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2006年10月30日 (月)

近況

今日は何とか記事をアップできましたが、PCがおかしくて、なかなかネットにつなげないでいます。何回も再起動をかけたりしながらだましだまし使ってるんですが、そんなこんなに使う時間が多くて、時間切れになる日もしばしば。記事のアップが滞りがちで、お返事もろくすっぽできないでいますが、どうぞどうぞご理解のほどをーーーー(涙!!!!)

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ゴールデンシャワー

Cassia fistula

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シンガポールの街路樹や公園でよく見かける木。熱帯植物要覧では落葉小高木とあって、6~12mとあったけど、もう少し大きくなるような気もします。

ゴールデンシャワーという名前の通り黄色のお花がいっぱい垂れて咲いていてきれいです。

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お花のアップ。よく見かける木ほど写真がないのだよね。いつでも撮れるって思っちゃうせいかなー。黄色のお花が咲いているのはよく見ますが、近くで写真が撮れることってなかなかなくて、不満足な写真のままアップです。

マメ科 Leguminosae

原産地:熱帯アジア

Common name: Golden Shower Tree, Indian Laburnum , Purging Cassia , ナンバンサイカチ 、ゴールデンシャワー

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花が終わるとこんな実がなります。面白いでしょ。長いものは30cm以上。モンキースティックってTOMたちは呼んでいます。

道によく落ちているので、TOMたちは拾ってお部屋の飾りにしたりしています。

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全体の感じ。これは緑がおおいけど、お花がいっぱい咲いているときはとーってもきれい。シンガポールで名前を覚えて欲しい木のひとつです!

資料:「熱帯植物要覧」P160

「1001 Garden Plants in Singapore」P324

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2006年10月29日 (日)

大実(おおみ)ヤシ

Lodoicea maldivica 、L. seychellarum

昨日のオオマメ(大豆)に続き、大きいものシリーズ。植物界で世界最大の種子を持つのがこの子。セイシェル諸島原産で珍しいんだけど、シンガポール植物園では雄株と雌株の両方を見る事ができます。

実がデカイ。タネもデカイので有名で、その名も「大実(オオミ)ヤシ」と呼ばれるヤシ。大きくなると直径60cmにもなるんだそう。シンガポール植物園のタングリンセンター近くにあるオオミヤシの雌株にぶら下がっている実も直径30cmはゆうに超えています。

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上の写真は実の写真ですが、この一番外側の部分がはがれると、硬い内果皮の部分が出てきます。おみやげ物にされているのはこの部分。セイシェルに旅行に行った友人がきちんと焼印を押したものを買ってきて見せてくれたことがあります。

この部分はまるで女の人のおしりのような形をしていて面白いのですが、手元に写真がありません。ごめんね。ネット検索すればきっとでてくると思うので探してみて!

資料によると、これが昔からインド洋の浜辺に打ち上げられて、珍しいので高く売られたり、呪術や医薬品の原料にされたりしたんだそう。1743年にフランス人がセイシェル諸島に上陸してこの木を発見するまでは、「この変な女の人のおしり」は謎のシロモノだったんだって。モルジブの海底には木が生えていると信じられもしていたらしいです。面白いねー。

3_40木の高さは雄株で35m雌株で15~20m

雄株は植物園のパームバレーにあります。ダブルココナッツと書いた大きめの看板がついているので、すぐにわかると思います。(左の写真の子)

お花はこんなふう。直径10cmもありそうな花序にくっついています。下に落ちていたのはこんな雄花でした。

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シンガポール植物園では2002年12月頃から女の子の株があるエリアが工事中になっていたので、長い間まだいるのかいないのかTOMたちは気をもんでいましたが、先日そのエリアがリオープンしたらちゃんと元の場所にいてくれました。そんなわけでようやく写真も撮れてアップができて嬉しいよー。それ以来気を付けて見ていますが、雌花の写真はまだ撮れていません。雌花の花序の残骸らしきものが落ちていたのでパチッ。

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10_7少し前まで、タネがこんなふうに囲まれてパームバレーに植えられていました。今はありません。失敗しちゃったのかなー。

植えられているのが核。例の「女の人のおしり」みたいな部分です。「核は大型、2個の楕円体が連結した牛の睾丸状、凹部に黒色繊維、重さ20kg前後。好色的置物として珍重。花瓶、水がめに加工。」と熱帯植物要覧にはありました。好色的置物って…なんかスゴイ表現ですね(笑)。

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葉っぱが1枚出るのに1年かかるとかで、左の写真は幼木ですが、こんなふうになるまでにも10年近くかかってるのかな?と思いました。

前に読んだ本(今、手元にないので確認ができない)では、オオミヤシの実が熟すまでには10年かかり、おまけに芽が出るまでに数年かかり、とっても気の長い植物だ…といった記述を見たような記憶があります。下記の資料でも「開花までに30年(熱帯植物要覧)」とか「直径60cmにもなる果実は数年がかりで熟す」とあり、確かにそうなんだなーと確認した次第。

ヤシ科 Palmae

原産地:セイシェル諸島のプラリン島とキュリエーズ島にだけ分布

Common name: Double coconut , Moldive nut , Sea coconut , オオミヤシ、ウミヤシ、フタゴヤシ、ダブルココナッツ 

資料:「熱帯植物要覧」P527

「朝日新聞社 植物の世界」 P11-108

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2006年10月26日 (木)

大豆(おおまめ)の木

Millettia atropurpurea  、 Callerya atropurpurea

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公園とかでよく見かける木。TOMたちは「大豆(オオマメ)の木」と呼んでいます。

文字通り、豆がデカイから。大抵は1個~数個の豆がでっかい莢の中に入っています。左の写真のとおり。

花や実は下から見るとこんな風になっています。

30mにもなる高木なので、花は大抵は下に落ちているのを見て、「あ、花が咲いてる!」って気がつくことが多いです。

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こんなふうにお花はまとまって咲いています。下から順繰りに咲いていく様子がわかるね!

濃いきれいな赤紫色をしている中に黄色の筋。かわいいね!黄色の筋で虫ちゃんに「おいで、おいで」って誘っているんでしょうねぇ。

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マメの仲間らしい花の形をしています。

分解してみるとこんなふう。オシベの一部ががくっついています。

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マメはこんなふうに木になっています。種子は「サポニンを含み有毒」と資料には書いてありました。マメなのに食べられないんだー。残念!

