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2007年10月24日 (水)

イランイラン

Cananga odorata

イランイランと言えば、エッセンシャルオイル。 日本にいたときから、どんな植物だろう?と思っていました。

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こちらの写真はシンガポール植物園のエコガーデンで2002年に撮ったもの。古い写真なので、細かく撮影してなくて残念だけど、しょうがない。誰か、もっといい写真を撮ったらTOMにください。差し替えます…。

場所は今はMRTの工事現場になってしまっていて、こわされてしまっています。今も、エコガーデンのどこかにイランイランノキがあるのかなぁ?知ってる方がいたら情報を寄せてくださいね。

お花は下の写真のようなので、緑か薄い黄色といった感じで、遠くから見たら目立ちません。それよりも強烈な甘い香りに惹かれて木に気がつくといった感じの子です。

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花びらが下向きになってぶら下がっているといった感じで、「オシベとメシベは?」と探すと真ん中にオシベ、メシベがくちゅくちゅっとかたまってついています

わかる?(ここの写真がもっと細かくていいのが欲しいのよー!)

私たちが普通に考えるオシベやメシベとはちょっと違うなぁってのが分かるでしょ。

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6枚の花びらは「開く」といった感じよりも、緑色で短い花びらがダラダラと伸びていく…といった咲き方をします。

そして色もだんだんと黄色(クリーム色?)になっていく…

下の写真でその様子がわかりますか?

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植物の世界P9-105にはこんな風な記述があります。

「イランイランの花の大きさは…、じつはよくわからない。蕾が開いて花弁が展開してからもどんどんと成長し、長さ8cmほどに伸びるが、成長が終わった時点でもあまりよい香りはせず、黄緑色の花弁が黄色く萎えてくると香りが強くなる。花としての機能から考えると、この花弁が枯れかけた時点が開花ということになる。」

うーーん。面白い。

いつが開花しているかという問題は、オシベやメシベがいつ成熟しているかということからも分かるのだろうけど、こいつがイランイランちゃんの場合、よくわからないのだ。

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左の写真は蕾が開いて花びらが伸び始めた時の様子。真ん中にオシベとメシベがクチュクチュっとかたまったのがあるのがわかると思います。

1_2 左の写真はイランイランと同じバンレイシ科のオシベ、メシベ群。なんじゃこれ?って感じでしょ。バンレイシ科ってみんなこんな感じ。モクレンなんかと共にお花の中でも古い形を残しているお花に当たるんだって。

真ん中にメシベ群、周りにあるのがオシベ群です。色が変わってるのでわかりやすいけど、「…で?」って感じなんだわ。

それにしても。イランイランノキのオシベ、メシベの写真が色んな段階で欲しいよーーー。

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黄色い花びらが落ちた後の様子が写真の隅っこに小さく写っていました。こんな感じです。

「植物の世界」によれば、「東南アジア各地からオーストラリアにまで自生している」けれど、本当の自生地はわからないと書いてありました。香りが強烈なので、チェンパカなんかと同じ様に祭りなんかによく利用されて、人の移動と一緒に持ち歩かれて、自生地がわからないくらいに広がってしまったのかしら?

イランイランは香水などの材料としてあまりにも有名なので、検索をすればいくらでも出てきます。もっと興味があるよって方は調べて見てね。

「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」P165には var.fruticosa だけが載っていました。今回の写真のこの子もこっちの子の可能性が高いかな?普通のイランイランノキのわいせい種(漢字が出てこない!)なんだそうです。

みのりさんのホームページに詳しい写真が載っていました。こちらもぜひぜひ見てみてください…なんだよ…色々とね。

バンレイシ科 Annonaceae

原産地:不明 (熱帯植物要覧P69には、フィリピン、ジャワ、ビルマ原産、汎熱帯、マダガスカル とあります)

Common name: Ylang-ylang , Ilang-ilang (英)、イランイランノキ

バンレイシ科の仲間で今までアップした子たちをリンクしておきます。バンレイシ科の変なお花と実をご覧あれ!

