マオウ (日本編)
Ephedra sinica
シンガポールの街路樹や公園でよく見かける木にカシュアリーナという木があります。女の人の名前みたいですね。ロマンチックなお花を咲かせる木かと思いきや、花も葉っぱも地味な木です。れっきとした被子植物なのに、松とかみたいに細い葉っぱをしていて、一見すると裸子植物の針葉樹っぽい。なのに、被子植物…ということで名前に似つかわしくない風貌や、被子植物に似つかわしくない風貌で、何となく気になる木なんです。
さてこのカシュアリーナ、モクマオウ科という科の木なんです。日本では聞いたことがなかったし、モクマオウ…「木魔王…あ、違った、木麻黄」と言うからには、麻黄(マオウ)という草があるに違いない…と思ったんだけど、情けないことにTOMはマオウさえも知らない。そんなわけでシンガポールの5年間、カシュアリーナを見るたびに、マオウってのはどんな植物なんだろうと思いながら過ごしていたのでした。
で、先日、小石川植物園に行ったらいましたよー。「おおー、こんなところに!!」
てなわけで今日のお題はマオウです。(とここで初めてカシュアリーナもアップしてなかったことに気がついた…近いうちにやるからね)
本体はこんなん。
モクマオウ科のカシュアリーナちゃんに負けず劣らず地味。杉菜かい?って感じ。
枝だか葉っぱだか分からないところを拡大。
おおー、確かにカシュアリーナちゃんみたいに、葉っぱらしきものが無い。スギナかトクサみたいな感じです。
スギナやカシュアリーナちゃんと違って継ぎ目のところがギザギザではないねー。
この茎みたいなのの直径は2mmくらい。まさにスギナみたいな感じです。(もちろん全く違うってのはすぐにわかるけどね。)
マオウを見れただけでも嬉しかったのに、花らしきものが付いていて、狂喜乱舞のTOM。
真ん中あたりに黄色っぽい粒が見えるでしょ。こんなんが茎の先っちょに着いていたの。5mmかもうちょっと大きい感じかな。
拡大。
なんか面白い形。なんだ?どこが何に当たるんだ???
家に帰ってマオウ科について読んでみました。
なんとこっちの子こそ、裸子植物。草だよ。草の裸子植物。始めて見たよ。でもってTOMが大好きなグネツムちゃんと同じグネツム目の中の科の1つ。マオウ科、どこかで見た気がしてたけど、そういうわけだったのか。
広辞苑の麻黄の項には、「マオウ科の裸子植物で、常緑小低木。中国原産の薬用植物。高さ30cm。小形鱗片状の葉を対生、緑色でトクサに似、花は単性、雌雄異株。初夏、茎頂または上部の節に花穂を付ける。漢方で、茎を煎じて鎮咳去痰材とする。」とありました。この花…単性花だったんだねー。雌花かな?雄花かな?
なーんか雄花っぽくないですか?
そしたら雌花ってどんな感じかな?ワクワク。
お仲間のグネツムちゃんのお花とも見比べてみてくださいね。共通点とか感じられる???
このマオウはシナマオウとも言い、雌花の胚珠が受精して種子になる頃には、周りの小ほうが赤く多肉質になるので、まるで果実のように見える…と書いてありました。グネツムちゃんと同じだねえ。
TOMが見たときはポツポツしかお花が付いていなかったのですが、ネットで検索したらこんな写真のあるページもありました。http://www.e-yakusou.com/sou/sou335-1.htm こんなに黄色がいっぱい付いたら、観賞用としても十分使えそう…。
マオウ科はグネツムちゃんと共に面白い科のようだけどこれはまた。(グネツム目についてはこちらを見て!)
カシュアリーナちゃんから出発した興味は裸子植物の不思議にまで及んでTOMもびっくり。でわまた。
マオウ科 Ephedraceae
原産地:モンゴル
Common name: シナマオウ マオウ 麻黄
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P11-170
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コメント
マオウ・・・気がついていませんでした。たぶんHさんと奥のほうのを見てたんだと思います。何のコメントもできずすみません。
投稿: Tomoko | 2007年6月20日 (水) 20時11分
tomokoさん
そっかー。変な質問をしてすみませんでした。でもネットでお花が確かめられたので自信を持ってアップできたよー。可愛いでしょ。このお花も。
投稿: TOM | 2007年6月21日 (木) 21時04分