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葉っぱは羽状複葉。小葉は3~4対。若葉は食べられると資料にはありました。

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マメ科 Leguminosae

原産地:ビルマ~ボルネオ

Common name: Purple Millettia,  Tulang dain ,トランダイン

資料:「1001 Garden Plants in Singapore」P411

「熱帯植物要覧」P185

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時間が欲しいよー

すみません。すみません。ついうっかりM女子から宝塚のDVDを借りてしまったのがイケナイ。いやそれだけではないのだが…時間がないです。抱えすぎだって自分でもわかってるのだが…。早くお仕事終わらせてきれいな体になってゆっくり宝塚を見るぞー。

コメントのお返事もできてないし、メールの返事もしてないし、UPも当然のことながら…。ごめんなさい。

1枚だけ写真をプレゼント。

ワイルドシナモンのお花です。今、日本人会の前のバス停のところで5mmくらいの小さな花が咲いています。こんなに小さな花なのに、写真を撮ったら小さな虫がいっぱい中にいました。肉眼では見えていなかったので、びっくり。小さな花には小さな虫が花粉を運んだりするためにちゃんといるんですね。

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今日はマクリッチに行ってきます。地図書きもいよいお終盤。頑張るぞ!

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2006年10月23日 (月)

イチジクの花の謎

こちらのブログでは頻繁にイチジクという言葉が出てきます。でもこれは私達が普段日本でスーパーで買ってくるイチジクそのもののことではなくて、イチジクの仲間たち(クワ科イチジク属に属する植物達)のことを指しています。

1_52 シンガポールで散歩をしていると本当に色々な木に出会うし、実がなっているものがいっぱいあるんですが、それらを見分けためにTOMたちはとりあえず実を割ってみます。食べるイチジクのように粒々したものが中に入っていれば、「あ、これもイチジクちゃんの仲間だ!!」って思うわけ。

森はもちろん、公園や住宅街を散歩しているときも、とっても色々な種類のイチジクの仲間に出会います。

前にも書いたようにイチジクの仲間たちは、熱帯の動物達の大切な食料源になっていて、熱帯の生態系の中でとても大切な役割を持っています。

そんな風にいっぱい種類があって、よく出会うイチジクちゃんですが、実はしょっちゅう見かけるけれど、花は全然見かけません。…でしょ??

漢字で「無花果」と書くことからもわかるように、3000年に1度しか花を咲かせない、花がとてもレアーな植物だからです。

なーんて書くと集中攻撃を受けそうだな…。
真っ赤な嘘です…。ごめんなさい。

花はいつも咲いています。どこに??
私達の目に付かないところでひっそりと…。

ちょっと寄り道。植物がお花を咲かせるのは何故でしょう?

目立つ花色をつけたりして、「ここにお花があるよー」と虫や鳥などにお知らせするため。つまり私達が普段、「花」と思って見ている花は広告塔なんです。目立つ花を見つけてもらって「オシベの花粉を別の花のメシベの柱頭に運んでちょうだい! 」というのが花の役割。

イチジクの場合は、確実に仲間の花に花粉を運んでくれる重要なパートナーを持っているので、別に花は目立たなくていいんです。

上の写真なら、内側にびっしり付いているのがたくさんのお花の部分。(ただし、この写真の状態が蕾なのか花なのか花の後なのか定かではナイ…)

なので、私達が想像するような「花らしい花」はなくて、ひっそりと人知れず花が咲いているので、「イチジク=無花果」なんて呼ばれちゃうわけ。

ここで登場した「重要なパートナー」、これが「イチジクコバチ」です。

イチジクの花粉はイチジクコバチ科に属する昆虫だけが運びます。イチジクとイチジクコバチの間には「植物1種に昆虫1種が対応する厳密な関係」があり、「2種類以上の生物が互いに影響を与えながら進化する「共進化」とよばれる現象の、最も顕著な例であると考えられてきた。」のだそうです。(「植物の世界」P8-142)

つまり1種類のイチジクには1種類のイチジクコバチが大切なパートナーとして存在しているわけ。

そんなわけでTOMたちがイチジクの実を開くと時々イチジクコバチが中にいるんですが、先日正体不明だけど確実にイチジクであるイチジクちゃんのイチジクコバチの写真が撮れたので、花の受粉のヒミツと共にアップです。

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正体不明のイチジクはこれ。

ブキバトネイチャーパークで、5mくらいの高さの木の下に1cmくらいの大きさの黄色い実がたくさん落ちていました。

木にくっついていた方が見えているのが左、その反対側が右です。2_56

イチジクの中にお花が咲いているからには、この中にイチジクコバチは入らないといけません。そのための「入り口」が必要です。

右側の写真をアップにしたところ。よくわからないかもしれないけれど、この先っちょのところが入り口になっています。

花粉を持ったイチジクコバチのメスはここからイチジクの中に入り込みます。この部分はたくさんの鱗片でおおわれた小さな穴になっていて、中でお花が咲いているときはこの鱗片が少し緩むんだそうです。

イチジクコバチのメスはこの穴からイチジクの花序花嚢かのうと言う)中に入り込んで、中に咲いている雌花虫えい花に卵を産みつけようとします。雌花はメシベの花柱が長いのでメスは卵を産み付けられませんが、中えい花は雌花の中にあって雌花と同じようなものなんだけど、花柱が短いので卵をうまく産み付けられるんです。このとき片っ端から卵を産みつけようとするので、雌花は受粉でき、熟してタネを付けることができます。

卵を産んだメスは役割を終えてここで死んでいきます。

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上の写真は開いたところ。小さな瑠璃色に光る虫のようなのが見えました。動きません。もしかしたら、これが卵を産んで、花嚢の中で死んでいったイチジクコバチのメスなのかもしれません

もっとよく観察します。茶色の透明な虫がもぞもぞ動いているのが見えました。

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わかりますか?

メスは虫えい花の子房の中に卵を1つずつ産んで幼虫は1匹ずつ1つの虫えい花の中で、子房を食べてさなぎになり、羽化して花の中から出てきます。

まず最初に出てくるのはオスなんだそうです。オスはまだ虫えい花の中にいるメスを見つけて交尾をします。そしてその後、メスが出てくるのだそう。

8_12 この茶色の透明なのはオスのイチジクコバチです。とにかく小さい!!TOMの手のしわがわかるくらいに拡大しています。アゴが発達しているのがわかりますか?

交尾を済ませた後、オスはメスが外に出るのを手伝って、花嚢の中で死んでいくんだって。だから目も見えないし、羽もありません。

下の写真はまだメスが虫えい花の中にいて黒いのが中に入っているのが見える様子と、もう出てきちゃって空っぽになった様子。わかる??

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そうこうしているうちに黒いメスが出てきました。

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メス目も見えて、羽があって…と聞いていたけど、本当だー。オスと全然違います。大きさも少し、メスの方が大きい感じです。

でも小さいことに変わりありません。

交尾を済ませたメスはオスの助けを借りて、お母さんが入ってきた鱗片でおおわれた小さな穴を通って外に出て行きます。

下の写真は出口の様子。鱗片でおおわれた小さな穴の様子がよくわかりますね。

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出口をもう少し拡大。

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じつはこのとき出口のところに雄花が咲いています。雄花がどれかわかる?

うんしょうんしょ…と頑張ってメスは外に出ます。このときに花粉がメスにくっつきます。そして、メスはイチジクの花粉を体につけて、別の個体の同じ種類のイチジクのところへ、卵を産むために飛び立っていくんです。

あとは最初から繰り返し。

どう?よくできてるでしょ?

1cmにも満たない小さなイチジクの中で行われている恋の駆け引き…目の当たりにできて面白かったよー!!

補足はそのうち…。今日は時間切れです…(涙!)

資料:「朝日新聞社 植物の世界」

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2006年10月20日 (金)

テントウムシダマシ

先日紹介した、マクリッチで見た4つの黄色の星がある虫について、ガイドグループのHitomiさんが情報を寄せてくださったのでご報告です。

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先日紹介した「ルリイロテントウムシダマシ」ではインターネットでヒットをしなかったので色々な言葉で検索をしてくださったそう。

以下Hitomiさんからのメールから転載です。

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ちょっとしつこく、あれこれやってみたところ、“ルリテントウムシダマシ”だの“ルリテントウダマシ”だのでヒットするものがあるのを発見。どうやら彼?の お仲間らしい(でも違う子です)ムシさんも出てきました。この周辺の記述をあれこれ読んでいくと、テントウムシダマシと呼ばれるものにはふたとおりあるようです。

★テントウムシダマシ科という甲虫のひとつの科をなしているグループがひとつ。
★テントウムシの中の害虫にあたるものを、いわゆるテントウムシと区別してテントウムシダマシと呼ぶグループたちがひとつ。

実は両者は別物で、混同してはいけないらしい。
そして後者はテントウムシモドキとも呼ばれているのが分かりました。

・・・・・で、長々と書いて、何が言いたかったかというと

私たちが見た虫さんは、前者のテントウムシダマシ科(テントウダマシ科とも言う)のグループの虫さんにほぼ間違いなさそうです。和名で呼ぶとしたら、テントウダマシ(テントウムシダマシ)の仲間とかルリテントウダマシ(ルリテントウムシダマシ)の親戚(ただし属が違うのでそんなに近くはない)、とかというところでしょうか。

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それから、確かどこかで、学名の載った写真を見たことがあるーー、と思って探したところ、私の好きな本のひとつ、“Ours to Protect”22ページに出ていました。

それによると、彼の本名はEumorphus dilatatus とあります。ただ、この学名でネット検索しても、何にもヒットしませんでしたけど。属名だけにして検索してみたところ、いちばん似通っていたのが、こちら。
同属(Eumorphus)でいちばんたくさん出ていたのがタイワンオオテントウムシダマシでした。
こちらは翅は黒く見えるけれど、実は藍色なんだそうな・・・・
ルリテントウダマシと通じるところがありますね。

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Hitomiさん、ありがとう~~!!!

このキノコの裏にいるテントウムシダマシちゃんは、マクリッチのトレイルのパンフレットにも写真が載っています。マクリッチではポピュラーな種類なのか、はたまた珍しいから自慢したくて写真が載っているのか理由はわかりませんが、サルの腰掛けのようなキノコちゃんを見つけたら、ぜひぜひ裏側も観察して、この子もちゃんと見てあげてくださいね!

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2006年10月19日 (木)

シンガポールの落葉の季節

mさんからこんな質問メールをいただきました。

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熱帯、特にシンガポールには落葉の季節はあるのでしょうか。

7月の終わりに日本から旅行で来星した方を案内していたら、その方が「こちらにも落葉があるのねー。」と言われたのです。確かに黄色く色づいた葉がたくさん落ちていました。
落葉は冬への準備というイメージがあって、年中夏のこの国とは結びつかず、深く考えた事がありませんでした。種類によるのかもしれませんが、気をつけて見ていると、茶色く枯れた葉が落ちている木も。…後略

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2_54うーーーん。TOMが見ている限りでは。
落葉の季節…。シンガポールでは明確にはないように感じます。
それぞれの木ごとに、てんでんばらばら、落葉の季節を迎えているように見えます。

TOMなりにこうじゃないかな?と思ってるものはあったんだけど、考えれば考えるほど「じゃあ、この場合は?」とかこんがらがってしまったので、いつもお世話になっている先生に聞いてみました。

******************

①結論を言うと、シンガポールが原産の木で「一度に落葉する性質を持っている」木はあまりないそうです。

②でもタイなどに行けば乾季・雨季がはっきりしているので、乾季に一度に落葉する性質を持っている木がたくさんあります

③あと、南アメリカのタベブイアなどは雨季乾季がはっきりした場所ではなくても、落葉してから花をつけたりする そうです。葉が無いほうが花粉を運んでくれる虫の目に付きやすくて有利だからではないかとお話されていました。

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後はTOMの補足です。おかしなところがあったらご指摘ください。

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葉は…、熱帯でも落ちます。
日本の常緑樹のクスノキとかでも、いっぺんに葉っぱが落ちることはないけど、葉っぱの寿命が来ると、ぱらぱらと落ちていたでしょ。私達の髪の毛とかも寿命が来ると抜けちゃうよね。おんなじです。

mさんが見たのは多分「いっせいに葉っぱが落ちて、いっせいに葉っぱが出て来るタイプの木」。日本の落葉樹のようですよね。寒くなんかならないのにどうしてシンガポールでいっせいに葉っぱを落とす必要があるの?って思うのは当然だと思います。

1_50先生のお話だと、「シンガポール原産の木ではそういった性質を持つものはあまりない」ということなので、シンガポールで葉っぱをいっせいに落としている木は、どうもシンガポールではなくて、別の地域原産の木が多いようです。一番上の写真はシーフィグというイチジクの仲間ですが、時々こんなふうにいっせいに葉を落として、きれいな若葉をいっせいに出しています。とてもきれいです。

シーフィグの原産地は「1001 Garden Plants in Singapore」P371では「日本、中国、インドシナ、マレシア、熱帯オーストラリア」となっていて「シンガポールも原産地の1つなのに落葉するよ。どうして?」と思っていましたが、先生のお話だと「分布範囲が広いから…」というニュアンス。TOMは、「シーフィグなんかの場合は、今は赤道をはさんで両熱帯・亜熱帯にひろく分布しているけど、本来は赤道直下でないところで進化してきたものだから、シンガポールでも落葉する性質を持つんじゃないかな」と思うんですが、どう思う??

さて。根本に話を戻します。植物が葉っぱをいっせいに落とすのは何故なんでしょう?

