またまたお休みのお知らせ
すみません!
今でもお休みしっぱなしなのに…8月22日までお休みします。
Hopea wightiana
シンガポールの自然友の会の友人yataさんがブログで「ホペアのお花がエコエリアで咲いていたよー」と書いていて、とうとうシンガポールではこのホペアちゃんのお花と対面できずに終わってしまったTOMは「写真、ちょうだい!!」っておねだりしたあげく、ブログにも載せさせてくださいってお願いしてしまいました。yataさん、快く受けてくださってありがとう!
もう感動です。嬉しいです。
ということでyataさんの写真を加工してアップです。
ホペアちゃんの属するフタバガキ科は東南アジアでは熱帯雨林の主要な樹種となる、重要な科。このHopea wightianaちゃんはインド出身で、シンガポールやマレーシアの森で見られるわけではないのですが、とにかくお花があんまりポピュラーではないので、お花が写真とは言え、見られてとってもハッピーなTOMなのでした。ふふふふ。学名でネット検索したけど、お花の写真が載ってるページとかほとんどなかったんだよー。フタバガキファンの皆さん、ご堪能ください。
木を見上げると薄いピンクのお花がいっぱい。
拡大。
葉っぱも一緒にパチ。
枝が落ちていました。こんな感じにお花やつぼみが付いています。
お花の1つ1つを拡大。
フタバガキ科のお花は5枚の花びらに5枚のガクがあるんだけど、お花が終わった後、ガクの何枚かが残って伸びて、羽根突きの羽のような形の実になります。
その実になっても残るガクはお花の時から長いんだって。見て!
そしてこちらはお花が終わった後の実の赤ちゃん。おおーー、2枚のガクが残ってるよ!
このガクがスルスルと伸びていって、乾燥すると、羽根突きの羽のようになって、高い木の上からクルクル回って落ちてきます。
下の写真は色々なフタバガキ科の植物の実をまとめて写真にしたものです。羽が2枚のもの、3枚のもの、5枚のもの、大きいもの、小さいもの色々あるでしょう?
フタバガキ科 Dipterocarpaceae
原産地:インド
フタバガキ科について以前TOMが書いた記事←こちらもついでにご覧下さい。
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Ravenala madagascariensis
バナナみたいな実が3つに割れて、中に青い繊維と黒い種。
←これなーんだ?
なんとタビビトノキの実です。
すっごい青!!
着色してあるんじゃないの?と正直思いました。
この写真、シンガポール植物園の誰でも入れるライブラリーに展示してあるものです。シンガポールにはタビビトノキは刷いて捨てるほど植えられていますが、花が咲くのはとっても珍しいのです。だからこんな風にガラスケースにいれて大切に展示してあります。
TOMはずーっとタビビトノキの花を見たいと思っていたのですが、シンガポールでは御目にかかれず。
先日、夢の島熱帯植物館に行ったときに、温室のタビビトノキが花序をつけていました。うぉーーー!何で花が咲いているタイミングじゃないのよー(涙…)
下の写真でわかる?
葉っぱの間から花序が出ています。ストレリッチアに似た花序。
花序の部分を拡大。
花のつぼみとおぼしき場所を拡大したのが下の写真です。
ゴクラクチョウカと同じで透明なベトベトしたのが出ているよ!!
タビビトノキの花粉を運ぶのはなんと哺乳類。
エリマキキツネザルなんだそうです。
花序を見られて嬉しかったのでしつこく後ろ側からもパチ。
お花の写真がないとピンとこないと思うので、ネットを検索。下のページの花が一番良く分かったので是非ご覧あれ。
で、エリマキキツネザルの話。
タビビトノキのお花のメシベの受粉可能時間は24時間。この間に「花についている小部屋に蜜がたくさん分泌される」と資料には書いてありました。
うーー、ネットで探した写真からは小部屋なんてわかんない!
もしかしてこの透明にベトベトしたように見えるのが蜜なのか??
