これはなんでしょう?
この子何者???
えっと…。
自然の中を歩いていると、はっきり言って…わからないものばかり、不思議なものばかりに出会います。わからないもの9割、知ってるもの1割、名前は知っていたけど見たことがなかった花や実…。
ブログを始めて1年になるけれど、まだまだ載せていない植物の写真がいっぱいあります。
名前がわかっているけれど調べたいことがあって載せていないもの、写真が揃わないで載せていないもの、そして全然わけがわからないので途方にくれているもの…。
いつも自然保護区を一緒に歩いていただいているS先生に「GENERA PALMARUM -A classification of palms based on the work of Harold E.Moore,Jr.」というヤシ科についての本を貸していただいて、英語に気が遠くなりそうになりながらも読んでいます。(最近のTOMはヤシオタクなのだ…)
前書きを読みながらなんか感動してしまったのは…
まずは L.H.Baileyさんという人が1935年に彼のhortoriumを立ち上げます。彼は30年以上にわたってヤシの研究をした人でした。Baileyさんは、1948年にDr.Harold E. Moore,Jrさんを彼の研究室に引き入れて、1954年に96歳で亡くなりました。つーことは、少なくともBaileyさんは1920年代からヤシの研究をしていたんですね。ヤシを研究して分類しようというアイディアは彼が考えたものなんだそうです。
でもって、引き込まれてしまったMoore,Jrさんは研究を引き継いでヤシの研究を続けたんですが、思いもかけずに早くに1980年にお亡くなりになって、研究を完成させることが出来ませんでした。48年から80年だから、やっぱり30年以上。TOMがお借りした本は1985年に出版されていて、Moore,Jrさんの研究を引き継いだ2人の研究者(Natalie W. Uhl と John Dransfield)によってまとめられて出されています。(ドランスフィールドさんは朝日の「植物の世界」のヤシ科の項をたくさん書いておられるので名前だけは知ってましたぁ)
ヤシ科は200属2000種くらいの植物の群ですけど、それらを分類するのに何人もの研究者が人生をかけて歩いたり、収集したりして、研究しているんだなぁ、その結果をこういうふうに本で見せていただけるのだなあ…と思ったらなんか感動してしまって一人でウルウルしていました。
ヤシ科…たった一つでもそんなんですから、熱帯雨林の残るシンガポールの自然保護区に出かけて「わからないーーーーー!!!!」とTOMが叫ぶのはアタリマエのこと…。なにせ熱帯雨林には23万種(25?)と言われるお花が咲く植物のうちの、2/3の種類があるって言われてるからね…、単純計算で15万種は世界の7%かそこらの熱帯雨林にあるんだよね。日本の3000とか4000種なんてカワイイ、カワイイ…。
ちゅうわけで、歩きながら「わからないものを見つける」という果てのない日々を過ごしているTOMです。町の中はね、まあ大体は同じ植物ばかりだから、新しい発見も少ないんだけど、(それでも歩けば知らないものにあたる…)マクリッチとかのトレイルは何度同じ場所を歩いていも「違うものがいっぱいある」んだもん。
そんでもって今日の写真。
何者でしょ???
わかりません。
1番上が全体像。2番目が裏返して見たところ。花柄みたいなのはこちら側にくっついています。3つの羽つきのタネがくっついているように見えます。これがもっと茶色になってバラバラに1つ1つになったものは見たことがあるようなないような…。それもなんだか分からなかったのだが…。
3枚目と4枚目は2枚目をアップにしていったもの。
ガクみたいなのが見えます。その次にオシベが落ちた痕みたいなのが見えませんか?
この羽みたいなのはやっぱり実なのかな?
5枚目は真横から見たところ。左側が花柄側です。なんかメシベのような変なのが見えますか?
6枚目最後のがメシベみたいなののアップ。うーーん、3つの心皮で出来てる??単子葉植物?
ガクとオシベの間には花びらがあった?どんな色で、どんな大きさの花びらがくっついていたんでしょう?
そして、この子のくっついていた植物本体はどこ???
落っこちていた変なわからないものからどんどん想像(妄想?)が広がります。またまた夜も眠れなくなるよー!!!
どなたか耳より情報がある方はお知らせください(涙!!!)
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コメント
ブキティマ自然保護区のビジターセンターのショーケースの中に、これを乾かしてカラカラにしたような実(でもそっくり)が入っていて、Aspidopterys concave という名前がついています。もうちょっと調べたら、スペル最後の e は、実は a の間違いみたいで、Aspidopterys concava (キントラノオ科)が正しいようです。
“The Concise Flora of Singapore”に、この植物の説明があって『花は白、メシベは毛がなく、サイドに3つのウィングが・・・・ 』とかなんとか??おもしろそうなことが書いてありますが、なんせ英語なので、どういう構造なのかちっともスッキリ分からない~。
投稿: Hitomi | 2006年11月21日 (火) 01時49分
Hitomiさん
いつも大感謝です。なかなか難物で学名検索したけれど、本体の写真とかなかなか見つかりません。葉の標本が1こ見つかっただけ。ツル植物だからなかなか見つからないんでしょうねぇ。調べた結果はまたアップします。
投稿: TOM | 2006年11月22日 (水) 00時09分