色戻りの木
Bauhinia kockiana
シンガポールの住宅街をお散歩していて出会った、すっごく見事なアーチのあるおうち。その見事なアーチを作っているのがバウヒニアコッキアナちゃんです。どうです?「熱帯の住人もやるなー」って感じでしょ。
コッキアナちゃんは公園でも一般の住宅でもよく見かけます。つる植物で狭い場所でも自由自在に育てられることと、お花がきれい!ってのが人気のヒミツでしょう。
こんな風に いくつものお花が球状に付いて、遠めに見ると鞠みたい。オレンジ色の中に黄色の花が見えるでしょ。これが咲き始めの花です。
黄色の花は受粉が終わっていないので、虫に「おいでー」と特に強く誘いをかけているんだね。受粉が終わった花は濃いオレンジ色に変わり、でも色は残して色の面積を広くし、鞠全体で虫の目に付くようにしています。
ポチッと小さく色があるよりも、面でどどーんとあった方が人間だって見つけ易いでしょ。虫くんも同じだから、「受粉ができるお花がここにあるよー!」とまとまって咲いて主張しているわけ。
1つ1つのお花は直径5カラcmくらい。お花の真ん中にメシベと柱頭が見えます。子房も見えるよね。
コッキアナちゃんはマメ科のつる植物なんだけど、子房がね、こんなに小さいのにちゃんとマメの形をしてるよー。おもしろいでしょお!
花が終わると、子房が大きくなってきて実になります。その頃には花びらの色があせてきて、またまた黄色に戻ります。
だからイロモドリノキ(色戻りの木) という和名がついているんです。英名とかの訳ではなさそう。シンガポールの植物は、第二次世界大戦中にシンガポール植物園にいた日本人植物学者たちが日本名をたくさんつけたと聞いているので、これもその一つなんだろうか?植物に名前をつけるのも楽しそうだねぇ…。
さっき、「花びらが色が変わる」というところで、「花びら」って書いちゃったんだけど、こんなにしつこく残り続ける花びら。花びらでいつまでも残るのって珍しいよね。もしかしてこれはもともとはガク??今度、もっとよくお花を観察してみようっと。
アーチだけでなくて、左の写真みたいに塀とかに沿わせてもキレイです。パーゴラの上にいっぱい咲いている子もシンガポール植物園にはいます。
葉っぱはこんな風。長さは10cmくらいかな。
バウヒニア属だけど、私達がよく見るバタフライツリーのバイヒニアちゃんとは、葉っぱもお花も違っています。
マメ科 Leguminosae
原産地:マレー半島
Common name: イロモドリノキ
資料:「1001 Garden Plants in Singapore」P5
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コメント
見事なアーチですね。
ゲートにヴェールがかかっているみたい。
色が戻るって面白いですね。
実がついている時に花弁が残っているのは初めて見ました。実のつき方も変わってますね。
投稿: ryu | 2006年9月13日 (水) 21時49分
ryuさん
面白いでしょ。私が大好きな花の一つなんです。日本の庭でもつかえたらいいのになあって思うのだけど、中々難しいみたいですね。
投稿: TOM | 2006年9月14日 (木) 06時50分