それはともかく。エリマキキツネザルは近くの森の木の上から降りて、花が咲いたばかりのタビビトノキにやってきて、花の苞(ほう)をつかみ、苞をむしりとって中の花を取り出し、葉で花をこじ開けて鼻先をその中に突っ込んで蜜を飲むのだそうです。
へぇー、お猿さんが送粉者って、珍しい!
タビビトノキは2~3ヶ月もかなりたくさん花を咲かせるので、その間はタビビトノキの蜜がエリマキキツネザルの主食になるんだって!
「マダガスカルには花を守っている苞葉をひきちぎれるほどの力のある昆虫も爬虫類もいないようなので、エリマキキツネザルとタビビトノキはおそらくお互いに適応しながら進化してきたのでしょう。」
と資料には書いてあって、もうブラボーって感じ(何が?)
資料は「植物の私生活」という本なのですが、この本の元になったBBCの番組があって、その番組ではエリマキキツネザルが蜜を食べにタビビトノキに来ている映像がありました。DVDを持ってる方はご覧あれ。
それにしても同じ「アフリカ原産のゴクラクチョウカがじつは爬虫類が送粉者だったのではないか」と考えられていることと酷似してますねぇー。以前のゴクラクチョウカの記事も読んでいない方はご覧下さいね。
で、お花が終わると実がなります。
豊橋動植物園で以前、花序ごと実を展示してあったことがあったそう。ネット検索をしていたら見つけました。面白いよ!!
それから実の中に入っているタネの様子がわかるものも発見。こちらのブログも面白い!
シンガポールで花序や花を見たことが無かったので、夢の島熱帯植物館ではかなり興奮してしまったTOMでしたが、職員の人はあんまりワクワクしていない様子。どうして?と思いましたが、どうも日本の温室では結構花はつけてる感じで、ネットを検索すると意外に花の写真が出て来る出て来る…。なんでーーーーー?シンガポールであんなにいっぱいあって咲かないのに、日本で温室であっさり咲くの??悔しい!
答えはシンガポールで撮った説明板から見つけました。
「シンガポールではお花はとってもレアー。なぜかと言うと、タビビトノキは強い乾季を経験しないと花芽をつけないから」と看板には書いてありました。
はぁー、シンガポールは雨が多すぎなんですね。
ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae
原産地:マダガスカル
Common Name: Traveller's Palm, Traveller's Tree、タビビトノキ、トラベラーズパーム、オウギバショウ(扇芭蕉)、ラベナラ
説明は以前の記事をご覧下さい。
*******************
追加の記事です。
お花と実をもっと見たい!って騒いでいたら、花探し爺さんが「お花と実をアップしたよ」ってお知らせしてくださいました。見てみてーーー!!!
花探し爺さんのページは、「フィリピン植物研究会のページ」です。こちらも熱帯植物満載。ぜひご覧ください。
その中でタビビトノキのページはこちらです。
http://www.e-amo.net/amano/plants/basyou/tabibitonoki.htm
花もさることながら、実がなっている写真は初めて。バナナに似ていますねー。さすが、元バショウ科。
花探し爺さん、ありがとうございました!!
