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2010年3月14日 (日)

ジロニエラ

Gironniera nervosa (synonym Gironniera subaequalis )

ジロニエラはシンガポールではマクリッチなど二次林でよく見かける木。ブレアロードさんの質問に応えてアップ!

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葉っぱが分厚くて、毛むくじゃらで、おまけにその葉っぱが妙にゆがんだ感じで、一度覚えたら、TOMの脳みそでも覚えていられる特徴を持っています。

左の写真が落ち葉の裏を撮ったものだんだけど、左右が対象じゃなくて、なんとなくゆがんでいるでしょ?

面白いよねぇ。

ジロニエラと言えば、思い浮かべるのは下の写真のようなオレンジの実。メシベの跡が実の先にちょろっとついたままになっていて、いかにもおいしそう。色からすると鳥とかが食べるんでしょうねぇ。

葉っぱの裏も表も細かい毛が生えていて、裏を見ると、木についているときは白っぽく見えます。

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そして新葉はもっとかわいかった…!!

熱帯の例にもれず赤っぽいのだけど、おまけに白い毛でおおわれていて、こんなふう。

かわいいーーー!!!2

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若い実はこんな感じ。

お花は写真が残っていないけど、目立つものではないと思います。

ニレ科エノキ亜科の中の1属で、ムクノキモドキ属とも言うらしいのでムクノキに似ているとすればこんなに地味~~。(写真は拡大してるけど、実際は1つの花が5mmもない超ミニサイズ。雄花は花っぽい格好をしているけど、雌花は写真の上の方に写ってる2本のひげみたいなのが出てるやつじゃないかと思う。まったく目立たないが、しかしTOMのツボにはハマってる…)

そんな花が人知れず咲くので、TOMたちはほとんど花は見たことがなかったのだけど「101 Trees of MacRitchie」には、雌花の写真は載ってます。ごらんあれ。さすがMさん!!

この青い実がオレンジになります。

葉っぱはブレアロードさんによるとコムラサキの一種の食草なんだって。こんな固そうなのを食べるんだ…。

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詳しい情報は前回の記事の英語文を参照してください。そのうち訳します…(汗!)

ジロニエラはシンガポールでは二次林の遷移が進んできたときにあらわれてくる植物なんだそうです。以前書いたブキバトの記事にもちょっとだけ触れています。

ニレ科 ULMACEAE

Common name : Common Rough Laurel

原産地:Malaya

参考資料:「1001 Garden Plants in Singapore」 P609

「101 Trees of MacRitchie」 P58

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2010年3月13日 (土)

Gironniera subaequalis って?

blair Rd さんからこんなコメントをいただいたので調べてみました。

Tomさん、お願いがあります!シンガポールの植物で、Gironniera subaequalisという木を見た事、ありますか?

いろいろ、調べているのですが、なかなか見つける事ができません。

コムラサキの蝶の一種の食草です。

文献では森林によく見る事のできりエノキと同じ仲間の植物らしいのですが。

ジロニエラという名前はよく聞いたことがあるものだったので、「101 Trees of MacRitchie」をまずは見ると、Gironniera nervosa はすぐに見つかりました。シンガポールの新しい文献でジロニエラと言えば、まずこれで、そのほかのジロニエラ属は出てきません。

古い文献にはsubaequalisはあったので、nervosa のsynonym(同じものの名前の別の学名)ではないかと思って調べたのですが、文献では見つけられず、ようやくFlora of China というサイトでこんなページを見つけました。

http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=200006315

1. Gironniera subaequalis Planchon, Ann. Sci. Nat., Bot., sér. 3. 10: 339. 1848.

白颜树 bai yan shu

Gironniera chinensis Bentham; G. nervosa Planchon var. subaequalis (Planchon) Kurz.

Trees, 10-20(-30) m tall, d.b.h. 25-50(-100) cm,dioecious.

Bark gray to dark gray, smooth.

Branchlets yellowish green or brown, covered with hirsute hairs.

Stipules opposite, lanceolate, 1-2.7 cm, abaxially strigose.

Petiole 4-12 mm, strigose; leaf blade elliptic to elliptic-oblong, 10-25 × 4.5-10 cm,

leathery, abaxially green,scabridulous, and with appressed hairs on major veins,

adaxially pale green and glabrous,

base ± symmetric, margin bluntly serrate or subentire,

apex shortly caudate-acuminate; secondary veins 8-12 on each side of midvein.

Rachis sparsely strigose.

Male inflorescences highly branched.

Female inflorescences racemose. Male flowers: ca. 2 mm in diam.,

tepals and anthers strigose.

Infructescences with 1-5 drupes.

Drupes subsessile or short-stalked,

broadly ovoid to broadly ellipsoid, 4-8 mm in diam.,

laterally compressed;

perianth and style persistent;

endocarp reddish orange when mature, with 2 obtuse ribs.

Fl. Feb-Apr, fr. most of the year.

Valleys, beside streams; 100-800 m.

Guangdong, Guangxi, Hainan, Yunnan [Cambodia, Laos, Malaysia, Myanmar, Thailand, Vietnam].

The wood is used for furniture and other purposes,

the bark fiber is used for manufacturing staple rayon,

and the leaves are used medicinally.

あーーん、要所要所に普通の英語の辞書にはない、植物用語があって、すぐには訳せない~(涙)

まあ、要するに、Gironniera nervosa のシノニムってことでいいんだよね。

でもって中国では、流れのある谷間、それも100~800mの標高の場所にあるんですね。

中国以外では、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナムなど広く分布しているということなんだね。

木材は家具やその他の用途に使われ、樹皮の繊維はレーヨンに加工され、葉っぱは薬に使われるんだ。ほお。

長くなってしまったので、植物の写真は次回に…。

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