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2008年8月30日 (土)

タッカ パルマタ

Tacca palmata

この間、タシロイモ科の植物について整理をしたら、山東さんがすごーーい写真つきメールをくださいました。

パルマタちゃんの写真ですーーー!

パルマタちゃんの花の写真は日本の本にはもちろん載っていません。朝日の「植物の世界」に実の写真が載っているだけで、ネットの世界をぐるぐるしても全然見つからないの。

あきらめて実の写真が載っているサイトにリンクしたんですが…。

この写真たち…。うっ、嬉しい~~!!

「ブログに載せてみんなに見せてもいい?」

って聞いたら快諾してくださいましたーー!!!山東さん、ありがとう!!!

インターネットってこういう出会いがあるから嬉しい。うまく活用すれば、情報をみんなで共有できることが素敵ですね~。

以下、山東さんのメールの転載です。

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久しぶりにTOMさんのサイトを散歩していて、タシロイモ科の記事がきっかけで長い間名前のわからなかった植物の正体がわかりました。

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TOMさんがまとめられたうち、Tacca palmata を知らなかったのでリンク先をたどってみると、見覚えのある実の写真があり、過去の自分のファイルを探してみたら同じものがあったのです。

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仕事でインドネシアのゴムノキのプランテーションに出かけた際、その林床で奇妙な形の花を咲かせていた植物でした。

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タシロイモ科は全て ひげのような花のつかない花柄があるものだと思っていたのですが、Tacca palmataにはありませんでした。

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また、葉の形が、他のTaccaは広被針型なのに対し、切れ込みのある独特の形をしていました。

大きさもT. chantrieriやT.integrifolia よりずいぶん小さく、草丈が30センチ程度しかありません。

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正体がわかってから改めて見てみると、花の作りは確かにTacca chantrieriなどと同じです。名前がわかってすっきりできた御礼に、Tacca palmataの写真をお送りします。ありがとうございました。

撮影場所はインドネシア ジャワ島です。研究の関係で行ったジャカルタ周辺では、けっこうあちこちの林床に生えていました。

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山東さん、本当にありがとうございました。

タシロイモ科 TACCACEAE

原産地:タイ、フィリピン、ニューギニア島西部沖の島

タシロイモ科の仲間は湿った森の林床が好きなものが多い中で、季節的に乾燥する森の林床を好むのがこの子のよう。 山東さんが行かれたゴムのプランテーションの林の中は、林とは言っても開かれて風通しがよくなっていたのでは?そのためにこの子が好きな環境が林の中にできていて、けっこう沢山の株があったのかな?と想像しています。

民間薬としても使われることがあるそうです。

資料:朝日「植物の世界」P9-267

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2008年8月29日 (金)

タロイモ

Colocasia esculenta

バトゥ・パハへの道中で入った土産物屋に並んでいた野菜や果物たち。

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その中にあったのがこれ。
タロイモです。

シンガポールでよく聞く芋の名前といえばタロ芋とヤム芋

タロ芋は味からして漠然とサトイモの仲間なんだろうなあと思っていたけど、スーパーで見かけるのはこの形の芋。日本のサトイモとは根本的に違うものなのかなあ? どういう関係にあるものかなあ? と問題解決もせずにボーっと過ごしていました。

ちなみにヤムはヤマイモとかの仲間です。

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ハワイ魅惑の花図鑑 熱帯・亜熱帯の花1000種」のカヌープランツの1つとして紹介されていた中に「日本のサトイモは小芋を食べ、ハワイのタロイモは親芋を食べる」と書いてあって、さーーっと霧が晴れました。

芋の形がこんなに違うのはそういうことか。言われてみるとその通りで、見りゃわかるだろうに…と自分の頭の悪さを実感して。あーと頭を抱えたTOMでありました。。

朝日の「植物の世界」にはタロイモはサトイモ科の中の、芋が熱帯地域で食用にされるもの総称とあって、ということはクイワズイモ(Alocasia macrorrhiza)なんかもタロイモと呼ぶんだなと思ったんですが、「熱帯植物要覧」や「ハワイ魅惑の花図鑑 熱帯・亜熱帯の花1000種」ではタロイモの学名をColocasia esculenta としていました。ちなみにサトイモも学名は同じです。そんなもんだと思ってください。