寒かったり雨が少なかったりで、葉っぱを付けてても得るものよりもロスのほうが大きいと「面倒臭い…、えーい、休んじゃえー!」てな具合で、葉っぱを落としちゃうように進化した植物達…これが一般的な落葉樹。大きな原因は「温度と水」です。

同じ熱帯地域でも、北回帰線や南回帰線に近いほうに行くと、季節風の影響を受けて、雨季と乾季がはっきりと分かれる地域(シンガポールの乾季雨季と違って乾季にはほとんど雨が降らない)があって、このあたりには乾季に落葉する植物がいっぱいあります
日本の冬から春への変化と同じように、乾季は葉っぱを落として休息を取り、雨季に向けて花を咲かせ葉っぱを出し実を結ぶタイプの植物熱帯にもあるわけ。

シンガポールは赤道直下で、乾季と言ってもまったく雨が降らないわけではなく、植物が葉っぱを落とす必要はありません。でもシンガポールにはそんな熱帯季節林(雨季と乾季がある森)で進化してきた植物がたくさん導入されていて、その子たちが故郷での習慣を忘れられず、葉っぱをてんでんばらばらの季節に落としているんではないかなとTOMは予想しています。

シンガポールの街中で見られる植物のじつに8割が外来種なんだそうです。東南アジアだけでなくて、アメリカやアフリカの熱帯地域からとってもたくさんの植物がやってきています。とーってもグローバル!

ガーデンシティを作るために世界中の熱帯・亜熱帯から植物を導入し、うまく育ったものの中から、ガーデンシティの構築に役に立ちそうな樹種を積極的に植樹した結果なんだって。緑陰を作るもの、きれいな花を咲かせるものなどが初期には積極的に植えられました。

その結果が「てんでんばらばらに落葉しているように見える樹木たち」なんじゃないかなぁ。どうでしょう?

でも先生のお話の③によると、落葉樹はそれだけではなかったんですね。花粉を運んでくれる虫や鳥の目に付きやすいように、あえて葉を落とすものもある ってことをはじめてTOMは知りました。

下の写真はシンガポールでのタベブイア。この写真では葉がいっぱい付いていますが、確かに5月頃花がたくさん咲く頃のタベブイアは、葉がたくさん落ちてしまってつるっぱげ状態に近いものもたくさん見られます。

1_49

それぞれの樹木が葉を落とす原因は、樹木たちの原産地での暮らし方を見ればたぶん一目瞭然なんだろうな。でも私達は世界各地を旅行して歩くわけにはいきません。今、目の前の樹木たちの様子を見て、どうして?なぜ?って思いながら、原産地での暮らし方を想像するのも楽しいなあってTOMは思います。

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2006年10月18日 (水)

ヒル

シンガポールにはもうヒル(蛭)はいなくなってしまったんだろうと思ってましたが、自然大好きHonda Family が「ブキティマで蛭を発見したよー!! 」って情報を送ってくれました。しかも写真つきで!

S_11

普段、ブキティマやマクリッチを歩いていても蛭に取り付かれたことはありません。蚊にさされることもそれほど多くは無く、怖い熱帯雨林というイメージとは程遠く、かなり快適に散策しています。

でもマレーシアのフリムに行った時やボルネオ島のセピロクでナイトウォークをしたときは、「ヒルが出るからヒルソックスを履いてね」と忠告をされて、ヒルソックスを履いて散策に臨みました。シンガポールにも昔はいたのでしょうが、今はほとんどいません。というか、Honda Family が知らせてくれるまでは絶滅したんだろうと思ってました。だからこれは私達にとっては大ニュース!Honda Family ありがとう!!

森に本来いるはずのヒルがシンガポールでいなくなってしまった原因についてはTOMは勉強不足で分かりません。自然度が高いところでないと生きていけないものなのでしょうか?

ヒヨケザルオナガザルなど大型の哺乳類が残っている中で、何故こんな小さなヒルがいなくなってしまったのか?誰か教えて下さい~~(@_@;)

閑話休題。

こんな木の枝のような形のヒルは、動物の気配を感じると飛びつくために頭(?)をグネグネっと回しながら、飛び掛かる機会を狙っているようです。

飛びついて血を吸います。おなかいっぱいになる頃にはブクーっと信じられないくらいに膨らんでいるそうです。

ボルネオでは友人が付かれていっぱい血を吸われたのですが、その際に血がなかなか止まらずに困ってロッジの人に相談したら、「ネバーマインド」とニコニコ笑ってタバコの中身を傷口に押し当ててグニグニっとやってばんそうこうをペタリ。カンタンに血が止まりました。

ボルネオでは場所によってはヒルに吸われたと申告すると、「献血証」を出してくれるんだって。うちの子どもは付かれただけで吸われずにすんだんだけど、この話をしたら、ちょっと悔しがってました(笑)

Honda Family が提供してくれた他の写真たち 

ラフレシア-1 ラフレシア-2 太陽の形のキノコ

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2006年10月17日 (火)

マンゴーの花

Mangifera indica

マンゴーだよー。おいしいおいしいマンゴーだよー。
日本にいたときはほとんど食べたことがなかったマンゴー。シンガポールに来て、まずマンゴープリンにはまりました。おいしい…。「こんなにおいしいものがあったんだー」と感動し、3年くらい、デザートと言えばマンゴープリンを食べて食べて食べまくりました。おいしかったー。(今はハニーデューサゴばかり食べてます。)

7_15

そしてここのところTOMが恋焦がれていたのが、マンゴーの花。
だって背が高い木が多くて、おまけにマンゴーの花は木の上の方に立って咲くから、マンゴーの花が咲いているのは見えるんだけど、マンゴーの花が実際にどんなものなのかは見られなくて、「マンゴーの花~」と念仏のように唱えていたのでした。

今日、タクシーに乗っていたら、低いマンゴーの木発見!3mくらいでおまけにお花が低いところで咲いてる!!!

用事を済ませて「愛しのマンゴーちゃん」のところまで戻りましたとも!!

お花は左のように小さなお花がこんなふうにまとまって立ち上がって咲きます。

さぁ。見て!!!実際は7~8mmしかないマンゴーちゃんのお花!!!!多くのお花は5枚の花びらなんだけど、たまたまきれいに撮れてた写真は花びらが6枚のものでした。白に黄色の筋の入った花びらがなんともキュートでしょ?

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1つ1つ手にとって見ているうちに気がついたこと。

あれ?オシベが1個しか見えないぞ???

5枚花びらがあったら、真ん中に1つのメシベがあって、花びらに合わせて5つのオシベとかいうのが、何となく普通の花のような気がしません?

