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2006年7月31日 (月)

ショウガの仲間「金色のオレンジ」

Zingiber sp. Golden Orange

060721039sjpg  昨日に引き続き、シンガポール植物園、ジンジャーガーデンの中のショウガの仲間のお花です。株の下にひっそりと咲いているのが見えるかな?

ショウガの仲間もお花の形が色々で面白いです。

ショウガ科

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この後F先生から情報をいただきました。

学名は:Zingiber niveum 。

タイにはもともと野生が知られていて、かなり前から園芸植物として売り買いされてきたのですが、学名が着いたのは比較的新しいのだそうです。

写真はまだつぼみの状態なんだそうです。ううー、花を撮りそこねたー。残念!先生、ありがとうございました!

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2006年7月30日 (日)

クルクマの仲間

Curcuma `Sulee Sunshine'

060721030sシンガポール植物園のジンジャーガーデンにあったショウガ科のお花です。園芸品種。それ以上は何もわからないので、きれいねーってことでアップ!

本当のお花の部分のアップ。

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この後、F先生から情報をいただきました。

Curcuma aurantiaca × C. cordata の交配種なのだそうです

日本のうこん、ガジュツ、ハルウコンは3倍体のため、果実を着けませんが、C.aurantiaca とか、C.cordata は2倍体で、果実を着けますし、種間交配も可能で、こんな新品種もできるのだそうです。

ウコンが3倍体ていうのも知りませんでした。F先生ありがとうございました!

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2006年7月29日 (土)

ボルネオ旅行

今日から子どもはようやく夏休みです。1年中夏のシンガポールでは夏休みというものはありません。でも子どもが行っているのは日本人学校なので、日本と同じように夏休みがあるのです。でも冷房完備だから夏だから暑いと理由でお休みになるわけじゃありません。ちゅうことで、夏休みはジャスト1ヶ月only。かわりに企業の赴任や帰国の多い春休みはまるまる1ヶ月あります。場所柄とは言え、面白いでしょ。

そんなわけで、子どもと二人でボルネオのセピロクにオランウータンを見に行って来ます。母は植物オタク、娘はじつは動物オタクの家族。今回は動物中心で行ってまいります。

というわけで、明日とあさっては写真だけアップ。ショウガの仲間のお花です。見てね!

お土産話を楽しみにしててね!

記事も書かないくせにずうずうしく…

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2006年7月28日 (金)

ふぁいかすべんじゃみな

Ficus benjamina

ブキティマ山の頂上に直径5mmくらいの赤い実がいっぱいなっている木がありました。下にはおびただしい量の、実が落ちてつぶれた痕。さて、何でしょ?

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先っぽには小さな穴。開いてみましょ。 おおー、イチジクだぁー!

日本のスーパーにも、季節になるとならぶイチジクの仲間でした。(大きさはずーっと小さいけどね)

街中に落ちている実がイチジクの仲間かどうかは、実を開いてみれば一目瞭然!それを確かめたくてついつい立ち止まっては開いてしまう…(既に病気です(涙!)

中に見える粒々はじつはタネにあたる部分。イチジクを食べるとじゃりじゃりした食感があるでしょ。あれはタネがジャリジャリいっていたものだったんです。

このイチジクの仲間は中のタネが熟すと赤く食べごろになって、リスやサルや鳥ちゃんが食べに来てくれるのを待ちます。そして、彼らのウンチの中に潜んで、遠くまで運ばれていくんです。

イチジクが熱帯の動物達の大切な食料と言うお話は前にもしたので、こちらを見てみてくださいね。

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実がなるからには…、タネが実るからには…お花が咲いていたはず。

どこに?

じつは、このタネができているところ1つ1つに花が文字通り人知れず、咲いていました。イチジクは雄花と雌花に分かれているので、タネができているところには雌花が咲いていたんです。

イチジクはイチジクコバチという小さいハチに花粉を運んでもらっています。他のどの昆虫にも頼らず、イチジクコバチだけに頼って、花粉を運んでもらう代わりに、子どもが育つ場所と食料を提供してあげているという関係を持っています。つまり共生しているわけ。

だから、目立つお花は咲かせる必要は一切ありません。甘い蜜で虫を誘う必要もありません。人知れず花を咲かせてるので「無花果」って呼ばれているんですね。
最小限の投資で最大限の効果をあげてる…。うーん、賢いねー。

ちなみにこのイチジクコバチの子どもが育つのはイチジクの第3の花の中。第1と2は雄花と雌花で、3番目は「虫えい花(ちゅうえいか)」と呼ばれています。

「虫えい?」 どっかで聞いたでしょ。

前回登場した「虫こぶ」、またの名を「虫えい」とか「ゴール」とか言います。
私達はこの「虫えい花」を「ガルフラワー(gall flower) 」と呼んでいるのですが、この「ガル」という言葉、英和辞典で調べたら「虫こぶ」のことで、発音は「ゴール」でした。私達、今までガルフラワーと呼んでいたけど、本当は「ゴールフラワー」だったんだー。

つまりイチジクの「虫えい花」は「虫こぶ花」だったんですねー。厳密に言えば、虫の刺激を受けて作られる虫こぶと、もともと虫のゆりかごとして作られている「虫こぶ花」とは違うものなんでしょうけど、うーーん、どうなんだろう?

閑話休題。中身のアップ。キレイでしょ。美味しそうでしょ。ふっふっふー。

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お次は葉っぱ。

「あれ?何か見覚えあるぞ?」って思ったアナタ、鋭い!

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そしてお次は魅力的なグネグネの幹!見たことあるでしょー?!

いいかげん、じらすのはやめます。日本で観葉植物でとってもおなじみの「ベンジャミン」ちゃんでした!

ベンジャミンってこんなに大きくなって、こんな実がなるんです。以前も紹介したことがありますよね。   

フォートカニングパークのベンジャミンの写真

ベンジャミンちゃんの枝からは気根と呼ばれる細い根っこが幹に沿うように垂れてきます。気根は地面に付くと、太くなるので、こんなな風にからんだような幹が出来上がるわけ。

ベンジャミンちゃんは「絞め殺しの木」と呼ばれる植物の仲間で、この仲間は、こんな風に上から気根をたらすのが特徴です。でも気根の垂れ方は絞め殺しの木の種類によって特徴があるので、気根の垂れ方で、どの「締め殺しの木」か遠くからでも予想することができます。

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絞め殺しの木のほとんどは雌雄同株だそうなので、ベンジャミンも熱帯地域にたくさんあるアコウ亜属(約270種)の一員で、雌雄同種なんだろうなと思うのだけど、ネット検索や手元の資料では確認できませんでした。もうちょっと探してみます。

ベンジャミンが雌雄同種なら、あの1つの実(花嚢)の中に、雄花と雌花と虫えい花の3種の花が咲いていて、人知れず、イチジクコバチとお花のドラマが繰り広げられていました。おおー、パチパチ…。

日本では観葉植物で家の中でおとなしくしているベンジャミンちゃん。じつはこんな子だったんでした。じつは日様大好きだから、夏はお日様にも当ててあげてね! (あ、でも突然当てると日焼けしちゃううから徐々に当てていくのを忘れずに…)

クワ科 Moraceae (マンサク亜項 イラクサ

原産地:インド

Common name: ベンジャミン、ベンジャミンゴムノキ、ホソバアコウ

資料:  「熱帯植物要覧」P35

  朝日百科「植物の世界」P8-141

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2006年7月26日 (水)

虫こぶ

これなーんだ?キレイって思わん?

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今日は、虫こぶコレクションです。

こんなもん好んで撮る人いるのかな…と思ったけど、つわものはサイト上にはいっぱいいました!

TOMのブログなんか飛び出して虫こぶコレクションの旅に出てください。

とは言っても。一応こちらは熱帯の虫こぶちゃんなので、熱帯にもこんなんあるよーってな感じで楽しんでからお出かけしてね!