タロイモは世界中の熱帯・亜熱帯地域で莫大な数の栽培品種が選抜、栽培されています。

でも栽培植物の例に漏れず、とーっても昔から人に栽培されているので、実際の原産の起源はわかりません。

野生種の生育は、日本からインドシナ半島、マレーシア熱帯地域の全域、オーストラリアにいたる広い範囲に見られると資料には書いてありましたが、そうは言っても、人間が古い時代に持ち込んだ可能性もあるようでそこが原産地かどうかはわからないって感じなんですね。

日本のサトイモ栽培は稲作よりも古い歴史を持つ と言われているけれど、これが今のサトイモと同じものかどうかは不明で、「栽培型サトイモと同様に、えぐみや有毒成分のある野生型サトイモやクワズイモ属も、食料として日本に持ち込まれたと考えている」と資料で吉野氏は書いています。

野生種地下茎は芋にはならないし、えぐくて毒があるけど、栽培品種地下茎が芋になるし、毒もないか少ない。栽培植物は人間の何千年にも渡る植物選抜の歴史だそうですが、どこでどうやって今のタロイモ、そして、サトイモになってきたんだろうね?バナナと同じで面白い題材だなあと思いました。

ちょっと混乱してきたので、ウィキぺディアのサトイモからコピペしてみました。上記の説明と微妙にずれる部分もありますが、要するに色々な説があるっちゅうことだなとでも思っておきましょう。

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サトイモ(里芋)は、サトイモ科の植物。学名は、Colocasia esculenta  Schott。マレー地方が原産と言われる。茎の地下部分(塊茎)を食用とする。また、葉柄は、芋茎(ズイキ)といい食用にされる。主要な品種は小芋系統(小芋が多数できる)の‘石川早生’品種群で,生産の8割以上を占めるとされている.他にズイキ用(葉柄利用)の‘赤ズイキ(八頭)’群や京料理に使う海老芋用の品種である‘唐ノ芋’,小芋系統で比較的耐寒性がある‘えぐいも’群,親芋(親芋が太り,小芋はほとんどできない)系統の‘筍芋’などがある。

熱帯アジアを中心として重要な主食になっている多様なタロイモ類のうち、最も北方で栽培されているものである。日本には縄文時代に伝わったとされる。山地に自生していたヤマイモに対し、里で栽培されることからサトイモという名が付いたとされる。栽培は比較的容易である。水田などの水分含量の高い重粘な土質で日当たり良好かつ温暖なところが栽培に適する。

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あと、ほおーっと思ったのはタロイモには2倍体と3倍体があり、日本のは3倍体だとか。

日本のサトイモ畑であの仏縁苞のお花を見かけないのはそのためだったんだねと変なところで納得したのはよかったんだけど、じつは違っていました。

松沢さんがコメントで、日本で花があまり咲かないのは気温が低いことが問題らしいと教えてくれました。サトイモの花って葉っぱの下のほうで小さくそそっと咲いているよう。だからTOMの目にはあんまり入らなかったのかもしれません。松沢さんのブログのサトイモのページはこちらです。見てみて!

サトイモ科 (ARACEAE)

原産地:東南アジア (なんてアバウトな…(笑) 

世界中で栽培されているのを示すように、熱帯植物要覧のCommon nameはこんなにいっぱい書かれていました。

Common name:  Arvi, Ghuiyam(インド), Mukhi kachu(バングラデシュ), Kiri-ala, Gahala(スリランカ), Talas(マラヤ、ジャワ), Peu-ak(タイ), Khoai so, Mon(ベトナム), Gabi(フィリピン) , Taro(太平洋諸島), Qulqas(エジプト) , Cocoyam(西アフリカ) ,Dasheen ,Eddo(西インド諸島), 芋(中国)

資料:「熱帯植物要覧」P535

    朝日「植物の世界」P11-89

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あと面白かったサイトの紹介。

ハワイでタロを育てた人のブログ。http://www.kooks.jp/doctor/cat29/post_24.php

「楽園マニア」より http://www1.plala.or.jp/maui/starch/taro.htm

ハワイの植物品評会(ブログ) http://mimi-kealani.at.webry.info/200710/article_21.html

タロイモの花が載ってますhttp://blog.livedoor.jp/honualohahawaii/archives/853733.html

タヒチの植物など色々http://www2u.biglobe.ne.jp/~manuia/tarozoom.htm

カウアイ島の植物に関するホームページ http://alohahanapepe.hp.infoseek.co.jp/indexpage/indexf.htm

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2008年8月27日 (水)

