Adenanthera pavonina
シンガポールで子ども達が一生懸命集めるのがサガの実です。○個集めると幸せになれると言われています。これが100個だったか1000個だったか人によって違うことを言うので正しいのがどっちなのかわかりません。でも集めて赤いきれいな実を見つけているとそれだけで幸せな気分になれるのはTOMだけではないと思います。
高さが25mにもなる高木で(時には40mにもなることもあるそう)、公園や街路樹で時々見かけます。その下に行くと、落ちているきれいな実を拾うことが出来るわけ。
写真はシンガポール植物園のバンドスタンドの近くにあるヘリテージツリーにも指定されているサガの木。樹名札が付いているのですぐに分かりますよ。でも植物園はすぐに掃除をしてしまうので、ここではあまり沢山は実は拾えません。
実のサヤが目立つのでお花を忘れがちですが、一見するとマメ科の花らしくないお花を咲かせます。と言っても1つ1つの花は小さいのでマメ科らしくない様子を見るのも一苦労。
遠くから見るとこんな感じ。右上に黄色っぽい棒のようなものが見えますか?これが花序です。小さなお花が沢山まとまってくっついているのでこんなふうに見えます。
緑の葉っぱの中に茶色の塊みたいに見えるのがサヤがはじけてくるくるっと丸まったものです。
落ちていた花をノートの上に置きました。小さいでしょ。
たまたま近くで写真が撮れるような位置でお花が咲いているのを発見。狂喜乱舞して写真を撮りました。花序はこんなふう。
お花1つはこんなふう。面白い!!こんなに小さいのにマメの元がちゃんとマメの格好をしてあるよー。(メシベの根元の子房の形ね。)
受粉が完了するとこのお花1つ1つがマメのサヤになります。サヤがまだ青くてぶら下がっている時は本当にサヤエンドウみたいなマメみたい。
でも中の実が熟してサヤが茶色になると、サヤがくるんとはじけて赤いかわいい実を飛ばします。落ちていたサヤを拾ってきましたよ。実がまだくっついています。
資料の本には「葉っぱは野菜として使われる。ジャワではローストしたマメをご飯と一緒に食べる。大豆と似た味。未熟なマメを食べると中毒を起こすと言われている。」とあります。
一説には猛毒と書いてある本もあるというのを聞いたことがあって、混乱しそうなので、ちょっとよく「熱帯植物要覧」を読んでみました。
サガ自体には上記のように未熟なものを食べるとおなかをこわすよ…という記述はあっても「猛毒」という説明は見られませんでした。TOMたちがアカクロサガ(Adenanthera bicolor)と呼んでいる、サガの近縁の木があります。木の感じや葉っぱの感じ、実の形までよく似ていて、シンガポールの森の中などに自生する木です。ただ、実の1/3黒い色をしていて、そのために「アカクロサガ」と呼ばれているわけ。(本にはナンバンアカクロアズキという和名が載っていました)で、そのアカクロサガの項に「根は猛毒」とありました。でも実についてはなんの記述もありませんでした。結論として、サガの実が猛毒という記述はどこにも見つけることができなかったし、食べてもいいよ…と書いてあるので、猛毒ってことはないんじゃないかな…と。(だからと言って食べろと進めているわけではないですけど)
サガについては他にも用途はいっぱい書いてありました。薬にもなるし、材木としてもよく使う…と。詳しいことが知りたい人は下記の資料を自分で読んでね。
サガの実は重さが均一なので、昔、金の重さを量るのに使われていたそう。サガという言葉はアラビアの金細工士を指す言葉に元をたどることができる…と資料には書いてあったような…(英語なのでちょっと自信がない)
葉っぱは羽状複葉。1枚の小葉は長さが3cmくらいってところかな。
マメ科 Leguminosae
原産地:インド、中国南東部、東マレシア~モルッカ諸島
Common name: Saga , Circassian bean , Red Sandalewood Tree , サガ、サガノキ、ナンバンアカアズキ
資料:「Tropical Trees And Shurubs」Wee Yeow Chin P119
熱帯植物要覧 P148
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