甘さを呼び込むクルクリゴ
Curculigo latifolia
ギンバイザサ科 Hypoxidaceae ( 単子葉 ユリ目 ) by 新エングラー
原産地 : 熱帯アジア
Common name: クルクリゴ、ヒルココナッツ
シンガポール植物園のバンドスタンドからレインフォレストエリアに入ろうとすると、右側にマレーターミナリアが立っています。植物園で一番背の高い木なんだそうです。ヘリティジツリーに指定されています。
左の写真で真ん中に見えるひときわ背の高い木がマレーターミナリア。今日の主役はこの木の下に植えられているクルクリゴちゃんです。
場所までちゃんと書いたのは、ぜひぜひ現地で確かめてみて欲しいから。全体の草姿は写真の通り。何の変哲も無いグランドカバーです。高さは60cm~1mくらい。見つけたら、ぜひぜひ葉をめくって株の付け根のところを探してみてください。
いつもではないけど、こーんな黄色の小さなお花が咲いています。1.5~2cmくらい。
お花が終わると白い実がなるそうです。私は黄色の花ばかりに目を向けているせいか、実の写真を撮った事はありません。
この植物の面白いところは、普通なら植物の葉の上とか虫に目に付きやすい場所に花を咲かせるのに、こんな目立たない地面すれすれのところで花が咲いていること…だけではありません。じつは実(み)がとーっても面白いので有名だったりします。
何が面白いかと言うと、この実自体がそもそも甘いのですが、この実を食べてからしばらくの間はどんなものを食べても甘く感じるのだそうです。砂糖なしの紅茶も甘く感じたり、レモンもオレンジのように感じるとのこと。苦いコーヒーも砂糖入りに変身するのだろうか?
食べ物を甘くすると言うと「ミラクルフルーツ」という植物が有名ですが、クルクリゴはミラクルフルーツとは違うものです。ミラクルフルーツは西アフリカ原産でSynsepalum dulcificumという植物なんだって。
クルクリゴは「クルクリン」というタンパク質を含んでいて、これが舌に何らかの作用を及ぼして、食べたものを甘く感じさせるのだとか…。クルクリンは、「食べ物の味自体は変えないで、その物質が舌に何らかのイタズラをして、一時的に味覚を変化させる物質、味覚修飾物質(taste-modifier)」の一種です。
何のためにこんな不思議な性質をこの植物は持っているのでしょうか?サルとかがこの甘さが大好きで好んで食べたりするのでしょうか?誰がこの実を食べて、種を運んでいるのか?、とーっても興味があります。知っている人がいたら教えてくださーい!
植物園だけではなくて、ブキティマのビジターセンターとかでも見かけます。葉ざわりがつるつるしたものと、毛が生えていて、ちょっとモコモコした感じのものと2種類があるみたい。同じものなのか?全く別のものなのか全然わかりません。どっちの実も「甘い」のかなあ?
資料:「Illustrated Guide to Tropical Plants」P908
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