********************
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-207
「植物の私生活」デービッド・アッテンボロー 山と渓谷社 P121
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Ravenala madagascariensis
日本ではあまり見かけない木は、タビビトノキ!で決まりでしょう。
前にもアップしたんだけど、あらためて見たら、色々なタビビトノキを写真に撮っていたのでご紹介します。
マダガスカル島東部の水辺や湿地に群落を作る植物なんだそうです。
シンガポールではこんな感じに1本に仕立てたものを街路樹でよく見かけます。1枚目がラウパサのフードコートのところ。2枚目がタングリンロード。
若くて幹が立ち上がっていないものはこんな感じのもあります。
最初は街中でこんなんばっか見ていたので、自然にこんな風になる植物かと思っていたら、違ってました。
公園などで見るのはこんな形でブッシュになっています。
バナナなんかと同じ様に横から新しい株が出てきて育っていくみたいです。
ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae
原産地:マダガスカル
Common Name: Traveller's Palm, Traveller's Tree、タビビトノキ、トラベラーズパーム、オウギバショウ(扇芭蕉)、ラベナラ
説明は以前の記事をご覧下さい。
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-207
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Tillandsia usneoides
もう十数年前、ドライフラワーのアレンジをしていた頃に問屋に行くと、クッション材のような銀白色の「スパニッシュモス」という素材が袋詰されて売っていました。
シンガポールに来てはじめて、あれが植物だったということに気がつきました。おまけにパイナップルの仲間って事にも。日本のおしゃれな雑貨屋で最近よく売られている「エアープランツ」の仲間だってことにも。
原産地はアメリカ東南部からアルゼンチンやチリにかけて。「植物の世界」には、「米国東南部の多湿地域を旅すると、アカナラ類(ブナ科)やヌマスギ(スギ科)から、またときには電線から垂れ下がった、美しい灰色の植物に出会うことがある。コケや地衣類のように見えるが、じつは、パイナップル科のサルオガセモドキである。」と書いてありました。うーーん、そんな不思議な光景、見てみたいです。
シンガポール植物園では国立ラン園のミストハウスやパイナップル科のコレクションエリアでよく見る事が出来ます。
植物らしくなくて面白いので、ガイドの時にはよく説明をしていて、いつも観察していたのですが、残念ながらシンガポールではお花を観察することが出来ずじまいで悔しがっていました。(東山植物園のガイドさんたちが遊びに来た時に、東山植物園では咲いたよーって言っていたので「いいなぁー…」と…)
昨日、友の会の仲間と「夢の島熱帯植物園」に行ってきました。TOMははじめて行ったけど、熱帯植物がけっこう大きく育っていていい熱帯植物園ですね。で、そこで見つけたのが「お花!」
一人騒ぎまくっていたTOM。五月蝿くてゴメンネ…。tamaiさん、 minagawaさん、 tomokoさん。
わかりますか?
緑色の小さなお花。淡い緑色で、大きさは1cmくらいでしょうか?資料には「短い花柄に1個だけ花を付ける」とありました。
白っぽい葉っぱの間にそっと咲いていました。TOMくらいサルオガセモドキにこだわってなければ絶対見つけられないよってな感じ。
木の上の方に引っ掛っていた個体だったので、脚立でもないと接写ができず、かなりボケてます。ごめんなさい!
葉っぱ?茎?…はこんな感じ。
太さは1mmかそこら。「葉は長さ2.5cm~5cm、2~3枚ずつ出て、灰色で糸状の鱗片毛に覆われる。」と資料にはありました。うーーん、ぐしゃぐしゃでよーく見ないとどこが葉っぱでどこが茎か判別できません。
日本名はサルオガセモドキと言います。モドキは「まがいもの」ってことだよね。
じゃ、「サルオガセ」ってなんだ?
サルオガセっていうのは地衣類の一種です。でもTOMはどんなものか実物はよくわからないんです。今年の2月にキャメロンハイランドに行ったときに見たこんな物体(木の枝から垂れていた)、もしかしたらサルオガセの仲間かなと思ったんだけどどう?遠目で見ると、サルオガセモドキに色とか印象とかよく似ていたし、図鑑で見るサルオガセによく似てるなあって思ったんだけど。
サルオガセは「猿の尾にはめる枷」っという意味なんだって。絡み合った感じがそんな印象を昔の人にもたせたのかな?
パイナップル科 Bromeliaceae
原産地:米国東南部~アルゼンチン、チリ
Common name:Spanish Moss , Old Man's Beard , サルオガセモドキ
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-213
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シンガポール植物園国立ラン園のクールハウス入り口の右側に何本かカシュアリーナの木があります。空中回廊のようになっているところなので、時々カシュアリーナちゃんの花が見られます。
しかーし。これがモクマオウ科なのは確かなのだけど、1001に載っていた
Casuarina equisetifolia、Casuarina junghuhnina、
Gymnostoma nobile、Gymnostoma rumphianum、Gymnostoma sumatrana
のどれに当たるのか今手もとにある写真では全然判断がつきません。
まずは全体の様子。
もうちょっと寄ってみます。
3枚目は若い実の写真。
花は小さくて気をつけていないと花かどうかも気が付きません。
長いほうで8mmくらいってところか。
拡大して写真を撮ったら、こんな花びらみたいなのが出ていました。さぁて。これは何でしょう?
