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2007年9月30日 (日)

シブヤン島のサギシ椰子

Heterospathe sibuyanensis

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シンガポール植物園のヤシエリアにあるヤシのひとつです。やたらめたらに写真を撮ってきた中にあったので、ごめん、何もわからないのだ…。

でも、まぁ、色々読んでいると、すーっと伸びた細い幹が美しいということで、熱帯ではよく庭園樹として植えられているらしいです

左の写真を見ると、ココナッツやアブラヤシに比べて、幹が細くてすっと伸びているのがわかりますよね。

なにもわからない…ということでヘテロスパテ属について再び「GENERA PALMARUM」を開いてみました。 本によって属の種類数とか全然違うので、この本を中心に信用して行こうと思います。例によって英語が超苦手なTOMの超意訳だから、ちゃんと知りたい人は原本を買って読んでください。

ヘテロスパテ属(イヌヘラヤシ属)は約32種類がフィリピン諸島からミクロネシア、インドネシア東部、ソロモン諸島にいたる地域に生息しています。これはニューギニアにある16種類も含んでいます。

低地から山間部にかけての熱帯雨林に生息しています。ヘテロスパテ属の多くは林床に暮らしており、いくつかの種だけが背が高くなって森のキャノピーの一員となります。

一般名はサギシパーム(Sagisi Palm)と言い、Heterospathe elata の果実はフィリピン諸島では べテルナッツの代用品として使われます。若芽は食べられると言われていて、葉は裂いて編物に使われます。

太平洋の西側の海岸に広く生息しているヤシです。が、Palawan では見つかっていますが、ボルネオ島ではまだ見つかっていません。

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特徴としては 雌雄同株 羽状複葉  トリアド型に花がつく  などなど。

花序はこんな感じ。背が高いので拡大しても詳しいことはわかりません。

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幹の様子はこんなん。滑らかできれいです。

日本語の属名はイヌヘラヤシ。面白い名前だけど、どうしてこんなに日本語名が付いたのかも不明。意味も予想できにくい。犬箆??

上の文中に出てくる一般名 Sagisi palm は Heterospathe elata のフィリピンでの現地名からきてるみたいです。(和名はセタカイヌヘラヤシ)エラータちゃんは原産地はモルッカ諸島ですが、「A Guide to PALMS & CYCADS of the World」によると、フィリピンでは広く栽培されているようです。で、実をベテルナッツチューイングのべテルの代わりに使うんだとかベテルナッツチューイングは東南アジアのタバコ(嗜好品という意味で)みたいなものですから、それならば広く栽培されているのもうなずけます。フィリピン諸島の島の中には、この小葉を日よけの帽子を作るのに使ったり、leaf sheaths はかご作りの材料に使われてきたんだそうです。

種名に sibuyanensis とあって、渋谷さんって日本人の学者が発見したのかとどきどきしましたが、調べていくとフィリピンの中でもシブヤンという場所があって、そこ出身のヤシらしいことがわかってきました。フィリピン…わかんないなあ。検索。ありました。Sibuyan(シブヤン)とかいう島。(もうひとつシブヤン島で検索して出てきたHP

シブヤン島という日本語で検索をかけると、虫関係がいっぱい出てきます。クワガタとか人気の種が生息する場所らしいですよ。

シブヤン島出身の今回の写真の子は、写真を見る限りはエラータちゃんと似た感じがします。同じようにべテルの代わりに使われたりしているんでしょうか?

わからないなりに調べていくと色々出てくるのが、やっぱり面白い。ヤシマニア、やめられません。

ヤシ科 Palmae

アレカヤシ亜科 アレカヤシ連 イグナヌラ亜連  Arecoideae Areceae Iguanurinae

原産地:フィリピン(シブヤン島)

Common name: 不明

資料:GENERA PALMARUM  P427

    A Guide to PALMS & CYCADS of the World P106

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2007年9月28日 (金)

ドームヤシ

Hyphaene ドームヤシ属

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昨日、ドームヤシを紹介したら、すっごく気になりはじめたので、重い腰をあげて「GENERA PALMARUM」を開きました。(だって英語ばっかなんだもん。目が拒否します…) がんばって超意訳をしてみました。

たくさんのドームヤシ属のヤシが紹介されてきていますが、じつのところはおそらく10種くらいがあると思われます。生息地はNatalまでのアフリカの乾燥地帯、マダガスカル島、紅海、Gulf of Eilat coasts、アラビアの海岸地帯、インド大陸の西岸あたりですが、1種だけスリランカに記録があります。でもこれは多分人間によって運ばれたものでしょう。

ドームヤシ属の仲間は乾燥地帯もしくはそれに準じた in habitats where ground water is near the surface, e.g.along seasonal water courses, coastal sand dunes and flats, and oases.といったエリアに育ちます。アフリカ東部では ドームヤシの仲間のコムプレッサcompressa は標高1400mまで生息しています。

ドームヤシ属の仲間はみな、人間によって利用されてきたので、人によって破壊的なほどに刈り取られたり、たまたま、あるいは計画的に植栽されたりして、その生息地は人の影響をたくさん受けてきました。野生動物の中でも特にアフリカ象やbaboonと呼ばれるサルの仲間は、ドームヤシのタネを運ぶ役割を負っており、送粉に関しては蜂が花に訪れているのが観察されています。

ドームヤシと呼ばれているこのヤシは地域によってはとても重要な植物です。特に農耕をする人々の食料として。葉は屋根を葺いたり、編みこんで何かを作る時の繊維として使われます。その頂端はヤシ酒を作るためにしばしばたたかれます。(ここの部分誰か教えてください。The apex is often semidestructively tapped to make palm wine.ココナッツなどのように花序を切って取り出した樹液を酒にするということか???) 木材としても使われます。 果実は若いときには中果皮(果皮の中層で、ウメやサクランボのような果実の果肉にあたる部分)や胚乳を食べることができますが、かつては熟したものを象牙の代替品の原料として使われました。

熱帯・亜熱帯の海岸沿いのココナッツに匹敵するくらいに、役に立つヤシのようですね。友人が「あっちにはぼこぼこあったわよ」と言っていた意味がよくわかりました。

熱帯植物要覧を開くと、ドームヤシはHyphaene thebaica だけが載っていました。これはエジプトあたりに生育するヤシのようです。説明を写してみます。

「Dum palm, Dom palm, Egyptian doum palm, Ginger bread palm(英)。東アフリカ。茎の分岐する数少ないヤシのひとつ、高さ9~12m。葉は扇状。果実はテニスボール大。果肉を生食、糖蜜、菓子。胚乳は酸味、ショウガ香、固く、ボタン、香函工芸、砕いて食用。実生は野菜。葉の繊維は綱、敷物、帽子、天幕、紙。胚乳粉末は傷薬。」

GENERA PALMARUMの説明と合わせるとなにかイメージが見えてくるような気がします。ちなみに昨日載せたコムプレッサの説明は

Hyphaene compressa  ヒファエネ・コムプレッサ「8~10種からなるドームヤシ属は1種を除くとすべて茎が二又分枝する。アフリカ、マダガスカル島、アラビア半島、インド西部の沿岸部に分布し、本種はアフリカの東海岸に多い。古くから職布、屋根葺きの材料、材木、食料として利用されてきた。果肉はとても香りがよく、ショウガ入りクッキーのような味がする。樹液を発酵させて酒もつくる。

色々な種類があるけど、みんなショウガ入りクッキーのような味がするんだろうか?

