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2006年5月31日 (水)

スパティフラムの花はどこ?

Spathiphyllum cv.

Spathiphyllum_cv5s_1

昨日のスパティフラムの回では、メシベとかオシベとか言われたら「そうかなーー?」って思える程度のものが見えたでしょー?

TOMが観察して敗北し続けていた奴はコイツです。

仏炎苞自体が小さめで、肉穂花序の太さが大人の人差し指くらいの太さ。この子をよーく見てたんだけど、全然わからなかったのだー!!

Spathiphyllum_cv1s_1

蜂だったかな?表面を動き回っていたので、花が見えるかと思って肉穂花序を撮影し拡大したもの。ボコボコした突起が見えるけど、それ以外は何がなにやら…??なんだ?コレ?

Spathiphyllum_cv6s_1

同じ種類の別の肉穂花序の写真。

とーっても大きく見えるけど、花序全体の太さが指くらいですからねー!

昨日の記事を書いた後だと、この写真の意味はちょっとわかる…。

この肉穂花序ではメシベの部分が全然盛り上がってないんだね。まっ平ら!

でもよく見るとメシベの柱頭だったらしき痕が…。この段階ではオシベが出て来ているところのように見えますね。

この写真からだとオシベは6本みたいに見えます。あ、ここにも単子葉植物の3の倍数が…。

5角形か6角形に見えるオシベが出てきている部分が花びらの痕なのかな?

Spathiphyllum_cv3s_1

だんだん実を作っている段階の写真。前の写真ではわかりにくかった1つ1つの花の切れ目がはっき見えるようになりました。

オシベの残骸ががちょこっと残っています。

メシベの柱頭だったらしき場所はYの字のように見えます。これは子房が3心皮で1つ1つの実が3つに分かれるってことなのかな?

Spathiphyllum_cv4s_1

完全に1つ1つの実が分かれてしまいました。

昨日の記事を読んだ後なら、上の写真が「ああ、こういうことなのかな?」って思えるでしょ。でもコレの写真だけでは何がなんだかTOMは全然わからなくてずーっと悩んでいたのですぅ。決して老眼のせいで見えなかったわけじゃないと思うよー。

厄介なスパティフラムちゃんでした。(こんなことで悩み続けられるなんて、オマエは暇だねーと言われそう…)

昨日の続きでくどくてごめん。でもお願い。ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

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シンガポール植物園日本語ガイドのお知らせ

シンガポール植物園(Singapore Botanic Gardens) では、植物園をより知ってもらい、楽しく過ごしてもらおうと植物園内のガイドツアーを定期的に行っています。日本語のガイドツアーは熱帯雨林エリア(Rain Forest)を対象に、毎月1~2回行われています。

ツアー出発時間: 午前10時 (受付 9:45から) 雨天決行!

集合場所: シンガポール植物園ビジターセンター(タクシーに「ボタニックガーデン・ビジターセンターへ」と指示して、おろされた場所から入り口を入ると、左側に受付のテーブルが用意してあり、その日の当番のガイドが受付をしています。)

ツアー料金: 無料

申しこみ: 必要ありません。当日直接いらしてください。平日ガイドは人数が少ないのでオススメです。

所要時間: 1時間半~2時間くらい (お急ぎの方は途中で抜けてくださって大丈夫です。ガイドに一言ことわって抜けてください。)

2007年のガイド日程

8月 4日(土)

9月 1日(土) 12日(水)

10月 6日(土)

11月 3日(土) 14日(水)

12月 1日(土)

ガイドはシンガポールに住んでいる日本人のボランティアが行っています。(TOMもメンバーの一人だよー。)熱帯の自然に興味があって、「私もボランティアをやってみたいわー」なんて方がいらしたら、仲間を常時募集していますのでご連絡ください。研修をして、デビュー!という運びですが、その他にみんなでシンガポール中を探検して楽しんでいます。(このブログを見てればわかるよね。)シンガポール植物園では、ボランティアガイドのために色々な特典を用意してくれています。ガイドも色々な人に出会えて楽しいけれど、シンガポールの熱帯雨林探検…楽しいよー。はまったら抜けられません。子供のような感性を今も持ち続けているアナタ、お待ちしていまーす!!

日本語ネイチャーガイドのご紹介

旅行日程が決まっていて無料ガイド日に行けないよーという方、日本人のプロのネイチャーガイド(シンガポール政府観光局認定)によるツアーを依頼することもできます。こちらは有料ですけど、1グループ1ツアー80ドルくらいから(場所と人数、交通手段で見積もり)なので一般の旅行社のオプショナルツアーに比べても高いものではないと思いますよ。個人旅行・自由旅行で来られる方、ツアーで来たけれど、自由時間は自分達夫婦だけで好きな場所で過ごしたいという方などは利用すると一味も二味も違う経験ができていいかもしれません。日本人ガイドは今はほんの数名なので、できるだけ早い段階での予約を(キャンセル料は今のところないので)オススメします。こちらは植物園だけではなくて、このブログにあるような色んな場所をリクエストによっては案内してもらうことも可能です。詳しくはこちらをごらん下さい。http://homepage2.nifty.com/fc-wakakusa/natureguide-top.htm

英語によるガイドツアー

    シンガポール植物園(Singapore Botanic Gardens) や
    シンガポールのあちこちに残された自然保護区では
    熱帯の自然への理解を深めてもらうために、シンガポール人や
    外国からの旅行者のためにガイドツアーが定期的に行われています。
    
    日本語のツアーと違い、場所も多彩で、英語が多少わかる方なら
    旅行日程に合っているツアーを探して参加してみるのも楽しいと思います。    
    
    ツアー出発時間や集合場所、予約の必要の有無など、ツアーによって
    違いますので、確認して出かけてください。
         予約が必要なものは電話番号が書いてあります。日本から電話する場合は
    国番号(65)を頭に付けて電話をしてください。
    
    多少の雨なら決行ですが、熱帯特有の豪雨の場合は取りやめに
    なる場合もあります。

  ●毎週土曜日 「スンガイ・ブロー湿地保護区」
     
     2種類のガイドツアーがあります。
     集合場所はどちらも スンガイ・ブロー湿地保護区のビジターセンター。
     ガイド料金は無料ですが、
     土曜日なので入場料1ドル(大人)0.5ドル(小人)が必要です。
     予約は必要ありませんが20名限定だそうなので、
     ギリギリに行かないほうがいいかも。

     ○「ボードウォーク」ガイドツアー
       出発時間 1日3回
         (下記4つの出発時間のうち、マリンフィッシュガイドツアー以外の時間)
             A.M.9:00~、A.M.10:00~  P.M.3:00~、 P.M.4:00~           
       所要時間 約1時間

     ○「マリンフィッシュ」ガイドツアー
         所要時間 約30分

         出発時間  週によって違います。下記のアドレスで確認してください。

          http://www.sbwr.org.sg/events/guidedtours/

  ●第1土曜日 「ロアーピアス自然保護区トレイル」 
     
     ○出発時間 1日2回 A.M.9:30~ 、A.M.10:30~
       集合場所 カシュアリーナエントランス (オールドアッパートムソンロード)
       所要時間 約1時間
       定員制で予約が必要です。TEL:6554-5127 ( Chua Yen Kheng )
 
  ●第1日曜日 「ブキティマ自然保護区」 
     
     ○出発時間 P.M.4:00~ 
       集合場所 ブキティマ自然保護区のビジターセンター
       所要時間 約1時間
       定員制で予約が必要です。TEL:6554-5127 ( Chua Yen Kheng )
       
  ●第2土曜日 シンガポール植物園 「レインフォレストエリア」
     
     ○出発時間 1日4回 A.M.9:00~、A.M.10:00~、A.M.11:00~、P.M.4:00~
       集合場所 シンガポール植物園ビジターセンター
                (日本語ガイドと同じ場所です。
                 受付で英語か中国語か希望を聞かれます)
       所要時間 約1時間~1時間30分
               予約は必要ありません。出発時間の15分前までにお集まりください。

  ●第2日曜日 「マクリッチ自然保護区 プルヌストレイル」

     ○出発時間 1日2回 A.M.9:30~ 、A.M.10:30~
       集合場所 マクリッチ自然保護区プルヌストレイル入り口
       所要時間 約1時間
       定員制で予約が必要です。TEL:6554-5127 ( Chua Yen Kheng )

