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2007年12月24日 (月)

ポインセチア

Euphorbia pulcherrima

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クリスマスイブですねーー。

お花屋さんにポインセチアの鉢がいっぱいあるのを見て、今日のネタはポインセチアにしようって思ってアップです。

マレーシアのキャメロンハイランドで見つけたポインセチアの木。今年の2月に撮った写真です。

原産地のメキシコでは5メートルもの木になるという話ですが、こちらで見たのは3mくらいの木でした。

日本で園芸店でよく見かける園芸種と比べて、ほう葉が狭くて、原種に近いものじゃないかなと思ったんだけど、どうでしょう?

気になっていたお花もちゃんと観察できました。

ポインセチアの赤い部分が花びらではなくて、ほう葉と呼ばれる葉っぱのようなものというのは常識ですが、じゃあ、お花がどんなものかよく観察したことはないでしょう?

じゃーん。

ポインセチアの花序です。

なんだか変な形をしていますよねー。

この黄色い唇みたいなのをつけた壷のようなもの。1つ1つがじつはお花です。

黄色の唇みたいに見えるところがどうも蜜腺らしく、透明な液が溜まっていました。花びららしきものは見当たらなくてガクがカップ状になっているように見えます。

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雄花、雌花と分かれているかはちょっと観察しただけではわからなかったけど、オシベとメシベが一緒に出ているお花も観察できたので、両性花じゃないかなと思います。

下のがメシベが出てきたところ…かな。子房も出てきちゃってるよ…。なんか変。

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オシベが先に出て、メシベが後から出てくるって感じに見えるけど、どうだろう?

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圧倒的にオシベだけのお花が多かったので、もしかしたら、雄花多数と両性花ちょっとってパターンなのかも。

答えを知ってる人がいたら教えてね!

それにしてもオシベの葯の可愛いこと!!

いったいどんな虫が花粉運びを手伝ってるんでしょう?この妙な蜜腺のつき方はどんな風に役に立ってるんでしょう?

面白いねぇーー。

久しぶりに写真を見返してのアップだったけど、本当に面白い!身近に普段あるのに観察していないこと、気が付いていないことっていっぱいあるんだねー。ポインセチアの花をじっくり見て面白かった人、手を上げてーーって感じのTOMです。

下の写真は隣にあった白いタイプのポインセチア。

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ちなみにシンガポールではポインセチアは街路樹では見かけません。

どうして?

と思ったTOMが、ポインセチアがシンガポールに無いわけを考えに考えた、オタクな記事はコチラです。頭が痛くなるけど、人によっては面白かったーという反応が多数返ってきた記事です。暇なら見てみてね。

**********

後日談みのりさんのページを見てみたら、TOMが花だと思ったのは、花ではなく花序なんだそうです。オシベの1本1本に見えるものが雄花らしい。ラフレシアといい、トウダイグサ科ってやつは只者ではありません…。

トウダイグサ科 Euphorbiaceae

原産地:メキシコ、中央アメリカ

Common name: Poinsettia , Christmas Flower, ポインセチア、 ショウジョウボク、猩々木

資料:「朝日新聞社 植物の世界」P4-46

        「熱帯植物要覧」P222

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2007年12月16日 (日)

野山北・六道山公園

園芸の仕事をしていたときの友人に「ちょっと面白い勉強会があるから来ない?」と誘われて、先々週の土曜日に、野山北公園というところへ行ってきました。

昔は公園と言えば、お役所が管理するもので、「①公園を作った②勝手にしてー」というものだったのですが、TOMがシンガポールから帰ってきたら、様子が一変していました。指定管理者制度というものができて、お役所がテキトーに管理する形から、指定管理者が管理運営の全てにわたって企画・管理・運営をする公園というものが誕生していたんです。

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野山北・六道山公園は「西武・狭山丘陵パートナーズ」という指定管理者によって、狭山丘陵にある他の4つの都立公園と共に管理運営されている公園のひとつ。こういった形態の公園の成功例を「見学する会」が先々週の土曜日だったんです。

詳しいお話は又にして、TOMが見てきた風景をアップしますね。

1この日はたまたま収穫祭の日で、集合場所の「里山民家」の入り口では、案山子コンテスト入賞の案山子ちゃんがTOMたち一行を迎えてくれました。

下の写真が「里山民家」。古い建物かと思いきや、新しく作ったものなんだって。でもこんなものを作ってくれる心意気がいいねぇ。この公園でボランティアをしている方たちの活動の拠点になっているようです。

里山民家の裏に谷戸がひろがり、ボランティアによる米作りが行われています。

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この公園の中で栽培したお米を使っての餅つきや、お囃子、食べ放題のみかん。スタッフのオカリナ演奏。どれも美味しかったし、素晴らしかったよ!ボランティアの方々やスタッフの皆さん、参加している皆さんがみーんな生き生きと動き回り、楽しそうだったのが印象的でした。

何よりも秋晴れの空の下、TOMにとっては6年ぶりの秋!!すがすがしい空気ってこんなんだったんだなあって思い出しましたよ。

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何もかも素晴らしくて、動きたくなかったんだけど、それでは目的が果たせません。

名残惜しい気持ちを残しつつ、雑木林へのお散歩に出発!