ドリアンのごみ

なかなかまとまった時間が取れません。なので、どうでもいい写真ですが…。

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バトゥ・パハで見て思わず撮ってしまった写真。なんてことはない、民家の外に捨てられたごみ。左のすみっこ。

ドリアンを食べたあとのごみが混ざってた。

マレーシアだなあって。

ごみにもお国柄がありますね。

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2008年8月23日 (土)

バツゥ・パハへの小旅行

2008年7月のシンガポール旅行では、ガイド仲間とマレーシアへ車をチャーターして遊びに行ってきました。

いつものごとく珍道中。笑いっぱなし。

帰ったら早速まゆりさんがブログにまとめてくれました。

これ以上はTOMには書けないので、マラッカのときと同じく、「人のふんどしで…」をさせていただいちゃいます。

まゆりさんのブログを普段読んでいない人は見てみて。

めざすはバトゥ・パハ

えっ、サボテン? ローズ カクタス

バトゥ・パハへ早く行きたい!

バトゥパハ(バトパハ)の街

最後は共に喜びの声?!

下は途中で寄ったおみやげ物さん。

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で、今日のお題にしようと思ったのは、このお土産屋さんにあったこの子。なんだか分かるかな。

と、この先を書いたんだけど、なぜか書いたもなぜか書いた記事が消えてしまったので、植物についてはまた次回。

ということで。

今回見れて嬉しかったサゴヤシの畑(?)の写真だけアップです。

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サゴヤシについては、こちらにまとめてあります

東南アジアではものすごくポピュラーなヤシと本には書かれているのに、都会になってしまったシンガポールではサゴヤシの畑は見かけません。

ボルネオ島でコタキナバルからキナバル山に向かうバスの中からいくつかそれらしいものを見かけたけど、写真は撮れなかったので、今回は車窓からの風景の中にそれらしきものがないかな?と何気なくアンテナをはってました。

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でもマレー半島南部はやはりアブラヤシの畑だらけで、ヤシはヤシでも見かけるのはアブラヤシとココヤシばかり。

と思っていたら、バトゥ・パハに近づいたあたりで何ヶ所か見かけることができました。

やはり民家に近いところ。だけど、規模は小さかったです。

ということで。サゴヤシ畑なんて見て喜んでるのはTOMだけだなあ、きっと。ま、いっか。

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2008年8月21日 (木)

タシロイモ科

Taccaceae

すみません~! 同じネタで何日も…。調べ出すと1日では終わらないのですぅ…。

タシロイモ科は1科1属。あるいは1科2属。資料によって違うのだけど、属も種もそんなに多くはないのは確か。

朝日の「植物の世界」に載っていたのを頭の整理用にまとめます…。

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タシロイモ科 Taccaceae

1科2属。 Tacca (タシロイモ属)…果実が液果になる (9種

       Schizocapsa(スキゾカプサ属)…果実が蒴果になる (1種のみ

分布域:西アフリカからソロモン諸島にかけての熱帯地域に分布。

        例外:Tacca parkeri だけが南アメリカ北部の熱帯に分布

生息環境:ほとんどが湿度の高い一次林の植物

        例外:タシロイモ Tacca leontopetaloides 開けた明るい場所を好む

            Tacca palmata  季節的に乾燥する林床を好む

民間薬として使われる種も多い。

主な種

タシロイモ属

タシロイモ Tacca leontopetaloides 旧熱帯全域に分布 明るい場所を好む

ブラックリリー Tacca integrifolia  インドのアッサム地方からボルネオ島にかけて(東南アジア赤道付近)の森の林床

ブラックキャット Tacca chantrieri  ブラックリリーと部分的に重なるがタイとかのもう少し北の方の森の林床

タッカ・パルマタ Tacca palmata  季節的に乾燥する森の林床 タイ、フィリピン、ニューギニア島西部沖の島

スキゾカプサ属

プランタギネア Schizocapsa plantaginea タイ、ラオス、ベトナムおよび中国南部の多湿の森林 (みのりさんのぺージにリンクと薬剤メーカーのページにリンク

