蛇の舌のシダ
Ophioglossum pendulum
ハナヤスリ科 Pphioglossaceae ( シダ植物 )
原産地:?…たぶんシンガポールあたりかな?
Common Name: Adder's Tongue Fern, コブラン
コモンネームは学名の属名から付いたらしいです。ギリシャ語で「ophis」は蛇のこと、「glossa」は舌のことだそうです。
細長い葉の先が「蛇の舌」のように2つに分かれていて、長いものでは1mにもなるそうです。
写真は2年以上前にブキバトネイチャーパークの入り口付近で撮ったもので、先日行ったときには跡形もなくなっていました。残念。一緒に映っている人と比べても長さがわかるでしょ。圧巻でした。見られなくなってしまって本当に残念。
ほとんどの場合、スタグスホーンファーンにくっついています。上の方に見られる形の違う葉のシダがスタグスホーンファーンです。
アダーズタンファーンはスタグスホーンファーンのバスケットに胞子が入り、3~4年してから成長をはじめるとか。このバスケットの中の暗い場所で、ある種の菌と共生して、菌の力を借りて、バスケット内の枯葉から養分をもらっているのだそうです。
大きくなってバスケットの外に出てくると、日光を受けて緑色になり、光合成をはじめ、ようやく菌の力を借りずにひとり立ちできるようになります。
何年か前まではたくさん見られた…と2年以上前に、「自然友の会」の先輩が作ってくれた資料にはありました。道路の拡張工事のために古い木がたくさん切られてしまって一緒にアダーズタンファーンもなくなってしまったりとか、このシダが木にダメージを与えるとか、蚊が発生するとかいう誤解のために、取り去られてしまったために、今はあまり見られなくなってしまったとのことでした。そんな中、ブキバトのこの写真のシダはとても立派だったので、いつの間にか姿を消してしまっていたことをあらためて知って、とても残念でした。
資料:「自然友の会」定例会資料 by KK先輩 より
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コメント
写真 見つけて載せてくださり
嬉しいです。1度ここで 見ただけでしたから
思い出せませんでした。
あんなに 長かったのね。
投稿: kure | 2005年12月19日 (月) 02時04分
安心してください!
我が家の最寄りの駅、オートラムパーク駅のはす向かいの古い木に、高い幹よりブラーンとそれは壮観に垂れ下がっています。
でも、この植物、この木でしか街中では見られない様な気がするところをみると、どんどん減少しているのでしょうね。
シンガポールの自然破壊の勢いは、加速度が近年、ついてきました。残念ですけれども。
投稿: blair Rd | 2009年12月18日 (金) 18時48分
blair Rd さん
ご質問にお答えできていないですが、何日かのうちに返事しますね。
生き残っていましたか?よかったです。どうぞどうぞ、その子の写真も撮っておいてくださいね。
熱帯特有の湿気が必要なシダやランなどは、都市化の乾燥とともに姿を消していくようです。気候というのは微妙なもので、同じ気候を人工的に作り上げようとしてもうまくはいきません。原産地の気候を変えない努力をして、植物の多様性を維持するしか本当は道はないのかもしれないですね。COP10が来年名古屋で開かれるとか。「生物多様性」の意味を日本の人や世界の人が知ってくれるきっかけになるといいなと思います。
投稿: TOM | 2009年12月19日 (土) 06時35分