カテゴリー「Eb: セントラルキャッチメント自然保護区」の記事

2007年2月16日 (金)

ハリンハラ

Aphanamixis polystachya

マクリッチリザーパーパークの西の丘の上にシンガポールの抗日戦における英雄、リンボーセンのお墓があります。その後ろ側にあるのがこの子。東南アジアに広く分布する中高木、ハリンハラちゃんです。名前がなんかかわいいよね。ヒンズーの呼びかただそう。

葉っぱは奇数羽状複葉で、小葉が15cmくらいもあります。

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ちょうどこんな丸い実がいっぱいなっていました。1個3.5cmくらいってところか。

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実は熟すと3つに割れるようです。こんなのが木の下に落ちていました。

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それぞれに赤い衣を纏った黒いタネが入っています。この間紹介したディソキロンと同じような感じだねぇ。このオレンジがかった赤い衣はするっとタネからはずれます。

このオレンジ色で鳥を呼び寄せて食べてもらってタネをどこかに糞として落としてもらうって作戦かな?

黄色の小さな花が咲いていました。大きさは1個あたり、1cmはないなぁ。小さいです。資料には「混性異株、雄花円錐花序 葉とほぼ同長。雌花は葉身の半分、柱頭3稜」とありました。

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花はちゃんと開きません。先っちょがちょっと開いているくらい。

まるで空中に浮いている壺のように、小さな虫には見えるかもしれませんね。

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硬い花びらを広げて中を覗いてみました。けっこうなかはキチキチで狭そうです。

オシベが見えます。混性異株とあったけど、コレは雄花?雌花?それとも両性花? すみません。言葉の意味がよくわかっていません。

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センダン科 Meliaceae

原産地: インド、 インドシナ 、台湾、マレシア(シンガポール含む) 、太平洋 

Common name: Harin Hala (ヒンズー),Pasak Lingga , ハリンハラ

   

大きさを比べたくて並べてみました。下に並んでいる小さな黄色のが花びらです。

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資料: 「1001 Garden Plants in Singapore 2nd Edition 」P513

     「熱帯植物要覧」P249

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2006年9月13日 (水)

マクリッチネイチャートレイルのお散歩

ここのところマクリッチリザーバー周りのトレイルの地図を作ろうということになって歩いています。

マクリッチのトレイルは、貯水池の南側にローニートレイルチェンペライトレイルと、ジリントレイル、北側にネイチャートレイルと、プルヌストレイルペタイトレイル。全部で6つのトレイルがあります。(さらに北西の山の中にマクリッチのキャノピーウォーク周りのトレイルがある)

たくさんあるので、何度歩いても道すらもよくわからないし、せっかく勉強した木がどこにあるかも忘れてしまうので、元造園屋さんのスキルを生かしていっちょ地図を作ってやろうということになったわけ。測量図とかないので、歩測で調査していて、そんなんで何回も出かけています。

9月12日に歩いたのはネイチャートレイル3km。ちゃっちゃと歩けば1時間の道のりを色々と見たり調べたりしながらだから、3時間半くらいかけて歩きました。調査のためのお散歩なので、植物はあんまり見ていないんだけど、それでも写真は撮ったのでアップしときます。

いやさ。写真を撮るのは良いんだが、すぐに整理をしないと何を撮ったかすぐに忘れちゃうんだよー。先日ブキティマのをアップしたら、何を見たかを忘れないですんだので、気をよくしてのアップなのでした。シンガポールの自然保護区ではこんなんを見られて、お散歩が楽しいよーってのが伝わるといいなー。

だって、シンガポールは狭くて行くとこなくてつまんないって言う人が多くてさ。 「ちゃうぞー!!」と叫んでいるTOMなのでした。

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まずはペタイ(Parkia speciosa)のお花。歩いていたらボトン、ボトンっと次から次へと落っこちてくる。木が高いので、あることさえ気がつかないんだけど、こうやってお花が落ちてくることで、頭の上にある木に気がつくことがよくあります。

それにしても変な格好のお花でしょ。

下のは毛虫君何だか分かりません。触角の部分が蛾のようですね。ご存知の方がいらしたら教えて下さい。11_3

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上を見上げたら、ジリン(Archidendron jiringa)の若葉が赤くなっていました。もっと出たばかりの頃は赤さが鮮やかなんだって。熱帯の森では若葉が萌黄色じゃなくて、赤かったり、紫だったり白だったり。花かと思っちゃうくらい鮮やかできれいなのを見ることができます

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何かの実がなっていました。一緒に歩いていたMさんが「クレッセントツリー(Aporosa.sp)の仲間よ」と教えてくれたと思うのですが、確かだったか自信がありません。

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マクリッチの大部分は一度破壊された森が原生林に戻る途中の二次林で、二次林の木をたくさん見ることができます。

左のはテレンタンの木の幹。枯れる前にどうしてなのか、テレンタンの木の幹は株からこんな風に泥の洋服をまといます。いったん隠れてしまった樹名札が人が発掘したのか、自然に落ちたのか顔を覗かせていました。泥の洋服はターマイト君(下に写真あり)のしわざか と思ったんだけど、そうじゃないという話も聞いたことがあります。未だに謎です。教えて下さい。

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熱帯の森の中に生える つる性のヤシプレクトコミア(Plectocomia elongata)がありました。

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こちらはやはり森の中に生えるバヤス(Oncosperma horridum)と呼ばれるヤシの 花序の実が落ちたあとのもの。長さが60cmほどもあって、同じオンコスペルマム属のニボンヤシととっても似ているのだけど、こうやって実際に手にとってみると、各パーツが一回り大きいことがよくわかるねーと、一緒にお散歩をしている友人と話をしました。

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ディソキシロン(Dysoxylum caulifloram)の実がものすごく真っ赤になっていました。ものすごくキレイ!!幹に直接なる幹生果。それにしても見事です。1つの実の大きさは長さが4cmくらいってところでしょうか。幹の下から上までずーっとぼこぼこ付いていました。

下のはフタバガキの仲間たち。板根の上にすっくとまっすぐに伸びた幹があんまり素敵だったので、あおりで撮ってみました。

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左のは同じフタバキ科のホペアちゃん(Hopea Griffithii)の根っこ。ちょっと面白いので記憶のために撮ってみました。全部のホペアがこうなるわけじゃないんだけど、同じところにあった2本が両方ともこういう根っこをのぞかせていたので、この種のホペアの特徴の1つなのかもしれません。

このあたりには原生林の木が何本も残っていてフタバガキの特徴のある葉っぱがたくさん落ちています。ディプテロカルプス属の木もあります。木は大きくて太いのが多くて、お散歩をしていて、楽しいエリアとなっています。

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お次はターマイト君たち。森でおしゃべりをやめてじっとしていると、どこからかザワザワ…という音が聞こえてきます。正体はターマイト君たちの歩く音でした。このときもものすごい数のターマイト君が静かに音をさせながら進んでいました。

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マクリッチのネイチャートレイル中にはこんなタケがいっぱい生えている部分もあります。タケは日本のように四方八方に地下茎で延びていくんじゃなくて、株状になるのが特徴です。

ここまでくるとそろそろネイチャートレイルの終わりも近づいてきます。

ネイチャートレイルは木道ではなくて、土の道。道幅も広く、シンガポーリアン、西洋人がよくジョギングをしているのを見かけます。地元の人たちの身近な憩いの場所です。

このトレイルを抜けてさらに少し行くと、マクリッチのキャノピーウォークにたどり着きます。

ある日のお散歩コースでした。

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2006年3月11日 (土)

ウツボカズラ(グラシリス)

Nepenthes gracilis

nepenthes_gracilis4s  こんなお花を見たことがありますか?

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総状花序で(房みたいになってます)、お花の付いている部分は15cm位の長さ、こんなのが、株の上にすっくと飛び出したりして咲いています。

雄株と雌株があって、今回は両方、見つけることができました。

左:雄花の花序

右:雌花の花序

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花の拡大写真

左:雄花

右:雌花

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このお花の正体は…じゃーん!ウツボカズラちゃんでーす!