資料:朝日「植物の世界」P9-267

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2008年8月19日 (火)

タシロイモ

Tacca leontopetaloides (Tacca pinnatifida)

今回は実際に見たわけではないので写真なしでGO。

ブラックリリー、つまりタッカの仲間は1科1属と言われていて、その科名は「タシロイモ科」。(朝日の「植物の世界」では2属10種としている)タシロイモと言うからには芋なんだろうけれど、TOMはスーパーとかでお目にかかったことも無いし、日本でブラックリリーみたいな奇妙キテレツなお花の植物が畑に植わっているのを見たこともない。

だから調べてみました。

まずはウィキペディア。でもタシロイモではなくて、ブラックリリーも含む「タシロイモ科」の記述。日本語でネット検索するとほとんどがこちらからの引用。なのでとりあえずコピペで紹介。(だってウィキはそのまま項目にリンクできないんだもん)

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タシロイモ科 (Taccaceae) は単子葉植物の科で、タシロイモ属(Tacca、ただし一部をSchizocapsa属として分けることもある)の31種ほどからなる。世界の熱帯に産する。

地下にはいも(根茎)があり、葉はサトイモ科のスパティフィラムなどに似て幅広く、根元から叢生する。花は6枚の花被をもち、茎の先に散状花序をつくる。花序は苞葉で包まれる。

東南アジア原産のタシロイモ(田代芋、T. leontopetaloides:中国名は「蒟蒻薯」)などは、いもからデンプンを採るために栽培される。田代芋の名は、これを台湾から日本に初めて紹介した植物学者、田代安定にちなむ。

またクロバナタシロイモ (T. chantrieri) は、ブラックキャット・バットフラワーなどの名(黒い苞葉とひげ状突起が、黒猫やコウモリを思わせることから)で観賞用に栽培される。

ヤマノイモ科に近縁である。

APG植物分類体系ではヤマノイモ科に入れるが、2006年現在は独立の科としている。

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とまあ、こんなん。イモを食べるんだ。やっぱり。田代芋のタシロは人の名前だったのね。

でもさ。シンガポールで食べたことないなあ…。

ハワイ魅惑の花図鑑 熱帯・亜熱帯の花1000種」ではカヌープランツの1つとして紹介されていました。

カヌープランツっていうのはこんなん。

上記資料のP48には「古くポリネシアンが風や潮の流れ、星を頼りにカヌーで初めてハワイへ移住した。そのときに持ってきた29種の植物が知られている。彼らは食料、医薬、灯火、繊維、生活用品の原料植物を計画的に持ってきた。」と説明がありました。

ふむふむ。で、食べるの??

救荒食料」…とある。

食べるけど…普段は食べないんじゃん!!

救荒食料ってのは飢饉のときに食べる植物。普段は加工が面倒だったり、毒があったりで食べないんだけど、食糧難がやってきて食べるものがいよいよなくなると手をつける食料として昔の人が自分達の周りに植えていた植物。

日本中の田舎のどこでも見かけるヒガンバナは3倍体でタネをつけないし、日本原産でもない。だけど、今みたいに日本じゅうに広がった理由として、救荒植物として広がったからという説があります。所変われば救荒植物は変わるので、シンガポールではクワズイモが昔ながらの民家跡にはどこにでも植えられていました。昔の人は本当にイザという時のための備えをちゃんとしていたらしい。偉いよね(今の日本にその施策はあるのか??国民として不安…)

で、ポリネシアンはタシロイモを救荒植物として導入したと…。

あ、なんか面白くなってきたぞ…。

塊根、つまり芋からデンプンが取れるので、英名では「ポリネシアン・アロールート」と呼ばれるそう。アロールートとはクズウコンのことでやはり芋を食べる植物。

で、TOMが見つけた中で一番良かったページがこちら。

http://www1.plala.or.jp/maui/starch/arrowroot.htm

親ページも良かったので、こちらも行ってみて。

このページにあった記述は「芋の肉質は、しっかりとして白い。苦味成分を含むため、擦り潰し、水に晒し、デンプンを沈殿させる作業を繰り返して、デンプンのみを取り出す。乾燥に強く、地味の貧弱な珊瑚島でもよく生育する。