  ●第3土曜日 シンガポール植物園 「国立ラン園 National Orchid Garden」
     
     ○出発時間 1日4回 A.M.9:00~、A.M.10:00~、A.M.11:00~、P.M.4:00~
       集合場所 シンガポール植物園ビジターセンター
                (日本語ガイドと同じ場所です。)
      所要時間 約1時間~1時間30分
      予約は必要ありません。出発時間の15分前までにお集まりください。
      ガイド料金は必要ありませんが、国立ラン園の入場料5ドル(大人)が必要です。
       (シルバー料金、小人料金もあり)

  ●第4土曜日 「ウビン島 センソリートレイル」
 
     ○出発時間 1日2回 A.M.9:30~ 、A.M.10:30~
       集合場所 ウビン島インフォメーションキオスク
       所要時間 約1時間
       予約は必要ありません。
       問合せ先 TEL:6542-4108 (Information Kiosk )

  ●毎月最終の土曜日(8月はありません)「フォートカニングパーク」 
     
     ○出発時間 P.M.4:00~ 
       集合場所 フォートカニングパーク コックステラス
       所要時間 約1時間
       予約は必要ありません。問合せ先 TEL:6332-1302( Lili )

「無料」ガーデンコンサート
    
    常夏の国シンガポールでは、夕方からのガーデンコンサートが定期的に
    行われています。基本的に無料ですので、ビニールシートと
    ワインと軽食を持ってお出かけになってはいかがですか?

    下記のページで調べてみてください。

      http://www.nparks.gov.sg/calendar/cal-cal_of_eve.shtml

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2006年5月30日 (火)

スパティフィラムの花

Spathiphyllum cv.

Spathiphyllum_cv4s街路樹の下や公園によく植えられているスパティフラム。熱帯の島、シンガポールでは日本で言うところの観葉植物は屋外の植物達なので、街路樹の下ばえとしてよく出会うことができます。

スパティフラムを含むサトイモの仲間たちはツルやシュラブの形で本当によく見かけるのだけど、TOMはこのサトイモ科の植物に特徴的なお花…仏炎苞を持った肉穂花序…のことがよくわからないでいました。

この中に見えるものがたくさんのお花が集まったものだということは理解できるのですが、じゃあ、オシベとメシベはどうなってるの?1つ1つの花はいったいどんなんだろう?と思い、肉穂花序の植物を見かけるたびにじーーーっと探していたのですが、毎回、敗北。(わからんということ)

Spathiphyllum_cv5s

そんなわけで道路っぱたにあったスパティフラムを今回も懲りずに観察してみました。

咲き始めは白い苞に包まれています。多分この状態ではどんなお花にしても咲いていない状態だよね。パチッ!

拡大してみます。あれ?

Spathiphyllum_cv6s

ブツブツの1つ1つの元部分に花びらみたいなのがついてる。もしかしてコレは花びらやガクの痕跡?単子葉植物の例に漏れず、もしかして内側3枚外側3枚の構成になっているのかしら?写真だけではよくわかりませんが…。もしコレが花びらなどの痕跡なら、このブツブツはメシベに当たるものかも…?。

Spathiphyllum_cv8s_1

別の新しめのお花を撮ってみました。拡大…。もしこれがメシベならブツブツの先っぽにメシベの柱頭らしきものが見えるはず…。ありましたぁ!よくわからないけど、メシベの柱頭に見えませんか?コレ。

ちょっと黒づんだ別のお花も撮影。拡大…。メシベと思ったブツブツの脇から「おおお!オシベが出ています!!」。 びーっくり!

もし最初に見た花びらやガクの痕跡らしきものが、本当に花びらやガクなら、このブツブツの1つ1つはメシベ、オシベ、花びら、ガクと上から順番についている普通のお花と同じ構造になります。えー?、全然知らなかったし、気がつかなかったよー。スゴイスゴイ。

Spathiphyllum_cv3s

Spathiphyllum_cv1s今までも肉穂花序の別の種類の花を何度も写真に撮って来たけど、ハエとかの虫はちゃんと来ていて、盛んに花の上をはいずっているのに、花がどうしても見つけられないということがありました。多分、同じことが起きてるのだけど、TOMの目には小さすぎて見えなかったのでしょう。次からはオシベとメシベが時期をずらして別々にでてるんだ…と思いながら観察をしたいと思います。

どなたか、「オマエの観察と想像、間違ってるよー」って真相を知っている方はどうぞお知らせください。

メシベとオシベをつけて受粉を完了したサトイモのお花は、人知れず花の生涯を終えて、実を結ぶ段階に入っていきます。

この段階になると仏炎苞は虫を呼び寄せる人寄せパンダの役割を終えて、白い輝きをなくしていきます。緑に変わったこの様子を見ると、仏炎苞も葉から出来ていたんだなあということがよくわかりますねー。

この子よりずっと花がわかりにくいスパティフラムちゃんはコチラ。

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2006年5月29日 (月)

イチジク

熱帯植物を語るのに絶対に欠かすことができないのがイチジク。

20040913_009s

イチジク? 食べるアレですかーー??

って思うでしょ。そうです。あのイチジクのお仲間が熱帯ではとーっても重要な植物なんです。

ベンジャミンが生まれ故郷の熱帯ではすっごーーーーく大きい木でビックリしたという話を先日紹介したんですが、ベンジャミンもイチジクの仲間。そのほかにもイチジクの仲間はいっぱいあって、クワ科イチジク属には700種もの仲間がいるそうです。

20040525_089s

日本でお馴染みなのは、ベンジャミン ( Ficus benjamina )をはじめ、食べる「イチジク ( Ficus carica ) 」、「ゴムノキ ( Ficus elastica ) 」と呼ばれている観葉植物、紀伊半島や四国南部で見られる「アコウ( Ficus superba var. japonica ) 」や沖縄を連想させる「ガジュマル  ( Ficus microcarpa ) 」なんかもみーんなイチジクの仲間。ついでに言うなら「オオイタビカズラ」の名でも知られていて、ガーデニングの寄せ植え材料としてよく使われる「フィカスプミラ ( Ficus pumila ) 」もフィカスの文字通り、イチジクの仲間です。

2003104_174s

皆さんが知っているだけでもけっこういっぱいあるってわかったでしょ?

漢字で「無花果」と書いて「イチジク」と読むのはご存知だと思いますが、(TOMは知らなかった…)イチジクは私達が想像するようなきれいなお花は咲かせません。だから「無花果」。でも実はなる…。いったいどこにお花が咲いているんでしょ?

不思議に思ったことはありませんか?

じつは実みたいに見えるモノのにびっしりいているのがイチジクのお花の1つ1つ。写真は落ちたものなので、もうタネになっているものもあるのでしょうが、ちょっと前までここにお花がさいていました。…って言えばわかるかな? イチジクっていうのはたくさんのお花が集まって咲いている「お花のまとまり」でもあったんです。こういうタイプのお花のことを「イチジク状花」とか「(いんとうか)」と言います。

こういうタイプのお花と実をつける仲間がクワ科のイチジク属でいーーーーぱいあるわけ。

熱帯植物を語るのに欠かせない…と最初に書いたんですが、イチジクはとっても面白い特徴をいくつか持っています。1つは「幹生花・幹生果」と呼ばれる花や実をつけること。「絞め殺し植物」と呼ばれる性質を持つ仲間がいること。「イチジクコバチ」との共進化。これらは1つ1つの説明が長くなってしまうので、今日はすっごく大切なことだけお伝えします。

イチジクがないと、森の動物達は生き残っていけないんですぅーーー!!!

シンガポール周辺の東南アジアの森の動物(昆虫、鳥、哺乳類ージャコウネコやサル、リス、クマなど)たちは、イチジクを餌にしていて、餌のほとんどがイチジクってこともあるそうです。オランウータンの食べる果物の4分の1がイチジクということもあるそう。

熱帯の植物達は気まぐれなので、温帯の植物たちのように、1年に1度決まった季節に花を咲かせ、実をみのらせません。木によっては数年に1度、10年に1度、数十年に1度しか実を結ばないものもあります。そういった気まぐれな植物達の実を待っていては、森の動物達は飢え死にしてしまいます。彼らを食いつながせてやっているのが、「イチジク」たち。イチジクは色々な種類のものがいつも森のどこかで実をみのらせ、動物達が食べて、種を遠くまで運んでくれるのを待っています。

でもシンガポールは都会だからイチジクなんてあんまりないんでしょ? って思う?

