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2006年8月 3日 (木)

ボルネオ象

Photo_18 昨日「アジア象を見たよー」という記事を載せたら、F先生から情報をいただけたので、ボルネオの象について調べてみました。

まず基本知識から。
世界には大きく分けてアフリカゾウとアジアゾウの2種類のゾウがいます。
アフリカゾウに比べてアジアゾウは小さめで気性が温和です。
アジアで人間と仲良く暮らして人間のために色々働いてくれているのは、アジアゾウ。
アフリカゾウは気性が荒く、こういったことはできないらしいです。

NHKで昔やっていた番組では、こんな風に解説していました。
ゾウの祖先は約4000万年前にアフリカ北部の湿地帯で生まれたそうです
その後アフリカの草原に残って乾燥化に適応していったのがアフリカゾウ、アジアの森に移動したものがアジアゾウになったのだとか。
アフリカはライオンなどの大型肉食獣が多かったのに比べ、アジアの熱帯雨林にはゾウを襲うほどの肉食獣があまりいなかったために、アジアゾウの方が穏やかな気性を持つようになったのだろうと言っていました。

ボルネオのゾウは別の地域のアジアゾウに比べて「頭が小さい」「オスの鼻が直線的に伸びている」などの特徴があって、
ボルネオゾウ」という亜種名でよぶ研究者もいるとのこと。
つい最近までは「ボルネオのゾウは人間が持ち込んだものの子孫」という説もあったそうですが、つい最近になって遺伝子解析によって、人間が持ち込んだのではないことがわかりました
昔、7万年前~2万年前の氷河期の海水面が今よりも100m以上も低かった時代には、ボルネオ島、スマトラ島、ジャワ島、マレーシア半島は「スンダランド」と呼ばれるアジア大陸の1部の、「巨大な半島(?)(こういう大きさのものを半島と呼んでいいのか疑問ですが)」でした。世界地図を持ってきてください。ボルネオ島がどこにあるか定かでない人も中にはいるでしょ。シンガポールを含む、この島々が全部繋がっていたと想像してみてください。「デカイ!」って思うでしょお?

2_4TOMの想像ですけど、最初、この地域全体にアジアゾウはいたんでしょうね。
でも2万年くらい前に直近の氷河期が終わって、100m以上も海水面が上昇、海抜が高かったところだけが島として残りました。その各地にアジアゾウさんも取り残されて、その地その地で独自の進化をしていったんでしょう。
F先生が教えてくださったサイトには「ボルネオ島に生息するゾウは更新世(新生代第四紀の前半:200万年前から約1万年前まで)の中期から後期に移動し、遺伝的に隔離されてきた個体群であることを示めしました。そして、ボルネオに生息しているアジアゾウは進化上貴重な隔離群である」という表記がありました。
詳しく見たい人はこちらをどうぞ。
http://www.bbec.sabah.gov.my/japanese/01_nature/na_040331.html

 ちなみにこちらのトップページは こちらのページで、メールマガジンも発行しています。 ボルネオの自然に興味がある方がいらしたら、ぜひ登録されるといいと思います。役につ立つ、 現地にいないと得られない雰囲気を感じられるメルマガです。

Photo_19 現在、ボルネオ島のサバ州のゾウの個体数は1000頭くらいと考えられているそうですが、
下記資料で安間氏は「群れの数は驚くほど少なく、、私は合計でも600頭が限度だと私は考えている」と書いています。

サバ州では1980年代以降、アブラヤシなどのプランテーションが急速に広まり、多くの熱帯雨林がプランテーションに変わっています。
そのため、ゾウが生息できる地域が急速に狭められてきました
同時に害獣駆除という名での合法的な射殺、密漁なども行われ、個体数は減少し続けているのだそうです。
現在、アブラヤシなどの農園にやってくるゾウは射殺するか、できるなら捕まえてタビン野生生物保護区へ放逐しているとも安間氏は書いています。捕まえて放逐するにしても、どの範囲の地域の農園で捕まえたら野生生物保護区へ運ぶのか、資料には細かいことまでは書いてありませんでした。
先日TOMと子どもが行ってゾウを見たのは「キナバタンガン下流生物サンクチュアリ」と呼ばれるあたりですが、この地域も、ほんの少し行けば見渡す限りのアブラヤシ畑の風景に変わってしまいます
TOMたちが見たゾウさんたちが農園に現れたら、どうなるんだろう…
資料を読んでちょっと悲しい気分になってしまいました。
日本のクマと同じように、人間が開発して山の自然が少なくなって食べるものがなくなるから、彼らは人間の生息域に出てくるのです。その結果射殺されてしまう…。
単にカワイソウと思うのではなく、解決策を考えられないのだろうか…そんなことを強く感じます。
少しでも現実を伝えたいなって思うと、こんなに長いページになってしまいます。飽きちゃった人、ゴメンネ。