あと、朝日の「植物の世界」には「タヒチのアロールート」とよばれ、デンプン材料として、かつては太平洋の島々で広く栽培されていた。偏球形の塊茎は、苦味と毒性のあるタッカリン(taccalin)を含有し、食用にするには注意深い処理が必要である。」とありました。

あ、やっぱり食べるのに結構手間がかかるんだね。だから普段はもっと加工が簡単なものを食べて、飢饉とか食べるものがなくなったときに食べるんだ…。納得、納得。

原産地は「分布域が広く旧熱帯の全域で見られる」とあり、「熱帯アジアや海岸の植物群落の中でよく目立つ」と資料にはありますが、昔から食べ物として利用されてきたようなので、実際のところの最初の原産地はどのあたりなんでしょうね?

タシロイモ属の果実は「肉質の液果」なんだそうで、そうだとすると、いくら海岸線に生えていたとしても、通常のマングローブ植物のように海の流れにのって運ばれて広がるタイプには思えないんだよね。だから人間が食料として広げたのかなと思うんだけど…。

で、果実についての記述がないか調べてみると、こんな記事をのっけてるサイトが。

http://pub.ne.jp/coerulea/?entry_id=613779

タッカ・シャンティエリ ( Tacca chantieri Andre, 1901 ) は優秀な個体で戦後型です。戦前型は、花が葉に隠れそうな感じで咲く。 オマケに、花の数が少ないんでつ。 多くの植物園で植えられているモノはたいがい戦前型。 昨今、販売されているモノはここ10年の間に東南アジア経由で国内に持ち込まれたモノ。 コヤツの果実は白い清らかな身にキウイの様な細かいタネが混じった感じで、とても甘い香りがします。ちゃうどアップルと蜂蜜を混ぜた感じかな? 味は割とサッパリしながらも甘かったです。毒があるかは知りません。一個喰っただけでは、オジサンはしにませんですた(笑)

とあって。爆笑。(勝手に引用してます。今から許可をもらいます~) 芋には毒があるが、どうやら果実は動物に食べてもらって運んでもらうタイプのように思えますねーー。

その他にタッカの育て方を書いたサイトを発見。

http://studio-gnome.net/Tacca.html

こちらにも「Taccaの果実は液状なので、乾くまではドロドロです。」とあります。

上記はシャントリエリについての記事ですが、果実に関してはタシロイモについてもそんなに大きな違いはなさそうです。

で、実際タシロイモってどんなん?って知りたくなったらこちらへ。英語だけど画像も多くてGOOD。残念ながら芋自体の写真は見つからず。ヤマノイモに近いと言うから、自然薯か長薯みたいなのかなあ…。

グーグルの画像集はこちら。変なのも混ざっているので要注意ですが。

タシロイモの葉柄からは繊維が取れて、帽子や魚網に使われるそうです。食料にも繊維にも使う…。とっても便利な、熱帯の植物らしーい子ですね。

資料:ハワイ魅惑の花図鑑 熱帯・亜熱帯の花1000種

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2008年8月18日 (月)

「1001」をネットで検索

タッカの仲間の Tacca nivea の学名はどうもちゃんとした学名じゃないらしいです。追加記事載せています。

閑話休題。

仲間うちでは「1001」と言えばみんな分かってくれるので。このブログ内でも面倒くさがって「1001」で済ませちゃっている本。正式な名前は

1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」(ISBN;981-04-9268-5)です。

シンガポールの環境省みたいなところ、National Parks Board が2006年に出版した植物の名前を知るための本みたいなので、写真がいっぱい。学名と一般名、原産地などが記載されています。これと同じ情報が載っているサイトがあります。

http://floraweb.nparks.gov.sg/

写真などは本よりも大きく見られるので便利。

またシンガポール原産の植物だけとかシーサイドの植物だけとかそんな検索をすることもできます。

お暇なときは見てお過ごしください。

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2008年8月16日 (土)

