フルーツパークのサラクの実
Salacca sp.
先日、サラカヤシの仲間のワリチアーナちゃんを紹介したら、浜松の友人の飯田さんが、「フルーツパークでも実がなったよー」とメールと写真を送ってくださったのでご紹介です。
静岡県の浜松市はTOMの田舎。植物大好きな父がサラリーマンを脱サラして小さな園芸店を30年もやっているので、親子共通して植物仲間がいっぱいいるのです。浜松にはフラワーパークとフルーツパークという大きな植物テーマパークがあり、多くの植物を展示しています。
そのフルーツパークのトロピカルドームというところでこんな実がなったんですって!おもしろーい!ボールみたい!
先日紹介したサラカ・ワリチアーナちゃんの実もTOMは未確認だったけど、ネットで学名で検索したところ、こんな感じの毛むくじゃらの実を付けるらしいです。なので一瞬、「おおーー、TOMが見たかったワリチアーナちゃんの実かぁーー?」と期待したのですが、羽状複葉の小葉の先の様子が違っていて(フルーツパークの小葉は先が1つにとんがってるけど、TOMがシンガポール植物園で見たものは、先が1つにまとまっていない)、残念ながらTOMが先日雄花を紹介したものとは違っていました。残念!
飯田さんからいただいたメールには、「 サラカヤシの実を 1989年5月にタイのチャトチャク市場で購入、そのタネを発芽させて、1995年にフルーツパークのトロピカルドームに定植し、播種後18年で着果」したのだそうです。
左の写真は、メールによると今回実が付いた株の親の実のよう。サラクの実は中が3つに分かれていて、その1つ1つにタネが入っています。その様子がよくわかりますね。
それにしても種まきして実がはじめてなるまでに18年!原産地ではそんなにかかるのかなぁ?まぁ、ヤシは熱帯育ちのせいか、全体的にのんびりしたサイクルを持っているような気がするので、原産地でもそうだよ…と言われても納得しちゃいますが…。
下の写真はフルーツパークでついた実の中身を見てみたもの。
「花粉親がないので中身は空っぽでしたが、観賞用には十分です。雌株でラッキーでした。乾燥保存した花粉を入手したいです。」とメールには書かれていました。本当だ。見事に空っぽ。
植物ってねー。花が咲くまでは男の子か女の子か分からないんだって。そうだよねー。動物だって生殖器官で判断するのに、その器官である花が株が成熟するまでは咲かないんだから、何十年たとうが男女の区別が付かない…。実をならせたくて一生懸命育てていたのに、育てていた子が全部男の子だった…という悲劇はよく聞きます…。そうそう、ちなみにサラカ属は雌雄異株なので、実がちゃんとなる為には男女両方の株が必要なんですよ。
と、ここまで書いてコチラのサイトをよーく見てみたら、タイで見られるサラクは赤い色をしていて、男女両方が揃わないと実がならないけど、インドネシアの方の本家本元のサラクは爬虫類のようなスキンをしていてセルフポリネート(男の子がいなくても実がなるって事だと思うけど、違ってたら指摘してーーー!)する…と書いてありました。
→(この後、サラクの実を紹介して資料を紹介。ここには、爬虫類のようなスキンのサラクはインドネシア西部では小さな甲虫が花粉を運ぶので人工授粉をする必要はないが、他の地域では人工授粉しないと駄目だと書いてありました。バリ島の変種は雌雄同株なので、雄株は必要ないようです。ここでのセルフポリネートはどういう意味で使われているんでしょうね??
食用になる園芸植物はセルフポリネートするものが多い(バナナとかマンゴスチンとか)ので、本家のサラクもその例に漏れなかったのねーと妙に感心。
どちらにしてもタイで購入したということ、実が赤い色をして、毛が生えているみたいになっていることなどから、先日紹介したワリチアーナちゃんと近縁の子じゃないかなと想像しています。葉っぱの形は違うけど、葉っぱの形ってけっこうアテにならないし、十分大人になった株とそうでないものとで葉っぱの形が違う植物は多いので、もしかしたらこの子もワリチアーナちゃんなのかもしれないなぁと思いました。残念ながら、ヤシの…それも属よりも詳しいことはなかなか知る方法がTOMには見つからないので、この辺で打ち止めです。
それにしてもはるばる日本まで運ばれて、20年近くもかけて実を付ける椰子。ご苦労様って感じです。お婿さん見つけてあげたいねー!
飯田さん、写真ありがとうございました!!!
ヤシ科 Palmae
トウ亜科 トウ連 トウ亜連 Calamoideae Calameae Calamineae
ヤシも可愛いじゃんって思ってくれたら…ぽちっ!
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