ゾウのような大型の動物は、1頭生きていくのに最低限必要な森の広さがあります。タビン野生生物保護区(1205平方km)でもこのまま放逐を続ければ、この地域の生息可能な限度を越えてしまいます。そのためサバ州政府はゾウの輸出を始めているそうです。自然環境の中でなくても、遺伝子が世界のどこかで残っていればいいってワケか…。うーん。

あまりに長くなってしまったので今日はこの辺で。

ゾウの写真撮影 : Sachiho 

参考資料:「ボルネオ島 アニマル・ウォッチングガイド」 安間繁樹 文一総合出版 P123

 この本は、ボルネオ島に行こうと思ってるなら、アジアの熱帯雨林の動物について興味があるなら絶対お勧めの1冊です。 TOMがこの本を紹介した人のほとんどが後で、自分で買っています。スンダトゲネズミの見分け方の絵なんか、もう大うけ!

ウィキペディアのゾウについての記事はこちら 

アジアゾウとアフリカゾウの違いについて書いてあるページ http://www.paopaoland.com/data/data/data.html

上記のページのTOPページ パオパオランド http://www.paopaoland.com/
ゾウさんのページ。あったかい語り口調がとってもいい!絶対見てみて!

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コメント

こんにちは。
やっと日本に帰ってきました。

シンガポールではお世話になりました。写真の整理をしていてシンガポール植物園を懐かしく思い出しています。帰りに新しい建物をバスの中から見たのですが、まだゲートはオープンしてないんですね。あれから一月もたつのに・・・。

TOMさんもボルネオに行かれてたんですね?僕が先日ボルネオに行った時には象には会えなかったので羨ましいです。期待していたラフレシアも残念ながら出会えませんでした。

紹介されている『ボルネオ島・アニマルウォッチングガイド』は確かに良い本ですね。僕の友人も買って、持って行ってました。

しかし初めて訪れたボルネオで、話に聞いていたアブラヤシのプランテーションの広さを目の当たりにしてショックを受けました。

日本でエコロジカルな商品として売り出されているアブラヤシ製品がこんなに自然を破壊する原因になっているとは。。。。

ぼくはテングザルと蛍を観察するリバークルーズに参加したのですが、あまり多くのテングザルが見えてビックリしました。もともと川近くに住むサルとは言え、川沿いにしか残っていない森林に過剰に集まっているのかもしれません。

旅に出ると色々なことを考えさせられます。

旅と展覧会の様子はまたHPにアップしていく予定ですので、またお時間あれば覗いてみてください。

では、また!

投稿: COCA-Z | 2006年8月 4日 (金) 11時15分

はじめまして。メールありがとうございました!
リンクもありがとうございます!こんなところでお役に立てるなんてちょっと嬉しいです(^^)

そして珍しいボルネオゾウの話題楽しませていただきました。機会があったらボルネオに行ってみたいですが…なかなか難しいですね~。
でわ!!

投稿: ran@パオパオランド | 2006年8月 4日 (金) 20時26分

COCA-Zさん
お帰りなさい!お疲れ様でした。アブラヤシの風景には本当に驚かされますよね。日本にいたときには想像もしたことがなかった風景でした。
展覧会と旅の様子をホームページで見るのを楽しみにしています。

パオパオランドさん
リンクを快く受けてくださってありがとうございました。インターネットの世界って不思議な縁で繋がっていくのが不思議で面白いですね。これからもよろしくお願い致します。

投稿: TOM | 2006年8月 5日 (土) 00時16分

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