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2010年12月 2日 (木)

世界最大級の花序を持つ植物 Corypha lecomtei -3

Corypha lecomtei

3回目。 1回目、 2回目はこちらです。

山東さんからのコメントにはこんなのもありました。

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また、タイでは、この実の半透明の胚乳部分をシロップ漬けなどにして、そのままデザートとしたり、カキ氷の具として食べられています。食感は、ナタデココを少し柔らかくした感じです。

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ニッパヤシのアタップシードの方が、タイではよく見かけます。

おそらく供給可能な量がCoryphaの場合は限られているからだと思います。食感は同じような感じです。芯の固めのグミって感じですかね。

シンガポールのアイスカッチャンと同じ類のデザートがタイにもあり、その中にニッパヤシのアタップシードをトッピングで入れることができます。

それ以外にも、サトウヤシ(Arenga pinnata)の実も同じように食べられています。

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ここに書いてあることからもわかるように、シンガポールではニッパヤシの実からつくられたアタップシードをデザートなどに入れてよく食べました。缶詰なんかもあったかな??(記憶が定かでない…)

同じような感じなんですね。

写真も送ってくれました。本当だ。アタップシードそっくり。

S1006130080

一生に一度しか実を着けないので、実がなると株は枯れていきます。

Sb_2

実生の苗。これがいったい何年たったら、次のお花が咲くのでしょう?熱帯の植物って1年、2年という単位で無く時間が過ぎている…というのもこんなときに感じます。

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さて、この子は原産地がタイのようで、面白い記事を見つけました。

話がすごく飛ぶようですが、西遊記で有名な玄奘三蔵が持ち帰った経典は今のような紙に書かれたものではなくて、ヤシの葉っぱに書いて紐で通したものだった…という話を聞いたことがあります。なるほど…じゃあ、大量の経典を持ち帰るのも大変だったろうなあなどと思って記憶していたのですが…。

ふつうはタリポットパームやパルミラヤシの葉っぱ(同じように掌状葉)でつくられると書かれたりしていますが、タイではこの子の葉っぱを使っていたのでは?という記事を見つけました。

http://www.bangkokshuho.com/archive/1997-2000/articles/rasen/rasen912.htm

「紙が使われる前、タイではバイラーンと呼ばれるヤシの葉が書写材料で、教典、占い、病気の治療など日常生活に不可欠な事項をこれに書かれていた。日本では貝多羅葉と呼ばれている。

この原料ヤシは、これまでタイ語でターンと呼ばれるサトウヤシ(パルミヤヤシ)と、ラーンといわれるタリポットヤシだといわれていた。しかし、よく調べてみると、タリポットヤシはタイでは自生せず、この種のものはインドやスリランカからの輸入品であり、寺に植えられているだけだという。輸入種をタイではラーン・ワット(寺のラーン)と呼び、自生しているものをラーン・パー(森のラーン)と名付けて区別している。自生種は学名でCORYPHA LECOMTEIという。」

…だそうです。へぇー。地元の暮らしに密着していた感じがわかると、より植物がかわいく感じますね~。

バイラーンについて書いてあるページもみつけました。こっちは同じコウリバヤシの仲間のウタンちゃんが原料としてありますね。

http://www.geocities.jp/lanna_thai_chiangrai/bailarn/bailarn.htm

この子から作ったバイラーンの写真。

http://home.hiroshima-u.ac.jp/shoyaku/photo/Thai/021206Corypha2.jpg

親ページはこちらです。http://home.hiroshima-u.ac.jp/shoyaku/index.html

つくづく人の文化は植物との関わりなくしてあり得ないのだなと思いました。

貴重な写真を送ってくださって、山東さん、ありがとうございました!!!!!!

ぽちっ。多謝

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