タッカの仲間

Tacca nivea

今回のシンガポール旅行では、まゆりさんの企画でラン園のガイドなんかもやりました。

そのときに国立ラン園のオーキダリウムで咲いていたタッカの仲間のお花がニベアちゃん。昔、ブキバトネイチャーパークの植え込みの中で、ブラックリリーにすごく似ているんだけど、ブラックリリーじゃない派手なお花が咲いていたことがあって、まさにその花。

いい機会だから調べてみました。

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日本でタッカの仲間といえば、ブラックキャットという名で親しまれているタッカ・シャントリエリ(Tacca chantrieri)が有名ですが、シンガポールの自然友の会的にはブラックリリーの方が通りがいいかなと思います。

そのお仲間のお花です。

ブラックリリーの特徴は2本ぴんと立ち上がったうさぎの耳のような2枚の白い苞。今回紹介するのはブラックリリーの花が全てにおいて大型になったような、派手になったような印象のお花です。

「1001」ではtacca niveaちゃんとして紹介されていました。ネットで調べるとホワイトバットフラワーとかホワイトタッカって名前で知られていたりするらしいです。

で、このニベアちゃん。形が派手なので園芸種かなと思っていたんだけど、どうもはっきりしない。

ネットで探してみても園芸植物として株やタネが流通しているだけで、本来の姿がどうとかいう情報はとうとう見つけられませんでした。

ニベアちゃんの生まれ故郷を知ってる人がいたら、どうかどうかTOMに教えてください。ペコリ。

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という質問をしたらF先生が

「T.nivea という学名が正規に発表されたことは一度もないですね。↓のサイトは100%信頼できます。

http://www.ipni.org/ipni/plantnamesearchpage.do

Tacca 'Nivea' の方がいいかも。」

とコメントを寄せてくださいました。

上記サイトで調べてみましたが、確かにありません。「なんちゃって学名」とても言うんでしょうか??ネットでは T.nivea  やT.Nivea と書かれているサイトが多くあって、混乱しているようです。また、タッカの仲間のタシロイモの情報がシャントリエリやニベアの情報として記載されていたりして、ネット情報の危うさをまたまた感じてしまいました。でも「1001」にもしっかり載ってるんだよ。

TOM的には、花は形はブラックリリー、葉っぱの色艶形はシャントリエリちゃんによく似ているので、両者を掛け合わせたものかななどと思ったんですが…。この子の素性をご存知の方、引き続き情報を求めていまーす。よろしくお願いいたします。ペコリ。

あと、ネットには nivea は integrifolia(ブラックリリー)のシノニムとしているものもありましたが…。

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タシロイモ科

原産地:今のところTOMには不明 (どなたか教えてください…)

Common name: Bat Flower, Bat Head Lily, Devil Flower, Devils Whiskers, White Bat Flower, White Tacca

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おまけ

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同じ日に、ラン園の中でこの日見つけたサンバードの巣。

かわいいお顔を出しています。 3

資料:「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」 P426

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2008年8月13日 (水)

松ぼっくり

マツボックリは松の木の実だということは分かりきったことなんだけど、マツの花ってあんまり見かけなかった気がするなあって思って、春はマツの花探しをしてました。

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花は春に咲きます。目立たないけど。

でも意識して見ていれば、あっちでもこっちでも咲いています。

マツは裸子植物なのでいわゆる被子植物のような花らしい花は咲きません。

左の写真の中に探せないでしょ。

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裸子植物は進化の過程の中では被子植物よりは古いタイプなので、送粉の方法もいたって原始的やたらめたらに花粉を作って風で運んでもらうという戦法で、虫とかを利用しないので、目立つ花をつける必要がないんです。

でも裸子植物の中でも一番被子植物に近いと言われるグネツムちゃんの仲間は虫の力を借りてるって言われてるけどね。(グネツム目比べの記事はこちら

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上はクロマツの雌花

左は雄花の若いのと若い葉っぱ。

雌花がてっぺんに、それも上向きに着いていて、遠くから(?)飛んでくる花粉をキャッチしようとしているよう。

裸子植物はメシベの柱頭とかがないので、受粉滴と呼ばれる水滴を出して花粉をキャッチします。雌花が咲いているように見えても、受粉滴が出ていなければ「お年頃」ではないということなのかな?

