トクサの仲間(日本編)
日本の植物たちもそれぞれに魅力的で、おまけにどんどん変化していくものだから、目と興味を奪われて、「熱帯植物について書こう」と思うと書けない…ってことに気が付きました。なので、熱帯植物とこだわりすぎず、日々の感動したものや、興味を惹かれて調べたものを書いていくようにしますね。
でないとずーるずると、いつまでもお休みすることになってしまうので…。
tomokoさんと国立劇場へ出かけてきました。「TOMさん、これなーに?」と言われて見たのは、植栽地の中に低くしたてたササの間からぼうぼうと立ち上がっているコレ。
高さは50cmくらいもあります。「スギナにしてはでかいけどササに阻まれてスギナが徒長してしまったんだな…」と思ったんですが、先っちょに胞子をつけたツクシちゃんがいっぱいくっついていた。「ツクシとは明らかに違う…から、これはスギナではない!」ということはわかったけど、「じゃあ、何?」ということになる…。
スギナの属するトクサ科の仲間といえば、あとはトクサくらいしかTOMは知らない。でもこれは普通のトクサよりも明らかに茎が細い。
でもってスギナよりも丈が長くて、節から分岐して枝が何本か出ているところもある。トクサはこんな分岐の仕方はあんまりしないような気がしたので、トクサとも明らかに違う気がする…。
じゃ、なんだ????
朝日の「植物の世界」を開いてみました。
トクサ科Equisetaceaeは、 トクサ属Equisetum 1属のみで15種、日本には9種あるんだって。
でもって、トクサ属は常緑性か夏緑性か、茎にある気孔の状態などにより、トクサに近縁な群とスギナに近縁な群とに大きく分けることができるそうで、日本にある9種の場合は和名にほぼ対応すると書いてありました。
スギナの群 5種
スギナ E.arvense
ミズドクサ E.fluviatile 水生 トクサの名を持つがスギナの群
フサスギナ E.sylvaticum 二次分岐する柔らかい枝を持つ
イヌスギナ E.palustre スギナの先端にツクシがついたように見える
ヤチスギナ E.pratense スギナに似ているが、胞子茎が胞子散布後も枯死せず、緑色の枝を生じる
特殊化した胞子茎を作るのはスギナ、フサスギナ、ヤチスギナ
トクサの群 4種
トクサ E.hyemale
イヌドクサ E.ramosissimum トクサに似ているが、やや小型で節に枝を生じる
ヒメドクサ E.scirpoides 小さなトクサ 節間が中空でない
チシマヒメドクサ E.variegatum ヒメドクサに似ているが節間が中空
これらは胞子が入ってる部分。左が若くてまだ胞子を出していない状態、右が胞子を出してしまった状態です。
カメラを持っていなかったのでtomokoさんに借りて撮らせてもらったんだけど、慣れないカメラでボケボケ。残念!!!
上の記述からすると、このトクサの仲間ちゃんは「イヌスギナ E.palustre スギナの先端にツクシがついたように見える」か「イヌドクサ E.ramosissimum トクサに似ているが、やや小型で節に枝を生じる」のどっちかかな?って思ったんですけど、誰か本当のことを知ってる人いませんかー?????
華やかなお花はないけど、特殊なかっこうの胞子のうとか、シダ植物の仲間は個性的で面白いね!次回は春に撮ったツクシの写真を載せるつもりです。(熱帯植物でなくてごめんね!)
追記:後からイヌスギナとイヌドクサでネット検索をかけてみました。イヌドクサの方が似てるかな?幾つかリンクを張ってみるので、ご意見ください。
イヌドクサ(犬砥草):
http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/pteridophyta/equisetaceae/inudokusa/inudokusa.htm
http://www.wondersquare.net/flo07/06003.htm
http://db.yamahaku.pref.yamaguchi.lg.jp/script/detail.php?no=167
イヌスギナ(犬杉菜):
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/poisoning/plants/horsetail.html
http://www.bekkoame.ne.jp/~chaca/inusugina.htm
http://blog.goo.ne.jp/covafoto/e/0d30b75fc15333e34eeb2b4ad4622f75
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コメント
写真で見る限り、やっぱりイヌドクサかな。現物もイヌスギナのようにたくさん分岐していなかったです。よく見るとところどころわかれてるって感じでしたから。トクサ科はあまり皆さんが研究していないので、特定するのが難しいです。
投稿: Tomoko | 2007年6月18日 (月) 17時53分
大きさから判断しても写真のものは「イヌトクサ」でよいと思います。
「イヌスギナ」は通常のスギナ(せいぜい30センチ程度)の先端に胞子嚢がついた程度の大きさですが、「イヌトクサ」はもっと大きくなります。
投稿: 山東 | 2007年6月19日 (火) 00時39分
tomokoさん、山東さん
ありがとうございます。そうですね。多分、イヌドクサ。
解明するとなーんかすっきり。嬉しいです。これからもよろしくお願い致します。
投稿: TOM | 2007年6月19日 (火) 09時37分
この仲間は、本当に難しいですね。
いつも行く温室内の水生植物室に何かにくっついてきたらしい固体が、どんどん広がっています。
紹介されているサイト、一時期全部見ましたよ。
自分のものじゃないので、引っこ抜くわけに行かず、中の中空程度の確認が出来ないまま、仮の名札の「イヌスギナ?」によって、私のページもそのように(~_~;)
投稿: みのり | 2007年6月23日 (土) 15時29分
みのりさん
ご無沙汰しています。最後のフレーズ、笑っちゃいました。そうです。名札って合っていればこれほど頼りになるものはないんだけど、間違っていた場合とか、曖昧な場合、ますます混乱させてくれますよねぇ。
投稿: TOM | 2007年6月24日 (日) 05時52分