ウツボカズラ(グラシリス)
Nepenthes gracilis
こんなお花を見たことがありますか?
総状花序で(房みたいになってます)、お花の付いている部分は15cm位の長さ、こんなのが、株の上にすっくと飛び出したりして咲いています。
雄株と雌株があって、今回は両方、見つけることができました。
左:雄花の花序
右:雌花の花序
花の拡大写真
左:雄花
右:雌花
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このお花の正体は…じゃーん!ウツボカズラちゃんでーす!
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ウツボカズラ科 Nepenthaceae (ビワモドキ亜綱 ウツボカズラ目)
原産地:タイ、シンガポール、マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島、スラウェシ島
グラシリスちゃんは、シンガポールでは一番よく見られるタイプのウツボカズラです。
つる植物で長さは6mくらい、でも環境によっては15mくらいまで伸びることもあるそう。他の植物に寄りかかって伸びていきます。
ピッチャーの大きさは長さが10cm幅が3cmくらいです。
この写真はマクリッチ自然保護区の貯水池のほとりで撮ったもの。ウツボカズラちゃんは明るくて湿ったところが大好きで、いつもこんな感じのところで見つけられます。
お花が終わると左の写真のように雌花の子房が伸びて膨らんできます。
種が十分熟すとこんな風に縦に実が裂けて、細長い藁のかけらのような種が風に乗って飛ばされていきます。
この写真を撮ろうとしたとき、もっとよく撮ろうと思って手を伸ばしてこの花序に触ってしまったら、まるで埃が吹き飛ぶように種が舞って、私たちは種まみれになってしまいました。こんな風に散布されるんだ~と身を持って体験しましたぁ。
はい。こんな種です。地面に落ちたら、まず見つけられないわなーー。
私たちは自然保護区で何メートルにも伸びているウツボカズラを見ているので、成長とか早いんだろうなーって勝手に思っていたのですが、本によると、種からたった20cm位の株になるまでに2~3年かかるんだよーって書いてありました。自然の中では豊富にあるので、ついついそれがどのくらいの時間をかけて、ここにこういう形であるのかを忘れてしまいがちです。ここまでになるまでの時間を想像して、大切にしなくちゃねって思いました。
種が飛んでいってしまうとこんな抜け殻が残ります。分類上はスミレ目の近くに位置するんだよってラフレシアーナちゃんのときに書いたけど、この様子、スミレの種がはじけた跡にちょっと似てるって、ついつい思っちゃったTOMでした。
資料:「A Guide to the Carnivorous Plants of Singapore」 P93
別のウツボカズラ、ラフレシアーナちゃんの記事はこちらです。
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コメント
ウツボカズラって食虫植物ですよね。仙台の市場では昨年あたりからかなりの量が入荷されてます。流行っているのかな?
投稿: モーク | 2006年3月11日 (土) 21時22分
はじめまして。
植物&英語つながりでとんできました。
シンガポールには10年ほど前に行ったことがあります。
街なかにブーゲンビリアの大きな木があって、とっても綺麗でした。
日本では寒くてなかなか大きいのに出会えません。
投稿: Shumho | 2006年3月12日 (日) 09時55分
モークさん
そうそう、あの食虫植物のウツボカズラです。花ってちょっと珍しいでしょお?こんな変な植物に興味を持って、ついでに熱帯植物の環境保護に興味をもってくれる人が増えたら嬉しいなあって思います。どんな人が買っていくんでしょうね?
Shomhoさん
英語つながり…ありがとうございます。私も遊びに行かしてもらいました。ときどき寄せていただきますね。お花の先生なのですね。熱帯植物をお花の花材に使うこともあるのでしょうか?
投稿: TOM | 2006年3月12日 (日) 19時07分
昨年、2017~に、ウツボカズラを購入しました。いろいろと、管理等を調べましたが、中々思う様に、??。挿し木、等のやり方を載せてまらえれば、嬉しいですが?宜しく。。
投稿: 草花爺さん | 2018年2月 1日 (木) 16時30分