シブヤン島のサギシ椰子
Heterospathe sibuyanensis
シンガポール植物園のヤシエリアにあるヤシのひとつです。やたらめたらに写真を撮ってきた中にあったので、ごめん、何もわからないのだ…。
でも、まぁ、色々読んでいると、すーっと伸びた細い幹が美しいということで、熱帯ではよく庭園樹として植えられているらしいです。
左の写真を見ると、ココナッツやアブラヤシに比べて、幹が細くてすっと伸びているのがわかりますよね。
なにもわからない…ということでヘテロスパテ属について再び「GENERA PALMARUM」を開いてみました。 本によって属の種類数とか全然違うので、この本を中心に信用して行こうと思います。例によって英語が超苦手なTOMの超意訳だから、ちゃんと知りたい人は原本を買って読んでください。
ヘテロスパテ属(イヌヘラヤシ属)は約32種類がフィリピン諸島からミクロネシア、インドネシア東部、ソロモン諸島にいたる地域に生息しています。これはニューギニアにある16種類も含んでいます。
低地から山間部にかけての熱帯雨林に生息しています。ヘテロスパテ属の多くは林床に暮らしており、いくつかの種だけが背が高くなって森のキャノピーの一員となります。
一般名はサギシパーム(Sagisi Palm)と言い、Heterospathe elata の果実はフィリピン諸島では べテルナッツの代用品として使われます。若芽は食べられると言われていて、葉は裂いて編物に使われます。
太平洋の西側の海岸に広く生息しているヤシです。が、Palawan では見つかっていますが、ボルネオ島ではまだ見つかっていません。
特徴としては 雌雄同株 羽状複葉 トリアド型に花がつく などなど。
花序はこんな感じ。背が高いので拡大しても詳しいことはわかりません。
幹の様子はこんなん。滑らかできれいです。
日本語の属名はイヌヘラヤシ。面白い名前だけど、どうしてこんなに日本語名が付いたのかも不明。意味も予想できにくい。犬箆??
上の文中に出てくる一般名 Sagisi palm は Heterospathe elata のフィリピンでの現地名からきてるみたいです。(和名はセタカイヌヘラヤシ)エラータちゃんは原産地はモルッカ諸島ですが、「A Guide to PALMS & CYCADS of the World」によると、フィリピンでは広く栽培されているようです。で、実をベテルナッツチューイングのべテルの代わりに使うんだとか。ベテルナッツチューイングは東南アジアのタバコ(嗜好品という意味で)みたいなものですから、それならば広く栽培されているのもうなずけます。フィリピン諸島の島の中には、この小葉を日よけの帽子を作るのに使ったり、leaf sheaths はかご作りの材料に使われてきたんだそうです。
種名に sibuyanensis とあって、渋谷さんって日本人の学者が発見したのかとどきどきしましたが、調べていくとフィリピンの中でもシブヤンという場所があって、そこ出身のヤシらしいことがわかってきました。フィリピン…わかんないなあ。検索。ありました。Sibuyan(シブヤン)とかいう島。(もうひとつシブヤン島で検索して出てきたHP)
シブヤン島という日本語で検索をかけると、虫関係がいっぱい出てきます。クワガタとか人気の種が生息する場所らしいですよ。
シブヤン島出身の今回の写真の子は、写真を見る限りはエラータちゃんと似た感じがします。同じようにべテルの代わりに使われたりしているんでしょうか?
わからないなりに調べていくと色々出てくるのが、やっぱり面白い。ヤシマニア、やめられません。
ヤシ科 Palmae
アレカヤシ亜科 アレカヤシ連 イグナヌラ亜連 Arecoideae Areceae Iguanurinae
原産地:フィリピン(シブヤン島)
Common name: 不明
資料:GENERA PALMARUM P427
A Guide to PALMS & CYCADS of the World P106
ヤシも可愛いじゃんって思ってくれたら…ぽちっ!
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コメント
シブヤン島・・・・なつかしいなあ。
私がフィリピンで最初に本格的調査をおこなった
島でした。
その当時の話は以前差し上げた「熱帯動植物
趣味の会会報」に詳しく書いてありますよ。
投稿: ふなこし | 2007年9月30日 (日) 19時33分
ふなこし先生
そんな縁があった島なんですね。資料は読んでいたはずなのですが、シブヤン島という名前はすっかり忘れてしまっていました。以前いただいた資料を見てみます!!
投稿: TOM | 2007年10月 3日 (水) 06時33分