プルメリア
Plumeria alba
街路樹にも個人の家の庭にも、公園にもコンドミニアムの庭にも、そして何よりテンプルフラワーの名の通りに、お寺とかによく植えられている お花がきれいなこの木。TOMたちは学名からプルメリアと呼びますが、西洋人とかにはフランジパニの方が通りがいいみたいです。
プルメリアという名は17世紀後半のチャールズ・プルミエというフランシスコ修道会の僧の名から付けられたもの。彼は植物学者でもあり、ハワイなどを訪れ、そこで出合った植物の詳細な絵を描いた人でもあります。昔の修道僧や商人や役人にはこういうプラントハンター的な人が多いですね。こういう人たちが世界各地に出かけていって、世界の植物を本国に持ち帰り、また別の世界に広げる役割を果たしました。
しかーし。
アルバちゃんをはじめ、プルメリアの仲間たちは中央アメリカの出身。でもお花がきれいだったからなのか、はたまた薬とかに利用したのか、スペイン人によって太平洋をわたって私達のいるアジアまでも運ばれてきました。(本にはmedisinal valueと書いてある)今はイスラム教、仏教、ヒンズー教などのお寺にも植えられていて、どこが出身なんだかわからなくなっちゃってます。プルメリアが元々東南アジアにあったものと思ってる人も多いんじゃないかなあ。
シンガポール植物園にはフランジパニコレクションのエリアがあって、色々なプルメリアが植えられています。このエリアは第二次世界大戦よりも前には既にあったらしく、イギリス人のこの木への関心の高さがうかがえるようです。(左の写真。バンドスタンドの脇のエリア)
「アルバはプエルトリコ、アンティル諸島原産で、高さは10m以上になる。(中略)オブツサ(obusa)はキューバ、メキシコ原産の低木で、径6~7cmの花をつける。ルブラ(rubra)はメキシコからパナマに分布し高さ数mにもなる。変種が多く、花色もいろいろある。」と「観葉植物」にはありました。街中でも白だけでなくてピンクやオレンジがかったものなど色々なものを見ます。今日のお題の種名はalbaですが、これは「白」という意味で、赤い品種はrubra(赤色の種)などと交配して作ったもののようです。
「観葉植物」ではアルバとオブツサは上記のように違うもののように書いてあったけど、写真を見る限りは見分けるポイントがまったくわからず、「Tropical Trees And Shurubs」Wee Yeow Chinではまるで同じもののような書き方をしてあって、???? ま、いいや、あんまり深く考えると白髪が増えるからヤメヨウ…。
お花が終わると、実がなります。この実、けっこう注意してないとなかなか出会えません。お花の多さに比べると本当にレア―な感じがするのはTOMだけでしょうか?
こんな変な対の実がなります。
形が面白いのでもう1枚。(しつこい?)この実が熟すと棒状の1辺がが裂けて中からタネが顔を出します。見える?
薄いヒラヒラの種は風で運ばれていきます。お花は見るけど、こんなのあんまり見たこと無いでしょ。でしょ??TOMはこの写真が撮れたときはルンルンでしたぁ。
言い忘れていましたが、キョウチクトウの仲間なので、幹や葉っぱから出る白い樹液は毒があります。大量に取らなければ死ぬほどではないようですが、誤って目に入ったりするとすごく痛くて目が見えなくなったりすると聞いたことがあります。取り扱い注意です。
ハワイではお花のレイに使われ、マレーではお墓に植えられます。植物の使われ方もお国によって違うのが面白いですね。
キョウチクトウ科 Apocynaceae
原産地:中央アメリカ
Common name: Great Frangipanni , Frangipanni , Temple Flower , フランジパニ、プルメリア、インドソケイ
資料:「観葉植物」P68
Tropical Trees And Shurubs」Wee Yeow Chin P113
オマケ
めっちゃかわいい、葉っぱが出てくるところの様子。
ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ!
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
プルメリアの実の緑の状態の時は見たことがあるのですが、熟して種が顔を出したところは初めて見ました。感動~です。
それにしても、新葉の愛らしいこと・・・まるで、バルタン星人の指(?)のようです・・・
投稿: keiko | 2006年11月12日 (日) 14時59分
keikoさん
バルタン星人…う、そうかも。新葉大好きkeikoさんにはたまらないシロモノですねー(笑)
投稿: TOM | 2006年11月12日 (日) 19時26分
この木に種が出来るのは知りませんでした。我が家にもあるんですが。こちらの老人が「家の庭に植えてはいけない」という意味がわかりました。お寺の木という事ですね。この木は今年の枝を切って挿すとすぐつき花も咲きます。(木というよりも草って感じです。芯がありません)簡単そしていい匂い。タイ語でジャンパーラオとかジャンピーとか種類がたくさんあってどれがどれだかわかりません。
投稿: kei | 2006年11月13日 (月) 18時24分
keiさん
こちらの老人が「家の庭に植えてはいけない」という意味がわかりました…へぇー、面白いですねー!日本のイチジクも何故か庭に植えちゃいけないって言いますよね。国によって個々の植物に対する考え方が色々あって面白いなあって思いました!
投稿: TOM | 2006年11月16日 (木) 21時54分
TOMさん:
ジャカランタの潅木とその実を検索していたら、TOMさんのブログにおあいしました。”すばらしい”!
嬉しい遭遇です。私は、オーストラリアに住んでいました。東洋医学・中国医学の鍼灸師でFlower Remedyを研究しています。
さて! イチジクの木・プルメリアの木を庭に植えないのは、湿気るからです。根を遠くまで伸ばし、色々な人の邪気まで吸い寄せて、その家には、病人がたえないといわれますヨ。
これから、ときどきアクセスさせてください。アリガトウ!!!
投稿: Sueko Nishimuta | 2008年2月 3日 (日) 18時20分