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2006年1月 2日 (月)

熱帯雨林の概要-1

forest-sJPG 熱帯雨林と言うと、ものすごく広大な面積があるというイメージがありますが、実際には「1年中暑くて湿気がたくさん!」という森は赤道の近くのほんのわずかの地域にしかないんだそうです。

種類は地域によって3タイプアメリカ、アフリカ、東南アジア。同じ熱帯雨林でもこの3種類は姿も、構成する植物の種類も違います。

熱帯雨林の典型的な形。とにかく「垂直方向に長い!!」

最も背の高い熱帯雨林はボルネオ島の低地あたりで、70~80メートル。雨がたくさんきちんと定期的に降って、おまけに十分な光を受けることができるので、思いきり成長できること、赤道付近では台風がなく、縦に伸びても風でなぎ倒されるようなことがないからです。(高さは場所によって、地盤や栄養分の多少によって変わってくるそうです。)

縦方向に長いので、森の上部と下部では様子が全然違っています。これは「階層構造」と呼ばれ、あらゆる生物が住む高層アパートのようなものになっています。

また、「熱帯の土壌はやせて」います。一見豊かに見えるのにどうしてなんでしょう?答えは暑いから。

気温が25℃以上になると微生物の活動が活発すぎて、植物が生産した有機物はあっと言う間に分解され、腐食として地表に留まりません。日本のような温帯は温度がちょうどよいので、腐食が適度に堆積して、雑木林のふかふかの地面ができるんだよね。シンガポールあたりは一番涼しい1月でさえ、平均気温が25℃。5月に至っては27℃。腐葉土になったと思ったら、すぐに次の段階の「ただの土」になってしまいますぅ!!

ただの土の中にある養分は、熱帯特有の強い雨と共にすぐに流れ去ってしまい、栄養分がとどまらないわけ。だから熱帯の土壌の厚さは30㎝程度。薄い!!!アメリカ、アフリカに至っては15㎝しかないんだって。(でも実際は植物達があの手この手で、雨に運び去られるより先に、もう一度吸収してしまうんだそう。)

ちょっと解説

日本で畑に野菜を植えるとき、鉢植えにお花を植えるとき、必ず腐葉土や牛糞などの腐食質の土壌改良剤を入れますよね。植物は腐食質の中に住む微生物の助けを借りて肥料分を上手に利用したり、根っこをのびのびと伸ばしたりできるのです。微生物は肥料分を適度に分解、また植物が吸収しやすい形に変えて、植物に供給してくれます。だから腐食質がないと、一般的には、植物は健康に育つことが難しいのです。腐食質を含んだ土が厳密には「土壌」であって含んでいない土はただの岩石のかけらにすぎません。

一方で、もともと腐食質がほとんどない場所で進化したり、適応したものもあります。これらは別の形で微生物や菌類の助けを借りて生活しています。日本の石灰岩の山に生えるアカマツなどもその一例です。

熱帯雨林の、ほかの温帯などとは比べ物にならないほど多くの多種多様な生物たちは、このような「高層アパート」と「やせた土壌」…というとっても不利な環境をどうにかしようと試行錯誤した結果、生まれました。

高層アパートの、各層ごとで違う光や水の条件をどうクリアして自分の種を残すか、生物は工夫をして、競争して、形を変え、種を増やしていきました。

また、土地がやせているため、生物達は土壌養分だけに頼ることができません。生物どうしでそれらを依存しあったりする特殊な関係を進化の中で作りあげていきました。

その関係は熱帯雨林が誕生してからの1億年近い年月をかけて、植物どうしだけでなく、微生物、昆虫、鳥類、爬虫類、哺乳類をも巻き込んだ、壮大なネットワークを作り出してきました。すごーい!!

熱帯雨林特有の植物の形はそんな中から、必然性があって生み出されてきたもの。

「絞め殺し植物」「アリ植物」「着生植物」「気根」「異形根」「幹生果」「幹生花」といった熱帯雨林に特徴的な植物の形はそんな中から生まれました。

シンガポールでは、外来の植物が多いとは言え、世界各地の熱帯雨林から植物を導入しているため、こういった特徴がある植物を、植物園だけででなく、街のあちこちで見ることができて、町中が熱帯植物園のよう。ちょっとでも知識があって、バスに乗れば、行く先々で色々なものを発見できますよ。上記の特徴についてはまたおいおいに…。今日はこれまで!

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