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2006年8月16日 (水)

男と女の話

男と女、どうして性があるんでしょう?
どうして植物は花を咲かせるんでしょう?

答え。
多様な遺伝子を持った子孫をいっぱい残すため…
であります。

Photo_34ただ、種としての個体を増やしたいなら、アメーバみたいに分裂していけばこと足ります。どんどん分裂して増えていけばよいのよ。

でも。
多くの生物はそうしていません。

人間も女は着飾り、男は力を誇示してパートナーを探すでしょ。何でそんな面倒なことをするんでしょ。生きていくためだけなら、必要ないじゃん。植物もオシベとメシベがあったり、雄花と雌花があったり、雄株と雌株があったり、男と女があります。

すごいよね。
人間と植物、こんなに違っているように見えるのに、おんなじなんだよー!!

Photo_35で、男と女、二つの性を作って、双方から半分ずつ遺伝子を出し合って、合わせると遺伝子の新しい組み合わせを持った個体が生まれる。あっちでもこっちでも色んな組み合わせが起きて、どんどん新しい遺伝子を持った個体が生まれてくる。

人間なら頭のいい奴、色白の奴、手先が器用な奴、寒いのが好きな奴、ボーっとしてるのが好きな奴、色んなのがいる。
例えば、明日地球がすごく寒くなったら、「異常なくらいに寒いのが好きな奴」だけが生き残るかもしれない。
例えば、明日宇宙から隕石が降ってきて人類が滅亡するというニュースが流れたら、「頭のいい奴」や「手先が器用な奴」は何とか生き残ろうとあがいた挙句、パニックに巻き込まれて死んでしまい、「ボーっとしているのが好きで、隕石が落ちてくるのも知らなかった奴」だけが生き残るかもしれない。

誰が滅亡して、誰が生き残るかなんて偶然の産物でしかないけど、例えば、明日何かが地球に起こって、人類が滅亡しそうなことになったとしても、何十億人の何十億通りの遺伝子の組み合わせのうち、ほんの10人の10通りの遺伝子が何らかの偶然で滅亡から逃れられる因子を持っていれば、そのほんの10人が生き残って、人類はやり直すことができる。
命はつながっていく。
変化する環境に対応できる遺伝子を持った個体が、ほんの少しでいいから、いれば、ノアの箱舟の話は成立する。

そのために男と女はいて、色々な遺伝子の組み合わせを作るべく、涙モノの努力をしてるわけ。
(そう思うと、私達って…誰か、姿の見えないものに踊らされてるのねーなんて思ってしまうわ…)

均一な性質を持つということは、生物にとっては不利でしかない。例え、見かけ上、それがよい性質のように見えても、均一であればあるほど、何かが起こったときに対応できる柔軟さに欠けて、絶滅してしまう。

造園屋さんの立場から身近な例をあげると。

Kimura3 春にパンジーで花壇を埋め尽くしたとする。
色が多少違っていたとしても、遺伝子的にはさほど変わりの無い均一な個体群。アブラムシ、病気…、やられるときは全部一緒。あっと言うまに全部やられて全滅してしまい、花壇は見るも無残な姿に変身!!!やられないためには予防の農薬をまいたりしないといけない

春に色々な植物で花壇を埋め尽くしたとする。
パンジーはやられるけど、色々な植物全部がアブラムシに弱いわけではないし、病気にかかるわけではないので、パンジーが枯れても花壇全体はきれいなまま…。農薬もまく必要もない。

アナタはどっちがいい?

閑話休題。

今の地球上では、お花を咲かせる植物が植物界の頂点にいて、種類も一番多い。たった1億数千万年前に地球上に登場したお花がどうして成功したか。お花を咲かせて、虫や哺乳類などをうまーくあの手この手で利用して新しい遺伝子の組み合わせの数をを効率よく増やして、シダや裸子植物たちを圧倒してきたからに他ならない。

生物の世界では男と女があることはとっても重要で、多様性は善。その理由は生き残るため。

書いてしまえばたったの一行か二行。
でも考えたことも無かったという人が、あまりに多いのよー。

ちゅうことで。
この話を原則として、動物園の話や熱帯雨林を守ろう…なんて話に発展していく予定です。(いつの話になるかは神のみぞ知る…わはは)

上の写真はサンドボックスツリーの雌花と雄花。

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コメント

なるほどねえ。人間もなるべく違うタイプの人間と結ばれるほうが、種の保存の観点から見ると正しいのかな。性格の不一致で別れるなんて!違うほどいいのだ、とか。

いつも興味深く拝見しています。植物のこと。環境のこと。むずかしいことを、わかりやすく解説してあって、さすがです。がんばってください。

投稿: Qu | 2006年8月18日 (金) 01時38分

Quさん
コメントありがとうございます。いや、まさにその通り。種の保存の観点からすると性格の不一致もすばらしい組み合わせの一つなのかも。国際結婚もなんのそのって感じでしょうかねぇ。

投稿: TOM | 2006年8月18日 (金) 18時24分

あ~、この上の花壇はもしや‥教材に使った本に出ていた玄関前の‥
懐かしいです。

投稿: kusaki | 2006年8月19日 (土) 10時12分

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