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2007年9月27日 (木)

二又分枝椰子 ドームヤシ

Hyphaene dichotoma

シンガポール植物園の国立ラン園にある、珍しいヤシ。

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ヤシって言うと、すぐにココナツとかの1本の幹ですーーーっと空に伸びている形を想像すると思います。確かにそういったのが多いんだけど、カンノンチクみたいに株立ち になってるのとか、ラタンみたいにツル性のヤシとかもあります。その中でも、日本ではお目にかからない(どこかの熱帯植物園にあるのでしたら情報をくださーい!)珍しい形のヤシが幹が分枝するヤシです。このドームヤシは二又分枝をします。なんだか、およそヤシらしくない姿でしょ。

でも普通の樹木っぽくもない。なんじゃこれ?って思いますよねぇ。

朝日の「植物の世界」P11-109には Hyphaene compressa  ヒファエネ・コムプレッサの写真があり、「8~10種からなるドームヤシ属は1種を除くとすべて茎が二又分枝する。アフリカ、マダガスカル島、アラビア半島、インド西部の沿岸部に分布し、本種はアフリカの東海岸に多い。古くから職布、屋根葺きの材料、材木、食料として利用されてきた。果肉はとても香りがよく、ショウガ入りクッキーのような味がする。樹液を発酵させて酒もつくる。ケニアの海岸部で。」という説明がありました。

小学館の「園芸植物大事典」P113には「約30種がアフリカ、マダガスカルに分布する。幹は単一または株立ちで、2又分岐する習性のある唯一のヤシ。」とあります。

おい、10種と30種では全然違うじゃん。…とはもうつっこみを入れません。だって、本によって書いてあることが全然違うんだもん。ただのオタクのTOMには確かめるすべもありません。

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葉っぱは資料には「葉柄が長く、両縁に黒いトゲのような鋸歯がある。葉柄以外に鋸歯はない。」とあったんだけど、そのとおりだね。

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この属の葉は中肋(ちゅうろく)を持った掌状葉。灰緑色を帯びる。葉っぱがかたくて、深く裂けた形になってるんだけど、その葉っぱの裂けたものの先端がさらに2つに裂けるんだって

うーーん、この写真ではよくわからないかも。2つにさらに裂けた様子は下のほうの花序の写真の方がわかりやすいかもしれません。

あと、ハスツラ(hastula)もよく発達するともありました。見える??

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あるとき、実がなっていました。でもTOMのカメラでは遠いものは撮れません。下2枚はKeikoさんが撮って送ってくれた写真です。

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資料には「果実は大きく、倒卵形で、洋ナシの形に似るが、形に変化がある」とありました。本当だ。洋ナシみたいな形をしてるのがある。この写真だと、葉柄のトゲトゲの様子がわかるので、これも見てね。

お花は6わからなかったけど、花序らしきものも見つけたよ!

こんなんです。これ以上詳しいのはカメラの性能とヤシがある場所が植え込みの中で、真下で花を探すことができないので撮れませんでした。残念。

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雌雄異株ということなので、これは雌花の花序かなと思うのですが、シンガポール植物園にはこの1本しかドームヤシはないとTOMは思うので、(もしかしたらある???あと、植物園外にドームヤシがあるとは思えない)この実たちの花粉親はどうなってるんだろう?というのがTOMの疑問。人工受粉をしているのか、はたまた、花粉なしでも結実するのか??

資料によると雄花の花弁は3枚のガクとともに基部で重なり、オシベは6本。

雌花は雄花より大きくて、ガク、花びらとも3枚で基部で重なるとありました。子房は3室。

このドームヤシ属はアフリカ、マダガスカルあたりに多いようですが、植物園のこの子はインド出身の子。他の子は乾燥地帯や砂漠に生息するらしいので、シンガポールでは雨が多すぎてうまく育たないんじゃないかなあと思います。

シンガポールでは珍しいので、嬉しくてラン園に行くとすぐに説明してしまいますが、中東に旅行してきたUtsumiさんによれば、「あっちにはぼこぼこ生えてたわよー」とのこと。原産地の風景を見てみたいですねー。

ヤシ科 Palmae

タリポットヤシ亜科 オウギヤシ連 ヒファエネ亜連  Coryphoideae Borasseae Hyphaeninae

ヒファエネ属

原産地:インド

Common name: Indian Doum Palm, インディアンドームパーム

資料:朝日「植物の世界」P11-109

    園芸植物大事典 小学館 P113

関連ページ:ケニアのドームヤシ

        ドームヤシ属

ヤシも可愛いじゃんって思ってくれたら…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

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コメント

世界の植物のある属が何種あるか、調べるときに、研究者の間で定番になっている本が、

Mabberley, D.J. 1987. The Plant Book.

という本です。便利ですよ〜。

(Genera Palmarum は持っていませんが、どうですか?)

その本によると、
「約10種。観賞用にH. thebaica (doum palm)が使われる。
果実がジンジャーブレッドのような味がする。
内果皮はボタンに使われ、ゾウゲヤシの代用品になる。」

投稿: ふなこし | 2007年9月27日 (木) 20時39分

ふなこし先生
お久しぶりです。そんな本があるのですね。知りませんでした。アマゾンで調べてみたら、「新しいバージョンが出る??」どっちを買おう??
それにしても本によって種類数などが全然違っていたりするのはなぜでしょう?信頼できる本を数冊決めておいて、そちらの情報を優先させるといったことをすればよいのでしょうか?
ハワイに行かれたのですね。ブログのアップの方も楽しみにしていま~す。

投稿: TOM | 2007年9月28日 (金) 21時23分

Plant Book の新しい版が出るなんてぜんぜん知りませんでした。で、Cambridge University Press のサイトを見てみたら、2008年4月に出版予定であるとのこと。それはそれまで待った方がいいに決まっています。

Genera Palmarum より新しくて、同じ著者による、

Dransfield & Uhl. 1998. Palmae. In Kubitzuki ed. Families and Genera of Vascular Plants. Springer.

にもほとんど属の分布に関しては同じことが書かれていました。民族的な記述はなかったです。このいわゆる“クビツキー” も権威ある本として有名です。でもプロ以外、買う必要がないでしょう。

投稿: ふなこし | 2007年10月 2日 (火) 20時14分

ふなこし先生
アドバイスありがとうございました。新しいバージョンの予約をしておこうと思います。クビツキーについてはまったく知りませんでした。まぁ、Genera Palmarum でも完全に手に余ってますから、とりあえずこっちをがんばって読んでいこうと思います。ありがとうございました!

投稿: TOM | 2007年10月 3日 (水) 06時24分

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