シンガポールのシダ
Tectaria singaporeana
学名にシンガポールの名前のついたものは幾つかありますが、この子もその1つ。公園や街中では見る事ができなくて、ブキティマやマクリッチの一部でのみ見られます。
個体数はけっこう多い感じで、一回覚えれば森の中で出会ったとき、すぐにこの子だとわかります。
TOMはシンガポールシダとか勝手に名前を付けて呼んでいたんだけど、実際はモニターリザードファーンという名前がついていました。これはマレー名の英訳のようです。モニターリザードっていうのはシンガポールで見られるオオトカゲの一種。森の中では頻繁に見かけます。モニターリザードはこの子。見てみてね。どうしてオオトカゲシダ(大蜥蜴シダ)(TOMが勝手に和訳)なんて名前が付いているのか不明ですけど、マレーの人に聞いてみたいですねぇ。
写真が不十分で申し訳ないのだけど、ちょっと調べないといけなかったので、とりあえずアップ。写真を見つけたら、またアップしますね。
Dryopteridaceae (資料1) or Aspidiaceae (資料2)
原産地: シンガポール、マレーシア
Common name: Paku Biawak , Monitor Lizard Fern ,モニターリザードファーン
資料-3にはこんなふうな説明があります。例によって超意訳。
「森の中で、それも林冠の下でだけ育ち、森の狭い小道に沿って普通に見られるのが、このシダ。ローカルネームはPaku Biawakでオオトカゲのシダという意味です。このシダは一見、シダのようには見えません。すっと伸びた葉の茎に先の尖った1枚の葉っぱがついているので、私たちがよくシダと思っている普通のシダとはちょっと趣が違うのです。でもちょっと近づいて葉っぱの裏側に胞子嚢がいっぱい着いているのを見れば、この子が確かにシダだということがわかります。胞子のついていない葉は、輪生のように輪に広がります。真ん中に立ち上がっている長い葉柄の付いた細長い葉っぱは、胞子が付いた葉っぱです。」
TOMが見たときは、全部の葉っぱに胞子がベタベタと付いているように見えていたけど、胞子の付く葉と、付かない葉っぱがあるのか…。今週、マクリッチのローニートレイルに行くので、確かめて写真を撮ってきます。
科は資料によって違っていて、本当はどっちが正しいのか今のところ不明。これもそのうち確かめます。
資料-2には、葉っぱを post-natal tonic に使うって書いてありました。これって出産後の強壮剤ってこと?わかる方教えて! それ以外には熱が出た時に治療に使うと書いてありました。
原産地は、マレーシアのシダについて調べてある資料-2には、「低地の森または丘の湿った暗い場所でけっこうよく見られるシダ」とあったので、マレー半島とかサバ・サワラク州の同様の環境の場所ではよく見られるものなんでしょうね。発見されたのがシンガポールだったので、こんな学名が付いたんでしょうか?
資料-1:「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition」 P96
資料-2:「FERNS of Malaysia in colour」A.G.Piggott P345
資料-3:「S Guide to the Ferns of Singapore 」Singapore Science Centre P53-54
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コメント
お久しぶりです。松沢です。
この子は、一見、シダに見えないシダですね。日本語の名前は、付いていないようです。
でも、Tectariaという属名は、「ナナバケシダ」という日本語名になっています。この属の一種、Tectaria decurrensの和名「ナナバケシダ」が、属名にされています。
ナナバケシダとは、面白い名前ですね。Tectaria decurrensの葉が、単葉だったり複葉だったりと多様なために、「七化けシダ」と名付けられたようです。
属名が面白いので、御紹介しました。御参考までに。
投稿: 松沢 千鶴 | 2007年2月21日 (水) 19時02分
松沢さん
またまた、楽しい情報をありがとうございます。ナナバケシダ…和名って何て面白いんでしょう。いつの間にか付いているものもあるし、中にはえらい学者さんとかが大真面目につけてたりするのもあるのかな…。これはナナバケシダ属って言うんですね。笑えます。
投稿: TOM | 2007年2月23日 (金) 19時59分