« シンガポール植物園正門オープン | トップページ | ごめんなさい! »

2006年8月18日 (金)

男と女の話-2

できれば先に「男と女の話」をご覧下さい。

植物にも男と女があります。
ただし、人間のように個体そのものが「性」を持つこともあれば、お花が「性」を持っていたり、はたまたオシベやメシベという形で1つのお花の中で別の「性」があったり、本当に色々!

Photo_38 そもそも。
「花」って何でしょう?
「人間は太古から花をめでていた、昔々の人間(?)のお墓にも花を供えていた痕跡がある…」なーんて何かのお墓の発掘結果の発表が世間で話題になったこともありましたが、(興味があればコレコレをお読みください)
「じゃ、結局、花ってなんなの?」
という問いに「植物の生殖器」と即座に答える人は、そうは多くないと思います。

Photo_39 そうなんですよ。ちょっと恥ずかしいけれど「植物の生殖器」が花なんです。小学校か中学校でやったでしょ。
お花には「メシベ」と「オシベ」と「花びら」と「ガク」と「子房」があるよ…って。
で、「メシベにオシベの花粉が付くと、子房の中にタネができるよ」…とも勉強したはず。

でもね。
現実にはこの5つ(上の青表示のものね)が全部揃っている花ばっかじゃなくて
雌花の場合は子房とメシベはあるけど、オシベはないし、
雄花の場合はオシベはあるけど、子房とメシベはないし、
ましてや「花びらやガクは無いお花」は山~~のようにいっぱいあります。

2_11 学校の勉強が片手落ちだなって思ってしまうのは、全部揃った基本形(両性花)は勉強するけれど、そうでないものの話はあんまりしない。一方、習った子どものほうは、最近は「実際のものを見る」という体験に乏しいから「植物はみーんな両性の花を咲かせる」と思ったまんま何にも考えずに大人になっちゃうことが多いのです。

でも最初に書いたように、植物は「多様な性」を持っていて、それがすっごく面白いの。
特にお花を咲かせる被子植物の多様さはスゴイ!おまけにそれぞれにドラマがあります。
(突然、性転換しちゃう植物もあるんだよー!!人間の何歩も先を行っちゃってる感じでしょ?)

Photo_40 植物の生殖器が「花」って言ったけど、正確には「オシベとメシベと子房」が生殖器にあたる部分で、 「花びらやガク」といった、人間が花を「花」と認識する部分は生殖活動を行うための「仕掛け」とか「舞台」とかの部分

この仕掛けが、虫や鳥や哺乳類などをも巻き込んでの、「騙しあい合戦」の様相を呈していていちいち笑えるんだよー!!!

で、ついつい「このオシベってどうなってるんだ…?」なんて道の真ん中に座り込んで写真を撮っているところを知人に見られて「タングリンモールの前で怪しい動きをしていたでしょ?」なんて後で言われちゃうんだな…TOMは…(涙!)

で、植物の男と女。
前回、男と女のいる理由は
「多様な遺伝子を持った子孫をいっぱい残すためだー」って書いたんですが、
よく私達が見る「メシベとオシベを1つの花の中に持った両性花は大きな問題を持っている」ということにお気づきの方も多いでしょう。

多様な組み合わせの遺伝子を作り出すためには、「自分の花粉で自分が受精してしまってはなんとも都合が悪い」んだな…。(笑)
近親婚になっちゃうんだよ。

つーことで、進化の最初の段階では両性花だった被子植物は、「性」を多様に変化させて、できるだけ近親婚をしないための工夫を重ねてきたのでした。

例えば、「1つの花の中でメシベとオシベが成熟する時期をずらす」とか、「雌花と雄花を別々に咲かせるようにする」とか、もっと進んで「動物のように雌花しか咲かない個体と雄花しか咲かない個体に分ける」とか。
そしてこれらに風や虫や鳥が加担して花粉は別の個体に運ばれるようになっているわけ。

今までこのブログの中で紹介してきた植物達の多くもこの「近親婚」をしないための工夫をしてきています。

色々な植物達の男と女…(ああ、恥ずかしいわぁ)

ココナッツの場合

ルリダマノキの場合 

スパティフラムの場合 http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2006/05/post_9830.html
              http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2006/05/post_958d.html

オスモキシロンの場合

でもさぁ。タネを作る目的はそれだけじゃないでしょ?
個体を増やしたり植物体の状態では生きにくい冬や乾季をタネで過ごしてやり過ごすって目的もあるんじゃないの?と思う人もいるでしょ。
その通り。色々頑張ったけど上手く他の個体との結婚ができないときもあります。
そんな場合の保険も植物の多くはかけています。

この話はまた次の機会に…。

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

|

« シンガポール植物園正門オープン | トップページ | ごめんなさい! »

コメント

植物のナゾってまだまだいっぱいあるんですね。
1本の植物が雄花と雌花をずらして咲かせる理由がやっと理解できました。
そして
オスモキシロンやスパティフィラムのページも見てきましたが、
なるほど!そうだったのか! 
と感心しきりです。
TOMさんの植物に対する熱意に敬服いたします。

投稿: ryu | 2006年8月18日 (金) 13時03分

ryuさん
あー良かったです。こんなこと今さら書いて、釈迦に説法だったらどうしようと思ったんだけど、中学生の子とかも見てくれてるようなので、今のうちに説明しとこうって思ったの。言葉のない植物達もよくよく観察すると自己主張がけっこう激しかったりするので、そこのところが面白いとこなんですよねー。

投稿: TOM | 2006年8月18日 (金) 18時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« シンガポール植物園正門オープン | トップページ | ごめんなさい! »