食べてみたい…

エジプトに旅行すれば、道端で売っていたりするんだろうか??

さらに何かわからないかなと思って「ドームヤシ」で検索をかけてみました。

興味がわいたのは下の3つだけ。ドームヤシって日本ではとっても知られていないものなのねぇ。

アフリカ旅行のときに見たドームヤシの写真を載せているページ

ケニアのサンブルという民族がかつてはドームヤシ製の首飾りをしていたよ…という記述があるページ

エジプト旅行記 写真はないけど「バスはドームヤシが並ぶ道を走り」という記述がある。写真があったらうれしかったなぁ。

びっくりするほど、Yahooオークションが引っかかってましたねぇ。こんなん買う人がいるんですねぇ。どこで育てるんだろう??幼木を育てても面白くなかろうに…。

TOMが調べられるのはこの辺が限界。ギブアップです…。

誰かエジプトやアフリカ、マダガスカルで二又に枝が分かれるヤシを見たら、ぜひぜひいっぱい写真を撮ってTOMに見せてくださーーーーーい!!!

資料:GENERA PALMARUM  P228

    熱帯植物要覧 P526

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2007年9月27日 (木)

二又分枝椰子 ドームヤシ

Hyphaene dichotoma

シンガポール植物園の国立ラン園にある、珍しいヤシ。

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ヤシって言うと、すぐにココナツとかの1本の幹ですーーーっと空に伸びている形を想像すると思います。確かにそういったのが多いんだけど、カンノンチクみたいに株立ち になってるのとか、ラタンみたいにツル性のヤシとかもあります。その中でも、日本ではお目にかからない(どこかの熱帯植物園にあるのでしたら情報をくださーい!)珍しい形のヤシが幹が分枝するヤシです。このドームヤシは二又分枝をします。なんだか、およそヤシらしくない姿でしょ。

でも普通の樹木っぽくもない。なんじゃこれ?って思いますよねぇ。

朝日の「植物の世界」P11-109には Hyphaene compressa  ヒファエネ・コムプレッサの写真があり、「8~10種からなるドームヤシ属は1種を除くとすべて茎が二又分枝する。アフリカ、マダガスカル島、アラビア半島、インド西部の沿岸部に分布し、本種はアフリカの東海岸に多い。古くから職布、屋根葺きの材料、材木、食料として利用されてきた。果肉はとても香りがよく、ショウガ入りクッキーのような味がする。樹液を発酵させて酒もつくる。ケニアの海岸部で。」という説明がありました。

小学館の「園芸植物大事典」P113には「約30種がアフリカ、マダガスカルに分布する。幹は単一または株立ちで、2又分岐する習性のある唯一のヤシ。」とあります。

おい、10種と30種では全然違うじゃん。…とはもうつっこみを入れません。だって、本によって書いてあることが全然違うんだもん。ただのオタクのTOMには確かめるすべもありません。

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葉っぱは資料には「葉柄が長く、両縁に黒いトゲのような鋸歯がある。葉柄以外に鋸歯はない。」とあったんだけど、そのとおりだね。

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この属の葉は中肋(ちゅうろく)を持った掌状葉。灰緑色を帯びる。葉っぱがかたくて、深く裂けた形になってるんだけど、その葉っぱの裂けたものの先端がさらに2つに裂けるんだって

うーーん、この写真ではよくわからないかも。2つにさらに裂けた様子は下のほうの花序の写真の方がわかりやすいかもしれません。

あと、ハスツラ(hastula)もよく発達するともありました。見える??

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あるとき、実がなっていました。でもTOMのカメラでは遠いものは撮れません。下2枚はKeikoさんが撮って送ってくれた写真です。

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資料には「果実は大きく、倒卵形で、洋ナシの形に似るが、形に変化がある」とありました。本当だ。洋ナシみたいな形をしてるのがある。この写真だと、葉柄のトゲトゲの様子がわかるので、これも見てね。

お花は6わからなかったけど、花序らしきものも見つけたよ!

こんなんです。これ以上詳しいのはカメラの性能とヤシがある場所が植え込みの中で、真下で花を探すことができないので撮れませんでした。残念。

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雌雄異株ということなので、これは雌花の花序かなと思うのですが、シンガポール植物園にはこの1本しかドームヤシはないとTOMは思うので、(もしかしたらある???あと、植物園外にドームヤシがあるとは思えない)この実たちの花粉親はどうなってるんだろう?というのがTOMの疑問。人工受粉をしているのか、はたまた、花粉なしでも結実するのか??

資料によると雄花の花弁は3枚のガクとともに基部で重なり、オシベは6本。

雌花は雄花より大きくて、ガク、花びらとも3枚で基部で重なるとありました。子房は3室。

このドームヤシ属はアフリカ、マダガスカルあたりに多いようですが、植物園のこの子はインド出身の子。他の子は乾燥地帯や砂漠に生息するらしいので、シンガポールでは雨が多すぎてうまく育たないんじゃないかなあと思います。

シンガポールでは珍しいので、嬉しくてラン園に行くとすぐに説明してしまいますが、中東に旅行してきたUtsumiさんによれば、「あっちにはぼこぼこ生えてたわよー」とのこと。原産地の風景を見てみたいですねー。

ヤシ科 Palmae

タリポットヤシ亜科 オウギヤシ連 ヒファエネ亜連  Coryphoideae Borasseae Hyphaeninae

ヒファエネ属

原産地:インド

Common name: Indian Doum Palm, インディアンドームパーム

資料:朝日「植物の世界」P11-109

    園芸植物大事典 小学館 P113

関連ページ:ケニアのドームヤシ

        ドームヤシ属

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2007年9月25日 (火)

サラカヤシの仲間-2

Salacca magnifica

先日紹介したサラカヤシの仲間です。シンガポール植物園のヤシエリアにいます。

サラッカ属のうちボルネオ島の子はこういう形をしているらしいよ。

小葉がばらばらになっていないで、くっついている感じなのが特徴。

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羽状複葉の小葉がくっついていて、葉っぱの先っちょがV字になってるのが見てとれます。偶数羽状複葉なのがよくわかるわ…。

下の写真はトゲの様子。下手に近寄って何かしようものならすっごく痛いです。

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トゲを拡大。

すごいでしょ。

お花はないかなー。

あ、花序発見。

また男の子だーー。雌花が見たいよー。

ワリチアーナちゃんのお花によく似ていますね。

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雄花です。木の内側は暗いので、ボケボケ。いい写真が撮れませんでした。残念!

