものを作っている最中でした。
ブキバトの二次林は、第二次世界大戦くらいまではパララバーのゴムの生産用のプランテーションがあった場所のようです。パララバーが枯れた後、明るい場所が好きな二次林の植物、チュプチュプやシルバーバックが入ってきて、初期の二次林を作っています。高さは30mくらいで、ブキティマの50mとか幹周りが数メートルとかいう林とは見た目から全く違います。ブキティマとは違う、植物の様子を観察できるのが面白いです。
自然に近い状態であれば二次林は時間と共に極相林、この地域であればフタバガキ科の大高木が支配する熱帯雨林へと遷移していくのですが、ブキバトは熱帯雨林の残るブキティマエリアから少しだけ離れてしまっているために、熱帯雨林の種のタネがここまでは運ばれてこないのです。
そのため、二次林の初期の植物相のまま、止まってしまっている様子が見て取れます。本来ならば、放置されてこのくらいの時間が経っていれば二次林の後期の植物、テレンタンやジロニエラなどもあってよいのですが、ここでは見られないとのことでした。
二次林と言えば、もう少し林床がごちゃごちゃしているというイメージがあったのですが、ここには暗いところでも育つ、極相林の植物のタネが飛んでこないため、成長すべき苗がなくて、(二次林の苗は暗いところでは芽を出さず、育たないのでここでは育つことができない)スカスカした印象の森になっています。
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自然を大規模に傷つけてしまうと、自然の自然に回復する機能を奪ってしまうのだなあと思いました。
あ、でも、森の中の散策路としては面白いので、シンガポール居住者の皆様は1度は訪れてみてもいいのではないかな?って思います。駐車場もあるよー。
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