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2008年6月 4日 (水)

シナモン

Cinnamomum verum または C.zeylanicum

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子供の頃大好きだったマンガに「7つのエルドラド」っていうのがあって、その中でいつも料理に使っているコショウが、1580年当時の西欧諸国で途方もない価値を当時持っていた事を知って、ものすごく驚いたことがありました。

30年前のTOMにとってはスパイスと言えば、全部ぐちゃぐちゃ。シナモンもコショウもチョウジもみんな同じ感じだったのですが、あるときシナモンは「世界最古のスパイスと言われエジプトのミイラ作りに使われていた」ということを知って、「コショウの歴史よりもはるかにさかのぼるシナモンっていったい何?」という素朴な疑問はずっと持っていました。

話はちょっとずれるようですが、エジプトのミイラはいったいいつ頃作られ始めたのでしょう?

エジプトでミイラづくりが実際に行われはじめたのは、古王国時代第4王朝、技術的に完成したのは新王国時代です。」(やっぴさんの「楽しい世界史」より)

とありました。古王国台王朝は紀元前2613年から2494年ごろとあって、紀元前ってことは…「今から4500年くらいも前ーーー!?」

古い、古すぎる…。バナナに匹敵する古さ…?

果たしてTOMたち自然友の会のメンバーが「シナモンと呼んでいるあの子」がセイロン島から、エジプトのミイラに使われるために4500年も前に商品としてはるばる運ばれていたのか?ま、確かに運べない距離じゃなかろうけど。(ちなみに「シナモンは消費地エジプトには産しない」と資料にはある。乾燥した国のエジプトではクスノキやシナモンの仲間は育たないのかもしれない…)

知れば知るほど沸いてくる素朴な疑問。(誰か助けて…と思っていたら…)

朝日の「植物の世界」P14-152にはこんな記述があって、「ああ、やっぱり…、朝日さま…ありがとう!」って「植物の世界」に合掌したTOMなのでした(笑)

「西アジアで用いられていたカッシアシナモンソマリランドに産した植物で現在知られているものとはまったく異なったものであるらしい(クスノキ科のラウェンサラ・アロマティカ Ravensara aromatica ではないかという説もある)。

「後にインド産のシナモン(おそらくクスノキ科のタマラニッケイ Cinnamomum tamala)にかわり、ソマリランドのカッシアやシナモンは歴史上から消えてしまった。

「インド南部に産する現在のシナモン(セイロンニッケイ)Cinnamomum verum の登場は山田憲太郎氏によれば14世紀になってからだという。

「そして、アラビア商人が東南アジアに現れるようになると、別種のシナモンあるいはカッシアを発見した。

「スマトラ島産のキンナモムム・ブルマンニ C.burmanni や、ベトナム産のキンナモムム・カッシア C. cassia などがそれであり、いずれもカッシアの名で西方に運ばれることになる。」

つーまーりー。

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4500年も前にミイラに使われていたシナモンは、今のシナモンとは別物のアフリカ産の似たもの…らしい。

商人たちの行動範囲が広がるにしたがって、シナモンやカッシアが採れる新しい木が見つかって、昔のものに取って代わったっちゅうわけだな。

でもって、シナモンやカッシアと呼ばれる商品は、似たようないくつかの植物から作られて、どれがどれなのかどうも混乱している…らしい。(本でもインターネットでも。調べるほどに出てくる違う記述…おーーーい!って叫びたくなったよー!!!)