実がなっていたから雌花の花序のように思えますが…。
「植物の世界」にあった説明はこんなん。
とても退化した風媒花。雄花の花序は尾状の穂状花序。
雌花の花序は小型の球状または卵形の頭状花序をつける。
雄花は、開花時には脱落する1または2枚の帽子状の鱗片状花被片と、単一のオシベ(葯は底着する)からなる。
雌花は、花被も分化した花床もなく、合着して子房を形成するたった2枚の心皮(そのうち1枚しか発達しない)と、基部に翼のある花柱からなる。
ごめん。説明してることがよくわからない。
どなたか教えてください(涙…)。
モクマオウ科 Casuarinaceae
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P8-66
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Freycinetia multiflora
シンガポール最後の日にmayuriさんに誘われてシンガポール植物園最後の散策をしていたときに出会った子。
シンフォニーレイクの横にタケみたいな葉っぱの潅木があって、こんなきれいなオレンジのお花が咲いていたの。
何?樹名札もないし、なんだかわかりません。
残念だけど、わからないので、ほっておきました。先日「植物の世界」を見ていたら、「あーーー、コレ!!」。見覚えのあるオレンジのお花が…。この子そっくりのお花でした。でも葉っぱの感じが違うので属は同じだと思うけど、種は違うものだと思います。あー嬉しい。
タコノキの仲間なんだー。と思って気がつきました。あんなにいっぱい見ていたタコノキだけど、お花をじっくり見てことがなかったわ…。
お花の形からツルアダンの仲間だと思うんだけど、この株はどうにもツルには見えませんでした。潅木って感じの株。
「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」P249のshrubs(潅木)のページには Freycinetia multiflora が載っていました。この本の中のFreycinetia はこれ1つだったので、今回の写真の子もそうかなぁ。ただ、写真が小さすぎて確信がもてなかったので、ネット検索。
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/herb/flower/04_03/index.html
http://www.plantoftheweek.org/week023.shtml
http://www.botanic.jp/plants-ha/fremul.htm
こんなんが出てきて、葉っぱの様子とか色々見て、きっとこれだということでアップ。
茎はこんな感じです。小さめのヤシの葉みたいな印象を受ける葉っぱでしたね。
タコノキ科と言われてよく見てみれば、確かに森の中で見かけるツルのパンダンに似てる…。でもこの子はツルじゃないから、そんなことを想像もしなかったのよ。
さてお花です。
どこが花びらでどこがオシベ、メシベ???
木の中で目立つのはこんな格好をしている花。
単子葉植物だから、この3つ上がってるのがオシベとかメシベとか??
なんか違う気がする。タコノキの仲間ってことはこの粒々1つ1つが花??
この粒々、明らかに花が終わった後。この花の1つ1つにメシベとかオシベがあったのか?どこだ?
見つかりません。
そうこうしているうちに花びらが開いていない花がいっぱいあるのに気がつきました。(正しくは花びらではありません。苞(ほう)だと思います。)
あれ?入り口がちょっとだけ開いてる??
中に何か見えます。ごめん、ちょっと見せてね。…と苞を開いてみる。
あ、これが咲いてる状態?花粉みたいなのが付いてるよ。
先っぽを拡大したのがこの写真。うーーーん。これ、何だろう?花粉が出てるから雄花の花序かな。よくわからない。
上の写真を見ると、これが実になっていくようにも見えるから、花粉みたいに見えるけど、じつは何か違うもので雌花の花序かなんか???