いえいえ、バスに乗っている時も、公園を散歩している時も、森の中を歩いている時も、歩けばすぐにイチジクにあたります。

子ども達は動物が大好き!いえいえ大人もですよね。ガイドをしているときも動物が出てきたら、説明は取りやめ。みんなが満足するまでゆっくりと動物を観察します。そんな動物達の命をささえてくれているのがイチジクちゃんたち。感謝、感謝!!

下の写真は「コモンレッドスティムフィグ ( Ficus variegata )」。こんな風に幹にボコボコ直接実をつけます。日本では遭遇したことがない代物で最初はびーっくり。でも面白いでしょ?!!

これからイチジクちゃん、どんどんご紹介していきますね!

S

資料:「熱帯多雨林の植物誌」P32~

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2006年5月28日 (日)

ウォルフのツル

Petraeovitex wolfei

Petraeovitex_wolfeis5

去年あたりかな。シンガポール植物園のバンドスタンドからプラントハウスと呼ばれる古い植物園のたたづまいを残しているエリアに下りる階段にアーチがついて、見慣れない植物が絡ませられました。

どんなんだろうと思っていたら、最近になってだいぶ茂ってきて、いい感じのお花を咲かせましたよ。

Petraeovitex_wolfeis1

写真があまりよくないのでイメージが伝わらないかもしれませんが、熱帯のキングサリって感じ。

イングリッシュガーデンのキングサリにあこがれる人は多いと思うけど、これはキングサリに勝るとも劣らぬ優美さを持っている植物とTOMは断言します。

藤のように天井全体に垂れる感じではまだありませんが、1本1本が長くて、優雅な感じが本当にキレイ

もしこのブログを日本の熱帯植物園の人が見る機会があれば、この植物の導入をオススメしまーーす!来園者がきっと「わぁーっ」て言うと思います。

Petraeovitex_wolfeis2

上の写真で見える、ぶら下がっている花序を撮ったものです。黄色の花のように見えますが、じつはこれは花の(ほう)。包の中にクリームホワイトの本当の花が咲きます。

黄色のはいつまでも色が変わらず、虫を誘います。花は…というとあんまりたくさん見つかりません。黄色の量に対して、よーく探さないと見つからないくらい。うっかりすると、黄色の苞の方を花と勘違いしてしまいそうです。

シンガポール植物園には最近に再導入された植物なのだそうです。前に導入されて記録に残っているのは1956年とのことですから、50年も前の話。ちゃんと記録が残っているところがスゴイ。

50年前に導入したのは植物園のアシスタントキュレーターのJ.W.Ewart氏。彼は、1939年にEric.D.B.Wolfe(マラヤ連邦のメディカルサービスの副長官)からこの植物を手に入れました。この植物の名前にもなっている人物です。ウォルフズバインは最初マレー半島のケダ州とトレンガヌ州で発見されました(1938年)。

E.D.B.Wolfeアマチュアのプラントハンターでもありました。1903年生まれで医学を学び、オランダ東洋航路の船医を経た後に、マレーにやってきて、ここで結婚、家を建てました。植物になみなみならない興味があった彼は、今回紹介したウォルフズバインやバウヒニアなどの希少な植物の標本を標本室に進呈したそうです。ランは特に彼を魅了しましたが、残念ながら、彼が初めて紹介した様々なランたちは、今では生き残っていません。(ガーデンワイズの記事を超要約)プラントハンターは名前も知られていない人たちがたくさんいたという話は読んだことがありますが、こんな人もいたんですねー。

話を元に戻して…。

最近になって植物園に戻ってきたウォルフズバインは、2002年にタイの民間のコレクターから購入したものなのだそうで、どうりで…今まで全然目にしたことがなかったわけです。

Petraeovitex_wolfeis3

花序が出てきている所かな。これも黄色です。 下の写真が本当のお花です。

クマツヅラ科 Verbenaceae (キク亜綱 シソ目)

原産地:マレー半島

Common name: Wolfe's Vine. ウォルフズバイン

Petraeovitex_wolfeis4

資料:「Gardenwise Vol.25 July 2005 」P17~18

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2006年5月26日 (金)

カシューナッツ

Anacardium occidentale

これなーんだ?すぐにわかる人はけっこう通かも…(笑)

Anacardium_occidentale13s

オレンジ色の実の下についている緑色の勾玉を見てください。ピンと来たかな?

カシューナッツの実です。

ナッツのたぐいって食べることは多いんだけど、それがどんな風に木になっているか、けっこう知らないよね!カシューナッツはこんな風に木になるものだったんです!!TOMは初めて見たとき興奮しましたよー。おおー、本当にカシューナッツの形をしているよー!こんな実1つから、1つしか収獲できないんだーー!!

ナッツの上の部分のオレンジ色の部分は「カシューアップル」と呼びます。リンゴのようなよい香りがして鳥が好んで食べるそうです。人間も食べると聞いたので、一度は食べてみたいと思っているのだけど、まだ経験はありません。

Anacardium_occidentale1s2

左と下が花の写真。かわいいねー。

下の写真の指と比べると小さな花というのがわかると思います。

Anacardium_occidentale6s

葉はこんなふう。まるっこくて、葉脈が目立ちます。長さは15~20cmくらいでしょうか。

低木で高さは12~15mくらいです。

Anacardium_occidentale2s

花が終わると実がなります。最初は下の写真のようで、だんだん、上の部分が膨らんで色づいてきます。オレンジでまるで実に見える部分は、じつは実ではなくて、花の根元の花梗部分が膨らんでまるで実のようになる、うそっぱちの実、偽果。(タネを含まないけど偽果と呼んでいいのか??) 本当の実は下の部分で、殻の中の仁の部分を炒って食べるそうです。人から聞いた話だと、そのままでは毒があって食べられないので、何らかの加工が必要だそうです。(どの程度の毒なのか、また、本当かどうかは知りません)

殻からは油分(Cardol, Anacardic acid )が取れ、塗料や工業原料として用いられ、樹皮は黄色の染料にするそうです。あちこちをそれぞれ民間薬に使い、家具にしたり、木炭にするとか…。うーーん、なんて役に立つ木なんでしょ。熱帯に住んでいたら、一家に1本の木かな??

Anacardium_occidentale7s

ウルシ科 Anacardiaceae ( バラ亜綱 ムクロジ目  )

原産地:ブラジル

Common name: Cashew, Cashew-nut tree, Gandaria, カシューナッツツリー, カシュー

下の写真みたいに鈴なりになっている場所もありました。ちょっと不気味だけど、おもしろーい!

今回の写真は、ビンジャイパークとウビン島で撮ったもの。ラブラドールパークにも結構植えられているそうです。

資料:「熱帯植物要覧」P262

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Anacardium_occidentale8s

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2006年5月25日 (木)

オバケの足

Trevesia burckii

 シンガポール植物園のレインフォレストエリアにひっそりとある低木。よく見ると葉の形がとーっても個性的!!! 日本のヤツデの葉っぱをちょっと大きくしたくらいの大きさの葉です。(ヤツデとはご親戚で同じウコギ科で、草姿も似ています。) この面白い葉の形から、「ゴーストフット」とかちょっとロマンチックな「スノーフレークツリー」(雪の結晶に見える??)とか呼ばれています。マレーでは「トラの手」とか「アヒルの手」「サイの手」などという意味で呼ばれているそうです。幹はトゲだらけで、これまた個性的。

Trevesia_burckii1s

ウコギ科 Araliaceae ( バラ亜綱 セリ目 )

原産地: マレー半島 スマトラ島 ボルネオ島

Common name : Ghost's Foot , ゴーストフット Snowflake Tree, スノーフレークツリー、Daun Tapak Badak , Mati Sedangor(Sedangor's death) 、トレベシア

ゴーストフットという名前は、マレーの昔話から来ているそうです。ある村人(Orang Sedangor )が戦いに負けて森に逃げ込んだ時に、この葉を食べたら姿が消えてしまったとか…。

常緑の森の下に生える低木で、とっても丈夫。お日様さんさんから、暗い環境まで広い範囲の環境に耐えるのでインドアプラントとしても優秀だとサイトには書いてありました。インドネシアではこのお仲間のT.sundaicaを生のまま野菜としてご飯と一緒に食べるそうです。

「Singapore Botanic Gardens シンガポール日本人会 自然友の会」P200

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2006年5月24日 (水)

