オオタニワタリのご親戚
Asplenium nidus
シンガポールで…いやマレーシアとかでも、ちょっと湿気がある場所の木にボコボコとついているのがこのシダ。バーズネストファーンって言います。「鳥の巣のシダ」って意味。本当にその通りでしょ。
大きさはかなり大きくて、直径2mを超えそうなものもいっぱい。こんなにいっぱい木にくっついていて、木は重たくないのかしら?って思っちゃいます。
くっついてはいるけれど、この木に寄生しているわけではなくて、ただ場所をお借りして暮らしているだけなので、こういう子たちを「着生植物」って言います。熱帯雨林は下部は日があたらないので、他の背が高い木の途中に住まいを借りて、少しでもお日様の光をいただこう…というのがこういうタイプの子達の戦略なんだそうです。(同様の戦略を取っている子が絞め殺しの木の仲間たちです。こちらも合わせて見てくださいね)
寄生しているわけではないので自給自足をしないといけません。どうやって自給自足をしているかと言うと、上から落ちてくる葉を大きな鳥の巣のような体で受け止めて、そこで腐葉土にして栄養にしたり、自分の枯れた葉っぱも絶対に落とさないでいつまでもぶら下げていて、最後は栄養に戻してしまう…という工夫をしています。(あっぱれーーーー!!!)お水も雨を待ったり、自給自足。すごい!
日本のガーデニングって「枯れた葉を見ると取り除きなさい」ってすぐに言うけど、いらぬ親切心。枯れた葉もついたままにしてあげましょうね。
本来は木の上に暮らす子たちですが、シンガポールでは地面に植えられてグランドカバーの一つとして使われていることもよくあります。
日本でオオタニワタリって言われている子たちや観葉植物やテーブル観葉として使われている子達とはどう違うんだろうと思っていたので、資料をよく読んでみました。
オオタニワタリは日本の南部や台湾に分布する子達(Asplenium antiquum) で、「常緑性で、根茎は塊状となり、葉は単葉で短い葉柄をつけ放射状に広がる。胞子嚢群は葉の裏面の葉脈について、主脈から葉脈へ2/3より外側まで伸びる。また主脈は基部の1/3が黒紫色で、上部は緑色となる。主に山地の樹木や岩の上に着生して生育する。」と資料にありました。
対して、日本ではシマオオタニワタリと呼ばれるバーズネストファーンちゃんは「アジアから太平洋諸島にかけて分布し、姿はオオタニワタリと似ているが、胞子嚢群は主脈から葉脈の1/2までとなる。また主脈の1/2まで黒紫色となる。」
確かに写真で見ると半分くらいまでしか胞子嚢群の茶色は見えないですね。
オオタニワタリとバーズネストファーンちゃん、何が違うのかと思っていましたが、よくわかりました。うーーん、はっきり言ってTOMにとってはどうでもいいやーってな違いですぅ!
チャセンシダ科は世界に広く分布しているけど、特に熱帯地域に多くて、10属700種くらいもあるそう。そのほとんどがチャセンシダ科に属している。地上に生育するが、樹木や岩に着生するものもある…と資料にはありました。 下の写真は胞子嚢群のアップ。胞子嚢の形も色々あって面白いんだよー!
チャセンシダ科 Aspleniaceae
原産地: 熱帯アフリカ、熱帯アジア、太平洋
Common name: Bird's Nest Fern , バーズネストファーン、シマオオタニワタリ
資料: 「1001 Garden Plants in Singapore」 P37
「観葉植物」山と渓谷社 P590
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コメント
おはようございます。
よくわかりました、たにわたりのこと!
いけばなにたにわたりを時々使うのですが、裏がシマオオタニワタリのような感じのも使ったことがあります。
輸入されているのかもしれませんね。
今度機会があったら、裏をよく見てみます。
投稿: Shumho | 2006年11月20日 (月) 09時27分
Shumhoさん
そうですねー。熱帯なら難なくみんな大きくなってますから、輸出するにはいい花材かも。きっと熱帯の人はこんなものを買う日本人の気持ちがわからないかもしれません。(笑)
投稿: TOM | 2006年11月22日 (水) 00時06分