「植物の世界」のタコノキ科を開いてみました。
それによるとタコノキ科は雌雄異株。
「雄花序は穂状で、多数の小型のおしべだけからなる花をつけ、花序はさらに円錐状の大きな花序をつくることが多い。」
雌雄異株ということは、この花序は雄花の花序か、雌花の花序かのどっちか。花粉が出てるからやっぱ雄花の花序だろうか。このモヤモヤ見えるの1つ1つが雄花の1つ1つで、花びらも何もなくなっている状態ってことなのかな。でもってこの花序が集まって、さらに大きな花序になっていて、それを赤い苞が包んで、花びらのように見えて、1つの花のように見えてるって訳なんだね。
「雌花序は多数の雌花が集合した休憩や円柱形の花序になり、雌花は子房が1室、1個から多数の胚珠があり、花被は退化して、ない。」
TOMが見て苞の中を覗いたのは、みんな花粉が付いていました。だとすればこれは雄株。上の方にある、サトイモ科の穂状花序みたいな写真は雄花の咲いた跡ということになります。虫をよりたくさん呼び寄せるためにすぐには枯れずに赤い色を残しているのかしら。
それとも同じ場所に雌雄両方の株が植えられていて、上の粒々1つ1つが雌花の後で、これから実になるのかしら。でもってどんな実がなるんだ?資料には「液果状」と書いてありました。よく見るタコノキは「石果」。うーーん、どんなんだろう?液果じゃなくて、液果状…。状って何よ!!!想像がつきません。液果を付けて、鳥などにタネを運んで貰うんだって。
上の実の赤ちゃんみたいな粒々をもう一度注目。ちょっと拡大。うーーん、これってタコノキの実に似てる。やっぱこれは雌花序の花の終わったものかな。2つ点々が見えるけど、ここが柱頭だったようにも見えるよね。
答えを知ってる方は教えてください。
「どちらの花序にも苞がよく発達し、白や赤に色づいて目立つ。」
たしかにそうです。
左の写真は苞がまだ硬く閉じているもの。本当にお花みたいでしょう?
苞が花びらのように大きく開かないのは、中で小さめの虫に暴れさせる為なのかな?(でもって花粉をよりたくさん付けさせる)少なくとも風媒って感じの花ではないですね。
「ツルアダン属はスリランカ、マレーシア熱帯地域から太平洋の島々まで約180種が分布し」ているんだそうです。お仲間、けっこういるんですね。
タコノキ科 Pandanaceae
原産地:フィリピン
Common name:Climbing Pandan,フレイキネティア・ムルティフロラ
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P11-98
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Gymnostoma nobile
シンガポール植物園のタングリンゲートを入っていって、スワンレイクの手前右側の芝生の中にこの子は何本かかたまって植えられています。
←怖い顔
最初は単純に「カシュアリーナちゃんの大きい子で怖い顔の奴」と呼んでいて名前も気にしていなかったのですが、ふと見たら属名がGymnostoma でカシュアリーナじゃなかった。
あれ?いや確かカシュアリーナだった筈…と思って樹名札を見ていったら、古い札では確かにカシュアリーナになってました。
かつてはモクマオウ科は1属と考えられていたけど、後で4属に分けられた…と「植物の世界」にはあったので、「なるほど、新しい名札はこの考えに合わせて新しい呼び名にしたのね」と納得。
イーストコーストパークあたりで拾うカシュアリーナちゃんの実は直径1.5~2cmくらいの小さなものだけど、この子は大きい。3~4cmくらいはあるかな。
全体の感じはこんな感じ。
葉っぱが細くてふわふわって感じでしょ。
カシュアリーナの名はヒクイドリ「Casuarius casuarius」から付いたというのが、このふわふわ感から納得できます。
実際のところどんな感じの葉っぱかと言うと、下のような感じです。
拡大。
スギナのような葉っぱで節があって引っ張ると節のところでぷちっと切れます。
今まで葉っぱと書いてきましたが、じつは葉っぱかなんだか分からない部分は小枝の部分。節のところにあるギザギザが葉っぱです。
これが昨日書いたモクマオウ科の特徴の1つ「節のある独特の細い小枝をもち、小枝の節ごとの先端に輪生する鱗片状に退化した葉身がある。」という文の意味。
新しい小枝はこの節の部分からこんなふうに伸びていきます。
節のところでぷっつんって切って葉っぱを映したのがコレ。
葉っぱが鱗片状に輪生して4枚あります。
じつはこの「輪生した葉っぱが何枚あるか」が属を分ける特徴の1つ。
モクマオウ科4属のうち、この子が属するGymnostoma(ギムノストマ属)とCeuthostoma(ケウトストマ属)は、この葉っぱが常に4枚。
あと2つの属は、カスアリナ属で5~20枚、モクマオウ属では4~15枚となるんだそうだ。
ほぉーーーーーーーーーー。
花ですが、この子では花は観察できた機会がなかったのでパス。
実は木にくっついている時はこんな感じ。ほらほら松かさみたいでしょお!
