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2006年7月10日 (月)

偽もんのタピオカ

Manihot glaziovii

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トウダイグサ科 Euphorbiaceae

原産地 :ブラジル

>Common name : Ceara Rubber Tree , Manihot Rubber Tree , Manicoba , False Tapioca ,マニホットゴムノキ、セアラゴムノキ、ニセタピオカ、フォールスタピオカ

マクリッチのキャノピーウォークに行こうとSSCの横を歩いていた時、タピオカみたいな葉がいっぱいあったので「そう言えば、タピオカの花って見たことがないなあー」なんて思って見てみたら、咲いていました。

わーお!!早速、写真をパチパチ。

でもこれがタピオカなのかどうなのかよくわかりません。

家に帰って調べてみました。実に翼があるのが「タピオカ」、翼がないのが「ニセタピオカ」とあって、葉もすっごく似ていたのに違ったんだ-とガッカリ…。でもまぁ、ニセタピオカのお花も知らなかったので、OKか。

最初はつぼみしか見つからなかったので、どんな風になっているのか気になって開けて見ました。オシベが入っていて、雄花のつぼみでした060708007s

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オシベの出かたがちょっと面白いなって思って撮った写真。

じゃ、雌花は?

周りを見回したらお花が咲いていました。

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こっちは実の赤ちゃんみたいな子房がついていて、雌花みたい。横にあった今にも開きそうなつぼみを触ったら、中からメシベみたいなものが出て来ました。ははー、受粉をするとメシベは落っこちちゃうのね。

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実も見つかったよ。直径3cmくらいの丸いやつ。コレが翼がないの。だから、残念だけどタピオカではないようです。

タピオカ、タピオカと連発しているから、あのお菓子とかに使うタピオカ?って思ってる人いるでしょ。

そうです。
タピオカはあのお菓子とかに使う粒々のデンプンを芋から取る植物です。タピオカについてはまた明日。

ニセタピオカは姿かたちがとってもタピオカに似ています。葉だけではよくわかんない。資料に「○○の傾向がある」って書いてあっても、その通りとはかぎりません。今回も「タピオカは掌状葉の一片一片がシャープな感じで形がはっきりしていて、葉柄は赤いことが多い」と記憶していたので、葉柄も赤いし、タピオカかな?って思ったんだけど、実が違っていて「ニセ」だったってわかりました。(注:最初の葉の写真はニセタピオカらしい葉の写真を以前撮ったものから選んで載せたもので、今回花が咲いていたものとは株が違います)

ニセタピオカはタピオカと同じ「トウダイグサ科のマニホット属」で、同じ南米の原産。シンガポールにはゴムを採取するための資源植物として導入されたそうです。でもニセタピオカよりもゴムを採るのに優秀な「パララバーツリー」が登場して、忘れ去られてしまいました。今では勝手に帰化して雑草として育っているのを、カンポンの跡とかで見ることができます。

もうひとつの「タピオカ」も見てね!

「タピオカ」と「ニセタピオカ」徹底比較!もヨロシク。

資料 「散策会 資料」 シンガポール日本人会 自然友の会
 
「熱帯植物要覧」P226

「The Concise Flora of Singapore」HSUAN KENG Singapore University Press P364

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コメント

シンガポールの林縁でよく見かけるこの子。
キャッサバにしては葉が妙に幅広いなぁと思っていたら、やはり別種だったんですね。納得です。

タピオカっていう名前は澱粉になった状態のものに対して呼ぶことが多いので、植物を呼ぶ場合はキャッサバの方が良い気がします。

キャッサバにも色々品種があって、葉柄の緑色のも赤いのもあります。シンガポール植物園のエコガーデンには並んで植えられてました。そういえば、タイで植栽されているもののほとんどは葉柄が緑色だなぁ…。

偽物と呼ばれるこの子は、パラゴムノキから採れる天然ゴムに次いで高質のゴム(セアララバー)が取れることで名前は知ってたんですが、まさかシンガポールで既に出会っていたとは。

本物のキャッサバの花、もう少しで咲きそうな個体が近くにあるので、写真撮れたら送りますね。

投稿: 山東 | 2010年7月 1日 (木) 16時37分

山東さん
たくさんのコメントありがとうございます!
そうですか?天然ゴムに次いで高質のゴムが取れるんですか?
ゴムが取れるというのは聞いたことがあったのですが、品質が良くないので忘れられていったという話を聞いたことがあって、そんなに高質のゴムが取れるとは知りませんでした。シンガポールに導入されたきっかけも最初はゴムだったのでしょうか?これだけ似ていると芋もなんとかすれば食べられるのじゃないかな?と思ってしまいますが、なにか聞いたことなどおありですか?
そうですね。現地にいると植物名はキャッサバの方がいいようなんですが、キャッサバって言うと日本の方はほとんどご存じないので、キャッチしやすいタピオカで気を惹こうとしてました~(白状…)
この子のお花楽しみにしています!!!!!

投稿: TOM | 2010年7月 5日 (月) 08時02分

この子は高質のゴムは取れるんですが、パラゴムノキのように大きな木から滴るように取れる樹液(300ml程度/日の樹液の30%程度がゴム)と比べれば、滲み出る程度なので、効率の問題から経済作物として取り上げられることがなく、忘れ去られ雑草となってしまったのでしょう。

イモもキャッサバ同様に毒抜きすれば、食べられる戸思うんですけど、試したことがないのでこればかりはなんとも。

タイでは、最近キャッサバの病気が流行っているので、この子との雑種を作ったりして耐病性が強くなったりしないかなぁなどと思いをめぐらせています。

投稿: 山東 | 2010年7月 5日 (月) 11時22分

山東さん
なるほど、効率の話から忘れられていったのですね。
それはそうとキャッサバの病気…、やはりキャッサバも食料として導入されたことを考えると、量としてたくさんあったとしても遺伝子の多様性は少ないままで作物として利用されているのでしょうね。農耕作物として栽培されているものは原産地での品種とはかけ離れたものになってしまっていることも多いかと思いますが、おいしい芋が取れるものだけを選抜栽培してきたとすれば、原産地の遺伝子を導入することでこういった問題に対処できるということはないのでしょうか?…と素人は思ってしまいました。

投稿: TOM | 2010年7月 7日 (水) 07時12分

キャッサバは、芋を収穫後の地上茎(1-1.5mぐらい)を15cm程度に切って、畑に突き刺しておくだけで、8-10ヶ月後にはまた再び芋がとれるようになるという驚異的な作物です。
つまりは挿し木繁殖と同じようなものですから、TOMさんがおっしゃるとおり、いくつかの品種はあるにしても、ほぼ全てクローンといっても過言ではないぐらい遺伝的多様性はないと思います。

効率的な利用を行うために選抜すると、どの作物でも同じ問題が起こりますよね。

「チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話 植物病理学入門 (単行本)」という本には、世界各地で、単一栽培されるチョコレート原料のカカオや、コーヒーノキ、天然ゴムの採れるパラゴムノキ、ジャガイモが度々病気に侵され、壊滅的な被害を受けてきた歴史を紐解くことができます。

単一生物が人為的にであれ大繁殖しないようにという自然の摂理が働いていることを感じます。

様々な作物で、原産地の野生種や近縁種との交配などにより耐病性を付与しようという試みがなされていますが、ほとんどの工芸・嗜好作物は樹木であることが多く、交配から得られた個体が本当に病気が強いのか、生産性は良好か、品質は優秀なのかを評価するだけで長い年月かかってしまい、迅速な対応は困難なことが多いです。

投稿: 山東 | 2010年7月 7日 (水) 11時26分

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