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虫こぶは、虫えいとかゴールとも言うそうです。虫などからの何らかの刺激で、植物の一部の細胞が異常な形状になったもののことをこう呼びます。植物のどこの部位にでもできるんだそう。

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具体的に言うと、例えば、植物に寄生する虫が、その植物の葉っぱに卵を産み付けます。その幼虫が葉に刺激を与えると、植物の細胞が異常成長や異常分化を起こして変形。これが虫こぶ。この虫こぶを食べて、幼虫はぬくぬくと安全に育つことができるそうで、いわば、虫こぶは虫の赤ちゃんのゆりかごとも言えるのだそうです。

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今、日本で確認されている虫こぶの種類は1400種類以上。そして約570種もの植物にできることが知られています。これは日本に生息する植物の6種に1種は虫こぶのできる可能性がある植物ってことですね。

シンガポールとかの熱帯の虫こぶのことは、今のTOMには全然わからないので、これからは気を付けて資料を探していきますね!情報も募集しています!

虫こぶの名前は、植物の種類と虫こぶのできた場所や形、そして最後に「フシ」と付けられます。例えば、サルトリイバラ(植物名)+ ハ(葉、虫えいができた場所)+ マキ(フシの形状)+フシ…で「 サルトリイバラハマキフシ」という名前になるらしいです。わかりやすいね!

お勧めのサイトはこちらです。虫こぶのディープな世界、面白いよ!

??なんだ なんだ?? 虫こぶギャラリー  もう、すっごく面白い!絶対見てみて!

自然探偵の虫こぶ入門 子どもが質問したものに答えると言う形式で虫こぶについて詳しくわかりやすく説明してあります。

葉っぱのイヤリング?!「虫こぶ」 虫こぶってそういうものだったのねーと納得できるページ。ぜひぜひ見るべし。

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2006年7月25日 (火)

アブラヤシ

Elaeis guineensis

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ヤシ科

原産地:中央アフリカ

Common name:African Oil Palm. アブラヤシ、アフリカンオイルパーム (前にNHKのニュースでは「パームヤシ」と呼んでいました。それじゃあ「ヤシ&ヤシ」だろーと娘が突っ込みを入れてました。そうです。パームってのはヤシのこと。納得いかないので、ここには入れません。)

左の写真はシンガポール植物園のビジターセンターにあるパームコートの写真。ここに植えられているヤシがアブラヤシです。

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上を見上げると葉の付け根のあたりになにやらモコモコ

これがアブラヤシの実です。とってもたくさんの実が1つの花序にくっついてます。実が熟している時はたいてい鳥かリスが実を食べに来ているので、実がなっているなってわかります。

植物園では背が高くて実の様子とかわからないんですけど、たまにまだスクッと伸びていないズンドーのアブラヤシちゃんに出会います。普段は見られない花序と実を見ることができたのでパチっ!

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古い実と新しくてちょうど食べごろの実と、まだ黒い実と、お花が付いているのが見えます。

ついでだからもうちっと近づいてみよう!

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実がなっているときには、木の下によくこんなのが落ちています。鳥ちゃんかリスちゃんの食べ残しです。触ってみると、あらら。ベトベト

アブラヤシの名前はこのヤシのこの実から油を採ることから付いています。

皆さんが普段食べているマーガリンやお菓子やサラダオイル、そしてヤシの実を使ったとうたっている石鹸や洗剤、シャンプーの類、ほとんどがこの実から採る油で作られています。

赤い部分は油がいっぱい含まれていて、これを搾って使います。鳥やリスが大好きなので、食べてこの中のタネを運んでくれるという寸法。

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繊維がいっぱいの赤い部分を取り去ると中からタネが出てきます。このタネがココナッツの実でも登場した「怖い顔」の実。(笑)

ココナッツと同じように3つの穴が開いているのが特徴ですが、芽が出てくるのは1つだけ。あとの2つは退化してしまったんだって。

外側の赤い部分からだけではなくて、このタネからも油をとるそうです。こちらの油の方が高級な油でカーネルオイルって言うんだって。

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こちらはお花。雄花らしいです

かさかさしていて、全然花らしくなくてつまらないお花。どこがどうなってるんだろう?ヤシのお花はたくさん見ているけど、こんなタイプは他にはなくて全然ワケがわかりません。雄花というからには花粉が出ているはずなんだけど、それもよくわかりません。

雌雄同種と資料には書いてありました。でも雌花を見たことがTOMは1回もありません。実がこんなになっているのにどうして??目下アブラヤシの雌花の謎を解くために、アブラヤシを見ると怪しい人に変身しているTOMです。

アブラヤシは熱帯雨林を考える時にすごく重要なファクターなんだけど、これについてはまた次回に。

・アブラヤシに関しての記事            

アブラヤシの雄花 

ヤシ畑

日本人とアブラヤシ

プランテーション界のヒーロー、ウィービル君

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熱帯植物図鑑 目次 (時々更新中)

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2006年7月24日 (月)

コスタスの仲間かな

何日か個人的進化園ブームで花をUPしなかったら、ちょっと飽きてしまいました。やっぱ、TOMは花が好きだー!!!

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7月頭にショウガのシンポジウムに参加したおかげでショウガ科の植物達が好きになりました。今まではあんまり写真も撮っていなかったシンガポール植物園のジンジャーガーデンのお花たちも、気になるようになってちゃんと写真を撮るようになりました。シンポジウムのおかげか、植物の名札がぐーーーーんと増えて、名前がちゃんとわかるようになったのも嬉しい限り。お花が好きならジンジャーガーデンも行ってみると良いですよ。国立ラン園の横にあります。

ショウガの仲間たちだけカテゴリーも分けちゃいました。

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ジンジャーガーデンの滝のところで咲いていたお花。横にある名札には「アルピニア.sp」とあったんだけど、どう見てもコスタスに見える…。ということで名前がわかりません。わかる方がいらしたら教えてくださーい!

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他のコスタスたちはコチラです。

コスタス-1

コスタス-2

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2006年7月23日 (日)

古代植物 マツバラン

Psilotum nudum

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マツバラン科 Psilotaceae

原産地:世界の熱帯・亜熱帯に広く分布 日本では暖帯に分布

Common name: マツバラン、ホウキラン、Whisk Fern

シンガポール植物園の進化園(Evolution Garden,エボリュションガーデン)のお勉強をしていて知ったのが「マツバラン」。いや正確にはマツバラン(松葉蘭)の名前と植物そのものは知っていました。でも「ランというからにはランの仲間なんだろうか」なーんてボケなすなイメージを持ったままの曖昧な植物の1つだったのでした。今回、マツバランについて頭の中がクリアーになったのが収獲の1つかなぁって思うのでUP!!

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大きく育って高さは30smくらい。写真のように茎が2つに2つに分かれていくのが特徴です。(二股分岐といいます)

葉の先の部分の写真。2つに分かれていくのがわかります。

マツバランはランではありません。それどころか被子植物でも種子植物でもなく、シダ植物の一番古いところに位置する植物。シーラカンスとかを「生きている化石」と言うでしょ。マツバランは地上の植物の「生きている化石」の筆頭株らしいです。つまり地上に最初に上がった植物が、一番原始的な姿のまま何億年も生き続けてきたような格好の植物なんだそう。

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そんなわけで厳密な意味では根も葉もまだ存在しない植物なんだそうです。地上茎を見るとこんな小さな突起があって、これが葉かな?って思うんだけど、実際は葉と呼べるような構造を持っていないんだって。茎の表面に見える白い斑点は「気孔」なんだって。

古い地上の植物なので、種子ではなく、胞子で増えます。下の写真の茎にくっついている小さな丸い粒々が胞子の入っている袋です(胞子嚢2_2

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胞子嚢の拡大写真。実際は2mmくらいしかないすごく小さなものです。上の写真の茎の突起の付け根に1個ずつ付いています。最初は緑色ですが、熟すると黄色になり、最後には先っちょが裂けて胞子を飛ばすんだそうです。緑の茎にいっぱい黄色の粒々が付いた姿はけっこうかわいらしく見えます。

