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2007年10月11日 (木)

タイの首都の木

マコークって名前の木、知らない?」

シンガポールからタイのバンコクにお引越しした自然友の会のお友達のminamiさんから、届いたのはこんな質問。

なんでもバンコクの名前の由来になった木なんだそうです。minamiさんからもらったヒントは「タヒチモンビン」。

マコーク…聞いたことがないなぁ。…と思いつつ、タヒチモンビンで検索してみました。

http://www.geocities.jp/ir5o_kjmt/kigi/tahitimn.htm
こんなサイトが出てきましたよ。

ふーん、Spondias dulcis かぁ。ウルシ科か。

熱帯植物要覧P272 を開いてみる…。

タイ語では Makaw farang とある。マカウファラン? 違うなあ…。

マラヤでは Kedongdong jawa…とある。 え?ケドンドン?

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halさんがこの間、ブログに載せてたぞ…。(halさんのブログはmixiなので、リンクできません。ごめんね)と思い出して、halさんのブログを再び見る。これこれ!(左の写真がそう。今回の写真は全てhalさんの写真です。ありがとう!halさん!) 

なんてタイムリーなメールなの?minamiさん。てな感じでTOMの調べ意欲倍増!

ケドンドンってシンガポールの伊勢丹のフルーツコーナーに売ってたよね?食べたことはなかったけど、確かに売ってた!

フルーツなんだぁ!

バンコクの都市の名前の由来になったということなので、都市名から再び検索をかけてみる。

ウィキペディアにこんなんありました!

名称
前述した非常に長い名称は1971年のタノーム元帥の革命後、同年の12月21日の革命団布告によって、ナコーンルワンクルンテープトンブリーと改称された。さらに翌年には、12月13日の革命団布告によってクルンテープマハーナコーンと改称された。この略称として
クルンテープが現在よく使われている。

日本語や英語で慣用されるバンコクの語であるが、「バーンマコーク」が訛った「バーンコーク」がさらに訛ったもので、「バーンマコーク」とは「アムラミズノキオリーブに外見の似たウルシ科の樹木)の水村」という意味である。日本語ではバンコック、バンコークとも表記される。「バーンコーク」はトンブリー地域における一地名であり、アユタヤ王朝初期に舶来した西洋人による誤用が広まった物であると考えられている。最近ではこの言葉がタイに逆輸入され「バーンコーク」と呼んだり、英語からの訛で「ベンコック」とよんだりされることもある。バンコクは漢字(中国語)では曼谷、盤谷とも書かれる。

へぇー。バンコクってタイでも使われていた地名じゃないんだ。日本を英語ではJapanって言うのと似ていますね。で、出てきました。マコークの語。バーンというのは別のサイトの説明によると、運河という意味なのだそうです。バーンとマコークの合成語なんですね。

で、肝心の部分。アムラミズノキ。…また新たな名前が出てきたぞ。なんじゃ?これ?

検索をかけるも何も出てこない。

んーーー。ダメだ。糸口がない…。

そう思いながら、さっき開いた熱帯植物要覧を読み進めてみる。

さっきのページの下のほうに「アムラタマゴノキ」なるものを発見。

アムラミズノキのアムラだーーーー!(こういうときってすっごく嬉しい。わかる??)

アムラタマゴノキ Spondias pinnata 。熱帯植物要覧P272によると

和名 アムラタマゴノキ キミドリモンビン

ヒンズー語・ベンガル語では Amra (アムラタマゴノキのアムラはここからか…)
タイ語では Makawk  ラオス語では Mak kok

これだ、これだ!あったよ。マコークの名前。

果実は卵形で3~5cm。果を生食、料理用加工するんだそうです

ああー、嬉しい。マコーク、発見

Spondias pinnata のことでした!!!

