莫大海(バクダイカイ)
Scaphium macropodum or Scaphium affine
去年の9月にブキティマ自然保護区のメインロードを歩いていたら、上からクルンクルンと回りながら落ちてきたものがありました。その、クルンクルンのまわり方がクルクルではなくて、まさにクルン…クルン…って感じで、「なんだーー??」と一緒に歩いていたkureちゃんと近寄ってみたら、落ちてきたのはこんなもの。
左側にくっついているタネみたいなのを重しにしてそれを中心にして落ちてきたのでした。
右についている葉っぱみたいなのはちょうどささ舟のような格好をしていて、これが羽の役割をしていたらしいです。
正体は…莫大海(バクダイカイ)こと、スカフュームちゃんの実でしたぁ!!
話には聞いていたんだけどね、実際に落ちてくるのを見たのは初めてだったし、「実がこんなふうなんだよ」という話は聞いても、どういうふうに落ちてくるかなんて聞いたこともなかったので、感動!!!
このタネの部分ですが、漢方薬のお店で「莫大海」と言えば売ってくれるそうです。「袋1杯数ドルだったよ」とのこと。買ってきたタネをいくつかもらって、家で水につけてみました。
みるみるうちに表面がもやもやしてきました。おおーーー。面白い!!
1日置いたらこんなふうになりました。本当のタネの部分は、このボヤボヤボワボワの中にあったのを、外に出してみました。
触ってみると最初の硬い状態とはうってかわって、タネはぷよぷよ状態。タネ(実?)の表面の繊維が水を吸うとこんな風に変化するんですね。
森の中で地面に落ちたら、すばやく水分を吸収し、水分たっぷりの膜をタネの周りに作った上でゆっくり発芽モードに入るのが、この子の発芽の仕方なんだな…というのが見ていてよくわかりました。
去年、TOMがクルリクルリと落ちてきた実を見たときには、周囲の森の中を探すと、こんなブヨブヨになったタネばかりが落ちていて、(ちょうど雨上がりだった)、「ああ、なるほどねー」と思ったのを思い出しましたよ。
で、しつこく紹介してきたブヨブヨですが、食べます。
食用になります。
マクリッチのペタイトレイルには、こんな看板があります。ここで「チェンティンツリー」と呼ばれているのが莫大海ちゃん。
チェンティンはホーカーなどで売られているデザート。1.5ドルとか2ドルくらいで、こんなふうに茶色をしていて、中にはフルーツやキクラゲみたいな具がこんな茶色の甘い汁の中にいっぱい入っています。あったかいのと冷たいのと両方出来ます。さっぱりしていて、けっこう美味しいです。
この茶色の部分が、よくわからないけど、莫大海のブヨブヨの部分らしい。だからチェンティンツリーなんだね。
日本ではこの部分を刺身のつまにしたりするそうです。高級料理なんだって。うそだと思ったら「莫大海」でグーグってごらん。色々出てきて面白いよー!
こちらのサイトには「中国ではのどや便秘の薬として用いられている」なんてことも書いてありました。
実(み)だけで終わってしまった…。木の紹介はまたそのうちに!
アオギリ科 Sterculiaceae
原産地: タイ~中国南部、スマトラ、ボルネオの熱帯低地林
Common name: Kembang sumankok, クンバンスマンコ、バクダイカイ、莫大海
資料:「熱帯植物要覧」P307
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