シンガポールの気候
今日から何回か飛び飛びで、熱帯雨林の説明の回を入れますね。昔、書いたものの、コピペなので申し訳ないのですが、知っておくと熱帯植物を理解しやすくなるので、読んでおいてもらえたらなあって思って…。(日本行きのために書き溜めるために小休止のページを作ってます。すまん!)
シンガポールの植物についてのブログを読んでいただくにあたって、知っておいてもらいたいなあということがあります。この国の気候についてです。気候と関係のない植物の形はありえないし、植物と関係のない、人間の暮らしもありえません。
植物の形は必然性があって、進化の過程を経て、植物が獲得してきたものだからです。
人はどんな時でもそれらからおこぼれをもらいつつ、利用して、暮らしを便利にしてきたからです。
では、日本の気候と具体的にどこが違うか?
よく「暑くてもカラッとしていてそんなに暑く感じないんでしょ?」と言われるんですが、さにあらず。初めてシンガポールの空港から出てこの空気を吸ったときの感じはまさに「どーーん」という空気の重さでした。気温が高くて、湿気がいっぱいあって「どーーん」という感じ。だから、カラッとはしていません。
シンガポールは北緯1度。ほぼ赤道直下と言っていいかな。熱帯雨林気候です。
皆さん、覚えていますか? 中学あたりの地理で勉強しましたね。広辞苑によると、「熱帯雨林;tropical rain forest;熱帯の高温多雨の地域にある森林。主に常緑高木と藤木(とうほん)、着生植物でうっそうたる密林をなす。南米のアマゾン川流域、アフリカのコンゴ盆地、アジアのスマトラ、ジャワ、ボルネオなどに著しい」とあります。
熱帯雨林というと、私のイメージは「ターザン」の世界。「あーああーー!」とターザンが叫びながら飛び回る鬱蒼としたジャングル。その中に一日に一回スコールがやってくる。
そのイメージと、ガイドブックで見る、買い物大国、観光大国(国は淡路島くらいしかないんですけど)のシンガポールは全然結びつきません。来てみたら、都会!!それも緑がいっぱいできれいに既に作られてしまってる都会!熱帯雨林の面影なんてこの国には全然ありません。町の中を視覚的に見る限り、日本とどこが違うの?って感じです。勿論、建物も、町の作られ方も、木の種類も全然違うのですけど、みーんな人の手で作られているもので、私が想像していた熱帯雨林など、もうこの国には存在しなかったのです。
熱帯雨林の面影はないけど、熱帯雨林気候の片鱗は確かに存在しました。
まず。暑い。
朝も昼も夜もずーっと暑い。そしてずっと「どーん」と湿気がある。朝の気温でさえも27度くらい。昼は毎日32度とか。ただ、35度以上というような極端に暑い日もありません。
スコールがある。
局地的に雷を伴った集中豪雨があります。1日1回と言うけど、そういうわけでもありません。森林がなくなって町ばかりになった結果、日本の夏に夕立がなくなったのと同じように、雨が少なくなっているそうです。でも周りが海に囲まれているのでまだ、そんなに顕著でもないらしい。1週間雨がまったく降らないというのもそんなにない…かな?逆に日本のように一日雨がしとしと降るなんてこともありません。降るときはまとめてドーっと降ります。
あとはですねー。台風がない。
台風はシンガポールあたりで発生して、緯度の高い方へ移動しながら力を増していくものなので、このあたりには台風としては存在しないのです。ということは極端な強風が吹かない。春一番みたいな突風も吹かない。
四季もない。秋とか春とか冬とか。存在しません。代りにあるのは雨季と乾季。
4月から9月ごろまでは乾季。でもスコールは降るから、乾季と聞いて私たちが想像するような切羽詰った状況というのはありません。何となく晴れが多くてずーっと暑い季節と、何となく雨が多くて気持ち涼しいような感じがする季節があるだけのようです。
赤道に近いから、夜と昼の時間も1年中ほとんど変わりません。朝7時に明るくなって、夜7時に暗くなる。多少の時間のずれはありますが、ほとんど無いので、シンガポールには「夜7時になったら車のライトを点灯すること」という交通規則があるくらいです。
熱帯雨林気候とはちょっとずれますが、もう1つ。地震がない。これもシンガポールの特徴の1つです。
ざっと気候は想像できましたか?今から2昔前くらいの日本の8月の状態が1年中続くとでも思ってくださいませ。
こんな環境の中で、このブログの植物達は生きています。こんな空気を想像しながら植物を思い浮かべていただくとよりイメージがしやすいんじゃないかな?って思います。
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