で、お次はSpondias pinnata で検索。出てきたよ。こんなん。

http://www.botanic.jp/plants-aa/amutam.htm

やっぱ。すごいわ。こちらshuさんのサイト。

こんなんもありました。北タイの野菜についてのサイトです。マコークが登場します。http://lannathai.nomaki.jp/yasai01/yasa01.htm

再び話題を熱帯植物要覧に戻すとSpondias pinnata もやっぱり ケドンドンって言うらしい。
マラヤではKadongdong インドネシアではKedongdong と呼ぶと書いてありました。

姿形は多少変わっても、似たものはみんなケドンドンってマレーの人たちは呼ぶんですね。日本人が紅玉もふじもみんなリンゴって呼ぶのと同じだね。

結論として。

バンコクの名前の由来になったマコークは Spondias pinnata で、ウルシ科の木です。緑色の実がなるということで、オリーブに似ていると言われたり、タイではオリーブのことをマコークと呼ぶなんて書いてあるサイトもありましたが、本家本元はこの子なんでしょう。

シンガポールでケドンドンと言って売られているのは、多分、マコークのお仲間のタヒチモンビンです。学名はSpondias dulcis あるいはシノニムで Spondias cytherea 。シンガポール植物園のエコエリアにもある木です。上で登場したhalさんが紹介していたケドンドンですね。

ということで。ここまでがあまりにも長くなってしまったので、シンガポールのケドンドンについては次回にご紹介します。

最後にこんなサイトも発見。マコークの砂糖漬けの写真が載ったサイト。

いいなぁー。タイもシンガポールに負けず劣らずおいしいものがいっぱいありそう。

ケドンドン…食べてみたい!って思ったら…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

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コメント

有名なところでは、マニラの名前も「ニラノキのあるところ」という意味です。
ニラノキとは(和名はなかったので、私が付けました)アカネ科の低木、
Scyphiphora hydrophyllacea でマングローブに比較的まれに混生していますが、
たぶんマニラ湾には地域的にはかつてたくさん生えていたのでしょう。
高さ3mくらいにしかならない低木ですが、材が非常に堅いため、有用だったようです。

マレーシアの方言では、chengam というらしいですが、何かご存じないですか?

投稿: ふなこし | 2007年10月12日 (金) 21時00分

ふなこしさん、はじめまして。

「マニラ」の名前の由来は、「マイニラッド」という言葉で、それは「コヒルギ」のことだと、フィリピンに住んでいらっしゃる方から聞いたような記憶があります。
でも、ふなこしさんのコメントを読んでから検索してみましたら、Wikipediaには「マイニラッド」は「ニラッドの生えるところ」という意味だとありました。ニラッドは、コヒルギとは違うのですね。どちらが本当なのでしょう??

それはともあれ、Chengam, Scyphiphora hydrophyllacea については、シンガポール・サイエンスセンターで出している「A Guide to the MANGROVES OF SINGAPORE 1」という本に写真と説明が載っていました。
シリーズで出ている葉書大の本で、私たちはスポンサーの名前から「BP本」と呼んでいます。
それほど長い文ではないですけれど、ここに載せてもいいんでしょうか?TOMさん、どうですか?

投稿: hal | 2007年10月13日 (土) 01時13分

halさん
原文がどこから出ているのかをきちんと載せれば、部分的に引用するのはOKなんじゃないかと思って、ブログを書いているけど、ダメなのかしら?ということで、TOMのこのブログの中では、引用した元を明らかにした上でのっけてます。

投稿: TOM | 2007年10月14日 (日) 10時03分

それでは、ふなこしさんからご希望があったら、ということで。では(⌒∇⌒)ノ""

投稿: hal | 2007年10月15日 (月) 23時36分

こんにちは。タイに在住しているので自分でも調べてみました。果物としてのマコークって見たこと無いように思います。野菜かジュースとして利用されているのでしょうか?

投稿: えんれいそう | 2007年10月22日 (月) 14時27分

えんれいそうさん
コメントありがとうございます。ネットで調べた限りではピクルスみたいになってるみたいですね。シンガポールでは写真のようにして生のまま売られています。引き続き探して頂けたらうれしいなあ。タイでどんな風に売ってるとか、どんな風に食べられているとかわかったらぜひぜひ教えてください!!

投稿: TOM | 2007年10月23日 (火) 08時39分

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