落ちてるのはこんな感じ。で、怖い顔してるわけ(笑)
さて長い間避けて通っていた疑問。
タネはどこ?
多分、ここに入っていたんだと思うんだよ。ね、口が開いてるでしょ。
どんなタネだろう?
考え始めたら気になって仕方がなくなって、手もとにあった、実を調べ始めてしまった。
あったー!コレ?????
ぱかっと開いた口の中に薄い何かがあります。
中身はこんなんでした。これがタネかな?
ごめん。楊枝でつついたらちょっと崩れてしまった…。
長いほうで5mmくらいしかない小さなものです。
「植物の世界」のモクマオウ科のところには「雌花序は成熟すると、いくぶん木質化した、球果状の複合果となる。果実は1個の種子のように見える偏平な翼果で、成熟すると光沢を持つ」と書いてありました。
翼果…当てはまるよ。これって果実にあたるんだー。はぁーなるほど。難しいわぁ。
私たちがこの怖い顔を拾うときには、この翼果は既にほとんど風か何かで飛んでいってしまった後で、翼果に気が付いたことは今までありませんでした。
この子は植物園にいる実が大きな子ですが、イーストコーストパークで見かけるカシュアリーナちゃんの実はもっと小さいので、翼果ももっと小さいのでしょう。ほんの2mmとかそんなものかもしれません。
うー。そんなんじゃ、絶対に見つけられないよォォーーー(涙)
モクマオウ科についての記事も読んでね。コチラ。
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P8-66
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モクマオウ科 Casuarinaceae
シンガポールに行って間もなく やたらと背の高い針葉樹みたいな木に気がつきました。どのくらいだろう?30m以上は優にあるだろうと思います。
街路樹になっていたり、イーストコーストパークにもいっぱいあったり。
下にはこんな実が落ちてる。
やっぱ針葉樹だーって普通思いません?
衝撃だったのはこれが針葉樹でも裸子植物でもなくて、れっきとした被子植物、それも双子葉…だったこと。ま、ものごとをよく見ることもせずに印象でしか植物を見たことがなかったTOMですから、その程度の知識しかなかったのよ…(号泣!)
見てよこの葉っぱ。針葉樹に見えるじゃん。そう思わん???
調べてみるとモクマオウ科のカシュアリーナって植物らしい。
カシュアリーナぁ?
なんだか、無骨な姿に似合わずカワユイ名前だわね。エカテリーナとか、女の人の名前みたい…。
先日、「マオウ」をアップしました。そのときに、「モクマオウ(木麻黄)があるからには木でないマオウ(麻黄)があるに違いないと思っていた…」って書いたでしょ。そのモクマオウがこの子です。
マオウとモクマオウ…何が似てるって、葉っぱが似ています。どっちもトクサみたい。左がマオウ、右がカシュアリーナ。太さは、マオウの方が太めです。でもスギナみたいに節がある様子とかよく似ているでしょう?
でもよく似ているけど、マオウは裸子植物、モクマオウは被子植物、おまけにトクサはシダ植物で種子植物ですらない…!!!