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熟してくると、ほらこんなに花粉が…。

今回、夏のこんな時期に春のマツの花をアップしたわけは、面白いことに気がついたから。

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春、花が咲いていたのを確認して、ずっと観察していたマツボックリの赤ちゃんがあったんですけど、ずっと見ていたら上下の向きが変わっていた…という…。

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雌花はね。こんなふうに上を向いているの

数ヶ月間見ていたら、だんだんと下向きになってきたの。

おおーー、タネを飛ばす準備をしているんだな。

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シンポエアーというシンガポールのお花が、お花が咲くときには黄色の色で下向きに咲いて、甲虫に受粉を手伝ってもらい、タネを運ぶのは鳥に手伝ったもらうので、鳥たちによく見えるように上向きに赤い実をつけます下向きから上向きに開花の直後から、タネができるまでに花柄が動くのです。

面白いなあと思っていましたが、「なーーんだ。日本の身近な場所でも植物達は同じようなしてるんだ~」と気が付いて面白いなあって思った次第。灯台下暗しとはこのことですねぇ。

まつぼっくりですが、4ヶ月たってもこんな状態。じゃ、よく見るマツボックリにはいつなるんだろう??

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こちらは去年の7月に撮った写真です。このくらいまで育っていれば、次の秋までに、タネを飛ばすことが出来そう。つまり、春にお花が咲いて受粉して、翌年の秋にマツボックリの傘が開いてタネが飛ぶ…。1年半!!

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ふつうの花が咲く植物と比べると相当ゆっくりですねー。

マツの仲間達が幅を利かせた古きよき時代ののんびりまったり時間の名残なのかな?って思うと愉快な気分。

みなさんはどう思うかな?

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2008年8月12日 (火)

小さな生態系

シンガポールから帰り、間髪いれずに お墓参りもかねて宇都宮、日光、奥日光を巡り、お盆に突入です。

暑いですねー。

我が家のお庭の植物達もさすがに雨が少ないのでお疲れモードです。(鉢物以外は水をやらない厳しい母なので)

TOMんちのお庭は玄関前とリビング前にちょびっと。
でもけっこう緑を楽しんでいます。

こちらはリビング前。(前の記事はこちらこちら

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春は窓を開けて風を楽しみつつだったけど、今はパーゴラにすだれを乗せて日よけをした上で、窓を閉め切ってクーラーをつけちゃって、緑を眺めています。シンガポールで屋内ではクーラーの中にいる…という生活に慣れてしまったせいか、はたまた日本にいなかった5年間の間にますます日本が暑くなったのか、クーラー無しで頑張れない…。

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セミがよく飛んできて、ないています。うるさい…。玄関前には抜け殻もコロン…。
鳥もよく飛んできます。
今はエゴの木に青い実がなっているのですが、今のところは実ではなくて虫を探しに来ているらしく、口にけっこう大きな蜂をくわえているところを見ることができました。蜂をくわえていたのはヒヨ。
春は小さな鳥が結構多かったのに、季節が変わるとやってくる虫も鳥も変わってくることを今年発見しました。

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チョウはどちらの庭でもよく見ますねぇ。大きいの小さいの。
リビングからぼーっと外を眺めていると、ヒラヒラとチョウが舞っていくのですが、先日は玄関前でアゲハ(キアゲハ?どっち?)が交尾をしていました。ちょうどご近所のお母さんと男の子が通りかかったので、「見てって~~」と声をかけてしまいました。

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そしておととい。「あれ?」
イタリアンパセリにキアゲハの幼虫が。色々な大きさがいます。夫が数えたら5匹。時間差で生みつけた??

←一番右の緑色がイタリアンパセリ

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あまり大きくない鉢に植え付けたイタリアンパセリなので、株もそれほど大きくありません。娘を呼んで「キアゲハちゃんがいるよー」と伝えたら、「このパセリの大きさで5匹育つのに間に合うかなあ」と心配顔。「気持ち悪い~」「捕っちゃって!」ではなくて、キアゲハちゃんの成長の心配をするところがTOMの教育の賜物ね。よく育ったものだ…とちょっと満足したTOMなのでした。(そうして日々葉がなくなっていくイタリアンパセリ…哀れ…)