変なのよー。マンゴーちゃんの花。

5_27

「変~~!!」って騒いでいたら一緒にいたMさんが「マンゴーのお花はメシベが1個にオシベが1個なのよ」って教えてくれました。

左の写真を見て。放射状に広がる花びらを持ちながら、めしべとオシベがいびつにくっついているのが面白いでしょ。

コーナー先生の「Wayside Trees of Malaya」に詳しく書いてあるそうです。家に帰ってすぐにコーナー先生の本を開きましたが、英語なので今日は挫折。1日中歩き回ったので眠い…。

とりあえずはマンゴーのお花を見た感動をアップ!でした。

ウルシ科 Anacardiaceae

原産地:インド、ビルマ

Common name: Indian Mango, Mango,インディアンマンゴー、マンゴ

資料:「Wayside Trees of Malaya」Corner P119

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2006年10月16日 (月)

たくよう-托葉-

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「たくよう-托葉」って言葉を聞いたことがありますか?

広辞苑によると「普通葉の葉柄の基部にある葉片。双子葉植物に多く見られ、形・大きさは変化が大。バラ科・マメ科・アカネ科などで著しいが、全くこれを欠く植物もある 」

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同じ電子辞書に入っている生物事典では「葉柄のもとにつくふつう1対の葉状の小片。そえ葉ともいう。大きさや形はさまざまで、エンドウでは大きく発達して葉身のようになり、サルトリイバラでは巻きひげになっている。

森を歩いていると、色々な托葉に出会います。先週の木曜日にはかわいい托葉にいっぱい出会いました。このとき撮った托葉の写真を紹介…。

上の2枚の写真は同じ植物。下が托葉のアップ。

「いや、何?かわいいー!なんか飾りでも付けてるみたい~」って騒いでパチっ。植物の名前は聞かないで(汗 (^^;;

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お次の2枚も同じ植物。上から見るとどうってことはない植物に見えるけど、葉っぱをめくって托葉を見ると、なんとも個性的。

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ドレスを着ているみたいでしょ。

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こんな格好の「うふふっ」って両手を合わせているみたいな子もいました。

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普通の枝なんですけど、よく見るとアイビーの葉っぱみたいなかわいいかわいい托葉ちゃんが…。

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葉っぱが若いうちにはあって、後から落ちてしまう托葉や、まったくないものなどもあります。花などが乏しい森の中では植物を見分ける時にとっても役だってくれています。

他にもたくさんの面白い托葉があるんだけど、今回はちょっとだけ…。

書いてるうちに「オタク葉」なんじゃないかと思えてきた…。あまりにもマニアックというかどうでもいい世界なんですけど…。

でもカワイイって思いませんか?!!!

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2006年10月14日 (土)

ディーパバリとハリラヤのライトアップ2006

今年もやってきました。ディーパバリハリラヤの季節。ライトアップだけは押さえとかないと…と思っていたので、ちょっとドライブしてきました。

今年のディーパバリは10月21日(土)、ハリラヤは24日(火)、来週末です。シンガポールは1つお休みをつけると4連休になるので、旅行モードの人たちがいっぱいいます。

まずはディーパバリから。ヒンズー教の人たちのお祭り。シンガポールでは主にインド系の人たちが信仰しています。

De1

De2

去年よりも今年の方がきれいな感じがしたなぁ…。

De3

途中で通りかかったゲイランで…。ドリアンの季節ではないので、スイカやジャックフルーツもいっぱい並んでいました。D-24というのは高級なドリアンのブランド。

De4

お次はハリラヤ。

ハリラヤはラマダン明けのイスラム教の人たちのお祭りです。シンガポールでは主にマレー系の人たちが信仰しています。

De5

De6

シンガポールに来たばかりの時には何もかも珍しくて、友人達に南国だよりなんてのを送っていました。

ラマダンとディーパバリについても書いて送っています。こディーパバリはこちら、 ラマダンはこちらのページです。よければついでにどうぞ。昔に書いたものなので、すごく恥ずかしいですけど。

去年のライトアップの様子はこちらです。

ディーパバリ

ハリラヤ

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2006年10月13日 (金)

絞め殺しの木の育ち方

1_45 昨日の続きです。

どうやってこんな「けったいな形」の木ができてくんでしょ???

そう思いませんか?

絞め殺しの木の性質を持つのはイチジクちゃんの仲間の一部。

ご存知の通り、イチジクの実は食べられます。熱帯のイチジクもしかり。

おいしい実をつけて、哺乳類や鳥に食べてもらい、種子を運んでもらう…という戦術で自分のテリトリーを広げています。

イチジクを食べた子たちのウンチはどこに運ばれていくのでしょう?動物たちは色々なところにウンチを落とします。ウンチと一緒に再び外界に出た場所、それがイチジクちゃんの新しい生活場所になります。

あるものは木の上に落とされます。動物のウンチと一緒に落とされるので、天然の肥料に包まれた形になっていて、なんとも好都合

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しかし!!

発芽したイチジクの赤ちゃん は、木の上で生活をはじめたので、お水も肥料もそこにはありません。

しょうがないので、根っこをずんずん下に下ろして、水や肥料を供給してくれる土を探します。

このとき降りていく細い根っこを気根(きこん)と言います。

ここで問題です。

イチジクの実が動物達の大切な食料であるなら、植物達の食料はなんでしょう?

答え:お水お日様の光!!

光合成って知ってるでしょ??光合成で作り出すデンプンが植物達のご飯なんです。

デンプンの材料は二酸化炭素お水お日様の光。

熱帯の森で一番手にいれるのが難しいのはなんでしょう?

答え:お日様の光!!

熱帯の森って、たくさんの植物がひしめき合っているので、森の外側はものすごい光であふれているけれど、森の下の方は、たくさんの植物にさえぎられてほとんど光が届きません。熱帯の森の下層の植物達はいつも「もっと光を~~!Help Me!」状態。

雨はいっぱい降るから、何とかなる…でもお日様の光だけはどうにもムズカシイ…。

というわけで、イチジクちゃんは とりあえずはお日様の光を思う存分確保して、二の次のお水はその後に確保することにしたわけ。二酸化炭素はいっぱい空気の中にあるからね。

わかる?ケーキが大好きなTOMがビュッフェに行って食べるものがあんまりなかったら「ケーキをまず確保した上で、おかずを選びに行く」のと同じだー???(涙!)

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そんなわけで光を確保した絞め殺しイチジクちゃんたちは、今度はお水の確保に乗り出して、そのために一生懸命、気根を伸ばすんです。

がんばれー!!!イチジク!!!

発芽させてもらった木の幹に沿って伸びていったり、そのままダイレクトに下に伸びていったり。気根の伸び方はイチジクちゃんの種類によってくせがあるので、色々なタイプがあるけど、やってることは同じ。食糧確保!お水確保のために必死で根っこを伸ばしているんです。ああ、ケナゲ…。涙なしでは見守ることはできません…。そしてそして、ついに!!!!

気根が地面に付きました。パンパカパーーーーン!!!! 

もうお水の心配をする必要はありません。

お水お日様の光二酸化炭素を思う存分吸収して、思う存分ご飯が食べられます。もう怖いものなんてありません。 

.

