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2007年7月23日 (月)

タビビトノキの花と実

Ravenala madagascariensis

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バナナみたいな実が3つに割れて、中に青い繊維と黒い種。

←これなーんだ?

なんとタビビトノキの実です。

すっごい青!!

着色してあるんじゃないの?と正直思いました。

この写真、シンガポール植物園の誰でも入れるライブラリーに展示してあるものです。シンガポールにはタビビトノキは刷いて捨てるほど植えられていますが、花が咲くのはとっても珍しいのです。だからこんな風にガラスケースにいれて大切に展示してあります。

TOMはずーっとタビビトノキの花を見たいと思っていたのですが、シンガポールでは御目にかかれず。

先日、夢の島熱帯植物館に行ったときに、温室のタビビトノキが花序をつけていました。うぉーーー!何で花が咲いているタイミングじゃないのよー(涙…)

下の写真でわかる?

葉っぱの間から花序が出ています。ストレリッチアに似た花序。

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花序の部分を拡大。

花のつぼみとおぼしき場所を拡大したのが下の写真です。

ゴクラクチョウカと同じで透明なベトベトしたのが出ているよ!!

タビビトノキの花粉を運ぶのはなんと哺乳類。

エリマキキツネザルなんだそうです。

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花序を見られて嬉しかったのでしつこく後ろ側からもパチ。

お花の写真がないとピンとこないと思うので、ネットを検索。下のページの花が一番良く分かったので是非ご覧あれ。

花序や花の様子がとってもよくわかるページ

で、エリマキキツネザルの話。

タビビトノキのお花のメシベの受粉可能時間は24時間。この間に「花についている小部屋に蜜がたくさん分泌される」と資料には書いてありました。

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うーー、ネットで探した写真からは小部屋なんてわかんない!

もしかしてこの透明にベトベトしたように見えるのが蜜なのか??

それはともかく。エリマキキツネザルは近くの森の木の上から降りて、花が咲いたばかりのタビビトノキにやってきて、花の苞(ほう)をつかみ、苞をむしりとって中の花を取り出し、葉で花をこじ開けて鼻先をその中に突っ込んで蜜を飲むのだそうです。

へぇー、お猿さんが送粉者って、珍しい!

タビビトノキは2~3ヶ月もかなりたくさん花を咲かせるので、その間はタビビトノキのがエリマキキツネザルの主食になるんだって!

「マダガスカルには花を守っている苞葉をひきちぎれるほどの力のある昆虫も爬虫類もいないようなので、エリマキキツネザルとタビビトノキはおそらくお互いに適応しながら進化してきたのでしょう。」

と資料には書いてあって、もうブラボーって感じ(何が?)

資料は「植物の私生活」という本なのですが、この本の元になったBBCの番組があって、その番組ではエリマキキツネザルが蜜を食べにタビビトノキに来ている映像がありました。DVDを持ってる方はご覧あれ。

それにしても同じ「アフリカ原産のゴクラクチョウカがじつは爬虫類が送粉者だったのではないか」と考えられていることと酷似してますねぇー。以前のゴクラクチョウカの記事も読んでいない方はご覧下さいね。

で、お花が終わると実がなります。

豊橋動植物園で以前、花序ごと実を展示してあったことがあったそう。ネット検索をしていたら見つけました。面白いよ!!

それから実の中に入っているタネの様子がわかるものも発見。こちらのブログも面白い!

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シンガポールで花序や花を見たことが無かったので、夢の島熱帯植物館ではかなり興奮してしまったTOMでしたが、職員の人はあんまりワクワクしていない様子。どうして?と思いましたが、どうも日本の温室では結構花はつけてる感じで、ネットを検索すると意外に花の写真が出て来る出て来る…。なんでーーーーー?シンガポールであんなにいっぱいあって咲かないのに、日本で温室であっさり咲くの??悔しい!

答えはシンガポールで撮った説明板から見つけました。

「シンガポールではお花はとってもレアー。なぜかと言うと、タビビトノキは強い乾季を経験しないと花芽をつけないから」と看板には書いてありました。

はぁー、シンガポールは雨が多すぎなんですね。

ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae

原産地:マダガスカル

Common Name: Traveller's Palm, Traveller's Tree、タビビトノキ、トラベラーズパーム、オウギバショウ(扇芭蕉)、ラベナラ

説明は以前の記事をご覧下さい。

タビビトノキの形の回も見てね!

*******************

追加の記事です。

お花と実をもっと見たい!って騒いでいたら、花探し爺さんが「お花と実をアップしたよ」ってお知らせしてくださいました。見てみてーーー!!!

花探し爺さんのページは、「フィリピン植物研究会のページ」です。こちらも熱帯植物満載。ぜひご覧ください。

その中でタビビトノキのページはこちらです。

http://www.e-amo.net/amano/plants/basyou/tabibitonoki.htm

花もさることながら、実がなっている写真は初めて。バナナに似ていますねー。さすが、元バショウ科。

花探し爺さん、ありがとうございました!!