甘さを呼び込むクルクリゴ

Curculigo latifolia

ギンバイザサ科 Hypoxidaceae ( 単子葉 ユリ目 ) by 新エングラー

原産地 : 熱帯アジア

Common name: クルクリゴ、ヒルココナッツ

Rimg0013s シンガポール植物園のバンドスタンドからレインフォレストエリアに入ろうとすると、右側にマレーターミナリアが立っています。植物園で一番背の高い木なんだそうです。ヘリティジツリーに指定されています。

左の写真で真ん中に見えるひときわ背の高い木がマレーターミナリア。今日の主役はこの木の下に植えられているクルクリゴちゃんです。

場所までちゃんと書いたのは、ぜひぜひ現地で確かめてみて欲しいから。全体の草姿は写真の通り。何の変哲も無いグランドカバーです。高さは60cm~1mくらい。見つけたら、ぜひぜひ葉をめくって株の付け根のところを探してみてください。

Curculigo_latifolias3

いつもではないけど、こーんな黄色の小さなお花が咲いています。1.5~2cmくらい。

Curculigo_latifolias1 Curculigo_latifolias2

お花が終わると白い実がなるそうです。私は黄色の花ばかりに目を向けているせいか、実の写真を撮った事はありません。

この植物の面白いところは、普通なら植物の葉の上とか虫に目に付きやすい場所に花を咲かせるのに、こんな目立たない地面すれすれのところで花が咲いていること…だけではありません。じつは実(み)がとーっても面白いので有名だったりします。

何が面白いかと言うと、この実自体がそもそも甘いのですが、この実を食べてからしばらくの間はどんなものを食べても甘く感じるのだそうです。砂糖なしの紅茶も甘く感じたり、レモンもオレンジのように感じるとのこと。苦いコーヒーも砂糖入りに変身するのだろうか?

食べ物を甘くすると言うと「ミラクルフルーツ」という植物が有名ですが、クルクリゴはミラクルフルーツとは違うものです。ミラクルフルーツは西アフリカ原産でSynsepalum dulcificumという植物なんだって。

クルクリゴは「クルクリン」というタンパク質を含んでいて、これが舌に何らかの作用を及ぼして、食べたものを甘く感じさせるのだとか…。クルクリンは、「食べ物の味自体は変えないで、その物質が舌に何らかのイタズラをして、一時的に味覚を変化させる物質、味覚修飾物質(taste-modifier)」の一種です。

何のためにこんな不思議な性質をこの植物は持っているのでしょうか?サルとかがこの甘さが大好きで好んで食べたりするのでしょうか?誰がこの実を食べて、種を運んでいるのか?、とーっても興味があります。知っている人がいたら教えてくださーい!

植物園だけではなくて、ブキティマのビジターセンターとかでも見かけます。葉ざわりがつるつるしたものと、毛が生えていて、ちょっとモコモコした感じのものと2種類があるみたい。同じものなのか?全く別のものなのか全然わかりません。どっちの実も「甘い」のかなあ?

資料:「Illustrated Guide to Tropical Plants」P908

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2006年5月23日 (火)

黄色のマッシュルーム

ここのところ古い写真を整理中。何を撮ったか全くわからないものやら、写ってはいるけれど、何の植物かわからないものやら、いっぱい。ガラクタの山ですが、楽しんでます。

2002年10月にセントーサのドラゴントレイルで撮った写真の中にあったものです。黄色のマッシュルームみたい。近くに割れたのがありました。

Kinoko2

Kinoko1s_1

例によってなんだかわからないけどUP。何か情報があればお教えください。

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2006年5月22日 (月)

マンゴスチンの赤ちゃん

Garcinia mangostana

Garcinia_mangostana4

マンゴスチンと 言えば果物の女王と言われていますね。左の写真のような果物を見かけたことがある方も多いのではないかと思います。

包丁で皮に切れ目を入れて、上の部分を取って白い部分を食べます。とっても甘酸っぱくて美味しいです。

Garcinia_mangostana3s

さて。お花の写真があったかな?と思って探してみましたが、見つかりませんでした。代わりに見つかったのは赤ちゃんの実。

かわいいでしょーーーー!!!!

Garcinia_mangostana5s

20050502_065

ガクの部分が残って、実についているのがよくわかるよね。メシベの柱頭だったところは、お花模様のデベソみたいでなんとも…。

高さが6~10mの小高木。雌雄異株で、雌株だけで結実します。雄の木は見つかってないとかいう話も聞いたことがありますが、本当かしら?

オトギリソウ科 Guttiferae ( ビワモドキ亜綱 ツバキ目 )

原産地:マラヤ

Common name: Mangosteen, マンゴスチン

資料「熱帯植物要覧」P124

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2006年5月20日 (土)

黄色の花のバナナ

Musella lasiocarpa

banana-1s

バナナの花は普通、遠くから見ると赤く見えます。(左の写真。コレは今日のタイトルのお花ではありません

本当の花は黄色なんですけど、花を包む包(ほう)の部分が赤色をしていて、遠くから見ると「赤色」って感じなのです。

でも。シンガポール植物園のジンジャーガーデンはバナナを含む「ショウガ目」の植物をコレクションしてあるエリアなんですが、先日ガイドをして歩いていたら、黄色の包のバナナを発見。「何だ?これ?」ガイド中はカメラを出すのはぐぐぐっと我慢。後から戻って写真を撮ってきました。Musella_lasiocarpa2s

でも名前がわからなーい!って思ってたら、chisakaさんが教えてくれました。ありがとー!

学名がわかったので早速検索。おおー、出るわ出るわ。日本の熱帯植物園にも出回ってるくらいだから、今が流行の花なのねー。普段、ちっともヒットしなくてぐっすんしていることが多いので、ウハウハのTOM。中でも一番面白かったのはコチラでした。

下の写真は雄花の写真。

Musella_lasiocarpa3s Musella_lasiocarpa1s 

ここや、あちらこちらのサイトでいただいた情報を簡単に…

ムセラは雲南省の南西部に特有の植物で、冬場はとーっても寒くて凍ってしまいそうな標高2500mまでの高い山で育つものなんだそうです。かつては地元の仏教徒にとって神聖な花のひとつだったんですが、気候が厳しい時期の食料として人や家畜に食べられて、今ではとーっても少なくなってしまいました。でも、このサイトの会社だかなんだかが、ミャンマーとの国境に近い仏教の僧院の庭で標本を見つけ、これを繁殖するのに成功し、販売することができるようになった…みたいなことが書いてありました。

Musella_lasiocarpa4sTOMは勝手に「バナナだー」と言っていましたが、学名が「Musella」で、バナナの「Musa」と違います。でも近いよね、どう見ても…って思っていたら、昔は「Musa lasiocarpa」とされていたんだけど、最近、1属1種で「Musella属」とあらためて分類されたんだそうです。やっぱ、バナナに近いじゃん。

花を見たときに「絶対バナナの仲間だー」って思ったので、雌花が咲いていたはずのところに実があるかも…と思ってめくってみました。

ありましたよー。小さな平べったいバナナの赤ちゃん。かわいいでしょー?「食料にされて少なくなってしまった」…なんて書いてあったから、これは熟れたら食べられるの?うーん、どうなんだろう?

2500mもの高地に育つものなので、寒さには強いようです。日本でも育つバショウの木は熱帯中心のバナナの仲間の中でも一番寒さに耐えるものなんだけど、おんなじくらい「寒さに強くてすごいぞー」ってありました。

原産地ではせいぜい30~60cmの高さにしか育たないようですが、「ヨーロッパの温室で栄養たっぷりで育てたら2mにもなったよ」という報告もありました。シンガポール植物園のはせいぜい1mってところでしょうか?