進化の流れの中では全く違う段階にあるこういった別々の植物達が、期せずして同じ様な形で同時代に出現する…生命の不思議さを感じます。面白いなあ。
で、2枚目の写真にあるように、カシュアリーナと言っても、見た目は同じ様に見えるけど、実が何種類かある。どうも種類が何種類かあるらしい。何がどう違うんだろうと思って、モクマオウ科について調べたのが今日の御題。(アー、長かった…)
資料「植物の世界 P8-66」に書いてあったことを羅列していきます。
モクマオウ科にはクロンキストの分類では4属96種
ギムノストマ属 Gymnostoma
ケウトストマ属 Ceuthostoma
カスアリナ属 Casuarina 15種
モクマオウ属 Allocasuarina 58種
葉や花が見かけ上とても単純なので、かつては原始的な科と考えられていましたが、今では ある程度進化したものが二次的に退化したもの だとされているそうです。
モクマオウ科は、雌雄異株、または同種の、高木または低木。
節のある独特の細い小枝をもち、小枝の節ごとの先端に輪生する葉身がある。
…つくしの袴みたいな部分が葉っぱって事だね。上の写真で確かめられる???
とても退化した風媒花。雄花の花序は尾状の穂状花序。雌花の花序は小型の球状または卵形の頭状花序をつける。
…よくわからないので明日以降に写真で見てみます。
「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」に載っているモクマオウ科は下記の5種類。色々写真は撮ってきたけど、正直言ってどれがどれに当たるのかわかりません。Gymnostoma nobileだけ樹名札があって分かったので、明日にでもアップの予定。
Casuarina equisetifolia
Casuarina junghuhnina
Gymnostoma nobile
Gymnostoma rumphianum
Gymnostoma sumatrana
最後に。街中や公園でこんな風にピンクに染まったカシュアリーナを見かけることが何回かありました。
ピンク色の正体はブーゲンビリア。カシュアリーナに添うように植えられて、棘でさっさか這い上がって、こんな風景。
植栽プランナーの仕掛けなんでしょうが、こんなアイディアも面白いですね。
細かい写真は明日以降に…。
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P8-66
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Aechmea pineliana
引き続きパイナップル科。
やっぱりシンガポール植物園の国立ラン園内パイナップル科植物のコレクションエリアにいる子です。
花序がなんか作り物のようでかわいいよー。
下からだんだんと上に咲きあがっていく感じかな。
赤と黄色のコントラストが綺麗ですね。
やっぱりブラジルが原産地の着生植物のようです。
花序の株を拡大したのが下の写真。黒いのは咲き終わって枯れちゃった花殻の部分なのかな?
エクメア属ことサンゴアナナス属は約200種の属。メキシコ~アルゼンチンにかけての熱帯や亜熱帯全域に分布。着生種が多いけど、たまーに地生種の子もいるそうです。
属名のAechmea は、ギリシャ語で「尖った先端」という意味で、ガクの先っちょが尖っていることから付いたんだって。うーーん、この子も確かにとんがってる。
この写真を撮ったパイナップル科植物のコレクションエリアで撮った写真はけっこうあるんですが、何者かを突き止めることがほとんど出来ていなくて、Midoriさんに教えていただいたサイトの図鑑をうろうろ。でも膨大な量の写真に敗北しています。時間だけが無為に過ぎ去る…(涙)
色々探している内に気がついたのが日本ブロメリア協会なるもの。きれいな写真の図鑑が充実していて、パイナップル科初心者には楽しいページになっていました。
日本ブロメリア協会
パイナップル科 Bromeliaceae
原産地:ブラジル
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-217
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Billbergia sp. かな?
この子もシンガポール植物園国立ラン園の中にあるパイナップル科植物のコレクションエリアにいます。
花序の感じからBillbergiaだと思います。違うぞ!って思った方は教えてくださいね。
この間Midoriさんが教えてくれたサイトではhttp://fcbs.org/pictures.htm パイナップル科の植物達を写真で探すことが出来ます。その量の膨大さに唖然。スゴイ。でもあんまり多くて時間がないと見つけられないのよ…(涙)
Billbergia ことツツアナナス属はブラジル東部を中心にして熱帯アメリカに50種類くらい分布する属なんだって。花序の元にある「苞(ほう)」がご覧の通り赤くてきれいなので観賞用に栽培されています。
葉っぱが7~8枚まき重なって筒状になるので和名は「ツツアナナス」。
筒状になっているのがわかる???
