« シンガポールに牛出現! | トップページ | 男と女の話 »

2006年8月14日 (月)

ココナッツの花2とアレコレ

Cocos nucifera

ココナッツは熱帯の人たちにとって欠かせない植物…ということでいくつか紹介してきたのですが、まちがい発見!ごめんなさい!間違ってるのはこのページです。ココナッツの花

何が違っているかと言うと、ココナッツは雄花が先に咲いて雌花が後から咲くんだそうだ…。

朝日の「植物の世界」P11-122を読んでいたら、「雄花は開花後すぐに落ちて、雌花はその後に開花するため、同一花序内では交配が起こりにくく、他個体との交配が促進される。」と書いてありました。

1_5

「じゃ、あのデカイ、実の赤ちゃんみたいのは何?」
って思ったら、あれが雌花のつぼみなんだって。直径約2cm。雄花が1cmにも満たない感じだから本当に大きいです。

1_7

ボルネオ島のロッジの庭で低いタイプのココヤシが花を付けているのを発見。写真を撮りました。
雌花と雄花の違いがわかるでしょ?
この雌花のつぼみ、先っぽにメシベみたいに出ているところがあるけれど、本当に花びらとか開くんでしょうか?

ヤシのお花って大体は小さくて目立たないけど、これが開いたら、ヤシの花としては破格にデカイよ…。ツバキの花くらいの大きさのヤシの花ってどうよ?見たことないよー!
雌花の咲いているところ…見たいよー!!!

1_6

こちらは雄花の写真。

3つに先が分かれたメシベの痕跡がありますね。

Photo_33

余談ですが、ココヤシは背が高いタイプと低いタイプがあるようです。

S_5
どちらも学名は同じだけど、「どっちかの方が実がよりおいしい」と誰かが言っていたような、ないような…??
おまけに今回写真を載せた花序は全体がオレンジ色をしてるんだよね。前回のは緑色です。全体の形を見ると、どう見てもどちらもココヤシなんだけど、本当は違う種類なんだろうか?この辺のこと、どの手持ちの資料を見ても書いてないのでTOMには不明です。

余談ついでに…「植物の世界」には他にも興味深いことが書いてありました。

ココヤシのように有用な植物って言うのは古くから人間が移住する時に一緒に持って放浪してきたので、原産地がわからないことが多いです。でも「最近の研究ではフィリピンやオーストラリアのクインズランド州に野生状態のココヤシが天然更新しているのが見つか」ったので、「太平洋の西部」には自生していると考えられているそうです。

昔々にココヤシがすごく大切だった理由は、砂糖が取れたり油が取れたり…ということよりも、安全な飲料水が確保できるということにあったとか。前にも書きましたが、若いココヤシの実の中には胚乳液があって、飲むことができます。昔のポリネシアの人々は長い航海の飲料水としてココヤシジュースを利用していて、彼らの海への冒険と共にココヤシも太平洋からインド洋まで分布が広がったのだろうとも「植物の世界」には書いてありました。水をただ積んだだけだと腐っちゃうもんね。知恵だわな~~。

蒸気船も何もない時代に、小さな手作りの船でココヤシを積んで海へ出て行ったポリネシアの人の日に焼けた顔を想像してなんだか愉快な気分になってしまったTOMでした。

もう一つ興味深かったのがイースター島の話。
イースター島と言えば、謎のモアイ象で有名なあの島です。
イースター島にはかつてココヤシに近い種類のPaschalococos despertaが生育していましたが、約700年前に絶滅してしまいました。今のイースター島は不毛の荒地の島ですが、人がここにたどり着くまでは亜熱帯林の島だったそうです。森の消滅の原因は人口の増加による森の伐採。あれこれTOMが書くより、色々書いてあるページがいっぱいあるので、興味があればこちらのページも見てみてね。

http://www.yomiuri.co.jp/nie/nature/01/01.htm

http://japan.patagonia.com/japan/enviro/reports/2005/mirror.shtml

資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P11-122

ココナッツシリーズ ココナッツの花 ココナッツの砂糖 ココナッツの実 の回も見てね!

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

|

« シンガポールに牛出現! | トップページ | 男と女の話 »

コメント

ふと、ココナッツの実ってどんな風に成り、何個ぐらい採れるのか?実が成るからには花も咲くんだろう、こんな疑問にはパソコンは即座に答えてくれる。と思って検索してみたら、果実の構造だとか、利用方法だとか、分布だとか…。特に花についてはハッキリしない。このブログで初めて花を具体的に知りました。ありがとうございます。

投稿: 私が伊藤です | 2010年6月24日 (木) 17時56分

あっ、背の低い3mぐらいのココヤシは、収穫がしやすいよう、改良したものらしいです。写真についていたコメントで、そう書いてあっただけなので、真偽はわかりません。

投稿: | 2010年6月24日 (木) 18時03分

伊藤さん
コメントありがとうございました!あの後、私も収穫がしやすいように改良したものだろうなとなんとなく思ってました。タロイモなんかもそうですが、古くから人の生活にかかわってきた植物って、ものすごく品種がつくられているんですよね。タロイモとかも日本のサトイモをはじめ、すごい種類ですもんね。引き続き資料を探していきたいなあと思ってます。

投稿: TOM | 2010年6月25日 (金) 22時33分

この黄色いココナッツがなるのは、ゴールデンココナッツと呼ばれ、ココナッツの変種扱いされているようです。

緑色の実のものより、鑑賞性も高いので、リゾートや観光地ではこのゴールデンココナッツを植えている場所が増えてきているような気がします。

投稿: 山東 | 2010年7月 1日 (木) 11時35分

山東さん
わーい!ありがとうございます!
なるほど。ブログネタにさせてくださいね!

投稿: TOM | 2010年7月 5日 (月) 08時19分

ショクダイオオコンニャクは、若い芽をさして増やせるのはご存知ですか。芋が若い時は新芽が伸びきると、新しい芽が伸びてきます。それを カットして、普通に挿し木するようにさせば活着します。大株は葉挿しができるようですが、経験なしです。

投稿: A.O. | 2010年8月19日 (木) 19時08分

O先生
コメントいただいて恐縮です。ありがとうございます!
いやいや知らないです。実家のお店の温室が空いたので、こういう大物を一度は育ててみたいです…。
そして先生のところの温室はぜひみんなで伺いたいと思っています。よろしくお願いいたします!!!

投稿: TOM | 2010年8月20日 (金) 06時33分

この記事へのコメントは終了しました。

« シンガポールに牛出現! | トップページ | 男と女の話 »