下の写真は上の民家の裏手の谷戸に広がる田んぼ。ここで作ったお米がこの日みんなが食べたお米です。写真だとわからないけど、紅葉がそれはそれは綺麗でしたよー!

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雑木林の様子。

この雑木林も、ちょっと前までは荒れ放題になっていたものを、ボランティアが適切な管理の方法を勉強会で学んで、こんな素敵な雑木林に生まれ変わらせたんだって。

関東近辺で見られる雑木林は里の生活を支えるために人間が長い時間をかけて作り出してきた森で、人が来る前から日本に自然にあった森じゃないって知ってるよね。

だから人が手入れをしないといけない森なんです。

でも薪を取ったり、落ち葉を掻いて腐葉土にしたり…といったことを昭和30年、40年代以降しなくなってしまったので、最近まで関東にたくさんある雑木林は荒れ放題。場所によってはゴミ捨て場と化していました。

都市近郊であることから、住宅地としても開発が進み、はっきり言って関東の雑木林は風前のともし火状態だったわけ。

そんなこんなでこの森もネザサが生い茂り、見るも無残だったものをみんなで再生したんだね。凄いねー。

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この公園、とにかく広いです。

尾根沿いをひたすら南北に歩いてお散歩することができます。

あちこちに拠点になる場所があって、左のもそのひとつ。展望台になってました。

下の写真が展望台の上から撮った写真。

360度のパノラマ。紅葉がとにかく綺麗だったーーーー!!気持ちがいい!

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森の中にはこんなレンガ造りの祠もあったり、みかん畑が隣接してあったり、とっても気持ちがよくて楽しいお散歩でした。

おおっと、これは勉強会でした。

最後に公民館みたいなところのお部屋をお借りして、公園の管理について「NPO birth」の事務局長さんからお話を詳しく伺いました。

TOMが昔、公園の設計をしたりする会社にいて「こんなものがあったらいいのになー。でもどうやればできるんだろう?」と思っていたものが、まさに形になってそこに存在していました。スゴイ。不可能と思われたことを実現してしまった人たち。家に帰って資料を読み直して涙が出るくらい感動しました。

ニュースを見ていて、大企業や政治家のナサケナイ姿に「日本はどうなっちゃうんだろう?」と悲しくなっていましたが、こんなことを成し遂げている人たちもいます。やはり「思うこと、行動することは凄いこと」って再認識をしました。

バースのホームページはこちらです。

http://www.npo-birth.org/

狭山丘陵の公園ガイドのホームページはこちらです。

1年に1回登録ボランティアを募集します。2月に説明会があるそうです。

http://www.sayamaparks.com/

見てみてね!

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2007年12月10日 (月)

タビビトノキのお花と実

最近のTOMは新しい仕事の把握ができきらずパニック気味。寝てもさめても「あれはどうしたらいいんだろう?」と悩むことが多くて、頭が植物モードにならなくて、筆(?)が進まず、なかなかアップできません。年末で営業現場の会社はピリピリ。そういう場に在籍した経験が今までの人生でなかったので、ピリピリにびくびくして、ドキドキ→パニックってことなんだな。まぁ、一番の原因は寒いことだと思いますけどね。何せ写真がいっぱい入ってるPCが寒いお部屋にあって、そこにいすわる覚悟がない。廊下に出るのもトイレに行くのも寒くて寒くて。

そんな中、園芸講座の助手をやらせてもらったり、古巣の仲間のお誘いで、新しい公園管理形態を実践している現場を見学させてもらったり、そんなことも細々ですけどしています。何年も現場を離れていたTOMにできることなんてあるんだろうか?と思ったけど、(役に立てたかどうかは別として)植物の説明をしながら、植物を一緒に植えたり、管理したりすることは根っから好きだなーーと実感した次第。誘ってくれたMちゃん、ありがとう! そんな中で、狭山丘陵の秋を満喫することもできたしね。(収穫祭に飛び入りして、つきたてのお餅を頂いたりもできました。この話はまた後で)

余談が長くなりました。

花探し爺さんがタビビトノキの花と実の写真をネットにアップしたよーとのコメントをくださったので、皆さんにも見ていただきたくて、お知らせです。

タビビトノキ(Ravenala madagascariensis)って何?って方は、先にこちらのページを見てね。

http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2007/07/post_30bc.html

http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2005/12/post_f048.html

http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2007/07/post_3425.html

で、お花と実をもっと見たい!って騒いでいたら、花探し爺さんがお知らせしてくれたわけ。

花探し爺さんのページは、「フィリピン植物研究会のページ」です。こちらも熱帯植物満載。ぜひご覧ください。

その中でタビビトノキのページはこちらです。

http://www.e-amo.net/amano/plants/basyou/tabibitonoki.htm

花もさることながら、実がなっている写真は初めて。バナナに似ていますねー。さすが元、バショウ科。

花探し爺さん、ありがとうございました!!

