ヘリコニア-2
Heliconia psittacorum の園芸品種たち
上の写真はシンガポール植物園のヤシエリアにあるヘリコニアのコレクションエリア。
花が咲いているのも咲き終わっているのもありますが、赤いホウの部分はかなり後まで色鮮やかに残るので、花がいつまでも綺麗に咲いているように見えて、熱帯園芸植物の中では彩りに使いやすいので、あちこっちの熱帯の公園や町に植えられています。
←ピンクのホウにオレンジの花。
ヘリコニアは日本の色々な本を見るとバショウ科と書いてあるのですが、朝日の「植物の世界」が採用している「クロンキストによる植物分類」ではオウムバナ科として紹介されています。ショウガ目は8つの科に分かれ、かつてのバショウ科がバショウ科、オウムバナ科、ゴクラクチョウカ科に3つの科に分かれました。
バショウ科と分かれた理由は、
葉っぱが2列に互生すること、
果実に少し(1~3個)の種子しか含まない
ことなどからなんだそう。
オウムバナ科のオウムバナはこのヘリコニア・プシッタコルムの日本名。
園芸品種が多いので、園芸品種名を調べるのが面倒だったので、「こんなお花だよー」で勘弁してください。
←赤いホウにクリーム色の花。
オウムバナ科は中央・南アメリカや南太平洋諸島に約100種あります。
さて、赤い大きなホウに、くちばしみたいなカーブの長い花。そして中南米原産。
何が浮かびますか?
そう!送粉者はハチドリ!!
種類ごとに違うハチドリの種があって、ハチドリちゃんのくちばしの長さやカーブに合わせて花の形が違うんだって。
左は咲いてるお花。受粉が終わるとこの花びらが取れて子房の部分だけ残っています。
ハチドリはホバリングが出来るので、鳥や虫がとまれるような場所はこの植物には用意されていません。
ハチドリと共に進化することで、確実に同じ仲間のところへ花粉を運んでもらえるようにしたんですねぇ。賢い!
受粉がきちんとされた子房はこんなふうに青い果実になります。
ご承知の通り、熱帯アメリカから遠く離れたシンガポールにはハチドリはいないので、替わりにサンバードが送粉を行っていますが、サンバードはホバリングが出来ないので、かなり苦労しているようで、実が青くなっているものの数は少ない感じがします。
サンバードちゃんはmayuriさんのブログのこちらへ。
この青い果実を運ぶのはもうちょっと大きな鳥かなんかなのかなあ。ハチドリは蜜を食べるし、ハチドリにとっては大きすぎますもんね。誰???
ヘリコニアの仲間は湿潤な低地の熱帯林に群生することが多いそうですが、このプシッタコルムちゃんの原種は中央アメリカ日当たりのよい開けた場所に好んで暮らしているんだって。
熱帯の公園の、ガンガンにお日様が当たる場所に、この子の仲間がよく植えられているのはそういうわけだったんですね。
オウムバナ科 Heliconiaceae
原産地:中央アメリカ
Common name: オウムバナ、Parrot Flower
←黄色のホウに黄色の花。プシッタコルムちゃんの園芸品種ではないかも…。(確信がもてないので最後に)
資料:朝日「植物の世界」 P10-200
「熱帯植物要覧」 P541
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コメント
とりあえず前述のヘリコニアの本で、園芸品種名を当ててみました。一番上:H.psittacorum 'Lady Di' 2番目:H.psittacorum'Suriname Sassy' 一番下の黄花:H.psittacorum × H.spathocircinata 'Golden Torch'
あと本当に憶測に過ぎませんが、オウムバナという名前は、プシッタコルム種より、ロストラータ種の方がふさわしいような気がします。
投稿: ふなこし | 2008年7月13日 (日) 14時33分