胞子嚢は3つに分かれていて、中には白い粉が入っていました。これが胞子なんでしょうね。粉はサラサラでした。 8 9

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根元からはこんな芽(?)が出ていました。

マツバランは大体は着生植物なのだそうで、木の幹にくっついたり、岩にくっついたりして暮らしているそうです。まれに地上に生えることもある…と本には書いてありますが、多分、地上で普通の状態だと他の植物との競争に負けてしまうので、そういったほかの植物があまりいない場所を選んで生き残ってきたのでしょう。

マツバラン科は1属2種しかない科で、植物学者に言わせると「たいへん風変わりな印象を与える植物」なのだそう。(TOMにはただの植物に見えるが…)

そのわけは「全生活史を通して根がない」から。「小型の水生植物のように、特殊な環境に適応して根が二次的に退化した例は知られているが、もともと根がないと思われる植物はほかにはない。」のだそうだ。

でも実際には、地下茎みたいなのがあって、毛のような根っこがいっぱいついてる。でもこれは「根毛状の毛である仮根」であって根ではなく、地下茎も「根の先端をおおう保護組織である根冠を持たないので、根といえない」と資料には書いてあった。よくわからんが、根とか茎とか葉と呼ぶには、植物学的にはある決まりがあって、マツバランの根や葉に見えるものは違う と言いたいわけだな…。資料には畳み掛けるように「地下茎の表面につく仮根は毛であって、決して根ではない。」とまで書いてありました。ハイハイ、わかりました。

こんな熱帯植物のブログで取り上げましたが、マツバランは日本人には馴染み深い植物のひとつです。気がつかないだけで、関東以南に住んでいる日本人はどこかで見かけたことがあるんじゃないかなと思います。花屋で購入した鉢植えの下に生えていたり、そんなのをTOMは日本で見ていました。

江戸時代に「金のなる木」と呼ばれていた、高値で売買されて投機対象となっていた植物達があります。具体的にはタチバナ、オモト、フクジュソウ、セッコク、ソテツなどの植物達でした。この中に含まれていたのが、「マツバラン」です。江戸後期1836年に出版された「松葉蘭譜」には奇妙キテレツなマツバランが90種ほど紹介されています。下記の資料にはその絵が載っていて、これに大金を払う江戸の粋な人たちの気持ちがわからず、TOMは大笑いをしましたよ。

もっと詳しい説明が見たい人はコチラをどうぞ。

資料:朝日新聞社 植物の世界 P12-93

   「江戸のガーデニング」 青木 宏一郎 平凡社 P66

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2006年7月22日 (土)

ワニだー!!!

Crocodylus porosus

スンガイ・ブローにワニが出たぁーーー!!

スンガイ・ブローに行くと「ワニ注意」の看板があちこちに立っています。「冗談でしょ。オオトカゲのことを言ってるんだよね」と思って笑ってましたが、本当にいました

先月末にスンガイ・ブローに散策に行った自然友の会の友人達が、ワニを見て帰って来て、hondaさんが写真を寄せてくださいました。のでUP!! よくわからないなんて言わないでね。いつもの通り、ワイワイガヤガヤ騒ぎながら散策をしていたら、ビジターセンターのスタッフが「ワニがいる!」って教えてくれたんだって。

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これはあんまり大きい個体ではなかったようですが、調べてみました。

じつは世界最大の爬虫類のイリエワニ君でした。 なんと最大で9mにも達するんだって。と下記の資料には書いてありました。おおー怖い!

でも実際にはもっと小さい感じらしいです。オスで5mくらい、メスで2~3mくらい。なんだ。メスはオオトカゲの大きいのと同じくらいじゃん。

あ、でも獰猛さが違ってるよね。舐めてはイカン…。

シンガポールではシンガポールリバーやカランリバー、スンガイセレター、クランジリザーバーで観察されているそうです。スンガイ・ブローではマングローブの中や奥にあるプロウンポンドで観察されています。

でもあんまり騒いでいるのとか聞いたことがないなあ。日本にこのワニが出たら、大捕獲作戦が展開されるよね。「人食いワニ出現!」なんて言って。

Common name: Estuarine Crocodile

原産地:インドから西太平洋にかけて広く分布

イリエワニについてはフリー百科事典ウィキペディアに詳しい説明があったので、こちらをご覧ください。

資料:「A Guide to the Amphibians & Reptiles of Singapore」P123
「A Guide to the Threatened Animals of Singapore」P124

写真提供:hondaさん 多謝!

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名前のわからない花募集中

コメントを寄せてくださったカウチポテトさんが名前のわからない花をブログで紹介してました。先日まで行っていたシンガポール植物ガイド講座に参加してくださっていた方の中にも、「街中で見かける植物の名前をどうやって調べたらいいかわからないし、知りたい」というご要望がいっぱいありました。はっきり言ってTOMはわからないことのほうが多いんですけど、でも、わかるものもあるので、試しに聞いてみて下さい。

お花や植物の名前がわかると、今までよりもたくさんのその植物が目に留まるようになりませんか?人にも「ホラホラ、こんなかわいい花があるんだよー」と宣伝したくなりませんか?情報をできるだけ共有して、もってる情報をやり取りして、毎日をもっと楽しくしたいなと思ってブログを作っていますので、どうぞ遠慮なく。

方法は、ご自分で作っているブログやホームページにわからない植物の写真を載せてもいいし、TOMにメールでお知らせくださってもかまいません。メールでお知らせくださるときにはタイトルは必ず「植物の名前を探しています」にしてくださいね。内容が推測できないメールは迷惑メールに振り分けられることがありますので、こちらは絶対に守ってください。アドレスは「tomtom77」の後に「@nifty.com」を付けたものです。

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2006年7月21日 (金)

進化園のお勉強のためのオススメの本

エボリューションガーデンのオベンキョは何からはじめていいやら、最初は全くの手探り状態で、あれもこれも片っ端から読み漁ってました。植物の進化について書かれた本はいくつかあることはあるんだけど、恐竜とか動物ほど華々しさがないから普段の生活の中で滅びてしまった昔の植物について聞くことなんか皆無だし、そんなわけで基礎知識がないTOMたちにはチンプンカンプンだったのでした。まぁ、そんな中、難しいながらも面白い本、子供向けに書かれているけどスゴイ本、色々出会えたので、ここでご紹介しますね。

とりあえず46億年前に誕生した地球と生物がどんな進化を遂げてきたかの流れをスイスイ~っと知りたい方はこちらをどうぞ。「まんが 地球大進化 ①」小学館 2巻以降はコチラ       日本人会の子どもの図書館に全巻揃っています。これ以外にも同じネタで色々と本が出ているみたいです。お好みで選ばれてはいかがでしょう?

全体の流れが掴めたら、具体的にどんな生物がいたのかビジュアルで理解したくなりますよね。そうしたらこちらの図鑑を見ましょう。 「小学館の図鑑NEO 大昔の生物」 子どもの本とあなどることなかれ。この本はスゴイです。日本人会の子ども図書館で見つけて読んで衝撃を受けましたよ。必要なことは平易な文章でわかりやすく全部説明してあるし、各時代の動物だけでなくて植物までもキレイな絵入りで説明がしてあります。各家庭に1冊あってもいいくらいのシロモノです。動物オタクの娘も絶賛。わかりやすい!絵がきれい!それなのにこれだけの内容で2100円!小学館という出版社を見直しましたよ。進化とか生物に対する興味を子どもに持たせたいなんて思っているお母さんがいたら、絶対に買って、いつもリビングに置いておいて下さい。TOMが絶対にオススメする一冊です。

だいぶ全体の流れがわかってきました。そしたらコチラをどうぞ。 「生きている古代植物」田村 道夫 保育社 文庫サイズの小さな本です。さきほど紹介した小学館の図鑑は華々しくて一目でスゴイとわかるけど、これは一目ではスゴサは全然わかりません。文庫サイズにしてあるから文字も小さくて読みにくい。TOMにはキツイです。ちゅうことで全部200%コピーでA4サイズにして、アンダーラインを引きながら読みました。そしたらねー。読めば読むほど味が出て来る。するめみたいにじわじわと。今も私達の身の周りにある植物達の中で、古い時代の痕跡を植物の中に(例えば花の構造とか維管束の構造とか)残しているものを、写真であげながら、こんなところが古くて興味深いーーーなんて書いてあったり、後半は陸上に植物が上がってきてから現代までの進化の流れを書いてあります。わかりやすいとは言わないけど、ちょっと苦しい思いをして読みきると、植物の進化のことがよくわかるようになります。TOMもヒットポイントが100アップして、レベルが上がったよ!