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枝を伸ばします。葉っぱをつけてどんどん光合成をします。枝からは新しい気根を降ろしてよりたくさんのお水の確保をします。

いったん地面に着いた気根は今度は太くなっていきます。種類によっては太い幹のように見えるようになるものもあります。

最初にウンチを落とされたイチジクとは別の木のことをホストツリーと呼びますが、イチジクちゃんはこのホストツリーの周りにどんどんテリトリーを作って大きくなっていきます。

最終的に。

ホストツリーは幹も枝葉も絞め殺し無花果(イチジク)ちゃんに覆われてしまいます。そうすると…。

ホストツリーはお日様の光を浴びることができなくなるので、光合成ができなくなって、つまりはご飯を食べることができなくて枯れてしまいます!

はたから見ると、イチジクちゃんの幹やなんかがホストツリーを ぐるぐる巻きにして枯らしてしまったようにみえる ので「絞め殺しの木」って呼ばれるようになりました。でも実際は「絞めてる」んじゃなくて、「兵糧攻め」にして「餓死」させてるわけだな。

こわいー!なんて思わないでね。

絞め殺し無花果ちゃんは「素直に食糧確保にいそしんでいるだけ」なんだから。

下の写真はシンガポール植物園のレインフォレストエリアにあるジョホールフィグの木。今まさに絞め殺しされているかわいそうな木とイチジクちゃんの戦いの様子を見る事ができます。

ああ、時間切れだー。補足はまた明日。イラストはレインフォレストガイドの時に使うように描いたもの。わかりやすく説明するためにのものなので細かい突っ込みはしないように…。(イチジクは互生だよとか…)。調べ学習の子どもはコピーをしてそのまま使ったりしないこと!!

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2006年10月11日 (水)

絞め殺しの木

絞め殺しの木」…なーんて物騒な名前なんでしょ。

熱帯で育つイチジクちゃんの仲間にこういう名前で呼ばれる種類のものがいっぱいあるのです。

今日紹介するような写真の木、シンガポールだけでなくって東南アジアならどこででも見られるんだけど、思い当たるところない??

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上の写真ぜひぜひクリックして大きくして見てみてください。なんか…スゴイでしょ。オーストラリアのケアンズで見たカーテンフィグに匹敵するんじゃないかって思ったんだけど…。

チャンギ方面でヘリテージツリーを見て歩いている時に教えてもらった木。こんなに大きくて迫力があるのに、この木はヘリテージツリーにはなっていません。(カッコよくてTOMは大好きなんだけどなー)

こんな風に枝から、なんか糸みたいなものを沢山たらしている木は絞め殺しの木

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こんな風に他の植物に巻きつくように根だか、茎だか、幹だかが伸びているのも絞め殺しの木

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前に紹介をした日本でもおなじみの観葉植物のベンジャミン絞め殺しの木

ベンジャミン1 と ベンジャミン2

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ベンジャミンと同じように観葉植物としておなじみのゴムノキ絞め殺しの木。下の写真がそう。人の大きさと比べてね。こちらでは他のゴムを出す木と間違えないようにインドゴムノキって呼びます。

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下のはキリニーロードで撮った絞め殺しの木。 写真のように、太い1本の幹ではなくて、何本もの細い幹みたいなのが集まってるような木があったら、これも締め殺しの木。

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イチジクの仲間(クワ科イチジク属)は世界に800種類くらいあるそうですが、絞め殺し無花果(イチジク)の性質を持つ種類200種類くらいなんだそうです。

え、でも…多い!!!

さて、どうしてこのイチジクちゃんたちは「絞め殺しの木」なんて怖い名前で呼ばれるんでしょ?

どうやってこんなけったいな形の木ができてくんでしょ???

これについてはまた明日(^_^)(^_^)(^_^)(^_^)( ^ _ ^ )

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2006年10月10日 (火)

仏陀のココナッツ

種子のことばかりで恐縮ですが、Pterygota AlataBuddha’s coconutブッダナッツ)というのをご存知じでしょうか。シンガポールでも見られると聞きますが、実態はよく分かりません。殻はドライフラワーやアレンジ素材などとして輸入されているようですが、種子の様子は全く分かりません。カエデのような翼をもっているようですが。教えてください。

Pterygota Alata

「ジャカランダの実が見たい!」というリクエストにお応えして、ジャカランダをアップしたら、コメント欄にこんな質問をtodokiさんがしてくださいました。とりあえず熱帯植物要覧とかコーナー博士の本とかで学名を検索したけど、載ってないし、「知らんなぁー、わからんなぁー、お手上げー」と思ってました。教えてもらったブッダナッツでインターネットで検索すると出るわ出るわ、山のようなヒット。ドライフラワーの材料としてポピュラーなもののよう。

1_41 属名からアオギリ科ということがわかったので、セブンスシスターみたいな実なのかなと思ってました。左のはセブンシスターズ(Sterculia monosperma)の実の写真です。でもこれは決して「翼果」とは言わないシロモノ。謎は深まる…(涙!)

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しかし。偶然というものはあるもので、その矢先、写真を整理していたらこんな樹名札の写真を発見。

「見てるじゃん。私…」記憶の糸を辿ったら、シンガポール植物園のパームバレーで撮ったことを思い出しました。2005年の7月に撮ったもので、このときはお花が沢山下に落ちていました。

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詳しいことを知りたいと思ったんだけど、グーグルで検索してもヒットはするものの、なかなかよいページが見つからなくて、ここでもお手上げ状態。1つだけ「パキスタンのフロラ」ってなサイトを発見。

これによるとブッダナッツには雄花両性花の両方があるよう。雌雄異株とはなかったので、1本の木に2種類の花が咲くということかな?

6_19  雄花の葯の頭は1-2mmの大きさでまとまっていて4-6mmの長さの柱の先にくっついているとあり、両性花のオシベの葯は無柄で子房の曲線に沿って4-5個の房になってくっついている…と書いてあるようなので、この写真はどうも両性花みたいだなって思います。

花びらに見えるところはガクらしくて4枚~7枚。不定。分厚くて数ミリはありそう。中はこんな風に赤っぽい紫色をしてるけど外側は茶色で毛が生えています。うーーん、けったいなお花じゃ(でもカワイイ…)。資料には花序は小さくて、お花が数個付くって書いてありました。木の上のほうでどんな風に咲いているんでしょ?見てみたいです。原産地では花の咲く時期は決まっているらしく、2月~3月に咲く とありました。原産地は雨季と乾季がはっきりしているようだから雨季の前に咲くって感じなんでしょうか?

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どんな木だったか全然覚えていなかったので、あらためてパームバレーに出かけてみました。デカイ!

