
ブログってのは面白い機能があって、アクセスをしてくれた人たちがどんな検索ワードでブログにたどり着いてくれたかがわかる機能があります。ホームページっていうのは書きっぱなしで、よほどの物好きさんがメールをくれる以外は反応がわからなくて、けっこうつまらなかったのだけど、ブログはそのほかにもコメントが来たり、トラックバックが付いたり、双方向のやり取りがあるんで面白いんですよね。流行るわけが、やってみてすごくわかりました。
で、最近、検索ワードで多いのが「ラフレシア」。1月に友人がくれた写真を載せたので、これを見に来てくれてるらしい。でも何にも説明を入れずに載せたので、調べた人はきっとガッカリしてるだろうなと思って、説明を載せようと思った次第です。
ラフレシア科 Rafflesiaceae (バラ亜綱 ラクレシア目)
原産地: ラフレシア属は スマトラ島~ボルネオ島~フィリピン西部 マレー半島~タイ南部
1枚目の写真はRsfflesia arnoldii に似ているけれど、ちょっと小型かな?(たぶん違うと思う…)。アーノルディちゃんはラフレシアの代名詞になってるくらい有名な種類で、1818年にシンガポールを貿易港として開いたラッフルズ卿のおかかえ自然誌研究者アーノルドが発見したので、二人の名にちなんで属名はラッフルズから、種名はアーノルドからとって、この名が付けられました。
この時代、世界の植物にはまだまだ未知のものがたくさんあり、海外へ進出する船には必ずと言っていいほど植物学者が乗っていて、行く先々で植物を採集し、標本を作って、本国に報告をしていたそうです。南アメリカをはじめ、世界のランが多くイギリスに運ばれ、栽培を試みられたのもこの時代だったと記憶しています。そんな植物探しの探検の中で、ラフレシアも見つけられました。
それにしてもものすごく大きな、花とは思えないようなグロテスクな花を発見したときの彼らの驚きは、すごいものだったでしょうねぇ。
シンガポールでラフレシアは咲かないのですか?という質問をよく受けますが、残念ながらシンガポールではラフレシアは咲きません。観光立国として呼び物にしたいという気持ちはのどから手が出るほどあるのでしょうが、人工栽培に成功したという話はとんと聞いたことがありません。
ラフレシア目はバラ亜綱の中にあり、ラフレシア科・ヤッコソウ科・ヒドノラ科の3科があります。ラフレシア科の中には8属50種。中でも皆さんが興味があるであろうラフレシア属には約11種が発見されていると「植物の世界」には書いてありました。何種ある…という記述は資料によって少しずつ違っているので、正確な数字を求める必要はないでしょうね。
ラフレシア科は「植物体をつくる物質も生活に必要なエネルギーも、すべてを他の植物から収奪して暮らす生物群」と「植物の世界」にはありました。つまりは寄生植物ってことですね。

例えばアーノルディちゃんは、ブドウ科のミツバビンボウカズラ属を寄生の宿主にして、養分をもらって暮らしているそうです。始めのうちは、宿主の根や地表近くの茎の内部にいて、菌糸のような組織として成長し、2~3年経つと宿主の樹皮を破って地表に出てきます。その芽はどんどん大きくなり、9ヶ月くらいで大きなキャベツのようになり、最終的に直径60~90cmもの花が咲くそうです。(写真はアーノルディちゃんではありません。でも黒いつぼみみたいなのが見えるでしょ。)
花は雌雄が別々。たんぱく質が腐ったような臭いを発して、ハエをひきつけ、受粉を行わせます。受粉から約8ヶ月もかけて数百万個もの種子が拳くらいの大きさの果実の中に作られるのだそうです。(アーノルディちゃんの話です。科の中には両性花もあるらしい…)山渓の「観葉植物」にはこの「果実をゾウが押しつぶし、足についた種子が宿主の根に押し付けられ、発芽のチャンスを得る」と書いてありました。「ジャングルの開発でゾウが減少するとラフレシアも繁殖できなくなる生物連鎖がある」とも。ゾウとラフレシア…考えたこともない関係で、面白い!って思いました。その他の種では小型の哺乳類やアリやシロアリが種子の散布や宿主への定着の助けをしているようです。(「植物の世界」より)
そのほかにもこの地方の人々には薬として使われることもあり、そのせいで乱獲が進み、絶滅しそうで困っている…という記事もシンガポールの新聞で読んだことがあります。
ともあれ、タイやボルネオに旅行する友人らは大抵ラフレシアを見て帰ってきます。私も行くぞーと思いを新たにする日々…。わはは。
資料:朝日百科「植物の世界」4-P98 山と渓谷社「観葉植物」P610
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