ここから花序が上がってるんだけど、あれれ?
花序が折れちゃってるよーー。大丈夫?
この属はほとんどが着生種。たまに地生種もあるそうです。この子は地面に植えられていたけど、実際のところはどうだかわかりません。
ただ、「植物の世界P10-218」に載っていた B.zebrina は 「ブラジル南部の多雨林などに着生し、長さ20~30cmの下垂する総状花序に…」とあって、(草姿や花序の出方はとても似ているけどお花がちょっと違うようなのでこの種ではないかなと思った子) この写真の子も何となく花序が折れて垂れているのではなくて、本来は着生種のものなので、虫ちゃんにちゃんと見つけて送粉してもらいやすいように垂れるのがアタリマエの植物なのかもしれないなぁって思いました。
今、アタリマエのように花粉を運ぶ子を虫ちゃんと言ったけど、ふと…。原産地は南米だし、赤い目立つ色なので、もしかしたら送粉者は蜜を吸う鳥ちゃんかも。
あなたはどう思う??
1つ1つのお花に注目。
冠状になったガクが灰緑色できれい。
そこから花びらとオシベ、メシベがひょろりーーんと長く伸びています。長く伸びてるのはきっと意味があるはず。
いったいどんな意味でしょう?知りたいね。
パイナップル科 Bromeliaceae
原産地:南アメリカの熱帯~亜熱帯にかけて
*これをUPした後に「植物の世界」を読んでいたら、別のページにこんな記事が…。B.porteana は「下垂する花序の基部には、美しい紅色の苞がついて吸蜜の目印になる。花粉はハチドリの仲間によって媒介され、長いくちばしを持つハチドリは空中に静止飛行をしながら密を吸い、次々に別の花を訪れる。」とありました。
やっぱり!花の形からこういう想像をめぐらしてドンピシャ!のときはなーんかやったー!って感じがします。
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-218
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Neoregelia sp.
しつこくネオレゲリアです。今日で最後だから許してね!
赤い葉っぱに白いお花。それぞれに趣があって楽しいなと思って。
パイナップル科 Bromeliaceae
原産地:南アメリカの熱帯~亜熱帯にかけて
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-219
.
最後に今日までに3日であげたネオレゲリア3兄弟を並べてみました。左の子が今日の子です。
種名とか分かるよ!って方がいらしたら教えて--!
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Neoregelia sp.
昨日のネオレゲリアちゃんの色違い。緑色の葉っぱに白いお花です。種については残念ながらTOMの手元の資料ではよく分からずじまい。そのうちだんだんと調べていきますね。
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-219
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Neoregelia sp.
シンガポール植物園の国立ラン園の中にはパイナップル科の植物をコレクションしたエリアがあります。
葉っぱが分厚くてトゲトゲ。うーーーん、痛そうだし、今ひとつよくわからん…ということで今まで避けてきたパイナップル科の子達。勇気を出してアップです。
この子は何気に見ていたら、葉っぱの真ん中に小さなお花が咲いていてビックリした子。
パイナップル科の植物達はこんな風に平べったく分厚い葉っぱが筒のようになりながら、ロゼッタ状に広がります。その真ん中はお水を貯めるだけの場所かな?と思っていたのに、こんな場所にお花????
調べてみたら確かにお花でした。パイナップル科の中のネオレゲリア属の子。
ネオレゲリア属は70種くらいあって、南アメリカの熱帯~亜熱帯にかけて分布するんだって。普通は木の枝などに着生するのだそうで、そんなわけでこんな風にお水を溜め込むんだね。
花序は総状花序なんだけど、同じ高さにお花が付くので、円盤状に見えます。まるで剣山を置いて、小さなお花を活けてあるみたい。面白いねぇーー。
パイナップル科 Bromeliaceae
原産地:南アメリカの熱帯~亜熱帯にかけて
資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-219
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