カスタードアップル    アルタボトリスの仲間

がんばれーと思ってくれたら…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

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コメント

こんにちは!エコのMRT工事現場との境のフェンスのそばにいつも花を咲かせているイランイランの木があります。MRTの工事前の地図で見るとちょうどあずまやがあったあたりなので、一番上の写真に写っているこんもりした木が育ったものかな?少し前にみなさんとエコを歩いたときに「ここはイランイラン観察スポット!」と宣伝させていただいた木なので、皆さん写真を撮ってましたけど、おしべやめしべがわかる写真を撮っているとしたら・・やはりhalさん?

投稿: yata | 2007年10月24日 (水) 22時57分

こんにちは。
私も、この間から、温室で見るイランイランの花が気になって、育てていらっしゃりそうな方に、教えて教えてこの花の仕組みをとメールしていました。
セブの緑さんにも。
垂れ下がる花弁の姿は、たくさん画像があるものの、このオシベメシベに言及したものが無くて・・・。
花夢に、もうほんのちょっとだけ大きい写真があります。
分かるといいですねお互いに(^o^)

投稿: みのり | 2007年10月26日 (金) 12時45分

まいど(^^)/

えー、やたさんからのご指名ではありますが、私の写真にもおしべめしべが大きく撮れてるのがありません。
下がってるお花だし、それも花びらが長いので、スカートめくりのように、めくって中を覗くまではやってないんですね。
でも面妖なおしべめしべさんのようですので、また会ったら失礼して覗いて見ちゃいましょう。
撮れたら送りますね~。

投稿: hal | 2007年10月27日 (土) 02時31分

yataさん
エコにまだこの木はあったんですね!教えてくださってありがとうございました!また行く機会があったら、樹名札などなんて書いてあるか教えてくださーい。これがドワーフタイプとすると、木のタイプなのが普通なんだよね。ある本には「シンガポールのイランイランの並木は有名」とあったんだけど、「知らんよ」って思ってしまった。誰か知ってる人いない?

みのりさん
さっそく花夢をのぞきに行きました。みのりさんと私、どっか頭の中がつながってるんじゃないかとまで思っちゃいましたよ。おんなじこと考えてますね。さすがオスモキシロンがつなぐ仲!面白かったので、リンクさせてもらいます。事後承諾ですみません…。

halさん
写真、お待ちしています…。わーい!楽しみだ-。分解写真などもぜひぜひ…。みのりさんのHPの写真もすっごく面白かった。見てみて!

投稿: TOM | 2007年10月28日 (日) 12時11分

TOMさん、お久しぶりです。
情報収集の上手なTOMさん、結果が出たら、今度は花夢にリンクさせてくださいね。予約(^^)
ところで、TOMさんもちょっと触れていますが、私は、植物園の表示そのままでイランイランノキとして載せましたが、花弁の数でちょっと?と思っています。TOMさんの写真でも6枚のと複数枚のとありますね。数の多いほうは、もしかしたら、チャボイランイラン、ドワーフ、フルティコサのほうかもしれませんね。としたら、温室の表示を変えてもらわないといけません。
見分け方も、はっきりするといいですね。

投稿: みのり | 2007年10月28日 (日) 13時35分

みのりさん
昔撮った写真なのではっきりしたことは言えないのですが、全部同じ株の写真だと思うんですよね。花弁の数は色々なのかな。みんなでちょっと気をつけて見ていきたいと思います。

投稿: TOM | 2007年10月29日 (月) 07時53分

イランイランを調べている内に、こちらのブログを見つけました。
イランイランは大きさからだと、矮化したものと20m位になるものと二種類あり、バリ人は大きいのをバリイランイランと言っていました。その人の家には矮化したものを植えてあるそうですが、やはり香りは弱いと言っていました。実は、私の家にイランイランがあり、現在6m
位です。ブログに書きましたので参考にして下さい。今、ついている深緑の蕾を分解してupするくらいは出来ますので、何かありましたら連絡下さい。
http://plaza.rakuten.co.jp/kirakirabali/

投稿: kirakira | 2009年8月 4日 (火) 22時10分

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