サラッカ属は雌雄異株。詳しくは下のページをごらんあれ。

関連ページ:サラクの実

サラカヤシの仲間

フルーツパークのサラクの実

ヤシ科 Palmae

トウ亜科 トウ連 トウ亜連  Calamoideae Calameae Calamineae

原産地:ボルネオ島

資料:園芸植物大事典 小学館 P95

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2007年9月23日 (日)

ククップ島

ジョホール日帰り旅行-3

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ジョホール日帰り旅行-1 

ジョホール日帰り旅行-2 の続き

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さぁ、いよいよククップ島に着きました。船着場です。

上がると入場料を払うブースがあって、その先がボードウォークになっています。

まっさきに迎えてくれたのはカニクイザルでした。「何か持ってる?」よーく見たらゴミでした。この中に人間の食べかすなどが入っています。日光のニホンザルでしたっけ?食べ物が欲しくて人間を襲っちゃうのは? カニクイザルはニホンザルと近縁で、人間に慣れすぎてしまうと、人間を襲って食べ物を奪うようになります。シンガポール植物園にもかつてはサルがいたけれども、ヒトを襲うようになったので駆除されたという話を聞いたことがあります。ビニールの袋の中に食べ物が入っていることを憶えたこの猿くんも、いつか観光客を狙ったりするのでしょうか??でもそもそもは、かわいいからと言って食べ物を与えてしまった人間や、彼らが十分にひっそりと生きていけないような開発をした人間が悪いのですよね。

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ククップ島から先ほどの集落を見返したところ。

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マングローブの森の中にこんな吊り橋やボードウォークがあります。

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マングローブの特徴の不思議な根っこが見て取れますね。

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ヒルギのお花の終わったあとです。ここから胎生種子が伸びてきます。

吊橋の上からだと普段木の上で咲いていて間近で見られないお花も近くで見られて嬉しい。

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森の中はこんな感じ。

地面をよく見ると、沢山の綺麗な色をした小さなカニがいっぱいいました。

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ヒルギモドキの胎生種子。

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奥のほうまで歩いていくとこんな塔が…。

頑張って登ります。

上からは360度、マングローブのパノラマ。

気持ちがいい~~!!!!

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帰りの迎えの船の時間を約束してあったので、ちょっと急いで船着場に戻ります。

ガサガサ…。オオトカゲちゃんの子供でしたぁ。

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引き潮だったのか、帰りの船からはこんなマングローブの様子が見られました。

ククップ島は本物のマングローブに出会える、とても気持ちのよい公園でした。

シンガポールからは観光バスなども出ていませんので、地元の人たちが行く静かな自然公園です。

レアーな旅をしたい方にお勧めです。

続く。

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2007年9月22日 (土)

サラクの実

Salacca edulis syn.Salacca zalacca

昨日、サラクの実について書いたので、シンガポールで普通に売られているサラクをご紹介。シンガポールでは在シンガポールの長い熱帯樹さんに本当に沢山のことを教えていただいたんだけど、この実を教えてくれて食べさせてくださったのも熱帯樹さんでした。

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ハイ、こんなんです。昨日の子や、同じサラクのワリチアーナちゃんと比べてみてください。スネークフルーツとも言うんだけど、この表面の様子が蛇のウロコそっくりでしょ。ヤシの実と言えばココナッツや、ナツメヤシくらいしか思いつかなかったTOMにとって、この蛇のウロコのような果物も変!だし、それがヤシの実で食べられるってこともモノスゴイびっくりなことでした。大きさは5cmくらいかな

皮をむいて食べます。

なんていうか、食感は生のニンニクって感じか。乾いたリンゴっていうか、まぁ、およそ果物っぽくない。果汁があるって感じじゃないです。クリをもう少し柔らかくしたらあんな感じか???

味はほの甘かった憶えがあります。独特の臭みがあって、それが好きになれるかどうかが、好んで食べるかどうかの分かれ目かな。

060620047s

この白い果肉(?)の中にタネが1個入っています。(入っていないのもある) 

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ヤシって本来はこんな風に1つの実の中に3つの胚珠があって3つのタネが出来ていたものらしいです。

ココナッツやアブラヤシの3つの穴は本来は3つのタネから芽が出るべき穴だったのが、3つのうち2つの胚珠が育たなくて1つだけが育って、あんな実ができるんだと聞いたことがあります。そういうことを考えながら、この3つに分かれた実を見ると進化の不思議さを感じたりします。面白いねー。

サラクの植物本体は、リストによるとシンガポール植物園にもあるようなんですが、TOMが今まで撮った写真の中にはありません。ただ、先日紹介したワリチアーナちゃんとかと全体的な印象は似ているようです。

分からないことだらけなので、手持ちのヤシの資料をそのまま載せておきます。熱帯植物要覧以外は元は英語なので超適当訳を鵜呑みにしないでくださいね。解説できる方、教えてください~~!!!

PALMS OF MALAYA  P106

多くの食用の園芸植物と同じ様に、沢山の品種があり、明確な原産地はわからない。シンガポール植物園の株は花が咲くのはまれだが、おそらくその理由はシンガポールではあまりにもいつも雨が降るためではないかと思われる。非常に多くの果実がシンガポールでは売られているが、これらはRiau島やジャワからの輸入品である。トレンガヌではこの種(しゅ)のサラクの果実が栽培され、売られている。北部マラヤでは時期によっては現地栽培されている。

A GUIDE TO PALMS & CYCADS OF THE WORLD   P184

インドネシアやマレーシアでは広く栽培されている。最もよく育つのは標高1000mまでの温度の高い低地である。わき芽でも繁殖することができるが商業的には、タネで増やす。株が4~5年育った頃に最初の果実が実る。果実のテイストは甘すっぱい。バリの品種 var. amboinensis は、雌雄同種で、1つの株に雄花も雌花も咲く。インドネシアのほかの場所で育つ雌雄異株の品種は、通常 var. zalacca である。.

熱帯植物要覧 P532

ジャワ原産。東南アジアに分布栽培。無幹、開張叢生、高さ4~7m、極めて多刺。雌雄異株。果実倒卵形、光沢褐色の薄い小鱗片に覆われ、剥皮容易。内部はそれぞれ一種子を含む3個の果肉に文理。果肉は象牙色、強臭、甘酸渋味。種子は小石様、褐色。果を生食、砂糖煮。

朝日「植物の世界」P11-109 写真「サラッカの変種」についての説明

サラッカ Salacca zalacca はトゲだらけの小さなヤシだが、果実は食べられる。雌雄異株で、原産地だと思われるインドネシアのジャワ島西部では小さな甲虫が送粉するが、他の場所では人工授粉しないと果実がつかない。ところがバリ島で栽培されるこのサラッカ・ザラッカ・アムボイネンシス Salacca zalacca var.amboinensis は、授粉しなくても果実が実る。

ヤシ科 Palmae

トウ亜科 トウ連 トウ亜連  Calamoideae Calameae Calamineae

原産地:ジャワ

Common name: Salak , Snake Fruit, サラク、スネークフルーツ

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2007年9月21日 (金)

フルーツパークのサラクの実

1 Salacca sp.

先日、サラカヤシの仲間のワリチアーナちゃんを紹介したら、浜松の友人の飯田さんが、「フルーツパークでも実がなったよー」とメールと写真を送ってくださったのでご紹介です。

静岡県の浜松市はTOMの田舎。植物大好きな父がサラリーマンを脱サラして小さな園芸店を30年もやっているので、親子共通して植物仲間がいっぱいいるのです。浜松にはフラワーパークフルーツパークという大きな植物テーマパークがあり、多くの植物を展示しています。

そのフルーツパークのトロピカルドームというところでこんな実がなったんですって!おもしろーい!ボールみたい!

