沙羅双樹
Shorea robsuta
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。
おなじみ平家物語の冒頭の一節。
口に出すのに調子が良すぎて、「じゃあ、沙羅双樹って何よ?」なんてことは、日本にいたら考えないよねぇー。雑木の庭でよく使う「ナツツバキ」のことを「シャラ」とか「沙羅」と呼ぶので、あの可憐なお花のことを言うのかなぁーなんて漠然と思ってただけ…。何かの本で、お釈迦様入滅の時に枕もとに咲いていた「シャラの木」は「ナツツバキじゃあないよー」てな文を読んだことはあったけど、「あっ、そう?」くらいなもんだった。
シンガポール植物園のガイドを始めて、「仏教の3大聖木」なんてものがあるのを知って、おまけにそれらが植物園の中にあると聞いて、がぜん興味が出てきたのが「沙羅双樹」に興味を持ったきっかけ。
でも、同じShorea属の木はレインフォレストエリアの中でもお目にかかれるんだけど、ロブスタちゃんはなかなか見つからなかった。 「ある」ことは植物園の植物リストにあってわかっていたんだけど、全然見つからない。 「Where is robusta~?」てなのりで、ここ何年もロブスタちゃんに恋焦がれていたのでした。
植物園の中に「国立ラン園」のエリアがあるのだけど、「この管理エリアの中に1本だけある!」という情報を教えてくださったのは名古屋のラン愛好会のI先生。1年半くらい前の話になるかな?でも、管理エリアということは、ツテがないと入れない。でもなんとしてでもお目にかかりたい!そこで、いつもシンガポールの植物について教えていただいているシンガポールの大学の「S大先生」に頼み込んだのです。
そしてそして!ついに実現しました!ロブスタちゃんにお目にかかったよー!
植物園のロブスタちゃんは「絞め殺しの木」にからまれながらも、けなげに頑張っていました。
今日のブログは自分の自己満足のためだけにアップしているので、沙羅双樹に興味のない人には全然面白くないかも。ごめんね!でもとにかくすっごく嬉しくて嬉しくて~~~!!!
写真は落ち葉。こんな格好をしています。
これは葉脈の写真。ショレアは側脈の間に走る「細脈」がこんな風に平行に階段のように並ぶのが特徴で、この葉脈から「ショレア」と判断することが多いのです。
別のショレアちゃんはたくさん見てきたけど、沙羅双樹のは初めてで嬉しいので記念に。つまらない?ごめん!
ようやく見つけたロブスタちゃん。樹名板も記念に載せちゃいます。おいおい…( ^^ゞ
詳しい説明はまた、あした…。わはは。
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コメント
こんにちは、TOMさん。
沙羅双樹の記事、面白いですよー。待ってましたという感じです。
じつは、私は世界の神話や伝説も好きで、いろいろ調べています。神話や伝説に登場する生き物は、想像力を掻き立てられるものが多いですよね。
沙羅双樹のように、熱帯にしか生息しないものは、日本にいては見ることができません。TOMさんのように、写真と説明をネットに上げてくれる人がいると、とても助かります。いつもありがとうございます。
投稿: 松沢 千鶴 | 2006年3月 7日 (火) 14時21分
とってもたよりにしている松沢さんに、喜んで読んでもらえると思うと、心強いばかり。こちらこそいつもありがとうございます。日本人にとって身近であるはずの仏教にまつわる話はたくさんあるけれど、実際の木は日本では見られないのだということを、シンガポールに来て体感(笑)しました。実物を目の前にして、伝説や歴史上の人が何を感じたか、想像するのがすっごく楽しいです。松沢さんのこっち方面のお話も楽しみにしています。
投稿: 松沢さん | 2006年3月10日 (金) 22時46分
じつは私、神話や伝説に登場する植物の話を、某所ですでに書いています。
図鑑ドットネットブログとは、全く関係のない場所でのことですが。
私は、別名義でライターの仕事をしておりまして、某雑誌に「幻想植物図鑑」というコラムを連載しております。
投稿: 松沢 千鶴 | 2006年3月12日 (日) 22時43分
松沢さん 読んでみたい!でも某雑誌…きっとシンガポールでは買えないだろうなあ。まとまって本とかになったら絶対にブログでも何でもいいので発表してくださいね。購入させていただきます。
投稿: TOM | 2006年3月13日 (月) 22時59分