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朝日の「植物の世界」P14-160で、吉田よし子氏は「シナモンはクスノキ科クスノキ属のいくつかの種の植物からとられ、市販されている粉シナモンは、カッシアを原料とする場合が多い。米国でシナモンと言えば、カッシアのことである。」「最も高貴な香りのシナモンがとれる」のがセイロンニッケイと説明していました。

なるほど。シナモンの中でも特別にいい香り だから、今はセイロンニッケイ=本家本物シナモンみたいな感じになっているんだね。

この辺を整理してくれてる素敵なページを発見。お、インド料理屋さんの方のページのよう。ふむふむ横浜かー。なかなか納得できるカレーに日本で出会えないTOM。今度行ってみよう。(横浜方面は友達多いし)

話はずれましたが、このページ読んでみてください。混迷の度合い が知れて嬉しくなるくらいよん。残念ながらウィキペディアも今回は混乱の中にいらっしゃいました。

http://www.ganesh.gr.jp/cinnamomum.html

このカレー屋さんのページにある「H氏のスパイス図鑑」はすごい!読み応えがあります。こちらもごらんあれーー。

あと、こっちのページも面白かった。八つ橋に使われているのはニッキ?ってなページです。

長すぎる前置きとなりましたが、特別によい香りのシナモン、セイロンニッケイちゃんが今日のお題。(ようやくたどり着いた…汗!)

木はね、あんまり大きくないです。ていうか、TOMがシンガポールで見たのは5mかそこらの大きさ。原産地ではどうなんだろう?10mくらいにはなると書いてあるけど。

下のは葉っぱの写真。新しい葉っぱが赤いです。クスノキと同じように縦に3本のしっかりとした葉脈が通っているのが大きな特徴。

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でもシンガポールでは罠があって、シンガポールの森の中や街路樹でとってもよく見かけるワイルドシナモンも縦に3本の葉脈なの。

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左がワイルドシナモン。右がシナモン。

違いが分かる?

3本の葉脈が分かれ始める部分が葉柄からすぐの部分か、とりあえず1本で行って3本に分かれるかの違い。

でもこれも個体差が結構あって、見分けにくいです。徹底的なのはワイルドシナモンはあんまり香りが強くないこと。(でも時々強いのもあるのよ…)

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最初の写真が花序も写っているけれど、よいお花の写真はTOMは撮れませんでした。

でも同じクスノキ属とあってクスノキワイルドシナモンとよく似ています。

これはフォートカニングパークのスパイスガーデンで撮ったものなんだけど、このときはお花は終わっちゃって実がなりかけって状態だったのよね。

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面白いのはガクの部分が残って、その中から実がだんだんと出てくる様子。

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ね、こんな風になるの。

いつかもっとよい状態のお花とかに出会いたいなあ…。

クスノキ科 Lauraceae

分布:スリランカ

Common name: セイロンニッケイ、シナモン

資料:朝日「植物の世界」P9-76 P14-152

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コメント

 お久しぶりです。

 シナモンについては、私も、少し調べたことがあります。本当に混乱していて、わかりにくいですよね(^^;

 『七つの黄金郷【エルドラド】』は、私も読みました。山本鈴美香【やまもと すみか】さんの作品ですね。テニス漫画の『エースをねらえ!』を描いた漫画家さんです。

 『エースをねらえ!』の中に、シナモンという名の猫が登場します。じつは、作者さんは、スパイスが好きなのかも知れませんね。

投稿: 松沢 千鶴 | 2008年6月 4日 (水) 18時21分

松沢さん
あきれずに訪れてくださって本当にありがとうございます!
「7つの…」そうきましたかー? 反応してくださる方がいらっしゃるなんて…、おまけに松沢さんだなんて…。言われてみてはじめて気が付いた猫の名前。確かにそうでした。どこ(のジャンル)まで詳しいんだ…?と松沢さんの知識の広さにびっくりしています。

投稿: TOM | 2008年6月 5日 (木) 20時15分

うわぁ~面白かった~~
外は雨だけどTomさんワールドに吸い込まれて散策した気分にさせてもらいました~!shine

投稿: mugu | 2008年6月 5日 (木) 22時05分

H氏のスパイス図鑑、こないだ僕は「パクチーファラン」を検索していて行き当たりました。コレ面白いですよねー。

しかし別の検索から同じサイトに行き当たるとはなんだか「類は~」って感じです・苦笑

投稿: COCA-Z | 2008年6月29日 (日) 23時45分

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