上の本で、苦しい思いをしてから読むとだいぶ楽な本。本当は結構難しかったりするのだけどね。 「植物のたどってきた道」 西田治文 NHKブックス 陸上にはじめて上がってきた植物から今の植物までの流れがけっこうわかりやすく書いてあります。植物化石…なんて分野があるんですねー。そんな分野を研究している先生らしく、植物化石の話が色々あるんだけど、専門知識のないTOMには最初チンプンカンプンでした。そんなものはモノともしないようにして、一気に読みきると何となく流れがつかめるし、文章は親しみやすくて興味深いこともいくつも書いてあって、読後感はスッキリ。値段も安いし、1冊どうぞ!

最後に「植物自然史」戸部博 朝倉書店 をご紹介。ここまでの本を読んできて、もっとちゃんとしたことを知りたいよーと思ったらぜひこの一冊を。筆者の言うには「簡単にさらさらと読んで、「植物の世界全体がわかったつもりになれる」ような本があればとも思っていた。」ので、そんな本を目指して書いたものだそう。そんなには簡単じゃないよー!とTOMは声を大にして言いたいけど、この本のおかげで解けた疑問がいっぱいあったので、すっごく感謝している一冊。図も写真も(ただし白黒)いっぱいあって、これが発行された1994年当時の最新情報などもふんだんに織り込まれていて、次への興味を沸き立たせてくれるという意味で、すごくいい本だと思います。

くどいぞ!TOM!…と言われそうですが。

地球と植物と動物の進化の勉強をしていて、目から鱗が山のように落ちて、TOMはとうとう脱皮してしまいました。とにかくすごく興味深いし、私達が今抱えている問題(地球の温暖化とか自然保護とか)をちゃんと理解するためのヒントが織り込まれている分野なんです。義務教育の中でこういうことに全然触れずにいることは、片手落ちだと思うくらいに色々な衝撃を受けました。なので、機会があったらぜひ皆さんにも勉強してもらいたいなと思ってお勧めの本のご紹介をさせていただきました。 お付き合いありがとー!

最後にもうひとつ。地球の進化の流れを知るのにすごくいいサイトをご紹介します。

生命の扉 「生命40億年の歴史」

NHKの番組を元に9つのテーマでまとめてあるサイトです。親サイトはコチラ。 どうぞプリントアウトしてじーっくり読んでみて下さい。本を買うよりもお手軽だよ!

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2006年7月20日 (木)

進化園

エボリューションガーデン Evolution Garden

シンガポール植物園に去年のはじめにオープンしたのがエボリューションガーデンです。最初は「変なものを作って…」と憤慨していたのですが、「せっかくだからガイドできるように勉強してみよう…」なんて自然友の会の友人達とオベンキョしていたら、すっかり植物の進化にはまりました。

明日は2度目の友の会でのガイドをする日。去年よりもパワーアップしたガイドができるといいな。

ちゅうことで、場所の紹介です。

まずは入り口。珪化木などの植物の化石やアンモナイトの化石が出迎えてくれます。

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最初のテーマは「生命のない地球」

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そうこうしているうちに最初の生命があらわれます。たった一つの小さな小さなバクテリアが今の私達全ての先祖になります。これ以降、生命は進化と絶滅の歴史を繰り返して、動物に植物にキノコたちに…と多様に進化していきます。

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無尽蔵に降り注ぐ太陽の光を利用する、光合成をする「シアノバクテリア」が現れます。27億年前ごろからシアノバクテリアが爆発的に増え、海の中の酸化が進み、やがて空気中にも酸素が出て来るようになりました。

やがて空気中が酸素で満ち溢れ、5億年くらい前にようやく地球にオゾン層が出来上がりました。

今、私達を有害な紫外線から守ってくれる「オゾン層」は何十億年もの光合成をする生物達の営みの結果生まれてきたのでした。

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今から4.5億年位前に、最初の植物が何もない地上に進出します。最初はべたっと地面にくっついていた植物。より光を得たり、胞子をより遠くまで飛ばすことができるように立ち上がりました。最初に立ち上がった植物の1つ、クックソニア。立ち上がったことは、地上の植物にとって偉大な一歩でした。

植物達はその後、短期間で飛躍的な進化をとげていきます。

3億4500万年くらい前になると、地上最初の巨大な森が出現。それは今のような種子で増える樹木達ではなく、胞子で増える今のヒカゲノカズラやイワヒバ、スギナの仲間たちの先祖たちの森でした。

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なんじゃ。こりゃ?鱗木のミニチュア模型です。

この時代を「石炭紀」と言います。この時代の地層から、たくさんの石炭が見つかっているからだそうです。

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胞子で増える樹木達の時代が終わると、今度は裸子植物とシダ植物たちのの時代がやってきます。

エボリューションガーデンは、たくさんのソテツのコレクションを持っているので、このエリアでは色々なタイプのソテツの仲間を見ることができます。

この後、被子植物の登場、恐竜の絶滅。現代へ続く熱帯雨林の時代がやってきます。

超カンタンエボリューションガーデンの紹介でした。

進化の話はすっごく面白いので、在シンガポールの一般の人にもガイドしてみたいんだけど、聞きたい人いるだろうか?

眠いので寝ます。はふ。

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2006年7月19日 (水)

ココナッツの実

Cocos nucifera

ココナッツシリーズはまだまだ続きます(笑)。

ココナッツの実は誰でも見たことがありますよね。

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上の写真は、ウビン島のココナッツのプランテーションで収獲している最中のものをパチ!街中で見るココナッツはオレンジ色の実がなっているんですが、緑色のうちに収獲してました。

ちなみにあんな高いところの実をどうやって採るんだろうって思うでしょ。男の人が2人組で作業していましたよ。

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一人は木の上で実のついている花序の根元を切ってロープで降ろします。花序の茎の分かれ目のV字部分にロープを引っ掛けて、すーっと降ろすの。最初は何が落ちてきたんだろうってビックリしました。一人は木の下でそれを受け止める役。

木にははしごも何も使わないで登るみたい。どうやって登ったかは見ていなかったのでわかりませんが、TOMよりほんの少し前を歩いていたグループの人たちは「男の人が2人いるな。何をするんだろう…?」と思ってたそうで、TOMが一人が木の上にいると気がついた、その場所に達するまでにはほんの少しの時間しか過ぎていなかったはずなので、文字通り何らかの方法でスルスルと登ったのでしょう。あー、見たかった!

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「花序の根元の部分に雌花、先に雄花を多数つける」と資料にはあります。根元に近い部分の雌花が実った様子が上の写真からも見て取れますね。

実にはお花のときのガクがちゃんと残ってました。花のガクの写真と比べてみて!

資料には、「果実は人の頭くらいの大きさで、鈍三角状外皮は革質表面は滑らか、最初は緑色だけど、後に橙黄、枯れて熟すると灰褐色になる」と書いてあります。うんうん、その通りだー。町で見るオレンジ色の実は、この緑色の実がもっと熟したものなんですね。

続いて「中果皮は厚い粗い繊維の層、内果皮は硬い黒褐色の殻。」

ん?「中果皮?」「内果皮?」 何じゃそりゃ?

