バナナはどうやってバナナになったか?
バナナはどうやってバナナになったか?
バナナが自然じゃない…ってことはちょっと考えれば誰でもわかるよね。だって種がないじゃん。種がなくてどうやって子孫を残すのよ???
バナナが何者か?
熱帯でよく食べられている調理をするプランティンバナナと、生で食べるバナナとは何が違うのか?(現地の人は全く違うものだと言う人もいますが、どう見たってバナナじゃんって思っていたのです)
300種類もの食べられるバナナはどうやってできたのか?
疑問を持ちながら、ここ2年くらいずーーーと気持ちのよい解答を見つけることができずに、悶々としていたのですが、ついに見つけたよー!!!!資料は栽培植物と農耕の起源」中尾佐助著 岩波新書。 ちゅうことで超テキトーバナナ論しゅっぱーっつ!
世界にはたくさんの果物が生産されているけど、その中でも生産量・消費量が一番多くて、人類の食料として最も重要な果物がバナナなんだって。
そんなバナナの一番先祖になっている野生種は
Musa acuminata
というマレー半島付近が原産地のバナナ。
大きな果実ができるんだけど、アズキ粒くらいの堅い種子がいーっぱい入っていてとても食べられるシロモノじゃないんだそうだ。でも味も香りもGOODなんだって。(写真はシンガポール植物園にあるMusa acuminata の園芸品種とその樹名板)
それでも私たちの先祖は、甘い果実を「この種じゃまだー!」なんて思いつつ、食べたりしてたんだろうね。そして彼らはある日発見。
そんな中に「種無しのバナナがある!!!こりゃ、うまい!」
じつは、これは何かのきっかけ(突然変異?)で、雌しべに花粉が付かなくても種無しの大きい果実ができる性質を持った変わりもんが本当にごくたまたまできただけだったんだけど、美味しいものを見つけた我らの先祖はこれを見逃さなかった!
美味しい果実を付けるその株を数多あるMusa acuminataの中から選び出して、掘り取り、植えて、栽培し始めた!
中尾氏によれば、これを「人類最初の農業」と考える人もいるんだそうだ。その時代は1万年以上前と言う人もいるんだそうで、そんな人生30年とか50年とかいう私たちの先祖の一生から考えると、気の遠くなるような時間をかけてバナナは人類の食料となるべく、品種を分化し、変化し続けてきました!
まず、Musa acuminata は、アキュミナータどうし交雑して色々なバナナを作り出していきます。その中には多くの4倍体、8倍体(あるいはそれ以上)などの倍体のバナナがありました。特に3倍体のバナナは種無しの性質に優れていて、たくさんの優れた品種ができたんだそう。台湾バナナってあるでしょ。あれはアキュミナータの「同質3倍体品種」なんだそうです。
美味しいバナナたちはすぐに周辺の人たちにも受け入れられて、アキュミナータバナナたちはどんどん周囲のアジアへと広がっていきました。
そしてアキュミナータバナナたちは、インドやフィリピンで、自分とは全然違う別の野生種
Musa balbisiana
と出会います。アキュミナータとバルビシアーナは色々なパターンで交雑し、アキュミナータ単独の時とは違う、さらに複雑な品種群ができ、今プランティンバナナと呼ばれる料理用など果実として無味なものも、たくさん誕生していきました。
現在、世界の熱帯で食用にされている300種類あまりのバナナの先祖達は、このアキュミナータとバルビシアーナ、たった二つの野生種から生まれたんだそうです。
バナナはこんな風にして、まずはアキュミナータバナナたちがマレー半島付近から東西の熱帯へ伝播。
東へ向かったものは、フィリピンでバルビシアーナと交雑してニューギニア→ポリネシア、もう一つ別系統でアキュナータ純粋3倍体たちがジャワ→ポリネシアへと広がっていきました。
西へ向かったものは、ビルマ→インドでバルビシアーナと交雑。アフリカへはまずアキュナータ純粋3倍体たちがペルシャ湾沿岸沿いの航路を経て紀元前2000年ごろに到達。その1000年くらいして、バルビシアーナとの交雑群がアフリカおよびマダガスカルに到達したと考えられているそうです。
こうして。バナナは全世界の果物で「1番!」と言う地位を、1万年近くかけて確立したのでした。
うーーーん。なんて壮大なバナナちゃんの旅。ちょっと面白いでしょ?
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