英名のゴールデンロータスの名前は、つぼみの時の花の形がハスの花に似ているからなんだそうです。和名のウンナンチユウキンレン(雲南地湧金蓮)は、意味を考えるとスゴイ名ですねー。「地面から湧き出る金色の蓮」ですかー。

日本のあちこちのサイトには300日も咲き続けると書いてあります。でもコチラのページには「最初の花から6ヶ月経ったときに実ができた。(写真もアリ。注目!)でも花はそれから6ヶ月も続けて咲き続けた。多分、一番長く花が咲き続ける植物だろう。」なんて書いてありました。300日じゃなくて365日、1年じゃん。…つまらない突っ込みでゴメンなさい。

私達には全くなじみがない花ですが、仏教の神聖な花として親しまれてきたために、仏教寺院にはこの花をかたどった飾りが作られていたりするそうです。

バショウ科 Musaceae (単子葉 ショウガ亜綱 ショウガ目)

原産地:中国雲南省南西部 

Common name: Golden Lotus, Chinese Yellow Banana, Dwarf Banana 、ムセラ・ラシオカルパ、 チャイニーズイエローバナナ、  ウンナンチユウキンレン(雲南地湧金蓮)

関連記事

バナナのお花の写真 

ピンクの包のバナナ

バナナの花の咲き方

バナナがバナナになるまで

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2006年5月19日 (金)

こちらも見てね

以前UPした記事ですが、寄せていただいたコメントを追加して内容のバージョンアップしました。以下のページも合わせてご覧下さいね。謎が解けてすっきり…のTOMです。

厚化粧のイゼベル

鳥の巣キノコ

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チャンギのヘリティジツリー探検ツアー

1

最近「チャンギのヘリティジツリー(Heritage Trees of Changi)」なーんてパンフレットを、シンガポール公園局が発行しました。シンガポール植物園のビジターセンターなどでGETできます。

チャンギっていうのは、チャンギ空港のあるチャンギ。このあたりは散策するのにはけっこう面白い一帯で、これまでも何かにつけてお散歩していた場所。せっかくこんな便利なものを作ってくれたんなら、「これを見ながらヘリティジツリーを見に行こう!」ってことで出かけました。

ヘリティジツリー(Heritage Tree)というのはシンガポール公園局が指定した歴史的価値のある保存樹木のことなのだそうで、日本で言うなら「天然記念樹」みたいなものかな? 大きくて立派な木が指定されていることが多いので、何て言っても見ごたえがあるのです。

現在(2006年5月)は163本のヘリティジツリーが指定されているそうで、シンガポール植物園やフォートカニングパークではたくさんのヘリティジツリーを見ることができます。

Photo_1

何枚かお散歩途中に撮った風景写真を…。

この何枚か見ただけで、なんか都会のシンガポールとは違うなあって思うでしょ。

2 なーんとなくのんびりした雰囲気があって、おしゃれなわけじゃないけど、住んでみたいなあ、暮らしてみたいなあって思うような場所です。

緑もいっぱいです。3

どこかの家の裏庭。

並べられた鉢植えと物干しにほのぼのとした気持ちになりましたよ。ふっふっふー。

.

.

話を元に戻します。

2s

パンフは簡単な地図にヘリティジツリーの位置が落としてあり、その植物の簡単な説明が記されています。写真もあるので、写真を頼りに探すこともできます。実際に行ってみたら、ヘリテイジツリーの前にはちゃんと看板が立ててあったので、思っていたよりも見つけやすかったです。(ただ、写真は一部違っているんじゃないかなー?って思うものもあり。)

このパンフに記載されている18本のうちの1本(NO.12)が、昨日紹介したタンピネスツリーでした。タンピネスツリーと言えば高さが10mそこそこのものしか見たことが無かったので、「おおーーー!」ってビックリしましたよ。多分30mくらいはあったと思います。もっと…かも?ごらんあれ。

Photo

タンピネスツリー:Streblus elongatus  クワ科 Moraceae (マンサク亜綱 イラクサ目)

昨日紹介したタンピネスツリー

タンピネスツリーの前の記事

こんなシンガポール散策もたまにはどうぞ!だいたいゆっくり歩いて写真をいっぱい撮っても2時間って所だと思います。

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2006年5月18日 (木)

タンピネスツリー

Streblus elongatus

タンピネスと言えば木の名前…と知っているシンガポール在住日本人は少ないでしょうねぇ。コチラではお馴染みの町や道路の名前、「タンピネス」は実は木の名前だったのです

とは言ってもこれと言ってお花がきれいなわけではありません。お花は下の写真みたいなの。えー、これがお花?違反でしょ?って言われそう…。でもよく見るとけっこう面白いんですよ。

白い10cmくらいの房がぶら下がっていて、これがお花の塊です。

Streblus_elongatus11s

Streblus_elongatus8s丸い円柱のような形をしているかと思いきや、よく見ると平たいのがくるんと丸まった格好になってます。左の写真でわかるかな?

Streblus_elongatus6sこれは雄花と雌花の集まったもので、雌花はこの房1本につき、1~3個しか着いていないんだって。真ん中よりちょっと左に見える丸いのが雌花のあったところで、周囲の粒々がみんな雄花。面白いねー。

Streblus_elongatus13sだんだんこの雌花の子房が育ってこんな感じの実を見ることができます。

この実は甘くて小さな動物達が食べ、熟した時には種子がはじけて飛ぶそうです。普段、私達が見るのはせいぜい下の写真のような実なので、どんな風にはじけるのかまた、気を付けていたいなぁって思ってます。 Streblus_elongatus14s  

Streblus_elongatus1s

木の形はこんな風。シンガポール植物園で撮ったものです。

資料には、「普通は12mくらいになる木ですが、ジャングルの中では30mくらいになります」とありました。公園とかで見るのはせいぜい10mくらいなので、30mもの大木は見たことがないなあと思っていたら、見つけました。これについてはまた明日。

シンガポールが原産地ですが、建材として色々に使われて、自然のものは減ってしまったとブキティマの説明版には書いてありました。

  Streblus_elongatus4s

クワ科 Moraceae (マンサク亜綱 イラクサ目)

原産地:マレー半島、スマトラ、ボルネオ

Common name: Tempinis , タンピネス

資料 「Singapore Botanic Gardens シンガポール日本人会 自然友の会」P201

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2006年5月17日 (水)

厚化粧のイゼベル

Delias hyparete metarete

Tyou1s

5月の始めにシンガポール植物園を歩いていたら、きれいでかわいい蝶さんと遭遇。わーい、写真、写真。新しいカメラは手ぶれ補正機能がついているので、こういう被写体もけっこういい感じで撮れるようになったので、嬉しくてしょうがない。でも、見れる写真はこれ1枚だけでした。腕が悪いのねー。

この子のコモンネームは「Painted Jezebel」というのだそう。「Jezebel」ってなんだ?英和辞典によると①{聖書}イゼベル(イスラエル王Ahabの妻 ②(文)男を誘惑するふしだらな女 ③(遠まわしに)売春婦…とありました。さてどの意味で使われてるのでしょう? 確かに②や③が当てはまるくらい魅力的な子でしたよ。

大きさは前羽が35mm~40mm。森の中や市街地に住んでいるそうです。市街地で見られる一般的な蝶の1つだそうですが、森の中でも同様によく見られるとのこと。幼虫はヤドリギに群生して住むと本には書いてありました。

資料「A Guide to Common Butterflies of Sinagpore」P67

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イゼベルちゃんに松沢さんからコメントをいただきました。そのままコピペしますね。

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TOMさんのおっしゃるとおり、きれいなイゼベルちゃんですね。

 このチョウの和名は、ヒパレーテカザリシロチョウといいます。シロチョウ科カザリシロチョウ属の一種ですね。ベニモンシロチョウとも呼ばれます。
 カザリシロチョウの仲間は、翅の表側より、裏側のほうがきれいという特徴があります。普通は逆ですよね。この理由は解明されていないようです。

 イゼベルとは、『旧約聖書』の中の「列王記」に登場する女性です。紀元前九世紀頃の、古代イスラエル王国の王妃です。
 『聖書』では、ものすごい悪女という扱いです。王のアハブをそそのかして、『聖書』の神以外の神を崇めさせたり、無実の人を処刑させたりした、ことになっています。本当のところはわかりません。

 『聖書』の逸話により、西洋でJezebelといえば、悪女の代名詞となっています。中国の妲己【だっき】みたいなものですね。

 painted Jezebelという名は、西洋の感覚では、「厚化粧の悪女」といった意味になります。こうしてみると、ひどい名前ですねえ。

 でも、私のような非キリスト教徒にとっては、『聖書』のイメージは関係ありません。素直にチョウの美しさを鑑賞できます。
 信心が足りなくて良かったです(爆)

*********************************************

イゼベルという名はそんなイメージを持つ名前だったのですね。きれい過ぎて嫉妬されてこんな名前をつけられちゃったのかな?かわいそう…。 「Painted」の訳は最初にUPするときどうしようかすごく悩みました。「厚化粧」…すみません、タイトルにいただきます。

「翅の表側より、裏側のほうがきれいという特徴」は今まで気付いたこともありませんでした。言われてみればそうですねぇ。こんな羽をたたんだ状態で模様がきれいに見えるというのも、あんまりないことでした。気づかせてくださってありがとうございました!

