馬來野生食用植物図説と食用野生動植物
今TOMの手もとに「馬來野生食用植物図説」と「食用野生動植物」という2冊のコピー本があります。元がどんな本だったわかりません。昔、友の会で廃棄される本の中で見つけて、拾ってきたもの。出版元は両方とも馬來軍政監部、編集は両方とも昭南植物園と昭南博物館となっています。
昭南という言葉に聞き覚えのない方も、日本にいる方にはいらっしゃるかと思います。
シンガポールは1942年から1945年の第二次世界大戦中、日本の統治を受けた時代があり、その時代、シンガポールは昭南島と呼ばれていたのです。シンガポール植物園や博物館も、それぞれ昭南植物園と昭南博物館と名前を改められていました。
シンガポールの歴史を勉強している子どもにぜひ読んでねと勧めている本があります。 「思い出の昭南博物館」という本です。このブログの資料にもちょくちょく登場する「Wayside Trees of Malaya」の著者E.J.H.コーナー博士が書かれた本で、日本の占領下で学者達が植物園や博物館の貴重な所蔵品を必死に守った様子が活き活きとした文章で書かれているものです。(TOMはコーナー先生の崇拝者なんだよん…ふふふ)
この中にこんなくだりがあります。
「昭和18年8月、侯爵は、食糧事情が日増しに悪化してゆくのを憂慮して、マラヤの有用植物と動物に関する小冊子を日本語で出版することにした。秘書の大森嬢、バートと私がその仕事を依頼され、バートは動物関係を、私が植物関係を担当した。素人でもすぐに識別できるような挿絵を入れた。挿絵は私たちの画いたもので、お世辞にも上手といえる代物ではなかったが、博物館から立派に出版された。これも数部図書館に入れられた。私は、今も一部手もとに保存している。」 「思い出の昭南博物館―占領下シンガポールと徳川候」P139
侯爵とは徳川義親候のこと
TOMが手にしたコピー本はこういった経緯で作られたものの、コピーだったのでした。
序文を誰が書いたのかは書かれていません。でもとても興味深いのです。中身も面白い。
興味深い資料なので、もっと活用してくれる人がいたら譲りたいと思っていますが、その前にブログに書き留めて、何かの勉強をしている人の役に立つといいなあと思いつきました。なので、何日か、その文章を書き留めたいなあと思っています。
keikoさんが教えてくれたコーナー先生の記事があるページはこちら
徳川義親候についての記事も面白いよ!絶対に読んで!面白い!現代にもこんな政治家がいたらおもしろいのになあ。
ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ!
| 固定リンク
« ヤドリギ | トップページ | カブトガニだーーー! »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント