カテゴリー「Db:二次林」の記事

2006年12月18日 (月)

プルヌス

Prunus polystachya

先日、チェンペライトレイルのチェンペライを紹介したので、今日はプルヌストレイルのプルヌスを紹介します。

3_69

2_86

プルヌスというのはこの植物の属名。Prunus属には、杏や桃、プラム、梅、桜などが含まれていて、じつは私たちにもおなじみの植物たちのお仲間のようです。

実を見て!梅の実みたいでしょ。大きさもそんな感じ。

お花は写真が撮れていないのですが、梅のお花の花びらをぐぐぐっと小さくして変わりにオシベをもしゃもしゃにしたような感じ。だから一見、梅や桜のお仲間の花とは思えなくて、フトモモ科の花のように見えたりします。言い忘れてました。花びらもオシベも白い色をしています。

4_52

面白いのは葉っぱ。葉っぱの付け根のところが2つ、1~2mmくらいの大きさでブクっと膨らんでいる のです。街路樹とかで見る木ではなくて、マクリッチなどの二次林でよく見かける木なので、木を見分ける時は落ちている葉っぱを見て判断することが多いのですが、このポッチを見つけたら一目瞭然。葉っぱは長さが15cm~20cmくらいかな。落ちてるのはこんな濃い茶色をしています。

5_51

6_41

何でこんなポッチが付いているのかなぁと常々不思議に思っていたら、ある時、こんなふうにアリがいっぱいポッチのところに群れているのを発見。人に聞いたら「いつもアリがいるわよね」とのこと。「何かここに美味しいものがあるに違いない!」TOMは思って、パチっ。何かあるように見えませんか?ここからある種の蜜みたいなものを出しているんじゃないかなあ。どうでしょ?

7_28

植物がアリを呼び寄せるときには何かしら理由があるのですが、プルヌスちゃんの場合、アリを葉っぱの付け根から出る甘い汁で誘って、他の葉っぱを食べる虫などから守ってもらっているんでしょうか?

プルヌストレイルにある、プルヌスについて書いてある説明版は、この子のことを「ローカルプルヌス」と呼んでいます。ここには、「シンガポールのプルヌスは人間にとっては美味しいフルーツではないけれど、オナガザルなどにとってはよい食料となる。そして、彼らがプルヌスのタネの運び役をしてくれている」と書かれています。食欲を誘うような香りを出して、オナガザルを誘うらしいです

アリに蜜を提供して葉っぱを守ってもらい、サルを香りで誘ってタネを運んでもらう。花粉は誰に運んでもらうんでしょ?小さなハチかしら?こんなふうに動物と…1対1ではなく、色々な動物を利用、利用されつつ生きている熱帯の森の動植物たち。複雑に絡み合う関係の一端を見たような気がしました。

バラ科

原産地:シンガポールのあたり

Common name : Bat's Laulel ,Prunus 、プルヌス、バッツローレル

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

| | コメント (0)

2006年12月15日 (金)

チェンペライ

Champereia manillana

4_50

マクリッチ自然保護区の中にはたくさんのウォーキングトレイルがあります。幾つかのトレイルにはマクリッチで見られる植物の名前が付いているのですが、その1つがこの子、チェンペライちゃんです。

6_40

正直なところ、いっぱいあるけれどもあんまり 特徴がなくて思えられない植物の代表格。葉っぱに地衣類でもくっついているのか、ほとんどの場合ちょっとすすけたような感じの葉っぱをしていて、きれいって感じでもなくてなかなか覚えられない木の代表格。

5_50

高さ10m足らずの低木で、シンガポールでは二次林の中でよく見られる木らしいんですけどねぇ。

唯一目立つのは、実。実が熟してくると、オレンジ色になってきれいです。実は地中海地方原産で有名なオリーブの実を少し小さくしたような形をしています。

2_84

3_67 

花はこんなのが咲いていました。小さな小さな5mmに満たないお花が集まった花序です。

資料によると雌雄同株だけど、雄花と雌花は別々の花序に咲くと書いてあります。

コーナーさんの本には雄花と雌花の絵が描いてあって、この写真の花序は雄花の花序のよう。

雌花はさらに一回り小さく、花びらが開くようなたぐいの花ではなく、子房だけがある…ような格好をしていました。

1_89

拡大。おおー、かわいい!

雄花だから真ん中のポッチは両性花だったときの名残なんだね。下の部分の黄色のリングに蜜が入っていることが多いので、これで小さな虫を誘っているのかもしれません。

Photo_69

チェンペライトレイルはマクリッチリザーバー沿いに作られた水辺のトレイルです。平坦なので、気負うことなく気軽にお散歩することができます。気持ちが良いですよー。ぜひ一度お散歩に行ってください。

カナビキボク科 

原産地: シンガポール あたり

Common name : Chemperai ,Cheperi , False Olive , カナビキボク

資料:「Wayside Trees of Malaya」Corner P604

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

| | コメント (0)

2006年12月 8日 (金)

プテリサンテス

Pterisanthes eriopoda

6_39何日か前にプテリサンテスというブドウ科の本当に けったいなお花の紹介をしました。
葉っぱみたいなのにブツブツがついていて、 「どうも花らしいぞ」ということはわかるのだけど、それ以上のことがわからないので、ブドウ科について調べたら何かわかるかな?と思って朝日の「植物の世界」を見てみました。

そしたら…ありましたよー!!!

さすが「全ての属を紹介」っていばっているだけあるわー。「植物の世界」…エライ!! いい本だわー。やっぱり手元に欲しいわー。でも10万円もするのよねー。買えない…。ううう(涙)

葉上に花が付く植物が日本でも身近にないわけではない(ハナイカダとか)が、「それでもプテリサンテス属の花のつき方には、思わず好奇の眼差しを向けてしまう」とまずは説明してあります。

そうだよね。本当に誰でもそう思うよ…(ため息…)。

TOMが「花だよねー」と言っていた部分は やっぱり花で、 「葉状に広がった扁平な巻きひげの一部」と「葉の面、縁」につく とあります。
また、「雄花と雌花、両性花があり、さらに不稔の中性花を持つ種もある」そうです。

「植物の世界」には、TOMが撮ってきた写真より少し長めの花序の、でもそっくりな花序の写真が載っており、写真説明はこんなふうになっていました。

16_4

「奇怪な形をしているが、花序である。肉色をおびた部分が扁平に広がった巻きひげ」「花は表面と辺縁についている。辺縁の花は中性花か雄花らしく、肉色の長い柄がある。表面に点在する小さな緑色の部分が雌花か両性花で、緑色の球は果実。おそらく腐った肉と勘違いしたニクバエが訪花し、受粉を助けるのだろう。」とあります。

ううう。面白すぎる…。

12_9

プテリサンテス属の一般的な花の形状の項には、「花のガクは杯状で、低いがく歯を持つ」「花びらは4枚、多くは卵型で、雄花では開花期にも残っている。

←雄花の蕾かな? 

15_4

(ブドウ科のお花の花びらは花弁が先端部分でくっついて帽子状になっていて、花が開く前に脱げ落ちてしまう種類もあるそうなので、雌花は花弁が落ちてしまうけど、雄花は残るという意味なんだと思います) 

←咲き終わった雄花かな?

14_4

オシベは4本」「メシベの柱頭は頭状で、短い花柱を持つ」「雌花には仮オシベがある」となっていました。

←咲き終わった雌花かな?

イメージできる??

.

.

.

2_81

左のは、全然違う植物、でもたぶんブドウ科だろうと思われるお花の花の写真です。明らかに両性花だし、1つの花が3~4mmしかないのを拡大しています。花の大きさとか4枚の花弁に4つのオシベがある様子はもしかしたら、ちょっと似た感じかも…と想像して載せてみました。どうぞ、皆様、妄想の世界へ飛んでくださいませ!

葉っぱみたいなのの面の部分に雌花が咲くのは、きっとそうでないと実を支えることができないからなんだろうなぁ。

4_47

それにしても、あの毒々しい赤色は何を誘ってるんだろうと不思議に思っていましたが、「ニクバエ」だったとは…。腐ったような臭いでニクバエを呼ぶ一部のサトイモ科の植物とか、ラフレシアちゃんとかと同じ戦略を取っているんですね。恐れ入りましたぁ!

9_17

「プテリサンテス属は、マレー半島、スマトラ島、ジャワ島にいたる西マレーシア地域に分布するつる植物」で約15種が知られているのだって。ブドウ科11属のうちの1つ。こんな変な奴なのに、私たちにはとっても身近なフルーツのブドウを含む「ブドウ属 Vitis」の近縁にあたるところにある属なんだって。ほんとー??

葉っぱは複葉と単葉の種があり、複葉のほとんどは3つの小葉に分かれる葉を持つのだとか。約15種のうち、単葉はほんの数種と書いてあって、この子はそのうちの1つなんだなあって思いました。

資料:朝日「植物の世界」P4-26

:「The Concise Flora of Singapore 」Hsuan Keng P119

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

| | コメント (2)

2006年12月 2日 (土)

パープルトランペット

Rothmannia macrophylla

Randia macrophylla

今日は土曜日なので、寝ている子どもをほっておいて、朝の植物園までkeikoさんをそそのかしてお散歩に出かけました。

朝のシンガポールは湿気はあるけれど、本当に気持ちがいいの。お散歩は朝か夜に限ります。

植物園まで40分くらい。さらにビジターセンターまで15分くらい。植物園のレザミカフェは朝7時半から開いているので、お散歩後の朝ごはんに最適!とーっても贅沢な気分で朝ごはんを頂きました。

1_82

今日は月に1度の土曜日のレインフォレストガイドの日。TOMは今日はお当番ではなかったので、お当番さんに挨拶だけして植物園内を歩いていたんだけど、miyomamaさんが呼びかけてくれたので飛んでいったら、この子が咲いていました。

2_79

6_37

場所は植物園のレインフォレストエリアの入り口。ビジターセンターに近いほうの、階段を上って入るところです。入って15~20mくらいのところの左側に1輪だけ咲いていました。

ここでこの子が咲いているのを見たのはTOMは2度目。マクリッチのトレイルでは時々見かけます。低木で、高さはせいぜい2mくらい。

3_62

花が大きいの。長さが10~15cmくらいもあって、花の直径も12~15cmくらいもあるかな。

お花が目立たないアジアの熱帯雨林のお花としては異例に花が大きくてびっくりします。香りが強くて、少し離れたところからでも甘い香りを嗅ぐことができます。

太いめしべが1本。オシベは…花びらにくっついているみたい。独立したのは見つけられません。おもしろーい!

5_46

葉っぱは分厚くて毛がいっぱい。触るとごわごわします。大きさは手と比べると分かるよね。

4_46

お花は少し痛んでいたので、早めに行けば見られるかも。見たい人はお早めに!

アカネ科 Rubiaceae

原産地:シンガポールの森の中

Common name: Purple Trumpet , Hidung Babi , Kechubong Hutan , ラッパミサオ

資料:「Illustrated Guide to Tropical Plants」P716 その他

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

| | コメント (0)

2006年12月 1日 (金)

ブドウ科の変なお花?

Pterisanthes eriopoda

1_81

ニースンでしか見たことがない変なもの。

初めて見たのは去年の7月にニースンに行った時でした。なんか赤いものが見える!でもなんだか分からない!!

2_78

ちょっと拡大してみました。赤い葉っぱみたなのに丸い実のようなものが付いています。なんだろう?不思議。

TOMたちの胸は躍ります。

でもこれは遠くにあって、よく見る事ができませんでした。

その後、手が届くところにあるものを発見。写真を撮りました。撮ったけど、よく見たけど全然わけがわからないシロモノ。こんなけったいなものがあるんだーー。変!!!3_61

裏返してみます。おー、ボコボコ実みたいなのが付いてる。おもしろい!

4_45

そして、今年、ニースンに行った時には、実みたいなのは見つけられなかったけど、赤い葉っぱみたいなのは見つけられました。

5_45

「The Concise Flora of Singapore 」にこれにそっくりな絵があるのをminagawaさんに教えていただきました。これによると、これはブドウ科なんだそう。ツル植物です。ベリーは6~8mmで最後には黒くなるんだよと書いてありました。

花序は「ribbon-like inflorescense」とあります。リボンのような…と表現するんだー???

6_36

とても花序には見えませんけど。

リボンのようなのの、両面についているボツボツがお花なんでしょう。

飛び出しているのもお花なんでしょう。

でもお花??

これがお花なんて、日本人の常識からはずれていて、笑えます。

笑うしかない…。

8_22

しょうがない。拡大してやろう…。

お花に見えますか?

7_25

これは蕾の状態???

下のは葉っぱです。

お花がこれだけけったいだと、葉っぱなんてどうでもよくなっちゃうねー。

9_16

資料:「The Concise Flora of Singapore 」Hsuan Keng P119

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

熱帯植物図鑑 (目次…時々更新中)

| | コメント (2)

2006年11月18日 (土)

ペタイの追加の画像

17_2 Parkia speciosa

先日紹介したペタイちゃん、追加の画像です。

17日(金)は自然友の会の定例散策会の日で、お当番だったTOMはkeikoさんと6人のグループで(計8人)で、ペタイトレイルを散策してきました。

実がいっぱい木にぶら下がっているのを見る事ができましたよ。

かなり笑える、実の赤ちゃんがいっぱい花序の棒にくっついている映像です。なんか変。

終わった後は、アッパートムソンロードまで出て、ペラナカン料理のお店で昼食。喉が渇いていたのでライムジュースをみんなで取り、デザートも食べて10.4$。いつもは8$くらいなので、今日はいっぱい食べました。

ペラナカン料理というのはシンガポールの料理なので、シンガポールやマレーの食材を使ったお料理がいっぱい。

15_3

ペタイもあるよー」とのオネエサンの言葉で、ペタイの料理を取ってみました。ちょっと辛かったけど、おいしい。TOMははまりそうです。みんなも別に抵抗無く食べられるよね…って言っていました。

お店は下。安くて、美味しくてオススメです。TOMはマクリッチのお散歩の後はかなりの頻度で行っています。

IVINS (www.ivinsivins.com)

207/209 Upper Thomson Road Sinagpore 574346

tel  : +65- 6254-1877

定休日 木曜日

16_3

最後に…。コールドストレージで売っている豆の写真。長さが2cmくらい。

ペタイの前の記事はこちらです。

マメ科 

原産地:マレーシア

ネジレフサマメノキ

資料:熱帯植物要覧 P191

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

| | コメント (1)

2006年11月16日 (木)

肩たたきの棒の花(ペタイ)

Parkia speciosa

12_8

とある日。マクリッチネイチャートレイルを歩いていたら、こんな変なタコ?みたいな形のものが落ちていました。

???なんじゃ?これ?

.

えっとえっともしかして…。もともとはこんな形???

周りで拾ったとあるものと組み合わせてパチっ!

13_7

違ったらゴメンって感じだけど、もしかしてペタイの実がくっついていたものかな??タコの頭の黒いボッチはマメのサヤがくっついていたところのように見えます。右側に見える黒いのはペタイの実。長さは50cmくらいもあります。

2_68

ちなみに木になっているときにはこんなふう。

ペタイっていうのはシンガポールとか東南アジアで食べるお豆。このサヤから出したものがコールドストレージとかで売っています。1本のサヤに12~18個入ってる…と資料にはありました。けっこう大きいマメ。TOMは経済メシの具の一つで見つけて食べたことがあるよー。かなりスパイシーな味付けでした。(スパイシー中毒のTOMには○)

コールドストレージで買って茹でて食べたYasudaさんは、「えぐかった…」との弁。だからスパイシーな味付けが合うのかもね。

1_69

和名をネジレフサマメと言います。名前の通りだー。ね、そう思うでしょ。

ペタイちゃん、面白いのは実だけではありません。最高におかしいのはお花です。

5_37

木に咲いているところはこんなシルエット。遠くてよくからないけど、時々花序ごと落ちていてじっくり観察することができます。

下の写真が花序。まるで肩たたきの棒のようでしょ?

でもお花はどれ???

6_29

はい、拡大写真でーす。

7_21

11_11

棒の先の肩をたたく部分はじつは小さな小さな花が沢山集まったもの。ちょっとカワイソウだけどむしっちゃいました。

1つ1つがお花なのが分かりますね。

さらに拡大します。

このあたりは多分、雄花が沢山あつまったあたりじゃないかな。オシベがいっぱい見えるでしょ。

10_12

花序の全体写真の左側のほうには雌花たちが咲き、右側には雄花、それから送粉者をひきつけるための蜜を出すお花が咲いているとどっかに書いてありました。(いいかげんでスマン)

雌花が先の方にまとめて咲くので、サヤはあんなふうな付き方をして、ぶら下がるんですね。おもしろーい!

送粉はコウモリが行い、コウモリが近づきやすいように花序の柄を長くしているのではないかと言われています。

3_53

4_37

葉っぱは2回羽状複葉。細かい葉っぱがきれいよー。TOMは涼しげで大好き!

幼木もこの葉っぱで簡単に見つけられます。マクリッチにはトレイルがいくつもあるんだけど、このペタイの名前を付けたトレイルがあって、実際にお花や実が落ちているのを見る事ができます。チェンペライトレイルやプルヌストレイルでも、もちろん観察できます。

マクリッチプルヌストレイルにあるペタイの説明版には「マクリッチで見られるペタイの木の一部は、昔カンポン(田舎の村って感じかな)だった頃に植えられていたペタイたちの子孫かもしれない」と書いてありました。

資料には「未熟な種子、若葉、花を生で食べる。漬物。サヤはマラヤでニンニクの代用の薬味。種子も食用。」とあって、花も生で食べるんですかーーー??とビックリしたTOM。カンポンではお庭に1本ぜひ欲しい木の一つだったんでしょうねぇ。

14_2

この写真はプルヌストレイルからペタイトレイル方面にあるペタイの木を写したもの。房になったサヤの薄い緑色が見えます。あちらこちらにぶら下がっている様子を見て取れますか?

マメ科 

原産地:マレーシア

Common name:  Petai , ネジレフサマメノキ

資料:熱帯植物要覧 P191

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

| | コメント (7)

2006年9月 6日 (水)

シンポエア

Dillenia suffruticosa synonym Wormia suffruticosa

「2種類の花が咲いてるー!!」
と最初に不思議に思うのがシンポちゃん。2種類のお花が下の2つです。

1s 2s_4

左がお花で右が実が開いたもの。まるでお花みたいでかわいいでしょ。

シンポちゃんはシンガポールの二次林の外縁部でよく見られる潅木。
公園や町の中ではあまり見ませんが、マクリッチなどの自然保護区に行くとまず確実に出会います。株の高さは2~3m。葉っぱが大きいのですぐにシンポってわかります。

5_8

1_19

黄色のお花は直径10cmくらい朝にうつむきかげんに下を向いて咲きます。そこへ虫ちゃんがやってきて下からつんつんってやって花粉を運んでくれます。
黄色のお花は甲虫とかによく見える色なんだって。だから黄色のお花で「虫さん、来て~!」と誘っているわけ。

このお花は1日花。午後になると花びらが散り始めます。だから夕方に行くともう花びらがなくなっちゃっていて悲しいのー。

シンポちゃんの面白いところは花びらが散ると、ガクが閉じ始めること。お花の咲いた晩にはガクが閉じ始めて、翌日の午後には5枚のガクがきっちり閉じ終わって まるでつぼみに戻ったみたいに見えます。

4_9

見てみて!

1つの枝に並んで蕾がついているように見えます。でも全部が蕾じゃないのがミソ。
先っちょについている幾つかが蕾。枝元に近いところのがお花が咲いた後にガクが閉じたもの。見分け付く?ちょっと難しいけど、こんなのがいっぱいシンポちゃんの株では見ることができます。

さて。お花が終わってガクが閉じた蕾もどき。どうなるんでしょう?

気になりません?