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先日紹介したサラカ・ワリチアーナちゃんの実もTOMは未確認だったけど、ネットで学名で検索したところ、こんな感じの毛むくじゃらの実を付けるらしいです。なので一瞬、「おおーー、TOMが見たかったワリチアーナちゃんの実かぁーー?」と期待したのですが、羽状複葉の小葉の先の様子が違っていて(フルーツパークの小葉は先が1つにとんがってるけど、TOMがシンガポール植物園で見たものは、先が1つにまとまっていない)、残念ながらTOMが先日雄花を紹介したものとは違っていました。残念!

25飯田さんからいただいたメールには、「 サラカヤシの実を 1989年5月タイのチャトチャク市場で購入、そのタネを発芽させて、1995年にフルーツパークのトロピカルドームに定植し、播種後18年で着果」したのだそうです。

左の写真は、メールによると今回実が付いた株の親の実のよう。サラクの実は中が3つに分かれていて、その1つ1つにタネが入っています。その様子がよくわかりますね。

それにしても種まきして実がはじめてなるまでに18年!原産地ではそんなにかかるのかなぁ?まぁ、ヤシは熱帯育ちのせいか、全体的にのんびりしたサイクルを持っているような気がするので、原産地でもそうだよ…と言われても納得しちゃいますが…。

下の写真はフルーツパークでついた実の中身を見てみたもの。

花粉親がないので中身は空っぽでしたが、観賞用には十分です。雌株でラッキーでした。乾燥保存した花粉を入手したいです。」とメールには書かれていました。本当だ。見事に空っぽ。

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植物ってねー。花が咲くまでは男の子か女の子か分からないんだって。そうだよねー。動物だって生殖器官で判断するのに、その器官である花が株が成熟するまでは咲かないんだから、何十年たとうが男女の区別が付かない…。実をならせたくて一生懸命育てていたのに、育てていた子が全部男の子だった…という悲劇はよく聞きます…。そうそう、ちなみにサラカ属は雌雄異株なので、実がちゃんとなる為には男女両方の株が必要なんですよ。

と、ここまで書いてコチラのサイトをよーく見てみたら、タイで見られるサラクは赤い色をしていて、男女両方が揃わないと実がならないけど、インドネシアの方の本家本元のサラクは爬虫類のようなスキンをしていてセルフポリネート(男の子がいなくても実がなるって事だと思うけど、違ってたら指摘してーーー!)する…と書いてありました。

     →(この後、サラクの実を紹介して資料を紹介。ここには、爬虫類のようなスキンのサラクはインドネシア西部では小さな甲虫が花粉を運ぶので人工授粉をする必要はないが、他の地域では人工授粉しないと駄目だと書いてありました。バリ島の変種は雌雄同株なので、雄株は必要ないようです。ここでのセルフポリネートはどういう意味で使われているんでしょうね??

食用になる園芸植物はセルフポリネートするものが多い(バナナとかマンゴスチンとか)ので、本家のサラクもその例に漏れなかったのねーと妙に感心。

どちらにしてもタイで購入したということ、実が赤い色をして、毛が生えているみたいになっていることなどから、先日紹介したワリチアーナちゃんと近縁の子じゃないかなと想像しています。葉っぱの形は違うけど、葉っぱの形ってけっこうアテにならないし、十分大人になった株とそうでないものとで葉っぱの形が違う植物は多いので、もしかしたらこの子もワリチアーナちゃんなのかもしれないなぁと思いました。残念ながら、ヤシの…それも属よりも詳しいことはなかなか知る方法がTOMには見つからないので、この辺で打ち止めです。

それにしてもはるばる日本まで運ばれて、20年近くもかけて実を付ける椰子。ご苦労様って感じです。お婿さん見つけてあげたいねー!

飯田さん、写真ありがとうございました!!!

ヤシ科 Palmae

トウ亜科 トウ連 トウ亜連  Calamoideae Calameae Calamineae

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2007年9月16日 (日)

ククップ島までの旅

ジョホール日帰り旅行-2

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ジョホール日帰り旅行-1 の続き

パイナップル博物館を出て一路ククップ島へ向かいます。まずはビジターセンターで情報収集。パンフレットなどをもらいました。

左の建物がビジターセンター。

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左の看板がビジターセンターの外にあった看板です。

下がビジターセンター周辺の道の様子。この道の右側におみやげ物ややレストランなどがあり、その向こう側に海があります。

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これらのお店の中に海鮮レストランがあって、その奥に会った船着場からククップ島へ向かいました。

下の写真がククップ島をレストランから見たもの。9

レストラン周辺の海上集落などの様子。8

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いよいよチャーターした船に乗ってククップ島に出発。

振り返ると出発地のレストラン。このレストランではククップ島から帰ったら遅いお昼ご飯を食べる予定です。

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TOMたちが乗った船の脇を猛スピードの船が通り過ぎます。どこへ行っても海の男はかっこいいねぇー。13

ククップ島の周りでは鳥たちがたくさん見られました。

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いよいよ島に上陸です。何が見られるんでしょう?わくわく。

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なんだかここまでだけでとっても長くなってしまったので、島のネタはまた次に…。

マレーシアの片田舎にこんな場所があるってこともちょっと紹介したくてのアップでした。

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2007年9月15日 (土)

パイナップルの花

Ananas nanus だと思うけど…

昨日、パイナップル博物館の紹介をしました。

で、パイナップル(Ananas comosus)ですが、この植物の英語名っていうのは気がついてた?

パイン(松)アップル(リンゴ)をくっつけてパインアップル(pineapple)→パイナップルってことで、できた英語名。まつぼっくりみたいで、リンゴのように甘酸っぱい味がするからつけられた名前なんだよー。

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パイナップルの属名はAnanas アナナスです。これはパイナップルの原産地で、昔から食用に使ってきた熱帯アメリカの先住民族の呼び名から取ったんだそう。彼らはパイナップルのことを「ナナ(香りが高い)」と呼んでいたんだって。

昨日の博物館の表示はこういったことから来ていたんでしょうね。

パイナップル博物館の入り口に植えられていたのがこの子。

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Ananas nanus だと思うけど、違っていたら教えてくださいね。

資料には「ブラジル、スリナム原産の多年草。高さ60センチくらいで、小型のパイナップルのような果実は長さ7~10センチになる。やや若い果実が「ミニ・パイナップル」とよばれてフラワー・アレンジメントに用いられている。」と書かれていました。

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この子が正確には何者かはともかく、パイナップルのお花の写真が欲しかったTOM。この風景を見た途端目がキラリン。

花だーーーー!

