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2008年10月15日 (水)

秋明菊 考-2

Anemone hupehensis var.hupehensis

まずは交通整理です。

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シュウメイギク A.hupehensis var. japonica 秋明菊と書き、キクのような花を秋に咲かせ、京都の貴船山でよく見られたことから「貴船菊」の名もあります。」

というのが、よくあるシュウメイギクの説明。朝日の「植物の世界」ではさらにこんな説明が続きます。

「多年草で高さは1m以上にもなり、9~10月に紅紫色で直径5cmほどの花をつける。
本州から九州で普通に見られ、中国にも分布する。日本のものは古く中国から渡来したものと考えられている。」

基準変種のアネモネ・フペヘンシス・フペヘンシス var.hupehensis 中国中部や西部(四川省など)に分布し、シュウメイギクとは異なり一重咲きで直径約1.5cmの球形の集合果をつける。」

TOMのうちにいるシュウメイギクちゃんは一重のこの写真のタイプで、ずっとこのタイプがシュウメイギクなのだと思っていましたが、今回調べていて、本当のシュウメイギク、キブネギクは八重なのだということがわかりました。八重の子の写真はウィキのシュウメイギクのページを見てください。

八重のタイプは実をつけないので(ということはタネによる散布ではなく、栄養繁殖でこれだけ増えた??)、中国から花が美しいとかの理由で日本へ運ばれ、そこから人の手によって増えていったのでしょうね。

今、私たちがシュウメイギクと思っている一重の子は、じゃあ、いつ頃から日本へ出回るようになったのでしょう? 意外と最近のことなのかもしれません。

ネットではこの辺のことが混乱しているようで、一重の写真でシュウメイギク、学名をA.hupehensis var. japonica としているサイトが多いので、気をつけてくださいね。一重の子はA.hupehensis var.hupehensis で、八重の子がA.hupehensis var. japonica ですよー。で、var. japonica なんて言ってるけど、帰化植物です。

だからと言って、今出回っている一重の子は「シュウメイギクじゃない」なんて言うつもりはありません。一般名なんて時代とともに移り変わるもの。現在、多くの人が一重の子をシュウメイギクと呼ぶのならそれでいいんじゃないかなと思います。でも学名はちゃんとしてほしい…。

で気になったのは、「一重の子は結実するが、もともと日本にいた八重の子は結実しない」という部分。

そう言えばシュウメイギクの実って覚えがない。

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ガーデニングの世界では「花が終わったら花殻をまめに摘みましょう」が常識。シュウメイギクは高さが1m以上にもなるので、けっこう暴れます。花が終わったら下からバサって切るのがガーデナーのお仕事よねなんて思っていたから、実が成るまで残したことなんてありませんでした。どんな実がなるんでしょう?

シュウメイギクの実で検索しましたが、見つからず、同じアネモネ属の仲間で再度トライ。こんな素敵なブログにたどり着きました。写真のツボがTOMと似てる…。思わずこちらのブログで際限のない旅に出てしまいましたぁ。アネモネ属の仲間のアネモネの実はこんなふうになります。

http://wapichan.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/post_ecf0.html

シュウメイギクはどんな実がなるのでしょう?今年は頑張って観察したいと思います。

また長くなってしまったのでシュウメイギクが「古代植物の生き残り?」の話題はまた次回に。

資料:朝日「植物の世界」P8-262

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