2_29
コーナーさんの本には、花びらが落ちてから36日後に、ガクが再び開くと書いてあります。そうすると、こーんなお花みたいな実が開くわけ。面白いでしょ。

中に見える赤いのがタネ。赤いのはタネの周りをくるんでいるもので、ほの甘い味がします。この赤いのを小さな鳥ちゃんが大好き。

3_15

シンポちゃんの実が開くとやってきて、パクパク。お昼頃にはもうすっかり平らげられてこんな姿になっています。
鳥ちゃんの目に付きやすいように、お花のときはうつむきかげんだったのが、36日かけて上向きに動いていき、実が開くときには上向きに開きます。

すごいねー。虫や鳥をうまーく利用するためにあの手この手を使ってるんだー。

シンガポールでは、ほっとかれている場所では本当によく見かける植物。鳥ちゃんのウンチとしてあっちこちに運ばれるんだね。

大きな葉っぱは、ちょっと昔までは色々なものを包むのに使われていたんだって。

とにもかくにもあまりによく見るお花なので、意外と写真を撮っていなくて、PCの中を探し回ったけど、全体の写真とかがない!そのうち撮ってきて機会があればUPしまーす!

ビワモドキ科 Dilleniacea

原産地:マレー半島南部、シンガポール

Common name: Simpoh Ayer, Shrubby Sinpoh , シンポエア

資料: 「Wayside Trees of Malaya」Corner  P232

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

| | コメント (2)

2006年7月 9日 (日)

森の中のクレロデンドロン

Clerodendron laerifolium

マクリッチのトレイルを歩くと森の中に時々咲いているのを見ることができるクレロデンドロン
葉はなんの変哲も無く見えるけど、お花が咲いていたり、実がなっているとすぐにわかります

クマツヅラ科 Verbenaceae (キク亜綱 シソ目)
原産地:シンガポールの自然の森の中
Common name: Swaddling Flower

06052548s

お花のアップ。なんてきれいなんでしょ。1個のお花の直径は2.5cmくらいかな。

初めてクレロデンドロンと聞いたとき、TOMは日本で出回っている青いきれいなお花のブルーエルフィンを思い出したんだけど、お花の形がどことなく似てますよね。

060620175s2

こちらは花がおちた後の実の赤ちゃん

0605254s7

こちらは赤いお座布団の上にちょこんと乗った黒い実がなんともキュート。黒い実の直系はせいぜい1cmくらい。

06052578s

葉だけがあると本当に区別がつかない…って言うか、お花と実がかわいいので、葉まで見てないっていうのが正しくて、今回はじめて「こんな葉をしてるんだー!?」って思いました。

06052550s

 

英名のswaddleを英和辞典で調べてみました。① (包帯などで)…を巻く(くるむ)という意味で、「swadlling clothes」で① 古い使い方で古着とかオムツを指したり、②(人間の)幼時や未熟期、③自由を束縛するものorかせ…を言うのだそう。

うーん。どこからこんな英名が付いたんでしょう?

二次林の森の中は、あまり派手派手しいお花は多くなくて、緑ばっかり…という印象があるのだけど、じつはこの間紹介したマウスディアツリーのようにすごく小さなお花とかけっこう咲いていたり、こんな風に時々だけど花が大きめで品種改良の手が入っていない清楚なお花を見ることができるのです。これが宝探しみたいで結構楽しい!

でも、お花に出会うのはそれこそ時の運。出合って写真をちゃんと撮ることができると、何かとっても幸せです。

参考資料「The Concise Flora of Singapore」HSUAN KENG Singapore University Press P193

友人が作っている本など

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

| | コメント (0)

2006年7月 5日 (水)

豆鹿(マメジカ)の木

Anisophyllea disticha

ヒルギ科 Rhizophoraceae ( バラ亜綱 ヒルギ目 )

原産地: マライ、スマトラ、ボルネオ

Common name:  Mousedeer Tree , Mousedeer Plant , Leechwood , Kayu Pachat, マウスディアツリー