これよこれ。見たかったのーー。きゃー、つぼみの花序もかわいいー!!!

てことで、つぼみの花序です。パイナップル属の特徴の花序の先に頂芽もまだ出ていません。

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で、トゲトゲの1つ1つからつぼみが1つずつ出てきます。いっぺんにではなくて、下のほうから(茎に近いところから)だんだんと咲いてきます。下の写真で様子がわかるよね。

頂芽も伸びてきていますね。

同じパイナップル科のサルオガセモドキネオレゲリアちゃんと比べてみて。似てる??

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お店で売っているパイナップルは表面にボコボコがあるけれど、あれは沢山のお花が咲いて1つ1つのボコボコが実になったものだったのでした

ちょっと考えれば分かることなんだけど、知らなかった人もいるでしょ?

ノニジュースのノニなんかと似てますねー。2_2

で、野生種であれば、この実の1つ1つにタネが入っているはずなんだけど、そうでない突然変異種がたまたま人の目にとまって、果物として栽培されてきたというわけです。人と栽培植物の関係は、本当に興味深いです。

バナナの歴史もご覧あれ。

で、できあがった実がこれ。普通のパイナップルよりもかなり小さめ。表題のアナナス・アヌスに写真を見て似ているなあと思ったんだけど、植物の同定は難しいので「…かな?」に留めておきます。

パイナップル科も面白いよー。

資料:「朝日新聞社 植物の世界」P10-220

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2007年9月14日 (金)

ジョホールのパイナップル博物館

ジョホール日帰り旅行-1

熱帯樹さんから今日いただいたメールに添付されていたのは、今年の夏にジョホールのククップ島にみんなで出かけたときの写真でした。すっごく楽しかったよぉ。…そう言えばまだアップしていなかったなぁと思ってアップ。

シンガポールはマレー半島の先っちょにある小さな島で、半島部マレーシアへは車でちょろっと走れば行き着きます。マレーシア人のドライバーと車を熱帯樹さんが手配してくれて、2007年7月31日に出かけてきました。

で、朝一番に寄ったのが「パイナップル博物館」。

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MUZIUM NANASの文字が見えるでしょ。

この辺はパイナップル畑がいっぱいあった場所らしいです。

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パイナップルはブラジル北部が原産地。野生種は小型で種子があり、酸味が強いのですが、それから突然変異で生まれた種子なしのものが、現地の人々によって改良されて熱帯アメリカで広く栽培されるようになったと考えられているそうです。16世紀以降スペイン人によって世界各地に伝えられました。…とこれは朝日の「植物の世界」にあった説明。

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下の地図はきっとそんなことについて説明がしてあった地図だと思います。

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建物の外にはパイナップルの農園、中には栽培や品種についての展示。色々あったのですが、パイナップルの色々な品種の写真が飾ってあって面白かったので、紹介します。もとの写真自体が色あせてしまっていたんですけど、なんか面白いでしょ。

       

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実の上の頂芽がいっぱい!面白いねー。

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これは実がいっぱい1箇所にできているタイプ?変な形!!

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観賞用のパイナップルってこんな感じだよね。これはよく見るタイプです。

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すごくノーマルに見えます。これが私達がよく食べるタイプなのかな?

現在では園芸品種のパイナップルは100種以上あるそうです。

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パイナップル畑ってこんな感じ。6

メインロードに面してこんなモニュメントがありました。日本の古い感じの観光地にもありそうですね。

やっぱここで記念写真を撮らなきゃダメだよねとパチッ!

こんな写真載せられては困る!って方はコメントしてください。削除します。(顔の判別がつかないくらいに小さくはしたんだけど)

続く

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2007年9月13日 (木)

タマランツリー

Dalbergia oliveri

TOMたちはタマランツリーと呼んでいるこのマメ科の木。さほど大きくはならず、葉っぱの感じが優しげにゆれてきれいなので、庭園に植えるのに丁度いいのか、シンガポールのあちこちの公園や街路樹に植えられています。

木はいっぱいあるんだけど、お花はTOMは2002年にシンガポール植物園のエコガーデンで見て以来1度も会うことができずに帰国してしまい、タマランツリーのお花の写真が欲しいなあと言い続けていました。それを聞きつけたyataさんがまたまた写真を提供してくださって、めでたくアップできましたぁ!!!!yataさん、ありがとう!!!!

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ちなみに2002年にTOMが撮った写真はコレ。ボケボケです。

下の写真は全体の様子。日本人会の入り口のすぐ前に街路樹として植えられているものです。

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葉っぱはこんな感じ。色も黄緑で涼しげなのよー。でもってこの葉が少ない風でもチラチラ動くのでダブルで涼しげ!!

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でもって、これが2002年にエコガーデンで撮った写真。

昔すぎてよく覚えていないけど、葉っぱが落ちた状態でお花が咲くのかしら??この写真からはそんな風にも見えます。

原産地がビルマやタイで1年のうち乾期雨期がわりとハッキリしている地方だから、何か花芽が付くのに季節の変化が必要で、そのときに葉っぱを落とすのかもしれませんね。

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下のお花の写真2枚がyataさんが提供してくれた写真です。

マメ科なので、マメの花の形をしています。

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薄紫色できれいでしょ。

きれいだけど、シンガポールではあんまり見かけないんだよーー。10

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実はこんなのがなっていました。これも2002年に撮ったものです。確かにマメだーー。

熱帯植物要覧にはビルマチューリップウッドという名前で紹介されていました。どうしてチューリップ? 知ってる方がいたら教えてくださーい!!

タマランツリーのタマランはビルマでの呼び方らしい…。

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庭園樹に使う他に、木材を家具やステッキを作るのに使うそうです。

シタン(紫檀)と同じ属。へぇー、初めて知ったよ。

マメ科 Leguminosae

原産地:ビルマ、タイ

Common name: Tamalan Tree, Burma tulipwood, Burma rosewood(英) , Chingchan(タイ), Tamalan(ビルマ),ビルマチューリップウッド、タマランツリー

資料:熱帯植物要覧 P170

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2007年9月11日 (火)

ホペアの実

4 Hopea wightiana

7月にyataさんの写真を貸して貰ってアップしたホペアの花。実がなったそうです。実の写真もお願いしたらyataさんが快く提供してくださったのでアップです。

花が咲き終わった直後の様子が左の写真。5枚のガクのうち2枚だけが長く伸びているのが分かりますね。で、大きくなるとこうなります。

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ね、2枚が伸びているでしょう?