中果皮はココナッツの場合は一番外側の層。構造を説明したいなと思ってネットサーフィンをしていたら見つけました。このサイトをご覧あれ。繊維質の層がよくわかるよね。この繊維質の部分からはロープやブラシなどを作るそうです。ココナッツは海辺に生息するヤシですが、この繊維質の部分のおかげで水に簡単に浮くことができるので、海の波に乗って生息範囲を広げることができます。

一昨年前のインドネシアの津波の時には、沖まで流された人が、何週間も経ってから救出されたということがありましたよね。あのとき彼らが食べたのが、一緒に流されて浮いていたココナッツの実だったそうです。ヤシの実は日本へも昔から流れついて歌にもなっていますね。こんな風にぷかぷか水に浮かぶ秘密はこの繊維質の層にあったんですよー。

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この繊維質の層を剥くと、黒褐色の殻が出てきます。この殻が内果皮。本当の種子の部分はさらにこの中にあります。この殻には3つの穴が空いているそうです。今はその穴のひとつから芽が出るのですが、大昔は3つの穴全部から芽が出ていたものが、2つ分は退化してしまって、今は1つしか出てこなくなってしまったんだろうということでした。

ココナッツの3つの穴は残念ながら写真を撮ったことがないので、代わりにアブラヤシの内果皮の写真を載せました。大きさはずーっと小さいんですけどね。3つ穴が開いてるでしょ。こうやって見ると「怖い顔」に見えませんか?(笑)

ココナッツの実はちょうど人の頭くらいの大きさをしているでしょ。で、繊維質の部分を剥ぎ取ると、こんな猿の頭くらいの大きさの「顔」が出て来るんだそう。うわー、怖い!

ココナッツの「ココ」はポルトガル語の「quo quo」という言葉から来ているんだそうです。この言葉は「猿の顔」という意味なんだって。そんでもって、おいしい木の実だから「ナッツ」。そんな意味の名前だったんだねぇー。面白い!!!

話を元に戻します。

果実が未熟なうちは、内果皮の殻の中は水で充たされています。この水がジュースとして飲まれるものです。あんまりおいしいとも思えないんだけど、TOMはこのジュースを飲み干した後に、内側に付いている白い柔らかな部分をこそぎとって食べるのが好き。ほの甘くておいしいです。ジュースだけ飲んで「まずい」と言っている人がいたら、今度はこの白い部分を食べてみてください。

この白い部分が胚乳層。芽が出るときに栄養になる部分。果実が熟してくるとこの胚乳層が厚くなって、中の水は吸収されてなくなっていくそうです。

成熟して硬くなった胚乳(白い部分)をコプラ(Copra)と言います。これがとっても重要。

シンガポールのウェットマーケットに買い物に行くと、このコプラを細かく砕いて売っているお店があります。このコプラを使ってココナッツミルクやココナッツオイルを作るのだそうです。

砕いたコプラに水を加えてよく揉むと白い水になります。これがココナッツミルクなのだそうです。ココナッツミルクはタイのカレーにも欠かせないものだし、デザートなどにも欠かせません。東南アジアの食生活には欠かせない材料のひとつになっています。

このココナッツミルクを鍋に入れて火にかけます。ぐつぐつと煮て茶色になると油が出てきて、これを布で漉すとココナッツオイルができるのだそう。

ココナッツオイルは化粧品や石鹸、マーガリン、果ては蝋燭にまで化けるとか。残ったはまだまだ栄養分が残っているので、飼料にしたり、畑の肥料にしたり

黒い殻の部分は、工芸品を作ったり、にしてまたまた生活の色々な部分で使います。 「ヤシ殻活性炭」なんて言葉はよく聞くでしょ!

実の説明だけで疲れたー。すごいでしょ。全然捨てるところがないの!ココナッツが「大地からの贈り物」と呼ばれているわけもうなずけますね!

ココナッツシリーズ ココナッツの花 ココナッツの砂糖  ココナッツの花2とアレコレ の回も見てね!

資料:「不思議発見 はじめの一歩」 シンガポール日本人会

     「熱帯植物要覧」P523

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2006年7月17日 (月)

ココナッツの砂糖

Cocos nucifera

ココナッツからは お砂糖 が取れるそうです。

お花の花序が出てきたら、切ります。そうすると花序のところから糖分いっぱいの液が出てきます。下の写真はもうお花が咲いてしまっている花序。もう少し若い状態で切り取るんだろうなぁ。

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S_2

熱帯植物要覧には「花序を切断して出る樹液(Toddy)も飲用。煮詰めて砂糖(Jaggery)、発酵させてヤシ酒(Arrack)、又は酢。」と書いてありました。

色々作れるんだね。

左のは近所のスーパーで買った砂糖。塊です。

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しっかりと原材料「ココナッツフラワーウォーター」と書いてありました。

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中身はこんなんです。竹の筒か何かに入れて固めるんでしょうか?そんな感じの形をしていました。

味は黒砂糖とは違うけど、ただ甘いだけじゃない、うまみのある甘さって言うんでしょうか。黒砂糖感覚でTOMはそのまま飴の代わりにかじったりする時もあります。TOMには料理にはうまく使えないので、何とか消費せねば…と。

ココナッツだけではなくて、砂糖を取るヤシの木は色々あります。いろんな形でヤシが熱帯の人たちに利用されていることを是非知ってくださいね!

資料:  「熱帯植物要覧」P523

ココナッツシリーズ ココナッツの花 ココナッツの実 ココナッツの花2とアレコレ の回も見てね!

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2006年7月16日 (日)

ココナッツの花

Cocos nucifera

ココナッツパームとかココヤシという言葉は誰でも聞いたことがあると思うんだけど、日本に住んでいるとココナッツの花がどんなふうに咲くのかなんて考えたことがないでしょ。

ココヤシも立派な被子植物の仲間で、お花が咲きます。今回はお花に焦点をあててご紹介しまーす!

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ココヤシの木を見上げたら、葉の付け根のところを探してみてください

運がよければこんな枝みたいなのが見えます。この枝にヒヤシンスの花みたいにぺぺぺっと小さな白っぽいのがいっぱい付いているのがココヤシのお花です。花がある場合は小さな蜂とかの虫が群がっているので、上の方で今花が咲いているんだなというのを予想することができます。

高いところにあるので、もちろんお花の詳しい形は見えません。

そういう場合は木の下を探します。いい頃あいのものがあれば、下に花が落っこちているからです。

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へっへっへ。このお花はオーチャードロードのイスタナパークのところのココヤシの並木のお花です。在シンガポールの人ならいつも見てるヤシだけど、花をちゃんと見てる人はいないでしょ。本数が多いので、どれかが花をつけてます。ココヤシの花が見たい人は行くべし。大統領官邸の向かいで地面をゴソゴソ探っていると不審者みたいに見られますが…。

大きさは親指の大きさを見るとわかるよね。

ココヤシを始めとして、ヤシのお花の子房は3つの心皮からできていて、その現れとしてメシベの先が3つに分かれています。見えるでしょ。

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単子葉植物はオシベや花びら、ガクも3の倍数で成り立っていることが多いんですけど、このお花も「オシベ6本 花びら3枚 ガク3枚」でできていました。ヤシのお花はこういった構造のものが多いです。ヤシのお花は小さくて、おまけに背が高いので遠くて目立たないけど、ちゃんとお花が咲いていて、同じようなんだけど、バラエティーに富んでいて面白いんですよ。

熱帯植物要覧によると「葉腋から肉穂花序を抽出、基部に雌花数個、上部に雄花多数。」とありました。ああ、だから実が葉の根元から直接出ているように見えるんですね。写真のお花は花粉が付いていたので多分「雄花」。「雌花」が先に咲いて、後から「雄花」が咲くタイプなんだけど、雄花にもメシベの痕跡が残ってこんな感じの格好をしているのかもしれません。

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実の赤ちゃんが花序の途中についているのがわかりますか?雄花が咲く頃には先に咲いた雌花の幾つかは実の赤ちゃんになっているということなんだろうな。

下の写真はもう少し大きくなったところ。

最終的にはオレンジ色になって、葉の付け根のところにボコボコっとなっているように見えます。でも本当はちゃんと花の咲いていた花序に並んでくっついているんだよ。

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追加です。すみません。間違っているところがありました。続きはこちらココナッツの花2とアレコレ をご覧下さい。

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ココナッツシリーズ ココナッツの砂糖 ココナッツの実 の回も見てね!