比較対象になるものがないので、わからないと思うけど、最低でも30m以上はあるわな。葉っぱの様子も何も、下からは全然わかりません!

下に落ちていた葉っぱは下の写真のようなものでした。日本のキリの木とも似てる感じがしますね。

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ブッダナッツでインターネットで検索すると、商品説明として「ブッダココナッツは、インド南部原産の落葉樹であるゴルダーの果実です。熟して一方が割れ、種子が飛び出た後の果皮を色抜きし、乾燥させたものです。」という一文が出てきます。このゴルダーという名称がどこの国での呼び名なのかどんな綴りなのかは、全然わからずじまいでした。

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さてさて。todokiさん念願の種子ですが、救世主がいましたー!このコメント覧を見てガイドグループの先輩hitomiさんが写真を送ってくれました。これはマレー半島の自然保護区で撮った写真だそうです。シンガポールの植物園では何年も見ているけど、花は咲くことはあっても実がなったところはまだ1度も見ていないと教えてくれました。

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実の直径は7~12cm、ちょっとゆがんだ球形、その中に横長で平べったい種子が2列に並んで40個ほど入っているそうです。(資料より)

todokiさん情報の通り、カエデのような翼果ですね!あの高い高い木の上から、この翼果がくるりくるりと回りながら落ちてくる様子…見てみたいよー!新たな事実を知ることが出来てTOMも大満足。todokiさんありがとう!

写真提供hitomiさんも本当にありがとう!!!

パキスタンのフロラの資料には、「樹形がかっこいいので庭や道路に植えられて日陰を作るのに使われている。種子は食べられると言われていてSylhetでは麻酔の代用品として使われている」とあったのだが、麻酔になるようなものを食べて大丈夫なんだろうか????

アオギリ科 Sterculiaceae

原産地:南西インド、インドのSikkim, Assam 、アンダマン諸島、ビルマ、バングラデシュ

Common name:Kasah, Buddha’s coconut, ブッダナッツ、ブッダココナッツ

資料:パキスタンのフロラ 注:TOMの英語能力はとってもとってもpoorです。すべてを鵜呑みにしないように。きちんと知りたい場合はちゃんと自分で訳しましょう(涙…)。

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2006年10月 7日 (土)

近況

ヘイズがすごいです。世界がかすんでいます。窓を開けると焦げ臭いというかなんと言うか…。4年半住んでいてこんなに凄いのは初めて。この煙がインドネシアとかからやってくると思うと、世界は繋がってるんだなあって思います。

昨日はランタンフェスティバルでした。コンドミニアムで子どものパーティーが開かれていて、夜も騒々しかったよー。

今日はボランティアガイドではじめてラン園のご案内をします。はー、ドキドキ。楽しいガイドが出来るといいなあ。ということで今日は写真のみ。

マクリッチのペタイトレイルを歩いていた時に見た、虫ちゃん。テントウムシダマシの仲間と言うらしいけど、これ以上のことがわかりません。サルのこし掛けみたいなキノコの裏側にこんな風によくいるのだそうです。

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2006年10月 6日 (金)

トルエンの木

Myroxylon balsamum

高さ35m、直径1mにもなる中南米原産のマメ科の木。

シンガポール植物園で新しくオープンしたエリア(正門近く)を歩いていたら、面白いマメの赤ちゃんが道に落ちているのをruiさんとyoukoさんが発見。「どこから落ちてきたのーーー?」と正体を探したら、この木の赤ちゃんでした。

葉っぱや花や実は遠い木の上なので、どんな形をしているのか分かりませんが、とにかく花がカワイイ!

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ガクがカップ状になっていて、中から何本ものオシベが目立って出ています。花びらは4枚。(本当は5枚あるのか??)そのうち1枚は大きく(って言っても長さ1cmくらいあとの3枚はおまけ程度の小さいのがついているだけ

この白くて大きめの花びらで花粉を運んでくれるもの(白いからガか何かか?)を誘ってるんだと思うんだけど、いったい何が送粉をしてるんだろう?

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総状花序で、下から見上げるとこんな風に見えます。マメの赤ちゃんもちゃんと付いてるね。

マメ科 Leguminosae

原産地: 中央・南アメリカ

Common name: Balsam of Tolu ,バルサモ

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このたくさんのオシベの中にちゃあんとマメの赤ちゃんの子房が隠れていて、大きくなれなくて途中で落ちちゃった、こんなのもいっぱい落ちていました。全体で3cmくらいかな?ガクのカップとオシベがそのまま残っているのもかわいいと思わない?

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もう少し大きくなるとこんな形になります。最終的にどのくらいの大きさやふくらみ具合になるのかはわかりませんが、熱帯植物要覧には翼果と書いてあったので、タネが入っている部分を重心にして、くるくる回って遠くへ運ばれていくのかな?と思いました。資料がなさ過ぎてよくわかりません。ゴメンネ。

見た目以外何にもわからなかったので、あとは資料の記述から。
熱帯植物要覧によると、材は赤褐色で光沢があり、とても重くて硬く、耐久性があると書いてありました。そのため構造用や橋、道具の柄、荷車、床板、家具、指物などに使われるそうです。樹脂のバルサムは軟膏や賦香料に使うともありました。

バルサムという言葉はなじみがなかったので、広辞苑で引いてみました。「植物から分泌される樹脂が揮発性油に溶解しているものの総称。松脂・カナダ-バルサムの類。香料などとする。服務油樹脂。」とのこと。

トルエンって科学物質の名前を聞いたことがあるでしょ。今は石油から作られているようなんですが、最初はこの木から抽出されたことによって発見されたんだそうです。昔はトルエンのことを「トルーオール(toluol)」と呼んでいたんだけどこれはトルエン発見の功労者「Tolu Balsam」の名を取って付けられたんだって。あ、英名の「Balsam of Tolu」は彼の名前から来ていたんだー。

トルエンは溶媒としてペンキや塗料用シンナー、ゴム、印刷用インク、接着剤、マニキュア、皮なめし、殺菌剤など色々なものを溶解するのに使われていて、私達の生活にも身近な物質。植物園で見たカワイイお花の木が、調べているうちに身近なことに関わっている事がわかって、けっこうびっくりしたTOMでした。

資料:「熱帯植物要覧」 P188 

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2006年10月 5日 (木)

鳳凰木

Delonix regia

熱帯3大花木は鳳凰木と火炎木キリモドキ。ここのところ火炎木とキリモドキはアップして、鳳凰木だけ昔のページで貧相だったので、あらためてアップします。

9月の中ごろ、フォートカニングパークにある鳳凰木のヘリティジツリーはお花がきれいに咲いていました!