樹木本体から離れると、種の方が重たいのでタネが下になって、羽子板の羽のようにクルクル回りながら高い木の枝から落ちてきます。

フタバガキ科のホペアちゃんの仲間の実の紹介でした!

お花の写真はこちらだよ!

フタバガキ科 Dipterocarpaceae

原産地:インド

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yataさん、ありがとう!!

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2007年9月10日 (月)

ブドウのようなラン

Robequetia sp.

mayuriさんに「こんなランあるの?」って言われたので、「あるよー!!」と主張するためのアップ。

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種名までは分かりませんが、「名前がわからない」と書いたらMidoriさんが「Robequetiaの仲間ですよ」とコメントをくださって、書き直しています。Midoriさん、ありがとう!!

こんな顔していてランなんだよー。

シンガポール植物園の国立ラン園内のクールハウスで時々咲いているお花です。

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上の写真とは別の時の別の株。

遠くから見ると「なんじゃ?これ?」って感じで、「これでもラン?」って気が付くまで時間がかかりました。

下は徐々に拡大…。

ね。ランでしょ。

1つの花は1cm弱って感じかな。

Midoriさんがくださったコメントを貼り付けますね。

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このブドウのような花は、東南アジア原産のつる性のラン Robequetiaの仲間です。この仲間には、Robequetia cerina や Robequetia compressaなどがあり、8週間以上咲き続ける種類です。
フィリピンのラン展示会でこの花を見たことがありますが、愛らしいランですね。

下記のアメリカのラン園HPに Robequetia cerina のきれいな花の写真が掲載されています。
Robequetia compressaの花や葉の様子が出ていないので、同定は難しいですね。
http://www.marlowsorchids.com/robequetia?b=1 

下記のPAPUA NEW GUINEA ORCHID NEWSにもRobequetia ascendens など出ています。
http://www.orchidspng.com/Robiquetia.html 

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2007年9月 9日 (日)

サラカヤシの仲間

Salacca wallichiana

シンガポール植物園のヤシエリアの国立ラン園クールハウスに近い一角にサラカの仲間がいくつか植えられています。TOMがシンガポール在住の3月頃までは樹名札がないものが多くて、謎が多いエリアでした。今回夏に行ったら手書きだけど名札が付いてる! 嬉しいよー。これで色々調べることができます。過去に撮った写真もいくつか何者か判明するでしょう。

というわけで名前が判明した一つがこの子です。手書きで名前が書いてありました。

サラッカ属(Salacca)は資料によると約11種マレー半島、ジャワ、スマトラ、フィリピン諸島、まらっか、ビルマに原産するそうです。この子はネットで調べた結果だと、この属の中でも北に原産するものみたいですね。

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ココヤシのように1本立ちにはならなくて、と言うか、この1本に立ついわゆる茎の部分がとっても短くて株立ちのように見えるのが普通のようです。だから全体の様子は上の写真のような感じになる…。2

葉っぱを拡大。小葉の先がちょっと面白い格好をしています。

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トゲがとにかく凄い。痛いです。お花の写真を撮りに近づくのも結構な勇気が入ります。

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左の写真の左下に見えているのは花序。葉っぱの間から花序は出て来るので、ふだんは株の中に花序があって、おまけにトゲが凄いもんだから写真が撮り難いの。わかるでしょーー。

小葉のつき方は下のように逆V字型。

ラタンの仲間なので、トゲや葉っぱの様子は似ています。

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花序はこんな感じ。

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サラッカ属は雌雄異株。この株は雄株で、雄花が咲いていました。

左の写真は若い花序。つぼみが膨らんで下のような感じで雄花が咲きます。

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咲き始めの雄花かな。葯がまだ開いていないように見えます。どう思う?

下の写真の雄花はまさに今花粉を出していますね。

1つのホウに2つずつ雄花が咲くように見えます。

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咲き終わって枯れた花序と、その一部の拡大写真。ヤシを見始めた頃は何が花で何が実なのか全然分からなくて、枯れた雄花の花序を見て、一生懸命、実がないか、種が無いか探したものでした。

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今回は残念ながら雌株を発見できず。雌花と実の写真もありません。

ネットで調べたら、日本語でこんなサイトがありました。

面白ーい!!

タイで買ったサラカの実の種を自分で蒔いたのねーー。

じつはサラカちゃん、実が食べられる種類が幾つかあって、この子もじつは実が食べられる種類のサラカちゃんだったようです。実が見たい方はこちらのサイトをごらんあれ。TOMはシンガポールではサラクと呼んでいたんだけど、実を見る限りTOMが食べてたサラクとはちょっと違う種類のようです。サラクは一般的に本に載っているのはジャワ原産のSalacca edulisのようだけど、ワリチアーナちゃんもやっぱり同じ様に呼ばれているようですね。

上のサイトのTOPページはこちら。http://www.geocities.jp/dameningen7/

ヤシがとってもお好きな方のよう。嬉しいわー。お仲間だーー。

ヤシ科 Palmae

トウ亜科 トウ連 トウ亜連  Calamoideae Calameae Calamineae

原産地:ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム、その他

参考にさせていただいたサイト:http://www.geocities.jp/dameningen7/

資料:園芸植物大事典 小学館 P95

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2007年9月 8日 (土)

ショレアの花

Shorea roxburghii

8月はほぼ1ヶ月古巣のシンガポールで過ごしたTOMです。

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8月23日にシンガポール植物園のタングリンゲートから入ってスワンレークに向かって歩いていたところ、上から何かがポトリポトリ。

「???」

白いお花です。何だこれ?花びらの先っちょが不整形で、何か違和感がある、でも見たことがないお花。

早速、樹名札を見に行って、思わず「そんな馬鹿な…」とつぶやいてしまいました。

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そこにあったのはこんなん。

ショレアちゃん?ショレア・ロキシブルグアイです。

確かショレアのお花はこんな形じゃなかったはず…。…え?

って思って上を見上げたら、犯人がいました。

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リス君です。

左の写真は別の時に撮った写真。何しろ植物と違って動くからなかなか写真が撮れないのよ。

で、このリス君がショレアの木の上で今が盛りのお花をちぎっては投げ、ちぎっては投げ…をしていたのでした。

そのときに花びらを食べているのか、蜜を食べているのかわかりませんが、とにかくお花の先っちょはちぎられて、こんな形のお花の残骸が次から次へと落ちてきていたわけ。

上を見上げると今が盛りのお花がいーーーっぱい咲いていました。

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さらに周りを探すとちゃんとしたお花も落ちていました。

そうよ、これこれ。ショレアちゃんのお花。

5枚の花びらが風車みたいにちょっとひねった形にくっついてるの

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お花の1つを拡大。かわいい!