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2006年5月16日 (火)

ルリダマの木

Sauropus androgynus

フォートカニングパークのスパイスガーデンに植えられている低木。なんたって実がかわいい!あまりの可愛さに拡大してしまったけど、本当は2cm足らずの小さな実。お花に到っては1cm。巨大な指と比べてみておくれ。

Sauropus_androgynus8s

Sauropus_androgynus2s Sauropus_androgynus7s 

トウダイグサ科 Euphorbiaceae (バラ亜綱 トウダイグサ目)

原産地:東南アジア

Common name: Sweet Leaf Bush、アマメシバ(天芽芝)、ルリダマノキ、スイートリーフブッシュ

「熱帯植物要覧」には葉を煮て食べたり、果物を砂糖漬けにして食べると書いてありました。根や葉は薬用に使うそうです。

ただし、最近ではダイエットによいとされて健康食品として出回り、摂取しすぎた人(女性たち)が肺に障害が出て問題になっているとのことなので、安易に取るのはよくないようです。こちらをご覧あれ。

今まで気がつかなかったけど、シンガポール植物園のスイレンの池のほとりにもひっそりと植えられていました。シンガポール在住者はデビルズコットンのお隣の小さな木に次の機会には注目してみてね。

「1001 Garden Plants in Singapore」P206

「熱帯植物要覧」P228

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2006年5月13日 (土)

インスタントコーヒーの木

Coffea canephora synonym  Coffea robusta

アカネ科 Rubiaceae (キク亜綱 アカネ目)

原産地: 熱帯西アフリカ

Common name: Congo Coffee-Tree, Robusta Coffee, コンゴコーヒー、ロバスタコーヒー

私達がよく飲むインスタントコーヒーの原料になっているのが、このロバスタコーヒーの豆なんだそうです。

フォートカニングパークにはスパイスガーデンがあり、その一角にロバスタコーヒーの木は植えられています。

低木で枝が長く伸びて葉の元に花が咲き、実がなります。下の写真は葉と花。葉は20cmくらいの長さになるかな。大きめです。花は長さが3cmくらい。

Coffea_canephora5s

Coffea_canephora6sCoffea_canephora1s_1

  Coffea_canephora2s   

上の写真は実。1.5cmくらい。この中に2つのタネが向かいあわせで入っていて、これがコーヒー豆。

もともとコーヒーはアラビカ種が飲まれていて、東南アジアでも大々的にプランテーションされていたそうですが、あるときに病気が出て大打撃! アラビカ種は冷涼な環境が好きなので、高温多湿の東南アジアには合わなかったのです。その代わりに栽培されるようになったのがロバスタ種。アフリカのコンゴの熱帯雨林で発見されたロバスタちゃんは、「高温多湿もオッケー!」で、東南アジアで広く栽培されるようになったんだそうです。

品質はアラビカ種に劣るんだけど、香りは良いので、現在はインスタントコーヒーの原料はこちらのロバスタちゃんが使われているんだそうです。

資料:「1001 Garden Plants in Singapore」P338

    「熱帯植物要覧」P420

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2006年5月12日 (金)

ベンジャミン

Ficus benjamina

Ficus_benjamina1s

ベンジャミンと言えば、日本でも観葉植物としてとってもおなじみの植物。

でもTOMは日本にいたときは熱帯植物は全く興味がなかったし、家庭園芸の中に入り込んでしまっている観葉植物やランなども「加温」しなければ普通に育たない植物という認識が強く、面倒で、はっきり言って大嫌いでした。ベンジャミンも「すぐ枯らしちゃうのよー」なんておっしゃるお客様が多くて、「ああ、もうなんて手間のかかる奴…」なんて印象しかなかったのです。

シンガポールへ来て2ヶ月目。ようやく暑いこの空気に慣れた頃、連れて行かれたのが家の近所のこのフォートカニングパークでした。この大きな木がベンジャミンだと教えてもらったときの衝撃は忘れられません。

「申し訳ありませんーーー!ベンジャミン様ーーー!」って感じでした。

本来こんなに大きくなる植物を、無理やり人間の都合のよいように家の中で育てて、「うまく育たない~」なんて不満をもっていた自分の不遜さを、深く深ーく反省。無理やり生まれ故郷から連れて来たのだから、もっと理解して心地よいように育ててやらなきゃならなかったのねー…と。右の下に人がいるでしょ。比べてみてください。

ベンジャミンはクワ科イチジク属の高木で、原産地はインド。イチジク属の仲間は熱帯亜熱帯にいっぱいあって「絞め殺しの木」なんて嬉しくない名前で呼ばれているんだけど、この話はまた次の機会に…。

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2006年5月11日 (木)

インスタントラーメンのつぼみ

Combretum constrictum

シンガポール植物園のスワンレイクの周りの整備がちゃくちゃくと進んでいます。その中に植えられたのがこれ。資料が全然見つからないので、これもサイトで調べたけど、正直自信がないです。詳しいことをちゃんと知りたい方は、学名で検索してご自身で調べられる方がいいと思います。ごめん。 

 Combretum_constrictum5s

花がちゃんと咲くとこんな風です。花びらではなくオシベの花糸が濃いオレンジで人目を惹きます。花序全体の大きさは咲ききったところで直径7cmくらい、長さ7cmくらいってところでしょうか?遠目で見るとブラシの木の花に似ていますが、近くに寄れば全然違うとわかります。1つ1つの花は直径1cmちょっと。花糸の長さは5cm暗いかな? 

株の大きさは今の段階で1.5mくらい。おそらくそんなに大きくなるようなものではないと思います。

咲ききった花もまあ、きれいだけど、オシベがつぼみの中に納まっている状態がすっごいかわいい。写真のようにくちゅくちゅっとまるまった状態で入っているの。で、それがまっすぐに伸びて上のような写真になります。このつぼみにオシベが納まっている様子がインスタントラーメンの麺のようなので、今日のタイトルは「インスタントラーメンのつぼみ」となりました。

Combretum_constrictum1s

Combretum_constrictum3s

つぼみと花の写真は上みたいな感じ。後日通りかかったら、下のような実ができていました。最終的にどんな風になるのかはわかりません。 Combretum_constrictum1s_1

シクンシ科 Combretaceae (バラ亜綱 フトモモ目)

原産地:アフリカ東海岸(モザンビーク、ケニヤ、タンザニアなど)

コンブレツム・コンストリクツムはアフリカの東海岸地域の国のマングローブの後方か、季節によって湿地になるような場所にもともと生育していたようです。果実の分散はおそらく水によって行われるだろうとサイトには書いてありました。だから上の写真の実は私は触っていないのですが、熟した時には軽くて、水に浮くのかもしれません。マングローブの後ろの方でこんな目立つ花が咲いていたら、さぞかし目立つでしょうねぇ。コモンネームも不明です。

同じシクンシ科で公園でよく見かけるドランケンセイラー(酔っ払いの船乗り )というお花があります。こちらもご覧あれ。でもお花は全然似ていないような気がする。どんな共通項があるのかまたじっくり観察してみようと思っています。

「1001 Garden Plants in Singapore」P93

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2006年5月10日 (水)

アンサナ開花!

Pterocarpus indicus

Pterocarpus_indicus5s

マメ科 Leguminosae

原産地:インド、東南アジア

Common name: Angsana, アンサナ、インドカリン

アンサナはオーチャードロードの高島屋側に植えられている街路樹で、大木で、茎が長く垂れて風に揺れている様子が印象的な木です。街路樹としてシンガポールの緑化キャンペーンがはじめられた頃、たくさん植えられました。

木は本当によく見るのですが、残念ながら花はなかなか見られません。1年に1回、1日で花が終わってしまうので、運良く見つけられないと写真が撮れないのです。

今までTOMは見つけてもカメラを持っていなかったり、見つけられなかったりで、花が咲いている様子を写真に収めることはできずにきました。

だから、5月8日にフォートカニングパークへ行こうと家を出たところで黄色の色を見つけた時は「やったー!」と思わず声をあげてしまいました。

待ちに待った花が咲いていたのです。よく見るとあっちでもこっちでも。アンサナの木が黄色に染まっています。「シャッターチャンス!」でも花は頭の上はるかで咲いていたので、こんな写真しか撮れませんでした。ごめんね。(おまけに今現在PCの不調で色を確認できず…)

Pterocarpus_indicus3s

Pterocarpus_indicus4s

Pterocarpus_indicus1s

Pterocarpus_indicus6s

とにかくUP!

