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2006年10月13日 (金)

絞め殺しの木の育ち方

1_45 昨日の続きです。

どうやってこんな「けったいな形」の木ができてくんでしょ???

そう思いませんか?

絞め殺しの木の性質を持つのはイチジクちゃんの仲間の一部。

ご存知の通り、イチジクの実は食べられます。熱帯のイチジクもしかり。

おいしい実をつけて、哺乳類や鳥に食べてもらい、種子を運んでもらう…という戦術で自分のテリトリーを広げています。

イチジクを食べた子たちのウンチはどこに運ばれていくのでしょう?動物たちは色々なところにウンチを落とします。ウンチと一緒に再び外界に出た場所、それがイチジクちゃんの新しい生活場所になります。

あるものは木の上に落とされます。動物のウンチと一緒に落とされるので、天然の肥料に包まれた形になっていて、なんとも好都合

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しかし!!

発芽したイチジクの赤ちゃん は、木の上で生活をはじめたので、お水も肥料もそこにはありません。

しょうがないので、根っこをずんずん下に下ろして、水や肥料を供給してくれる土を探します。

このとき降りていく細い根っこを気根(きこん)と言います。

ここで問題です。

イチジクの実が動物達の大切な食料であるなら、植物達の食料はなんでしょう?

答え:お水お日様の光!!

光合成って知ってるでしょ??光合成で作り出すデンプンが植物達のご飯なんです。

デンプンの材料は二酸化炭素お水お日様の光。

熱帯の森で一番手にいれるのが難しいのはなんでしょう?

答え:お日様の光!!

熱帯の森って、たくさんの植物がひしめき合っているので、森の外側はものすごい光であふれているけれど、森の下の方は、たくさんの植物にさえぎられてほとんど光が届きません。熱帯の森の下層の植物達はいつも「もっと光を~~!Help Me!」状態。

雨はいっぱい降るから、何とかなる…でもお日様の光だけはどうにもムズカシイ…。

というわけで、イチジクちゃんは とりあえずはお日様の光を思う存分確保して、二の次のお水はその後に確保することにしたわけ。二酸化炭素はいっぱい空気の中にあるからね。

わかる?ケーキが大好きなTOMがビュッフェに行って食べるものがあんまりなかったら「ケーキをまず確保した上で、おかずを選びに行く」のと同じだー???(涙!)

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そんなわけで光を確保した絞め殺しイチジクちゃんたちは、今度はお水の確保に乗り出して、そのために一生懸命、気根を伸ばすんです。

がんばれー!!!イチジク!!!

発芽させてもらった木の幹に沿って伸びていったり、そのままダイレクトに下に伸びていったり。気根の伸び方はイチジクちゃんの種類によってくせがあるので、色々なタイプがあるけど、やってることは同じ。食糧確保!お水確保のために必死で根っこを伸ばしているんです。ああ、ケナゲ…。涙なしでは見守ることはできません…。そしてそして、ついに!!!!

気根が地面に付きました。パンパカパーーーーン!!!! 

もうお水の心配をする必要はありません。

お水お日様の光二酸化炭素を思う存分吸収して、思う存分ご飯が食べられます。もう怖いものなんてありません。 

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枝を伸ばします。葉っぱをつけてどんどん光合成をします。枝からは新しい気根を降ろしてよりたくさんのお水の確保をします。

いったん地面に着いた気根は今度は太くなっていきます。種類によっては太い幹のように見えるようになるものもあります。

最初にウンチを落とされたイチジクとは別の木のことをホストツリーと呼びますが、イチジクちゃんはこのホストツリーの周りにどんどんテリトリーを作って大きくなっていきます。

最終的に。

ホストツリーは幹も枝葉も絞め殺し無花果(イチジク)ちゃんに覆われてしまいます。そうすると…。

ホストツリーはお日様の光を浴びることができなくなるので、光合成ができなくなって、つまりはご飯を食べることができなくて枯れてしまいます!

はたから見ると、イチジクちゃんの幹やなんかがホストツリーを ぐるぐる巻きにして枯らしてしまったようにみえる ので「絞め殺しの木」って呼ばれるようになりました。でも実際は「絞めてる」んじゃなくて、「兵糧攻め」にして「餓死」させてるわけだな。

こわいー!なんて思わないでね。

絞め殺し無花果ちゃんは「素直に食糧確保にいそしんでいるだけ」なんだから。

下の写真はシンガポール植物園のレインフォレストエリアにあるジョホールフィグの木。今まさに絞め殺しされているかわいそうな木とイチジクちゃんの戦いの様子を見る事ができます。

ああ、時間切れだー。補足はまた明日。イラストはレインフォレストガイドの時に使うように描いたもの。わかりやすく説明するためにのものなので細かい突っ込みはしないように…。(イチジクは互生だよとか…)。調べ学習の子どもはコピーをしてそのまま使ったりしないこと!!

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コメント

ひやー、すごい!
わかりやすいイラストも見事!
ぱちぱちぱち、ついでにぽちっ。

いつも素晴らしいブログの記事、感心しております。

投稿: Shumho | 2006年10月13日 (金) 19時35分

いいですネエ!のってますネェ!楽しかったぁ。絵本読んでるようだったぁ。私もパチパチパチ!(*^^)//。・:*:・゚'★,。・:*:♪・゚'☆パチパチ
ちょっと派手すぎ?なんとか気持ちを表わしたくて~(笑)イラスト入りでがんばれ~!あっ、ポチ忘れそうだったぁ!毎日の日課ですからね~

投稿: まゆり | 2006年10月13日 (金) 23時21分

Shumhoさん、まゆりさん
読んでくれてありがとう!!のってる?よかったー。じつは1回アップ直前で全部消してしまい、腐って一日サボってしまったのでした。派手でも何でもコメントいただけるのが一番のエネルギー源。これからもよろしくお願いします。

投稿: TOM | 2006年10月14日 (土) 15時46分

とっても読みやすかったです♪
挿し絵もわかりやすくて楽しかった。
絞め殺しの木・・・こんな名前忘れてました。
自然ってすごいですね。

投稿: ryu | 2006年10月14日 (土) 21時44分

無果花がこんな育ち方するなんてビックリした。。。。。。。
自然のおもしろさ、たのしさ、そして怖さを楽しく見ました
アリガトウです。

投稿: 新城誠一 | 2006年11月 5日 (日) 11時12分

新城さん
喜んでいただけて何より(^^)色々どんどん載せていきます。これからも時々のぞいてね。

投稿: TOM | 2006年11月 6日 (月) 14時49分

判り易い解説ですね。自分の blog からリンクを張らせていただきます。

投稿: さくらい | 2009年2月11日 (水) 13時44分

さくらいさん
リンクありがとーー!もしよかったらリンク元教えてください!

投稿: TOM | 2009年2月11日 (水) 19時05分

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