020517_036sマクリッチリザーバーの周辺の二次林を歩いていると出会うのがマウスディアツリー。高さはせいぜい1.5m程度の潅木で、面白いのが葉っぱ。

大きな…と言っても長さが2cm程度の葉が連なっている上に、小さな葉がまるで編みこみをしたようにくっついているので、マウスディアツリーとすぐにわかります。

葉は つやつやした黄緑色をしていて、とってもキレイ!ただし、古い葉は深緑色をしています。

マウスディアツリーの木を見つけたら、葉を裏返してみてください。1mmかもっと小さい丸くて白いつぼみがついていることがあります。運がよければ幾つかは咲いています。

下の写真からわかるでしょ。すっごく小さいです。06062507s

花はこんな感じ。巨大な指でしょ!花も本当に小さいんだよー。06062513s

今までは赤い実に出あったことは何回かあったのですが、お花に出会ったことはありませんでした。ここのところ、マクリッチリザーバー沿いのプルヌストレイルにつぼみがいっぱい付いている株があることを知っていたので、今日友人と散策した時によく見てみました。咲いていました!1週間くらい前に行ったときも咲いていたのですが、夕方だったので、写真がうまく撮れなかったけど、今日は昼間。上手く撮れるかな…とドキドキしながら、チャレンジ。

戦果はこの通り!

きれいに撮れてるって思いませんか?褒めて褒めて~~!!!

小さすぎて構造とかよくわからなかったのですけど、こんな格好をしてるんですねー。

06070503s 06070514s

花が終わるとほんのちょっとの実がなります。大抵は1個だけ…。そこそこの大きさに育って、赤く色づきます。

マウスディアーというのは、日本ではマメジカと呼ばれる、体長30cmほどの鹿みたいな哺乳類。シンガポールの森にもわずかながら残っているそうです。ナイトサファリやシンガポールズーには沢山いるので、見たことがある人も多いと思います。どうして、この木をマウスディアーと呼ぶのかわかりませんが、愛らしさの度合いは同じくらい!というのは確かなようです。

調べて知ったけど、マングローブによくあるオオバヒルギとかの仲間のヒルギ科。花とか…似てる???ヒルギ科の仲間→オオバヒルギコヒルギ 

「Illustrated Guide to Tropical Plants」P576

ブログランキングの投票にご協力を!…ぽちっ

06070515s

| | コメント (2)

その他のカテゴリー

Aa:シンガポール植物園日本語ガイド日程 | Ab:目次 & このブログの使い方 | Ac:シンガポール個人旅行 | Ad:自然散策スポット | Ae:シンガポールの風俗と習慣 | Af:昆虫や動物 Insects & Animals | Ag:シンガポールの自然の概要 | Ba:熱帯植物事典(高木) Trees | Bb:熱帯植物事典(ヤシ・ソテツ) Cycads & Palms | Bc:熱帯植物事典(低木) Low Trees | Bd:熱帯植物事典(潅木) Shrubs | Be:熱帯植物事典(草本) Herbs | Bf:熱帯植物事典(シダ類) Ferns | Bg:熱帯植物事典(つる植物) Climbers | Bh:熱帯植物事典(ラン) | Bk:熱帯のキノコ | Ca:熱帯の花 (赤) Flower Red | Cb:熱帯の花 ( ピンク ) Pink | Cc:熱帯の花 (白 ) White | Cd:熱帯の花 (黄色) Yellow | Ce:熱帯の花 (青or紫) Blue | Cf:熱帯の花 (その他の色) Others | Cg:熱帯の実 (赤 ) Fruit Red | Ch:熱帯の実 (緑色) Green | Ci:熱帯の実 (黄色) Yellow | Cj:熱帯の実 (黒) Black | Ck:熱帯の実 (茶色) Brown | Cl:熱帯の実(青) Blue | Cm:熱帯の実(白) | Da:熱帯雨林(一次林) | Db:二次林 | Dc:マングローブ林 | Dd:街路樹 | De:公園や市街地 | Dg:熱帯の果樹・スパイス | Dh:香りのよいお花 | Ea:ブキティマ自然保護区 | Eb: セントラルキャッチメント自然保護区 | Ei:スンガイ・ブロー湿地保護区 | Ej:ウビン島 | Fa:誰か教えて――! | Fb:ある日のお散歩コース | キャメロンハイランド | クワ科 | ジンジャーガーデン | パイナップル科 | フタバガキ | ボタニックガーデンニュース | ボルネオ島 | 参考文献 | 日本の気になる植物たち | 日本の生き物(所沢周辺) | 昭南島に関する記事 | 植物知識一般 | 裸子植物 | 近況 | 雑記ちょう