********************

資料:「朝日新聞社 植物の世界」 P10-207

 「植物の私生活」デービッド・アッテンボロー 山と渓谷社 P121

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コメント

旅人の木ってこんな色のタネがなるんですかー!知りませんでした。
シンガポールでは花、珍しいんですね。
僕が持っている「現代いけばな花材辞典」という本にはタビビトノキの欄があって、コチョウランと一緒にガツンと活けてある使用例作品の写真が載っています。カッコいい形です。

投稿: COCA-Z | 2007年7月24日 (火) 01時26分

XOCA-Zさん
お久しぶりです。タビビトノキの実の青色、面白いでしょう?どうしてこんな青色でなくちゃいけないのか謎です。送粉者は猿だとしても、タネを運ぶのは誰?という疑問がわいてきますねー。
タビビトノキとコチョウラン、絶対的な大きさが違うと思うんだけど、タビビトノキのどこを使ってるんだろう??妄想が頭の中に溢れてます。

投稿: TOM | 2007年7月24日 (火) 07時10分

あー!私も絶対見たい!ブラボーって言う気持ち分かるよ!やっぱりマダガスカルに行かなくちゃ!その前に夢の島熱帯植物館に行けばまだ見れるかな?夏休み後半帰ろうかな?!

投稿: まゆり | 2007年7月24日 (火) 14時15分

 コメントするのはお久しぶりです。いつも見させてもらっています。
 楽しくてためになる記事ばかりで、ありがたいです。

 タビビトノキの果実は、初めて見ました。本当に、着色したみたいな瑠璃色ですね。

 なんと、タビビトノキの種子は、食べられるそうですよ。
 見る分にはいいですけれど、食べるとなると、この色は引いてしまいますね。毒々しすぎますよね。
 最初に食べた人は、勇気があると思います(^^;

投稿: 松沢 千鶴 | 2007年7月24日 (火) 18時04分

このところしつこく書いてます(#^.^#)
だって、この間見てきたばかりの光景が繰り広げられているんですもの。なつかしいなあ。

花は、もうしばらくはかかりそう・・・という気がしましたね。

豊橋のも、春に行った時見て、写真も撮りました。ただし、パソコンがクラッシュして何もかもが全部空っぽになってしまうハプニングで消えましたが(>_<)

東山植物園にも、かつては存在したのですが、何しろ古い建物、屋根が低くて、頭がつかえて、退役となりました。
ところで、最近、タビビトノキは、鉢植えで売られているのです。しかも、高くない。たぶん実生苗を鉢植えにしてあるのです。2000円ほどでしたので、買いました。
見る見る大きくなり、鉢が手狭で植え替えのため抜いたら5株あり、それぞれ独立させて、友人たちに分けたりして、目下3株。冬場のハンディがあるから、それほどは大きくならないだろうと見込んで(*^^)v。

投稿: みのり | 2007年7月24日 (火) 19時54分

「へぇー哺乳類が送粉者って、珍しい!」って書かれていますけど、
熱帯ではオオコウモリ(これも立派な哺乳類)が送粉をしている
ことがよくあります。

変わった例では、オーストラリアのバンクシアが、小型有袋類によって
送粉されているいる例とか。

投稿: 東方紅 | 2007年7月26日 (木) 04時14分

まゆりさん
夢の島は帰国をすればいくらでも行けるのでシンガポールで思い切り見てきてくださいね。私も8月下旬にもう一回行けたらいいなあと思ってますが、そのころには終わってる??

松沢さん
見捨てず覗いてくださってありがとうございます!牛歩のごとく、でも止めないで続けたいと思ってます。
いったいこの黒い実をどんな風にして食べるんでしょう?炒るのかな。そもそもこの青い繊維がどういう意味があって青い色でなければいけないのか、タネを運ぶのが誰なのか、疑問は尽きる事無く続いています…(・・,)グスン

みのりさん
何でも育ててしまうバイタリティーに脱帽です。東山に遊びに行ったら、その子がどうなったか是非是非教えてくださいね!

東方紅さん
コメントありがとうございます!いつも色々教えてくださってありがとうございます。ご指摘の通りでした!コウモリも哺乳類ですね。すっかりコウモリちゃんのことを忘れかえってました。お猿さんって書き換えようかなと思ってます。猿!って思うと本当に珍しいですよね!

投稿: TOM | 2007年7月28日 (土) 17時16分

 楽しく、拝見しております。
 タビビトノキの花の写真が撮れましたので、お知らせします。撮影地は、フィリピン(ルソン島北部)です。

投稿: 花探し爺 | 2007年10月21日 (日) 19時31分

花探し爺さん
お知らせありがとうございます!だけど、写真にたどり着けません。あらためてどこに行けばいいかお知らせいただけると嬉しいです!ページが見つかりません…になってしまうんです。なぜだろう?

投稿: TOM | 2007年10月23日 (火) 08時37分

 TOMさん、こんにちは。
 すみませんでした。
 私のホームページの掲示板をご覧ください。ホームページのほうも、近いうちに更新する予定です。
 今度はどうでしょうか?不都合があったら、またお知らせください。

投稿: 花探し爺 | 2007年10月24日 (水) 13時20分

花探爺さん
今度はちゃんと見られました。ありがとうございます!HPの方を更新されたらぜひお知らせくださいね。こちらからも皆さんにお知らせさせてくださーい!

投稿: TOM | 2007年10月24日 (水) 13時45分

 大変遅くなりましたが、タビビトノキの更新をしました。

 

投稿: 花探し爺 | 2007年12月 7日 (金) 11時39分

こんにちは。

乾季のあるタイでは、タビビトノキの花は結構あちこちで見かけます。

ただし、実がなっているのはなかなかお目にかかりません。やはり送粉者がいないからなのかもしれません。

いつかあのマリンブルーのような中の繊維をこの目で見てみたい!!

投稿: 山東 | 2010年7月 5日 (月) 12時13分

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