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ヤシ科 (単子葉類 ヤシ目)

原産地: たぶん太平洋諸島原産。 でも色々使えるので、湿潤熱帯に広く分布栽培されています

Common name: Coconut Palm 、ココナッツパーム、ココヤシ

資料:  「熱帯植物要覧」 20040621_003s2 P523

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2006年7月15日 (土)

謎のプラスチックの実

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来週、シンガポール植物園のエボリューションガーデンエリアのガイドをするので、最近エボリューションガーデンによく行っています。2ヶ月位前に歩いていた時にこのエリアの「花の誕生」エリアで出会ったのがこの「実」。写真だとよくわからないのだけど、まるでプラスチックのような質感の青いというか灰色と言うか、そんな直径4~5cmの実がついていたのでした。

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すっごい変!見たことないよー。こんな変な質感、色!

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名前がなくてわからなかったけどタグがくっついていました。「マグノリア.sp」…ってことはモクレンの仲間???見えない。絶対に見えない。こんなんアリ?

今週再び行ったら今度は花が咲いていました。花の直径は8cmくらい。

きれい!

って合弁花なんですけど…これってモクレンの仲間?ほんと?

午後3時過ぎに行ったせいかもしれませんが、花はもう終わっていました。ほとんど落ちかけて、メシベのおかげでなんとかぶら下がっているという感じ。

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落ちたお花をひっくり返したところ。

緑色の模様がきれいです。

とってもいい香りがしました。色も白いし、夜に咲いて蛾やコウモリに受粉を手伝ってもらうタイプのお花なのかな?

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実が落ちた痕かな?

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葉はこんな感じ。葉脈ははっきりしません。ぽってりと厚い、あんまりテカテカはしていない表面をしています。黒い点々がいくつか見えるのが特徴です。長さは10cmくらいかな。

エボリューションガーデンにあるのは大きなものでも2mくらいの低木です。もっともっと大きくなる高木になるのかどうかもわかりません。

モクレンの仲間でこんなんあるんですか?

種までわからなくてかまいませんので、何の仲間に近いのか写真で予想できる方、どうぞお知恵をお貸しください!!

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2006年7月14日 (金)

タピオカとニセタピオカ徹底比較

2回にわたってご紹介したタピオカとニセタピオカ…自然友の会の資料にある「見分け方」を参考にご紹介。見分ける際の参考にしてください!

全体の草姿。

Photo_3

タピオカは2~3mの草本性の低木なので左のような姿をしていることが多いです。「Illustrated Guide to Tropical Plants」には「幹は開花前は分岐しない」とありました。

対してニセタピオカはもう少し大きくなります。15mの低木になるそうです。15mと言ったら立派な木に見えますね。

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次は葉っぱ。

タピオカは「掌状の葉の一片一片がシャープな感じで形がはっきりしていて、葉柄が赤いことが多い」

ニセタピオカは「一片一片がぽってりした感じで葉柄が緑色のことが多い」だそうです。

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葉柄は葉の根元の部分のこと。

左の写真を見ると赤いのがよくわかります。

でもくせものが「○○のことが多い」という一文。赤くてもニセタピオカのことがよくあるんです。

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花。

花は両方とも雌雄同種雌雄異花。つまり同じ株に雌花と雄花が咲くってこと。

でもタピオカはシンガポールではほとんど花は咲かないそうです。ということは実も見られないんですね。残念。じゃあ、咲いてたら、ここではニセタピオカって思っていいのかなぁ。

ニセタピオカの方は、シンガポールでもよく咲くそうです

上はニセタピオカの雌花の写真です。詳しくはニセタピオカのページを見てください。葉の影に下向きに咲きます。直系2.5~3cmくらいです。フリー百科事典のウィキペディアの絵を見ると、タピオカの花も同じような花のようです。

060708004s_2 実。

左の写真はニセタピオカの実です。本物のタピオカはこの実の筋の部分に翼がついているんだそうです。この違いは徹底的なので、実がついていればはっきりと見分けられるんではないかと思うけど、シンガポールでのタピオカは花を滅多につけないそうなので、実も見ることができなくて残念。

ついでに下の写真もニセタピオカの花序の写真。思い起こしてみると、この木も5mくらいはありそうな、もう既にシュラブと言うよりは低木に近いものでした。

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ちょっとは役にたったかな?下記のページも合わせてご覧ください。

タピオカ Manihot esculenta

ニセタピオカ Manihot glaziovii

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2006年7月13日 (木)

ああ、やっと…

ああ、やっと管理画面に入れました。ココログが3日近くもメンテナンスに入ってしまい、ブログの管理画面に入れなかったのです。明日書くねーと言っていたタピオカも何日も遅れてしまって残念。

でもちょっといい休憩になりました。さすがに毎日アップはなかなか難しい。サボリ気味のTOMを許してね!

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本物のタピオカ

Manihot esculenta

トウダイグサ科 Euphorbiaceae (バラ亜綱 トウダイグサ目)

原産地 :ブラジル

Common name : Cassava , Tapioca Plant ,Manioc,  タピオカ、キャッサバ、イモノキ

前回、ニセタピオカを紹介したので、今日は本物のタピオカについてです。キャッサバとも言います。

これが本物かどうか確信がないのですが、これがタピオカです。こんな感じのものがカンポンの跡とかに雑草化して生えています。ニセタピオカとの区別がどうもつきにくくてよくわかりません。一応、これは「タピオカだろう」とのコメントを先生からいただいたので載せておきますが、「いや、絶対に違っている!」と思われる方はどうぞおしえてください。

タピオカは大きくなっても2~3mなので、草姿はこんな感じでよく見かけます。

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葉はこんな感じ。「熱帯植物要覧」には3~7片の掌状と書いてあり、自然友の会の先輩が残してくれた資料には「タピオカは掌状葉の一片一片がシャープな感じで形がはっきりしていて、葉柄は赤いことが多い」とありました。下のも葉柄が赤いです。

でもこの間のニセタピオカは葉柄が赤かったんだよー!!どうやって見分けろって言うのぉ?!!

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シンガポールでは本物のタピオカのお花はほとんど咲かないそうです。調べていたら、こんなタピオカの絵がありました。お花はニセタピオカとよく似ているようです。実は、なるほど「翼」がありますね。タピオカの実やお花の写真をお持ちの方がいらして、公開してもいいよーって方がいらしたら教えて下さい。実際のものを見てみたいです。

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シンガポールでは、タピオカのお芋はこんなデザートでよく食べます。小さめの容器に入って、1ドルから2ドル。甘く煮てあって、ココナッツミルク風味の白いたれ(?)をかけて食べます。TOMは大好きなので、よく買ってきて食べています。

タピオカ芋はローカルマーケットなどでは売っているそうですが、TOMはあんまりローカルマーケットに行ったことがないので、まだマーケットで売っている写真を撮れてません。

タピオカについては読んでいる皆さんの方がよく知っておられるとは思うんですが、日本ではデザートの中に入っている白い粒々でよく知られていますよね。この粒々はタピオカの植物の地下にあるお芋のデンプンから作られています。

シンガポールではこれとそっくりなものが「サゴパール」と呼ばれ、色々なデザートに入っています。中華料理のデザートにはよく「ハニーデューサゴ」なんてものがあって、TOMは大好きなんですが、これはメロンを小さく切ったものとサゴパールが、ココナッツミルクの冷たいシロップに浮いているというもの。どう見ても、日本でタピオカと呼んでいたあの粒々にそっくり…。 そんなわけで「サゴパールとタピオカパール、同じモノ?違うもの?」という疑問がありました。

フリー百科事典「ウィキペディア」には「タピオカパール:糊化させたタピオカを球状に加工し、乾燥させたものはタピオカパールと呼ばれ、煮戻してデザートや飲料、コンソメスープの憂き身などに用いられる。黒、白、カラフルなタイプと様々な色がある。本来はサゴヤシのでん粉で作られていたが、安価なタピオカに切り換えられている例が多い。」の一文を見てすっきり!

なるほどー。シンガポールでは元々はサゴヤシのデンプンで作ってたから「サゴパール」なんですね!

