カナリーヤシ
Phoenix canariensis
ローマのヤシがカナリーヤシじゃないかな?ということで、日本でカナリーヤシを撮った写真をアップします。
夢の島の熱帯植物館の外で撮った写真です。カナリーヤシは日本の暖地によく植えられているヤシの代表種で、耐寒性がかなり強いヤシのひとつ。ま、シュロほどじゃないとは思うけどねぇ。
資料によると高さは15~20m。径50~90cm。
日本で見る子はそんなに背が高いという印象は受けないかな。ずんぐりむっくり。せいぜい10mくらいという印象が強かったの。
写真のこの子も決してそんなに背は高くない。
こちらのサイトの説明によると日本ではせいぜい10~12mどまりなのだそうだ。そっか、TOMの印象はさほど間違っていなかったのね。
特徴的なのは幹の葉痕。
葉柄の基部が小さい突起状に残るので、左の写真の上部のぼこぼこした感じの部分が印象に残りやすくて、カナリーヤシというと、このぼこぼこの幹が特徴って思ってる人もけっこういるんじゃないかなと思います。
背が小さい株では地上部がこのでこぼこの部分だけだったりするので、印象がかなり違います。
こちらのサイトの下から2枚目の写真なんかが小さい株の特徴をよく現しています。
で、この葉っぱの落ちた痕の突起はそのうち取れちゃうらしくて、その後に、左の写真のような波状の模様が残ります。
ヤシの葉っぱは大きく分けて鳥の羽のような形をしている「羽状葉」とうちわのような形をしている「掌状葉」の2タイプがあります。見てわかるようにカナリーヤシは「羽状葉」。でも他の多くの羽状葉と全然違う部分があるのです。,
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それは、なんと言っても小葉の軸へのつき方。
葉っぱを表から見たときに、小葉が軸に対してV字型にくっついているの。
他の羽状葉は、これが「逆V字」にくっついているのだ。
だから見分けられます。カナリーヤシちゃんの場合はこんなふう。
ローマのヤシでTOMが「フェニックスの仲間だー」と断定した理由はこんなところにありました。
あと葉っぱの基部に近い小葉は固いトゲみたいになっているのも特徴です。
下の写真には花序も写ってます。
フェニックス属は雌雄異株。この写真はどちらでしょう?
花粉が付いていたので雄花でした。ということは男の子ですね。
花序をちょっとだけアップ。
資料のフェニックス属の説明には「雄花のガク片はカップ状に合成し3裂片を持ち」花びらは「敷石状」とありました。オシベは普通は6個だそう。
雌花の場合もガクの様子は同じで、花びらは かわら重ね状になっているとありました。大きさは雄花が長さ9mmくらいに対し、雌花は長さ4mmくらい。なので雌花が半分くらいの大きさですね。心皮は3個で離生、うち1個のみが成熟するそうです。ま、よくあるヤシの実のパターンだわな。
こちらは葯がまだ開いていない雄花かなと思うけどどうでしょう?
花序をもっとアップ。んーー、でもこれが限界。
お花は1個ずつらせん状に着いているらしい。
下のは実がなってるみたいなので雌株かな。
花序の様子とかローマのヤシに似ているでしょう?
果実は長さ1.9cm、径1.3cm。橙色。中に1個種が入っています。
交雑種が多いそうで、原産地以外では本来の野生種は少ないのだそうです。耐寒性が強いので公園樹、街路樹に使われるとも資料にはありました。
タリポットヤシ亜科 ナツメヤシ連 フェニックス属
Coryphoideae Phoeniceae Phoenix ( Dachel, Elate, Palma, Zelonops )
原産地:カナリー諸島
Common name: Canary date palm, Canary Island date, カナリーヤシ
資料;園芸植物大事典 小学館 P115
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