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クモも多いし、カマキリも例年見かけます。カナヘビもいるよ。
アブラムシもつくけど、バラの残したい枝だけ植物性の原料のスプレーで対処。あとは放置。
テントウムシの幼虫もよく見かけて、「ありがとーー」とお礼。
害虫と呼ばれる虫達を捕食してくれる虫達のおかげでそこそこいい感じで植物達は生き残っています。
今は小さめのバッタがちょっと厄介者かな。

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小さな小さな庭だけど、生態系の一部になっていることを毎日感じさせてくれます。
トトロの森と呼ばれる森からは歩いて20分くらい。
そこからやってくる子達(鳥や虫)も中にはいるのでしょうね。
お庭の小さな緑をたどりながら、遠くまで出張。って感じかな?
緑がなくなってしまっている住宅街だけど、小さな緑を大切にすることで、虫や鳥やトカゲちゃんなどは命をつないでいくことができます。

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日本に帰って1年半。ようやくこれから作っていきたいお庭の方向性が見えてきたような気がします。

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2008年8月 3日 (日)

トッテア

Thottea grandiflora

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ウマノスズクサが話題にのぼったので、同じウマノスズクサ科のトッテアちゃんを紹介。

シンガポールの自然保護区、マクリッチ自然保護区を歩いていると、暗い森の中に高さ1mくらいの潅木があって、よーく見てみると、トッテアちゃんのお花が咲いています。

葉っぱは毛が生えていて分厚くて長さ20cmくらいもある大きなもので、ちょっと葉をよけて下をのぞくとこの不思議な模様の花がいるんです。

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下向きのお花がいくつかまとめてくっついていて、表側は血管みたいなスジ。大きさはけっこう大きくて長さは10cmくらいもあります。

中をのぞいてみると濃い紫色。

どう見ても、色で虫を呼ぶタイプじゃないよねーー。

ぱっとめくってもオシベ、メシベは見えません。

どこだ??

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あった、あった。

一番奥。

なんか面白いよ!この形。

上に出ている濃い紫色のものがメシベ、オシベはその裏側にあります。

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あ、この構造、ウマノスズクサちゃんと同じだーー。お花や葉っぱの形は全然違うけど、生殖にかかわるカンジンな部分はやっぱり似ているんですね!

花茎側から見た写真。オシベの葯の黄色がなんとも可愛いですね。ふつうの花のようにオシベが上向きではなく、花柄に向き合うように着いているところが面白い。

こんなオシベ、メシベでどんな虫にどんなふうに受粉を手伝ってもらってるんでしょう? やっぱりトラップタイプなのかな? 偶然着くって感じじゃないですよね~。

4

実(み)はウマノスズクサちゃんとは全く違って、マメのさやみたいに細長いのが着きます。長さ12cmくらい。写真がボケボケのしか見つからなくてごめんなさい。絶対にいい写真があるはずなんだけど、見つからないの。見つかり次第、置き換えますのでご勘弁!

花弁みたいに見えるのはウマノスズクサちゃんと同じようにガクなのかな。ガクらしいものが見えないもんねぇ。花が咲いているときには花柄みたいに見えるところが子房のようです。

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ウマノスズクサ科には6属600種があり、最大なのがウマノスズクサちゃんが属するウマノスズクサ属、あとカンアオイ属などがあり、トッテア属は6属の中の1つ。

トッテア属はマレー半島を中心にスマトラ、ボルネオなどの島々とそれらの周囲に約26種が分布しているんだそうです。

やや暗い林床に生育して地面に近い部分は木化して低木状になる種が多いのだそうで、このシンガポールのトッテアちゃんもその1つですね。

とにかく葉っぱの色も、ましてや花の色も森の中では目立たず、知っていなければ花に気付くこともできないだろうトッテアちゃん。

マクリッチに行ったらぜひお探しあれ!!

ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae

原産地:シンガポール

Common name:Purple Thottea , Seburut ,

資料:朝日「植物の世界」P9-35

    「101 Trees of MacRitchie」 P98

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2008年8月 2日 (土)

ただいまー

日本に帰ってきました。

シンガポールはあっちもこっちも工事だらけ。

1年前とは風景が変わっていました。でもいっぱい楽しんできたよ。まったりゆっくり。

ところでPCの状態がよくなく、アップができるかどうか不安な状態です。

突然行方不明になったらPCの具合と思ってくださいませーー。

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