フリー百科事典「ウィキペディア」にはさらに「大きく分けて、苦味種と甘味種がある。苦味種はシアン化合物を多く含むが、大きな塊根をつくるため、デンプン製造用として栽培される。甘味種は、外皮にシアン化合物を含むため、蒸したり茹でたりすれば、そのまま食用にされる。味と食感は甘味の少ない甘藷に似ている。」とありました。こちらでスィートキャッサバ(Sweet cassava)と呼ばれるものは甘味種の方なんだなということも知りました。

原産地はブラジル。奴隷貿易が盛んだった17世紀、ポルトガル人が、栽培が簡単なキャッサバを食料としてアフリカを始めとして世界各地に広めて、今のように世界の熱帯亜熱帯で栽培されるようになったよう。タイとかが有名だけど、じつは新大陸のもので、それ以前は東南アジアに無かったんですねー。

もうひとつの「ニセタピオカ」も見てね!

「タピオカ」と「ニセタピオカ」徹底比較!もヨロシク。

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2011年7月…

山東さんが花の写真を送ってくださったのでアップしました!

こちらのブログです!見てね。

資料 「散策会 資料」 シンガポール日本人会 自然友の会
 
「熱帯植物要覧」P226

「The Concise Flora of Singapore」HSUAN KENG Singapore University Press P364

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2006年7月10日 (月)

偽もんのタピオカ

Manihot glaziovii

021114_003s

トウダイグサ科 Euphorbiaceae

原産地 :ブラジル

>Common name : Ceara Rubber Tree , Manihot Rubber Tree , Manicoba , False Tapioca ,マニホットゴムノキ、セアラゴムノキ、ニセタピオカ、フォールスタピオカ

マクリッチのキャノピーウォークに行こうとSSCの横を歩いていた時、タピオカみたいな葉がいっぱいあったので「そう言えば、タピオカの花って見たことがないなあー」なんて思って見てみたら、咲いていました。

わーお!!早速、写真をパチパチ。

でもこれがタピオカなのかどうなのかよくわかりません。

家に帰って調べてみました。実に翼があるのが「タピオカ」、翼がないのが「ニセタピオカ」とあって、葉もすっごく似ていたのに違ったんだ-とガッカリ…。でもまぁ、ニセタピオカのお花も知らなかったので、OKか。

最初はつぼみしか見つからなかったので、どんな風になっているのか気になって開けて見ました。オシベが入っていて、雄花のつぼみでした060708007s

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オシベの出かたがちょっと面白いなって思って撮った写真。

じゃ、雌花は?

周りを見回したらお花が咲いていました。

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こっちは実の赤ちゃんみたいな子房がついていて、雌花みたい。横にあった今にも開きそうなつぼみを触ったら、中からメシベみたいなものが出て来ました。ははー、受粉をするとメシベは落っこちちゃうのね。

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実も見つかったよ。直径3cmくらいの丸いやつ。コレが翼がないの。だから、残念だけどタピオカではないようです。

タピオカ、タピオカと連発しているから、あのお菓子とかに使うタピオカ?って思ってる人いるでしょ。

そうです。
タピオカはあのお菓子とかに使う粒々のデンプンを芋から取る植物です。タピオカについてはまた明日。

ニセタピオカは姿かたちがとってもタピオカに似ています。葉だけではよくわかんない。資料に「○○の傾向がある」って書いてあっても、その通りとはかぎりません。今回も「タピオカは掌状葉の一片一片がシャープな感じで形がはっきりしていて、葉柄は赤いことが多い」と記憶していたので、葉柄も赤いし、タピオカかな?って思ったんだけど、実が違っていて「ニセ」だったってわかりました。(注:最初の葉の写真はニセタピオカらしい葉の写真を以前撮ったものから選んで載せたもので、今回花が咲いていたものとは株が違います)

ニセタピオカはタピオカと同じ「トウダイグサ科のマニホット属」で、同じ南米の原産。シンガポールにはゴムを採取するための資源植物として導入されたそうです。でもニセタピオカよりもゴムを採るのに優秀な「パララバーツリー」が登場して、忘れ去られてしまいました。今では勝手に帰化して雑草として育っているのを、カンポンの跡とかで見ることができます。

もうひとつの「タピオカ」も見てね!

「タピオカ」と「ニセタピオカ」徹底比較!もヨロシク。

資料 「散策会 資料」 シンガポール日本人会 自然友の会
 
「熱帯植物要覧」P226

「The Concise Flora of Singapore」HSUAN KENG Singapore University Press P364

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2006年7月 9日 (日)

森の中のクレロデンドロン

Clerodendron laerifolium

マクリッチのトレイルを歩くと森の中に時々咲いているのを見ることができるクレロデンドロン
葉はなんの変哲も無く見えるけど、お花が咲いていたり、実がなっているとすぐにわかります

クマツヅラ科 Verbenaceae (キク亜綱 シソ目)
原産地:シンガポールの自然の森の中
Common name: Swaddling Flower

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お花のアップ。なんてきれいなんでしょ。1個のお花の直径は2.5cmくらいかな。

初めてクレロデンドロンと聞いたとき、TOMは日本で出回っている青いきれいなお花のブルーエルフィンを思い出したんだけど、お花の形がどことなく似てますよね。

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こちらは花がおちた後の実の赤ちゃん

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こちらは赤いお座布団の上にちょこんと乗った黒い実がなんともキュート。黒い実の直系はせいぜい1cmくらい。

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葉だけがあると本当に区別がつかない…って言うか、お花と実がかわいいので、葉まで見てないっていうのが正しくて、今回はじめて「こんな葉をしてるんだー!?」って思いました。

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英名のswaddleを英和辞典で調べてみました。① (包帯などで)…を巻く(くるむ)という意味で、「swadlling clothes」で① 古い使い方で古着とかオムツを指したり、②(人間の)幼時や未熟期、③自由を束縛するものorかせ…を言うのだそう。

うーん。どこからこんな英名が付いたんでしょう?

二次林の森の中は、あまり派手派手しいお花は多くなくて、緑ばっかり…という印象があるのだけど、じつはこの間紹介したマウスディアツリーのようにすごく小さなお花とかけっこう咲いていたり、こんな風に時々だけど花が大きめで品種改良の手が入っていない清楚なお花を見ることができるのです。これが宝探しみたいで結構楽しい!

でも、お花に出会うのはそれこそ時の運。出合って写真をちゃんと撮ることができると、何かとっても幸せです。

参考資料「The Concise Flora of Singapore」HSUAN KENG Singapore University Press P193

友人が作っている本など

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2006年7月 7日 (金)

子宝弁慶

Bryophyllum daigremontianum 

synonym  Kalanchoe daigremontiana

Bryophyllum_daigremontianum1s_2前にデビルズバックボーンについて調べようと熱帯植物要覧で調べていたら、この名前で載っていたのがコレ。でも、内容を読んで、どう見ても違う植物だよねー、こんな変な植物があるんだーと思っていたら、意外と身近にゴロゴロしていました。

なんと我が家の前のお店の鉢植え。お隣りどうしで譲り合うのか、同じコダカラベンケイの鉢植えが何件にもわたって置かれていて、ほのぼのとしたものを感じて思わず笑っちゃいました。

ベンケイソウ科

原産地:マダガスカル

Common name: Devils backbone, デビルズバックボーン、コダカラベンケイ , シコロベンケイ(錣弁慶)

高さは60~80cmくらい。葉の縁にオコチャマがいっぱいできてます。コダカラ(子宝)という名前が付くのもよくわかります。弁慶…はベンケイソウの仲間だからでしょう。ベンケイソウは日本でもおなじみですよね。挿し木ですぐ生えるので、やっぱりご近所のみんなが同じ植物を育てている様子を見ることができる、あのベンケイソウです。

Bryophyllum_daigremontianum2s Bryophyllum_daigremontianum3s 

さて、このコダカラベンケイ。株を増やしたい時はこの葉の先に付いたオコチャマを蒔けばいいのだそうです。なんてカンタン!形も面白いし、お隣からもらいたくなる気持ちもわかりますよね!