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お花はこんなん。きれいでしょ。10cmもあるような大きなお花です。白い色の花びらが1枚だけあるでしょ。この花びらは「虫ちゃん、来て来て~~!」って誘っている色なんだって。蜜もいっぱい入っているのかな。

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受粉が完了すると白い花びらは赤く変化します。

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マメ科なのでお花が終わるとマメができます。莢は長さが40cm~60cmもある大きなもの!

触ってみると、けっこう硬いです

実ってのは誰かに運んでもらうために実るものだと思うんだけど、こんな大きなマメをどんな動物がどうやって運ぶのかトーっても興味があります。マダガスカル原産でしょ。マダカスカルの動物…うーーん、どんな動物だろうねぇ…?

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葉っぱは下のような感じの羽状複葉。本当に鳥の羽みたいで、木の下から見ると日の光が適度に透けてとってもきれいです。お花がなくても、木の形と、この葉っぱだけで十分素敵なTOMが大好きな木です。

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マメ科 (バラ亜綱 マメ目)

原産地 :マダガスカル島

Common Name: Flame of the Forest, Flamboyant, Royal Poinciana、ホウオウボク

資料:「熱帯植物要覧」P171

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2006年10月 4日 (水)

永遠の呪い

Pternandra echinata

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ブキティマやマクリッチの自然保護区を歩いているとよく出会う低木。樹高は10m~15mくらいということだけど、どちらかというと葉っぱに特徴があって、実が面白いので目に付くという感じで、樹木という印象をTOMは持っていませんでした。街中では見かけないように思います。

なりそこないの小さな実がよく落ちていて拾うことができます。

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ね、なんか樹木っぽくないでしょ。

カーストシェイドちゃんのマレー名「Sial Menahun」は「Cursed Forever」って意味なんだって。そこからカーストシェードという英名が付いたのだそうです。カーストシェードと呼ばれる木はPternandra echinataだけでなくて、ご親戚のP.capitellata やP.coerulescensも同じように呼ばれているようなんですが、マレーの人たちはこの木たちをあんまり縁起のよい木とは考えなかったようです。

資料によると「生きているこの木の下に座ったり、お仕事をしたり、木に登ったりするのはまぁ、問題ないんだけど、死んだこの木を使って(つまり材木で)家を作ったりはしない」んだって。もし家を作ったりすると、その後何世代にもわたって悪い運がその家の持ち主を追いかけてくるらしい…。うーーん、怖いよ~!だから、「永遠の呪い(Cursed Forever)」なんですね。でもこの木を見る限りはどうしてこんなに嫌がられているのか、想像がつきません。

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葉っぱは3本の縦の葉脈が入っていて、細長くて、きれいにこんな風に並んでいます。対生の葉っぱのついている枝は細くてしなやかにしなっている様子がとっても優雅な感じがします。

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3本の縦の葉脈がある葉というと、同じように二次林でよく見かける木にシルバーバックがあります。色々と違ってはいるんだけど、対生に付いている葉っぱの元の部分の枝が何となく盛り上がっているのが カーストシェイドちゃんの特徴みたい。この部分を手で触ってみると、だいたい盛り上がってるの。ま、どうでもいいことですけど…。

先日マクリッチのツリートップウォークに行った際に つり橋の出口付近の右側でお花が咲いていました。ギザギザのつのみたいなのがいっぱい付いた1cmくらいの実はよく拾ったりするんですが、お花は離れたところで咲いていたりして、初めてちゃんと写真が撮れてラッキー!

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こんな風に下向きに咲いています。

お花は薄紫色。資料によると早朝に明るい青色で咲いて、午後遅くには藤色に花の色が変わって閉じてしまうそうです。

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カーストシェイドちゃんの属名のPternandraは「pterna= heel」「 aner= man」で「人のかかと」って意味なんですが、このオシベの様子から分かるかな?写真じゃ分かり難いんだけど、オシベが人の足のような形をしているんです。学名って面白ーーい!

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花びらが落ちると、ガクのカップ状の部分が大きくなります。先日紹介したヘアリークリデミアちゃんと同じノボタン科。よく見ると、実の出来方が似てますねー。ヘアリークリデミアちゃんは実が毛だらけだったけど、カーストシェードちゃんはトゲトゲ。種名echinataは「 echinos=a hedgehog(ハリネズミ)」はこの実の様子から来てるんだろうね! 言われてみると、ハリネズミみたいに見えない??

ノボタン科 Melastomataceae

原産地: マラヤ、ボルネオの低地熱帯雨林と二次林

Common name: Cursed Shade, Sial Menahun , カーストシェード

「Wayside Trees of Malaya」Corner P491

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2006年10月 3日 (火)

カエル君

すみません。本日も時間切れにつき写真だけアップ。カエルくん…じっとしていたので、動くまで全然気がつかず、すごーーーーくびっくりしました。ぐっすん。名前を調べてる時間もなかったよー!ゴメン。

Frog1s

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2006年10月 2日 (月)

ヘアリークリデミア

Clidemia hirta

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シンガポールのどこででもよく見かける草。

自然保護区の中でも見かけるんだけど、じつは帰化植物で、旺盛な繁殖力でどこにでも進出している子なんだそうです。

葉っぱだけでなくて、全部が毛だらけ。なので、雑草の中では一番早く覚えられる子の一つ。

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お花は白くて直径1.5cmくらい。下向きかげんで咲きます。

ノボタン科の仲間ってオシベが何か特徴的で可愛いんだよね。

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花びらやオシベが落ちるとガクのカップの中で子房が大きく育っていきます。このカップも毛だらけ!どうしてこんなに毛だらけなんだろうねぇ。理由が知りたいよぉ!

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最終的には1cmくらいの大きさの実になります。緑色だったのが黒くなって鳥ちゃんに食べてもらってタネが運ばれていきます。

3_30 この黒い実、ちょっとほの甘くて美味しいんだよ。ちょっとかじってパチッ!小さいタネが見えるでしょ。

ノボタン科 Melastomataceae

原産地: 熱帯アメリカ 

Common name: Koster's Curse、Hairy Clidemia ,ヘアリークリデミア、アメリカクサノボタン

ノボタン科の仲間も見てあげて!

資料:「Illustrated Guide to Tropical Plants」P569

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2006年10月 1日 (日)

ランタンフェスティバル

日本で十五夜のお月様をめでるこの時期、シンガポールではランタンフェスティバルが行われます。シンガポール西部にある、チャイニーズガーデンではこの時期毎年こんな夜のお祭りが開かれています。

今日は時間がないので、写真だけお届けです。子どもの感想…「千と千尋の神隠しみたい!!」

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今年のテーマは建物らしく、世界各地の有名な建物や建造物が作られていました。

これはピサの斜塔。

3_29 お皿で作ってありました。

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これから10月はディーパバリ、ハリラヤ、続いてクリスマスのライトアップとシンガポールは夜の風景が楽しい季節を迎えます。楽しみな季節です。

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