昔書いたフタバガキの記事に同じショレア属のブラクテオラータちゃんのお花の写真を載せています。比べて見てね。

リスが落としたお花を横と後ろから見たところ。ショレア属の仲間は実の羽が3枚残るんだけど、咲いているときから、何となく3枚が大きめでもう実になる時の準備をしてるって事が想像できるところが面白かった。

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あと、香りが思ったよりもずっと強くて、落ちたお花に鼻を近づけてもよく香るし、風向きによっては歩いていてもふわぁーーと香ってきます。これなら赤や黄色でなくても虫は気がつくわ。(リス君も…??)

普通に落ちているお花はメシベやガクを本体の木に残して落ちるので花びらだけが落ちてるんですが、今回はイレギュラーでリス君が無理やり落としたものなので、メシベやオシベ付き。中を覗いてみました。

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いやぁーー。オシベの形が面白い!!!軸に近いほうでカップ状になってる部分がの部分かな?そこから赤い紐みたいなのが伸びています。なんじゃ、これ?虫を誘い込む為の仕掛けの一つかしら??

ついうっかり木の全体の様子とか葉っぱの様子とか撮るのを忘れました。そのうちフタバガキの本を作るからその本で見てね!

同じショレア属の仲間の沙羅双樹はこちらを見てね。

同じフタバガキ科のホペアの花も見てね。

フタバガキ科 Dipterocarpaceae

原産地: インド、シンドシナ、マレー半島北部

Common name: Temak

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2007年9月 7日 (金)

トックリヤシ

Hyophorbe lagenicaulis

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トックリヤシの名前は全体の形を見ればすぐ理解できますね。英名はBottle Palmで、トックリヤシの名前はこれを訳したものかもしれません。

左の写真は2本の株がくっついているように見えますが、本来は1本でたっています。根元の部分がプックリ膨らんでボトルのよう。一度見たら忘れません。

ヒオフォルベ(Hyophorbe)属は、モーリシャスに5種類が分布し、このように1本立ちで、そのうちの1種類だけがこんなふうに根元の部分が膨らむのだそう。高さは10m以下、径25cm以下とありましたが、シンガポール植物園の株は高さがせいぜい5m以下でした。大人になるともう少し大きくなるのかな?

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花序は葉っぱの間ではなくて葉っぱの下のほう、葉鞘の落ちたところにホウに包まれて出てきます。左の写真だと左下から右上に斜めに延びている棒です。ホウが取れて花序が出てきます。

花序の様子は下の写真みたいな感じ。

資料によると この属は雌雄同株。「小花軸の基部に雌花、先端部に雄花をつける。」とありました。

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左の写真はつぼみの写真。

残念ながら雄花の写真は発見できず。PCのどっかに眠ってると思います。見つけたらあらためてアップするね。

「1001」P479には雄花らしい写真が載っていました。こちらのサイトで雄花が見られるかも。

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で、こっちが雌花。かわいい!子房がけっこう膨らんでいてメシベが3つに分かれています。受粉前はこんな風に透明に近い白。子房の周りに花びらみたいに見えるのは、退化したオシベ。基部でくっついて杯状になっているそうです。その周りのごっつくて分厚いのが花びら。ほんのりピンクなのがなんともういういしい!ガクはこの写真ではちょっと見えないです。

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花を下から見た様子。あ、ガクが見えた。わかる?15

TOMが騒ぐんだから例によって数mmの小さなお花。TOMの巨大な指と比べてみて。

ヤシのお花って小さくて目立たないものが多いんだけど、今が盛りって時は背が高いヤシでも多少離れていてもわかります。だってハチみたいな小さな虫がモアンモアンしてるんだもん。ブンブンって表現だとミツバチくらいなイメージがあるんだけど、もっと小さめのハチあるいは甲虫かな。静かに花序に群れてるの。TOMがヤシの花に敏感なせいかもしれないけど、小さな虫達が騒いでいるのを感じて、見上げるとヤシの花が盛りだったりするのです。種類によってはけっこうよい香りがしたりして、花は小さいながらも自己主張が強いのだよ。色も白だったり、クリーム色だったり、ピンクっぽくても強烈な赤みたいなのは実にはあっても花にはないのに、よく虫達はお花に気がつくなあと思います。

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ヤシは風媒花と一般には考えられてきた…と本にはよく書いてありますが、ヤシを観察してると、必ずといっていいほど、花が咲いているときには虫がいっぱい来てる。どうして風媒花って考えられているんでしょう?ってくらいに虫ちゃんとの関係は深いように思えます。

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話がずれちゃったね。

左の写真は雌花がもう受粉を終えた後。メシベの先っちょが黒くなって子房も緑に変化しています。

左の写真だけじゃなくて上の写真もなんだけど、雌花の咲いてる脇になんか米粒みたいな細長い黒い斑点があるよね。TOMはこれは雄花が咲いていた痕じゃないかなと思うんだけどどう思う?

資料にはこの属は「小花軸の基部に雌花、先端部に雄花をつける。」とあったけど、どうもこの子は違うような気がする。雄花が咲いてるところを見ないとなんとも言えないんだけど。まず雄花が咲いて、その雄花群の中に雌花が雄花より少ない量であって、その後、雌花が成熟して小花軸にポツポツ咲くって感じに見える気がするんだけど、どうなんだろう?ココヤシのように明確に根元が雌花、先に雄花と明確に分かれているようには感じないんだけどなぁ。誰か雄花が咲いたら、お願い!写真を撮ってTOMに見せてーーーー!!!! 

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上の写真をもう少し広範囲にしたもの。受粉が終わった直後かな。花びらはまだくっついたまんま。でももう虫は来ていません。

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こんな感じの実がなります。熟すと色が変わるのかどうか、何色に変わるのか残念だけど観察できていません。実も最終的にどんな大きさになるんでしょう?

下は花序ごと実を撮ったもの。あんなに沢山の雌花が咲いても実になるのは少ないですねぇ。

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意味も無く雌花。やっぱかわいい。メシベの色が最初とちょっと変わってきています。

ヤシ科 Palmae

ケロクシロン亜科 ヒオフォルベ連 Ceroxyloideae Hyophorbeae

原産地:Mascarene Islands

Common name: Bottle Palm

資料:園芸植物大事典 小学館 P112

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2007年9月 3日 (月)

Micholitzのヤシ

Calyptrocalyx micholitzii

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シンガポール植物園のジンジャーガーデンの写真を見ていたら出てきた子。「うーー、どう見てもヤシ。葉っぱの形といい、花といい…」でもヤシからぬ草姿。何者??

付いていた樹名札は判読不可能な状態で、お手上げ状態でした。けど、拾ってくれる神様はいるもので、まゆりさんからの問い合わせに答えようと調べ物をしていたら、見つけましたよー「1001」で。わからなかったお名前が判明するとすっごく嬉しい。ありがとー、まゆりさん!