左のはアンアサナの実(種)です。オーチャードロードを歩くといっぱい落ちていることがあります。

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モニター君不調

我が家のPCのモニター君が不調です。ちょっと前から調子が悪いなあと思っていたら緑1色になってしまいました。写真の色が全然わからず頭を抱えています。何日か前に、アンサナの花があちこちで咲いていて、初めて写真が撮れたのでいざアップ!って思ったら、黄色は全く判別つかず、悲しい!撮れているのかすら判別つかない状態です。新しいモニターの購入は…却下されるだろうなあ。ああ、憂鬱…。
ということで、見えない状態で、「感」でアップしていくことになると思うので、変な画像になっていたら、どうか教えて下さい。

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2006年5月 8日 (月)

シンガポールの自然の概要-1

Rimg0009sシンガポールは本来、熱帯雨林が生い茂っていたはずなのですが、今その姿が見られるのは島のごくごく一部にわずかに残された保護区でのみです。

その代りに政府主導で徹底した土地改革が行われ、「グリーン&クリーン」な都市のイメージを作り上げるべく、世界各地からあらゆる植物が導入され、政府の指導の元に植えられてきました。町中で見られる植物の実に8割が外来植物とのこと。このブログで取り上げている植物はみんなシンガポールの中で見た植物なんだけど、原産地がじつにバラバラだということに皆さんもすでにお気づきですよね!

今から200年くらい前の報告によると、この狭いシンガポールで当時観察された花の咲く植物は、約2000種類もあったとのこと。でも、開港してからの急速な全土の開発で多くの森の植物が消えていきました。2000種のうち約1割の約200種類はランで、その多くがマ ングローブの中の着生種でした。乾燥した環境に弱い着生ランは、森の開発と共にいち早く姿を消し、今自然で見られるランは地生種のランを中心としたほんの数種にとどまっています

残念!いったいどんな種類のランがあったんだろうねえ。タイムスリップしてみたいよー。(続く)

写真はシンガポール植物園のバンドスタンドと近くに植えられている国花「バンダ・ミスジョアキム」。ここでは1861年にはバンド演奏が行われて、イギリス人の紳士淑女の社交の場となっていたそうです。

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2006年5月 7日 (日)

ブランガン

Gmelina elliptica  Synonym: Gmelina villosa

Gmelina_elliptica4s

Gmelina_elliptica1s 

シンガポール植物園のバンドスタンド近くにランをポール仕立てにした場所があります。その後ろでひっそりと咲いているのがブランガンちゃん。

お花はそんなに大きくなくて長さが4cmくらいかなー。実も3cmくらいの小さな緑のがなってました。続けて観察すればもっと大きくなるのかな?よく見たらつぼみも可愛かったです。

Gmelina_elliptica_2s

クマツヅラ科 Verbenaceae  (キク亜綱 シソ目)

原産地:マレシア

Common name: Bulangan、グメリナ・エリプティカGmelina_elliptica_3s

「1001 Garden Plants in Singapore」P380

資料は全然見つからなくてわ名前だけがわかりました。

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2006年5月 6日 (土)

ンコバコバ(???)

Baikiaea insignis

Baikiaea_insignis4s

15~20cmもある大きな花です。マメの花とは一見しただけでは全然わかりません。

Baikiaea_insignis2s

高さは7~8mくらいかな。シンガポール植物園のスワンレイク近く、Tyersall Av.側のゲート近くにある木です。

遠目で見るとこんな素敵な花が咲いているなんてわかりません。

Baikiaea_insignis3s

Baikiaea_insignis1s

マメ科

Common name: Nkobakoba、Nkoba (Uganda)

原産地:熱帯アフリカ

落ちてる花びらとオシベ。

Baikiaea_insignis5s木にはメシベがこんな風に残ります。もうマメの格好してるよ。かわいい!

続けて観察して、マメができたらまたアップします。

  Baikiaea_insignis8s

葉はこんな感じ。

サイトを検索して出てきた説明には、ウガンダやタンザニアの森や川沿い、湖の岸、湿地などに生育しているとありました。高さは20~30mになり、林冠は広く広がるそうです。木材として使われるようです。

Baikiaea_insignis7s

これはつぼみ。

コモンネームはNkobakobaとありましたが、これなんて読むのでしょ?Nを「ン」と呼ぶのかな?と思ってタイトルを「ウコバコバ」にしてみました。これって合ってます?知ってる人がいたら教えてね!

資料:「1001 Garden Plants in Singapore」  P307

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2006年5月 5日 (金)

クリームフルーツ

Strophanthus gratus   Synonym: Roupellia grata

Strophanthus_gratus2s

キョウチクトウ科 Apocynaceae (キク亜綱 リンドウ目)

原産地:西アフリカ原産

Common name: Cream Fruit Tree, Climbing Okeander、ニオイキンリュウカ(ニオイ金竜花)、ストロファントス

時々公園で見かける潅木で花の大きさは7~8cm。ピンク色の印象的なお花です。このお花を印象付けてくれてくれるのは、何よりも香りのよさ。咲き始めの花は白っぽく、時間が経つとピンクを増していくので、まだ白いお花を見つけて香りを嗅ぐとバラみたいな香りがします。

Strophanthus_gratus1sこの写真はシンガポール植物園のスワンレイクとスイレンの池つなぐ小さな橋付近で撮ったもの。

学名のストロファントスはタネにStrophanthin(ストロファンチン)を含むことによるもの。広辞苑で調べると「キョウチクトウ科ストロファンツス属の植物の種子と木部に含まれるステロイド配糖体。心臓強壮剤・利尿剤・麻酔剤に用い、アフリカ先住民が矢毒として用いた」とあります。熱帯植物要覧にも「薬用。現地で矢毒。」とありました。でも今はお花がきれいなので一般的には観賞用に植えられています。

「英名のクリームフルーツツリーの由来は何だろう? 実がおいしいのかな?」とか勝手に想像してわくわくしていたら、熱帯植物要覧には「誤用」と解説してありました。なーんだぁ。今回調べて初めてキョウチクトウ科だったことを知り、「食べたら駄目じゃん」と知りました。キョウチクトウ科は使い方を間違えると大変なことになります。絶対に口にしないでください。

キョウチクトウ科なので実(み)は細長い実ができるようです。長さが40cmにもなると書いてありました。見たことないなあ。今度から気をつけて見てみよう。

「蔓木」と書いてある資料もありますが、公園でよく見る姿は高さ1.5mくらいまでの潅木で、蔓植物にはとても見えません。成長するとまた違った様子になるのかな?

前に紹介した花びらの先っちょがズルズル伸びる変なお花は同じ属のお花でした。こちらも合わせてご覧あれ。

「1001 Garden Plants in Singapore」P217

「熱帯植物要覧」P411

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2006年5月 4日 (木)

オスモキシロンのお花

Osmoxylon lineareRimg0316s 

オスモキシロンの花の謎にはまりっぱなしのTOMです。いつまでもしつこくてすみません。わからないとなると、とことん気になって、夜も眠れません(嘘です)。

前のオスモキシロンの記事はこんなんです。見てね。

謎の1番花。発見しました。コレです。下の写真が大きめの白いのを拡大したところ。

Rimg0323s_1

おおーー。これ花だよ!それもメシベみたいなのがあるから雌花???

この先に付いているメシベみたいなのはすぐに落ちてしまいます。そうするとこの白い部分は黒紫になって膨らんできます。一番大きくなると8mmくらいの玉になります。

osmoxylon_lineare4s

そうすると次に、一番上の写真にあった小さいヤングコーンの先っぽみたいな部分がずずっと伸びてきます。これが左の写真。街中で見かけるオスモキシロンの普通の姿です。前のブログに書いたけど、コレだけじゃどこが花でどこが実なんだか、全然予想がつきません。

上の写真の白い粒々がある程度の大きさになると、その先から白いものが膨らんできて、まとまりの下の方から先が割れて咲いてきます。

Rimg0310s

よく見ると上で見た最初に咲く花とはまったく別の形です。飛び出してきているのは明らかにオシベって感じ。Rimg0313s

1つのお花の拡大写真です。

雄花だよー!これ!