今週はもっとアップしたいと思ってる年末のTOM…。では。

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2007年12月 5日 (水)

バウヒニア

Bauhinia  × blakeana

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アスペンハイツの敷地内にあったバウヒニアちゃん。

バウヒニアと言えばお花がきれいなので、町のあちこちで見かける樹。葉っぱの形からバタフライツリーとも呼ばれます。

良くある樹だけど学名はちゃんと載せないとね…と余裕ぶっこいて「1001」をめくります。うげ、同じようなのが3種もあるよ…。

あれ?この子のCommon nameにはバタフライツリーって載ってないわ??

でもずっとバタフライツリーって言ってきたよね?

真相は?

分かりませんが、とりあえず写真だけアップです。

 

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はい、葉っぱです。ハート型というか、チョウチョの形をしてるでしょう?

だからバタフライツリーです。(とTOMは教えてもらった気がするんだけど、違ってたら教えてください)

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先日紹介したツル性のバウヒニアちゃんも、こんなチョウチョみたいな葉っぱをしていたんだですが、暗いと葉っぱを掌を合わせるようにして閉じていました。この子も同じです。

この写真はリャンコートの入り口に植えられていた子。暑さを避けて暗くなってから買い物に出かけると、必ずこんな風に、葉っぱを閉じていて「かわいいーーー!」って毎回思ってました。

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さてバウヒニアちゃんと言えば、というかバタフライツリーちゃんと言えば、やっぱりこの綺麗なお花がメインでしょうねぇ。

左の写真はあんまり綺麗ではないのですけど、花序が咲き進む様子がわかるかな?と思ってアップしました。

下2枚は意味もなくアップです。

マメ科の3様のお花の中で、フレームオブザフォレストなんかと同じ系統のお花ですね。6_3

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学名は「1001」にはBauhinia × blakeanaとあり、「このバッテンなんじゃ?」って思ってます。誰か教えてください。Bauhinia blakeana で検索しても色々出てきますので、興味がある方は調べてみてね。

バウヒニアの仲間をまとめてあるページがあって分かりやすかったです。ごらんあれ。

こちらのサイトには「B.variegata と B.purpurea の交雑種と思われる。
香港の原産。」
とありました。じゃ、Blakeって誰だよ?って思ってしまうTOM…。

ウィキペディアにありました。ホンコンのガバナー(総督でいいのか?)だったとあります。Sir Henry Arthur Blake でウィキペディアを調べてみてください。ちゃんとページがありました。ブレークさんは1898~1903年に香港でガバナーを務めましたが、1880年に彼のおうちの近くの海岸でこの花を見つけたそうです。で、彼にちなんで、このバウヒニアちゃんの種名に彼の名前がつけられたわけ。昔のイギリス人の赴任者のご多聞にもれず、彼も植物フリークだったよう。なんだかほほえましいねぇ。「うわー、なんて綺麗な花なんだー!新発見か?報告しないと!!」ってか?  シンガポールの国花の話を思い出してしまった…。

アタリマエに思ってたバタフライツリーちゃんも調べてみるとやっぱりドラマがあります。ふっふっふ…。

実がならないらしく、だから交雑種と考えられてるらしい。あ、じゃ、TOMがバウヒニアの実だーと思っていたのは、この子じゃなくて、別の子だったんだ…といまさらながらに自分の曖昧さに気が付いてしまった…。

1つシンガポールのお友達にお願いです。

この子以外のバタフライツリーちゃんの写真をきちんとTOMは撮っていないことに気が付きました。実がついているバタフライツリーちゃんとか、エコガーデンに名札付きの子が何本かいたはずなんですが。どなたか写真を送ってくださーい!!

マメ科(Leguminosae)

原産地:中国

Common name: Blakes's Bauhinia , Hong Kong Orchid-Tree

資料:「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」P527

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2007年12月 1日 (土)

フィッシュテールファーン

Nephrolepis falcata forma furcans

シンガポール植物園で潅木のように植えられていたシダの仲間です。

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よく見るけど名前を知らないなあ…と思って調べてみました。

資料:「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」P88にそれらしきものがあって、フィッシュテールファーンとありました。

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確かに、魚の尻尾のようです。

と、これは普通の葉っぱの話。

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胞子のくっついている葉っぱはこんな感じです。

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葉っぱの縁の丸い粒粒の中に、胞子はあります。

胞子のつく葉っぱとつかない葉っぱとで全然形が違うのが面白いねえ。

Oleandraceae

原産地:キューバ~ブラジル、アフリカ、ホンコン~クイーンズランド

Common name: Fish-Tail Fern

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