下の写真が1株をアップにしたもの。葉っぱの色とか形とかとっても綺麗でしょ。

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で、結果はやっぱりヤシでした。

学名からネットを追っかけていくと、「すっごく小さいヤシ」という表現がチラホラ。うんうん、そうそう。だってTOMがジンジャーガーデンで見た子だって、せいぜい高さが60cmくらい。それなのにワイヤーみたいな花序が出ていて、お花も実もなってる。芽が出たばかりの幼木じゃないって事だよねって思っていたら、サイトには高さはせいぜい1mにしかならないと書いてありました。新しい葉っぱは赤っぽい色をしているとも。上の写真の新葉の棒がワインレッドっぽい色をしているね。これのことかな?

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なんてったってカワイイのはお花。小さいんだよー。

左の写真で紐みたいなのがひょンひょン出ているのが花序。

白い粒がよーく見ると付いています。

拡大。

おおーー、超特小ってかんじですね。雌花だー。雌しべがでているのがわかりますか。

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1つを拡大。うーーん、カワイイ。

下記の資料にはカリプトロカリクス属は「約40種がモルッカ諸島、ニューギニアに原産」「肉穂花序は葉間から出て下垂しtriad型の花群をつける。」「雄花のガク片は基部で重なり、花弁の先端はとがる。雄しべは多く、6個以上あり、葯は真っ直ぐであるが、ときにつぼみで内に曲がる。雌しべは雄しべとほとんど同長。雌花のガク片と花弁は共に基部で重なる」

雄花は下の写真を見てね。TOMの指の先っちょと比べるといかに小さいかがわかります。

お花が終わると丸い実がなります。熟すと赤い実になるので、種を運んでくれる鳥か何かを待つのかな?

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学名の種名にもMicholitzという名前が付いています。何?と思って調べていたら、19世紀後半に活躍したドイツ人のプラントハンターが出てきました。彼のことかな?

ランの交配のリストを最初に作ったサンダー氏に仕えて東南アジアの島々を巡ってランの収集をした人らしい。

その中で発見命名されたのがこのヤシなのかなぁ。

標高は結構高いところまで大丈夫で、耐寒性がけっこうある。直射日光と乾いた冷たい風が苦手」とサイトの説明文にはあったので、リクアラと同じ様に東南アジアの(ちょっと山の方か?)森の中でひっそりと生きている種なんだなと想像した次第。もっと詳しいことを知ってるよって人は教えて~。

そうそう。園芸用に庭に植えるのに優れているみたいなことも書いてありました。では…。

ヤシ科 Palmae

原産地:ニューギニア

Common name: Micholitz's Palm

Synonyms: Linospadix micholitzii

資料:園芸植物大事典 小学館 P77

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2007年9月 2日 (日)

ブラジルヤシ

Butia capitata

ブラジルヤシは以前もアップしたことがあるんだけど、写真の整理中に雌花を撮っ てるのに気が付いたので編集して再アップ。

シンガポール植物園のパームバレーにあるヤシ。国立ラン園入り口に向かって右側がパームバレーなんだけど、国立ラン園側から階段を下りて、すぐ左にある小さな青緑色の葉のヤシがコレです

Butia_capitata12s

Butia_capitata5s

葉のアップ。鳥の羽状の葉っぱで、軸についてる部分が逆V型についてるのがわかるかな?(内輪受けのネタでごめん)

ご覧の通り、白っぽくてきれいです。

パームバレーの株は2mくらいの高さなんだけどこれは幼木で、もう少し大人になると1本立ち になって伸び、高さ6m幹の直径45cmくらいになるんだそう。45cmってけっこう太いよねぇ。

羽状葉のヤシとしては最も耐寒性が強く、マイナス7℃まで耐えられるなんて書いてあるサイトもありました。本当かな?そんなに寒いところでも大丈夫というイメージが、ヤシには無かったのでビックリ。だったら東京あたりならかるーく屋外で越冬できますねー。青色の葉が美しいし、造園材料にもいいかも。

Butia_capitata11s

花のまとまりは葉の付け根部分からこんな風にでてきています。

下の写真はつぼみと咲いてるお花。

つぼみがほんのり赤っぽくて可愛かったです。長さ5mmくらいかな?例によって無意味なほどにアップしてごめんなさい。

だって可愛いんだもん。

ブティア(Buteia)属は雌雄同種。

葉っぱの間から出る肉穂花序は花軸の基部に近いほうにはトリアド型(Triad)の花群、先っちょには雄花が2つか1つずつつくんだって

「トリアド型の花群」ていうのは雌花1つと雄花2つが(1つの雌花を2つの雄花が取り囲んでいる)セットになったもの。

本で確認はしていないんだけど、トリアドタイプのはまず先に雄花が咲いて、それらが終わった後に雌花が咲く感じなので、雄花か雌花のどっちかが咲いていると、もう一方のお花は同時には見られないみたいです。

で下の写真はトリアドタイプなんだけど雄花が咲き始めるところで、雌花のつぼみはまだ小さくて写真ではよくわかりません。

Butia_capitata6s

Butia_capitata7s

Butia_capitata10s

お花の超アップ。指のしわしわまで見えるわ…。

メシベが1本あるように見えるけど、これは雄花なのでこれはメシベが退化したもの。先が3本に分かれているのが見える?ヤシって退化してもこんなふうになってるメシベが多いんだよね。面白い。子房が3室ってのもこれから想像できます。

オシベは6本花びらは3枚隠れているけど、ガクが3枚あります。

その後雌花を発見しました。

Butia_capitata2s

上の写真をアップ。

一見つぼみみたいに見えるけど、3つに先端が分かれているメシベが出ていて、これでも咲いてる状態なんだなってわかります。

トリアドタイプの雄花はもう完全に終わってしまっているので、痕跡も残っていない感じ。

同じ株を観察していなかったら気が付かなかったことでした。

お花の大きさは雄花、雌花共に1cm弱。

Butia_capitata3s

実は下の写真のようなオレンジ色の大きさ2.5cmくらいの実がなりました。この実は食べられるそうです。(このサイトを見て何かを口にするのはやめてーー。熱帯植物は毒のものが多いから生半可な知識で何かするのはとっても危険です。)

資料には「中果皮は肉質、果肉は酸味があり、ゼリー用となる」とありましたよ。

ゼリーパームやワインパームの名前は、こんなところから来ているんでしょうねぇ。Butia_capitata1s_1

ブティア属はブラジル、パラグアイ、アルゼンチンに約12種類あるのだそうです。

姿が似ていて混同されるヤタイヤシは、同属の Butia yatay で原産地はアルゼンチン、パラグアイ。資料によると羽状葉や花序、実の大きさもブラジルヤシより一回り大きいみたいです。

日本ではヤタイヤシとブラジルヤシを交配したものが出回っていて、まとめてココスヤシと呼んで流通しているそう。

シ科 Palmae

アレカヤシ亜科 ココヤシ連 ココヤシ亜連(Arecoideae Cokoeae Butiinae)

原産地:ブラジル

Common name: Jelly Palm, Pindo Palm , Wine Palm、ゼリーパーム、ワインパーム、ブラジルヤシ、ココスヤシ

資料:「1001 Garden Plants in Singapore 」 P246

資料:園芸植物大事典 小学館 P118

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