Rimg0312s_1

でもってお花が終わると花はポロっと取れてしまい、この写真の株のポツポツのように花が付いていた跡だけ残ります。

Osmoxylon_lineae1s雄花が全部咲き終わったところです。

なるほどー。この姿は雄花が咲き終わったところだったんだー。

雄花が咲き終わるとその下に残った白い粒々は少し膨らんで紫がかった粒々になってきます。

osmoxylon_lineare2s

観察結果

ココから先は観察してTOMが勝手に「こうじゃないかなー?」と思ったことなので、間違っていたらどうかお知らせください。

オスモキシロンは自家受粉を避けるため雄花と雌花を時期をずらして咲かせるようになったんだと思います。これはオスモキシロンにかぎらずお花の多くがやっていることですよね。

まず雌花が咲きます。当然のことながら、持っているのはメシベだけです。雌花は何の虫かわからないけど、何かの昆虫が運んできてくれた花粉で受粉し、紫色の実になります。雌花が付いていたのだから、おそらくこの中にタネが入っているのでしょう。何か…たぶん鳥か何かだと思うのですが…が見つけて食べて遠くへタネを運んでくれるのだと思います。

その後、雄花を咲かせるために雄花の花序が上がってきます。この花序は雌花が咲いているときにはもう既に用意されていたものです。

Rimg0334sで、雄花が花序の下のほうから咲いていきます。当然、オシベしかありません。オシベは1つの花につき、5本ありました。このオシベの花粉はやはり昆虫によって他の株のオスモキシロンに運ばれていくのでしょう。こうして自家受粉はしないですんだので、どこかで新たにできたタネは、新たな組み合わせの遺伝子を持ち、未知の可能性を秘めたタネとなります。

雄花が終わると普通はそこで花が咲いていた部分はなくなってしまいますが、オスモキシロンの場合は不思議なことに紫色の粒々に変化します。オシベしかなかったんだから、中にタネが入っているわけもなく、実であるはずはありません。紫色になる?全く無駄じゃん!なぜ???

わからないけど、こんな予想をしてみました。

ブーゲンビリアとかのピンク色の部分は本当の花ではなく包の部分。この包は花が咲き終わっても長い間、色を保ってくれるので、夏のお庭を長い間美しく彩ってくれます。必要もないのに色を維持し続けるのにはきっと理由があります。

1つのピンクの包に花はなくても、同じ株の中でお花が咲いてることはよくあります。花が咲き終わった部分もピンク色であり続けることで、その株は「ここに花があるよー!」と虫にアピールしているのでしょう。小さな点の色よりも面で色がある方が、虫の目にも付きやすいのだそうです。

Rimg0348sオスモキシロンの場合は雄花の花序の下に実がなっています。これを何かに食べてもらって運んでもらわないといけません。目に付きやすいように雄花も紫色に変化して、タネを運んでくれる何かにアピールしているのかもしれません。

その証拠と言ってよいのかわかりませんが、本当の実が落ちてなくなる頃、雄花が変化した紫色の粒々は枯れて無くなってしまうのです。

ウコギ科 Araliaceae ( バラ亜綱 セリ目 )

原産地:マレーシア

Common Name: Miagos Bush, Green Aralia, ミアゴスブッシュ

上の写真は雄花を開いたところ。5枚の花びらのようなものが下部で合着していてその間にオシベがありました。

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2006年5月 3日 (水)

シンガポール探鳥記

シンガポールへご家族でご旅行に来られた、自称お気楽バーダーMさんが、こんな探鳥記をまとめられました。シンガポールで鳥さんと仲良くなりたい方、まずはこちらをご覧あれ。

http://dev.drnet.jp/birder/singapore/

いやー、面白かったよー!なんたって鳥の写真がきれい!こんな日本語のサイトが今までなかったで、とっても楽しめます!ぜひぜひ!

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2006年5月 2日 (火)

チョウチョのショウガ

Hedychium coronariumHedychium_coronarium4s

Hedychium_coronarium6sショウガ科 Zingiberaceae (単子葉 ショウガ亜綱 ショウガ目)

原産地:ヒマラヤ~中国

Common name: Butterfly Ginger. Garland Flower, Ginger Lily , White Ginger, Fragrant Grand Flower,  ハナシュクシャ(花縮砂)

シンガポール植物園のジンジャーガーデンにあるショウガの仲間のお花。真っ白くてきれいなので、目立ちます。高さは1.5mくらい。葉の様子もショウガとよく似ています。Hedychium_coronarium3s

お花の構造がよくわからないので、後ろから見てみました。後ろに細長いガクみたいなのが見えます。細長いガクが3枚と、花びら3枚。上の花びらは大きくて真ん中に裂け目が入っていて、まるで2枚の花びらが合着しているかのよう。単子葉植物だから、多分3枚が正解だと思います。

Hedychium_coronarium1s 

そしてオシベとメシベが1個にまとまったようなのが1個。双子葉のお花とはちょっと違った感じで面白いです。

よい香りがして、香料などに使ったりするそうです。お花がきれいなので、日本にもけっこう入ってきているみたい。

資料:「1001 Garden Plants in Singapore」P136

    「熱帯植物要覧」P548

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2006年5月 1日 (月)

セイロンライティア

Wrightia antidysenteria   

Synonym: Wrightia zeylanica

Wrightia_antidysenteria2s

キョウチクトウ科 Apocynaceae (キク亜綱 リンドウ目)

原産地:インド、スリランカ

Common name:セイロンライティア、ライティアゼイラニカ

日本では学名と原産地からセイロンライティア(Wrightia)と呼ばれて流通しているみたいですね。前にご紹介したスイメイorウォータージャスミンのお仲間です。

Wrightia_antidysenteria3s

お花が3~4cmってところかな?真っ白できれいなので、公園や街路樹の潅木として植えられていると「何かな?」って気になるお花の一つです。

熱帯植物要覧では「樹皮は赤痢・駆虫・熱病に使う」と書いてありました。でもキョウチクトウ科なので、生兵法をしないのがいいです。下手すると死にますから(マジで)。

熱帯植物要覧」P413

「1001 Garden Plants in Singapore」P231

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Wrightia_antidysenteria1s

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オスモキシロン

Osmoxylon lineare

名古屋のお友達との間で(だけ?)超話題のオスモキシロンちゃん。

osmoxylon_lineare1s

ウコギ科 Araliaceae ( バラ亜綱 セリ目 )

原産地:マレーシア

Common Name: Miagos Bush, Green Aralia, ミアゴスブッシュ

シンガポールの高級なマンションの庭先などで見かける潅木です。オーチャードロードでも潅木として植えられている場所があります。

osmoxylon_lineare4s

山渓の「観葉植物」には「小低木で高さ5~6mになる」とあったけど、シンガポールで見るのはせいぜい高さ1.5m程度の潅木。刈り込みをしているのを見た記憶はないけれど、いつも一番上の写真のようにこんもりとまとまっています

「観葉植物」には「摘芯しなくても、自然に分岐して形のよい鉢物になる」とあったけど、自然の状態で5mにもなった時に、どのような草姿になるのか想像がつきません。それから、原産地がマレーシアとあったけど、マレーシアのどのような環境が原産地の環境なのかも、こちらの資料もひっくり返したけど、よくわかりませんでした。

日本のサイトでは「半日陰を好む」と書いてあります。でも日本の何倍もの光量があるシンガポールのお庭の日なたで、元気に育って花が咲いています。

ずーっと見過ごしていたのだけど、あるときよく見たら花が面白かったので写真を撮ってみました。

上の写真のような直径10cmくらいのまとまりが花のようについてます

osmoxylon_lineare4s2jpg

普通だと黒いのが実のように見えるのだけど、そうではないようにも見えます。黒い粒々(5mmくらい)から、左の写真で見て取れる白いブロッコリーみたいなのが立ち上がっている。コレが花の本体になるのかなあと思ったんだけど、最初の時はオシベもメシベも発見できず、つぼみなんだかどうなんだかも、よく分かりません。

日本のお友達のサイトにはこんな写真があります。名古屋の東山植物園の温室で咲いたお花なのだそう。日本ではやはり、あまり咲かないとの話でした。

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この後、オスモキシロンのお花を観察して、お花特集をしました。こちらのページも見てください!

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資料:「1001 Garde Plants in Singapore」 P181
    「観葉植物」 山と渓谷社 P73

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