Musella lasiocarpa
バナナの花は普通、遠くから見ると赤く見えます。(左の写真。コレは今日のタイトルのお花ではありません)
本当の花は黄色なんですけど、花を包む包(ほう)の部分が赤色をしていて、遠くから見ると「赤色」って感じなのです。
でも。シンガポール植物園のジンジャーガーデンはバナナを含む「ショウガ目」の植物をコレクションしてあるエリアなんですが、先日ガイドをして歩いていたら、黄色の包のバナナを発見。「何だ?これ?」ガイド中はカメラを出すのはぐぐぐっと我慢。後から戻って写真を撮ってきました。
でも名前がわからなーい!って思ってたら、chisakaさんが教えてくれました。ありがとー!
学名がわかったので早速検索。おおー、出るわ出るわ。日本の熱帯植物園にも出回ってるくらいだから、今が流行の花なのねー。普段、ちっともヒットしなくてぐっすんしていることが多いので、ウハウハのTOM。中でも一番面白かったのはコチラでした。
下の写真は雄花の写真。
ここや、あちらこちらのサイトでいただいた情報を簡単に…
ムセラは雲南省の南西部に特有の植物で、冬場はとーっても寒くて凍ってしまいそうな標高2500mまでの高い山で育つものなんだそうです。かつては地元の仏教徒にとって神聖な花のひとつだったんですが、気候が厳しい時期の食料として人や家畜に食べられて、今ではとーっても少なくなってしまいました。でも、このサイトの会社だかなんだかが、ミャンマーとの国境に近い仏教の僧院の庭で標本を見つけ、これを繁殖するのに成功し、販売することができるようになった…みたいなことが書いてありました。
TOMは勝手に「バナナだー」と言っていましたが、学名が「Musella」で、バナナの「Musa」と違います。でも近いよね、どう見ても…って思っていたら、昔は「Musa lasiocarpa」とされていたんだけど、最近、1属1種で「Musella属」とあらためて分類されたんだそうです。やっぱ、バナナに近いじゃん。
花を見たときに「絶対バナナの仲間だー」って思ったので、雌花が咲いていたはずのところに実があるかも…と思ってめくってみました。
ありましたよー。小さな平べったいバナナの赤ちゃん。かわいいでしょー?「食料にされて少なくなってしまった」…なんて書いてあったから、これは熟れたら食べられるの?うーん、どうなんだろう?
2500mもの高地に育つものなので、寒さには強いようです。日本でも育つバショウの木は熱帯中心のバナナの仲間の中でも一番寒さに耐えるものなんだけど、おんなじくらい「寒さに強くてすごいぞー」ってありました。
原産地ではせいぜい30~60cmの高さにしか育たないようですが、「ヨーロッパの温室で栄養たっぷりで育てたら2mにもなったよ」という報告もありました。シンガポール植物園のはせいぜい1mってところでしょうか?
英名のゴールデンロータスの名前は、つぼみの時の花の形がハスの花に似ているからなんだそうです。和名のウンナンチユウキンレン(雲南地湧金蓮)は、意味を考えるとスゴイ名ですねー。「地面から湧き出る金色の蓮」ですかー。
日本のあちこちのサイトには300日も咲き続けると書いてあります。でもコチラのページには「最初の花から6ヶ月経ったときに実ができた。(写真もアリ。注目!)でも花はそれから6ヶ月も続けて咲き続けた。多分、一番長く花が咲き続ける植物だろう。」なんて書いてありました。300日じゃなくて365日、1年じゃん。…つまらない突っ込みでゴメンなさい。
私達には全くなじみがない花ですが、仏教の神聖な花として親しまれてきたために、仏教寺院にはこの花をかたどった飾りが作られていたりするそうです。
バショウ科 Musaceae (単子葉 ショウガ亜綱 ショウガ目)
原産地:中国雲南省南西部
Common name: Golden Lotus, Chinese Yellow Banana, Dwarf Banana 、ムセラ・ラシオカルパ、 チャイニーズイエローバナナ、 ウンナンチユウキンレン(雲南地湧金蓮)
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