でもデビルズバックボーンの名前はやっぱりもう一個の植物の方が似合ってる気がする…。コレです。見てみて!

資料;熱帯植物要覧 P133

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2006年7月 5日 (水)

豆鹿(マメジカ)の木

Anisophyllea disticha

ヒルギ科 Rhizophoraceae ( バラ亜綱 ヒルギ目 )

原産地: マライ、スマトラ、ボルネオ

Common name:  Mousedeer Tree , Mousedeer Plant , Leechwood , Kayu Pachat, マウスディアツリー

020517_036sマクリッチリザーバーの周辺の二次林を歩いていると出会うのがマウスディアツリー。高さはせいぜい1.5m程度の潅木で、面白いのが葉っぱ。

大きな…と言っても長さが2cm程度の葉が連なっている上に、小さな葉がまるで編みこみをしたようにくっついているので、マウスディアツリーとすぐにわかります。

葉は つやつやした黄緑色をしていて、とってもキレイ!ただし、古い葉は深緑色をしています。

マウスディアツリーの木を見つけたら、葉を裏返してみてください。1mmかもっと小さい丸くて白いつぼみがついていることがあります。運がよければ幾つかは咲いています。

下の写真からわかるでしょ。すっごく小さいです。06062507s

花はこんな感じ。巨大な指でしょ!花も本当に小さいんだよー。06062513s

今までは赤い実に出あったことは何回かあったのですが、お花に出会ったことはありませんでした。ここのところ、マクリッチリザーバー沿いのプルヌストレイルにつぼみがいっぱい付いている株があることを知っていたので、今日友人と散策した時によく見てみました。咲いていました!1週間くらい前に行ったときも咲いていたのですが、夕方だったので、写真がうまく撮れなかったけど、今日は昼間。上手く撮れるかな…とドキドキしながら、チャレンジ。

戦果はこの通り!

きれいに撮れてるって思いませんか?褒めて褒めて~~!!!

小さすぎて構造とかよくわからなかったのですけど、こんな格好をしてるんですねー。

06070503s 06070514s

花が終わるとほんのちょっとの実がなります。大抵は1個だけ…。そこそこの大きさに育って、赤く色づきます。

マウスディアーというのは、日本ではマメジカと呼ばれる、体長30cmほどの鹿みたいな哺乳類。シンガポールの森にもわずかながら残っているそうです。ナイトサファリやシンガポールズーには沢山いるので、見たことがある人も多いと思います。どうして、この木をマウスディアーと呼ぶのかわかりませんが、愛らしさの度合いは同じくらい!というのは確かなようです。

調べて知ったけど、マングローブによくあるオオバヒルギとかの仲間のヒルギ科。花とか…似てる???ヒルギ科の仲間→オオバヒルギコヒルギ 

「Illustrated Guide to Tropical Plants」P576

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2006年7月 4日 (火)

シンガポール植物園の新ビジターセンター

Garden1

昨日に引き続き、ショウガ科のシンポジウムに出ていたのでグッタリ。時間がないので、新しいビジターセンター周りの写真だけ。

これがビジターセンターの入り口のホール。多分受け付けもここにおかれると思います。

昨日の写真の木彫りのトカゲもこの付近に置いてありました。

Garden2

何ホールだったか忘れてしまったけど、歴史的な建造物も復活していました。何の場所になって復活するんでしょ?

この裏にあった、フタゴヤシの雌木!

ちゃんといました!

小さめの実をちゃんとつけていました。早くみんなで観察したいよー!

Garden3

新しいビジターセンターの屋根は緑化されています。赤とかのお花が遠目で見えていたので、2Fに登ってみました。

Garden4

ハナキリンでした!

  Garden5

ビジターセンターの2Fから撮った写真。この地下にフードコートができるらしいです。もうテーブルとかは入っていましたが、周りのガーデンの工事はまだ全然終わっていません。全面オープンするのはいつの日なんでしょう?

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2006年7月 3日 (月)

ショウガ科の国際シンポジウム

Rimg0106s7月3日から6日までの4日間、ショウガ科の国際シンポジウム(4th International Symposium on the familu Xingiberaceae がシンガポール植物園の新しいビジターセンターの施設で開かれています。

本来なら参加費がUS100$のところを、植物園のボランティアガイドは参加費がUS40$にディスカウントされると聞いて、ショウガ科のことなんて何にもわからないけれど、新しいビジターセンターの見学もしたいし、申し込んじゃいました。

Rimg0134sjpg

シンポジウムが開かれたホールはオープンエアーにもできるし、仕切りをつけて冷房付きの部屋にもなるホール。オープニングセレモニーと午前中の講演は、オープンエアー状態で行われ、雰囲気は申し分なかったけど、今日は暑かったです。通常こういう場所にある扇風機が天井についていないのと、スタッフが涼しい外側の席にいたから、中の人間の暑さに気がつかなかったのだろうな。(午後は逆に寒かった…)

でも中からの公園の眺めはこんな感じ。いい感じでしたよー。

Rimg0138s

新しいビジターセンターはまだ正式なオープンには到っていないですが、ランの研究室評本室などの引越しはもう終わっているようでした。今まではこういうものは一般の人間には、見られない場所にあったのですが、これからは簡単に見られるようになるようです。ランの研究室はガラス張りになっていて、外から丸見えの状態。

Botanictokage

シンポジウムの講演自体は英語なので、英語音痴のTOMにはとんと理解できないのですが、要約文は配られるから(もちろん英語ですけど)だいたい何の話題について話しているのか位はわかります。何より、画像をプロジェクターで出しながら、説明するんだけど、ショウガ科の美しい花が画面にいっぱい出てきて、それを見ているだけでけっこう楽しめました。(馬鹿みたいに写真をいっぱい撮っちゃったよー)

午前と午後にTEAの時間、ランチ、ディナーと食べっぱなしのシンポジウム。(これも料金に込みこみです)日本から来られた専門の先生方ともお話ができて、野次馬TOMにはエキサイティングな1日でした。(まだ続くって…)

そんなわけで、4日間ほどブログが植物ネタと遠く離れることをお許しください。

それにしても。

こんな専門的なシンポジウムをボランティアガイドや学生にも広く門戸を開けて開放する…ところがスゴイなあと思いました。日本の学界ってなんか閉鎖的で、こんな風に飛び込みで入っていけない雰囲気があるんだよね。中にいる人間はゆりかごの中で心地いいかもしれないけど。

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2006年7月 1日 (土)

セイロンサゴ

Cycas rumphii

Cycas_rumphii21s

 

シンガポール植物園のパームコートのエリアにあるソテツの木。日本の実がオレンジ色になるソテツとも違っていて面白いです。

ソテツ科 Cycadaceae (裸子植物)

原産地: インド、 アンダマン諸島、ニコバル諸島、テナセリム、マレーシア半島~オーストラリア

Common name: Malayan Fern Palm , Paku Laut  , Ceylon Sago, Bread Palm , インドソテツ、ルンフソテツ、マラヤンファーンパーム、 セイロンサゴ

木の下に入って上を見上げると雌花か実(正確には裸子植物なので種)を見ることができます。種の直径は3~4cm

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コチラが雌花(?)

Cycas_rumphii19sCycas_rumphii12s

別の場所でこんなのが付いているのも見つけました。もしかして雄花?それとも葉が展開する前のもの?どっちでしょうか?ソテツ科の雄花はマツボックリみたいな形をしているのは知っていますが、このソテツの雄花を見たことがないのでわかりません。知ってる人がいたら教えてね。

Cycas_rumphii15sjpg

葉はこんな形で長さが2.5mくらいにもなります。ヤシと違って羽状の葉全体がのっぺりとした感じです。わかりますか?

Cycas_rumphii15s2

Cycas_rumphii20s

ユリのむかごみたいなのもついています。ポコッって落っこちて、遺伝子が同じ、新しい株が成長します。

「1001 Garden Plants in Singapore」 P237

「熱帯植物要覧」P1

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