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ウツボカズラ科 Nepenthaceae (ビワモドキ亜綱 ウツボカズラ目)

原産地:タイ、シンガポール、マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島、スラウェシ島

グラシリスちゃんは、シンガポールでは一番よく見られるタイプのウツボカズラです。

つる植物で長さは6mくらい、でも環境によっては15mくらいまで伸びることもあるそう。他の植物に寄りかかって伸びていきます。

ピッチャーの大きさは長さが10cm幅が3cmくらいです。

この写真はマクリッチ自然保護区の貯水池のほとりで撮ったもの。ウツボカズラちゃんは明るくて湿ったところが大好きで、いつもこんな感じのところで見つけられます。

nepenthes_gracilis2s2お花が終わると左の写真のように雌花の子房が伸びて膨らんできます。nepenthes_gracilis8s2

種が十分熟すとこんな風に縦に実が裂けて、細長い藁のかけらのような種が風に乗って飛ばされていきます

この写真を撮ろうとしたとき、もっとよく撮ろうと思って手を伸ばしてこの花序に触ってしまったら、まるで埃が吹き飛ぶように種が舞って、私たちは種まみれになってしまいました。こんな風に散布されるんだ~と身を持って体験しましたぁ。

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はい。こんな種です。地面に落ちたら、まず見つけられないわなーー。

私たちは自然保護区で何メートルにも伸びているウツボカズラを見ているので、成長とか早いんだろうなーって勝手に思っていたのですが、本によると、種からたった20cm位の株になるまでに2~3年かかるんだよーって書いてありました。自然の中では豊富にあるので、ついついそれがどのくらいの時間をかけて、ここにこういう形であるのかを忘れてしまいがちですここまでになるまでの時間を想像して、大切にしなくちゃねって思いました。

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種が飛んでいってしまうとこんな抜け殻が残ります。分類上はスミレ目の近くに位置するんだよってラフレシアーナちゃんのときに書いたけど、この様子、スミレの種がはじけた跡にちょっと似てるって、ついつい思っちゃったTOMでした。

資料:「A Guide to the Carnivorous Plants of Singapore」 P93

別のウツボカズラ、ラフレシアーナちゃんの記事はこちらです

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2006年2月15日 (水)

ウツボカズラ(ラフレシアーナ)

Nepenthes rafflesiana

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ウツボカズラ科 Nepenthaceae (ビワモドキ亜綱 ウツボカズラ目)

原産地:シンガポール、マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島

nepenthes_rafflesiana2s子どもの頃、父が園芸店を始めて自宅で開店した頃に、よく仕入れてきたのがウツボカズラでした。食虫植物というものを見る機会は今以上に少なくて、近所の小さな男の子が興味津々で毎日のように見に来ていたのをよく覚えています。花とは違う魅力を持つ植物があるのだということを知ったのはこの頃だったかもしれません。

そんな子どもの頃のワクワクした気持ちを思い出させてくれたのが、シンガポールでのウツボカズラとの出会いでした。こちらではピッチャープラントと呼びます。こんな風にピッチャー型をした不思議なものが植物の形だなんて不思議ですね!シンガポールでは自然の中で自然に生活するウツボカズラを目にすることができます。鉢の中に納まっていない自然の姿!新鮮です!

2枚目の写真は株の姿。これは小さなもので、成長するとつるになってどわどわーーーっと長~く伸びます。

シンガポールで一番良く見るのは、ラフレシアーナちゃんではなくて、もっとピッチャーが小さなタイプのグラシリス(gracilis)ちゃん。ラフレシアーナちゃんは、運が良いと見つけられるって感じかな?この写真は3年位前にロアーピアスで撮ったものです。でも、ブキティマでもケントリッジパークでもウビン島でも見ることができます。nepenthes_rafflesiana3s

ラフレシアーナちゃんはピッチャーの大きさが長さ20cm太さの直径が7cmくらいにまでなるそうです。でっかいです。つる植物で、長さが10mにもなって他の植物をよじ登って光を得ます。

3枚めの写真はピッチャーの赤ちゃん。葉の先が変化して形が変わっています(写真がボケボケでごめん)。花ではなく、葉っぱの変化したものだったんですねー。

分類上は特別な場所にあるものではなくて、クロンキストの分類体系だとビワモドキ亜綱の中で、スミレ目とサガリバナ目の間に位置しています。「スミレーーー??」って思ったけど、本で花の写真を見たら、小さいながらスミレとも良く似た愛らしい花が咲くんですよ。びっくりーー。今度花を見かけたらアップで撮ってみよう!

ラフレシアーナの名前は、シンガポールを開いたラッフルズさんの名前をもらったものだそう。でも、ラフレシアとは全然違う植物でーす。

資料:「A Guide to the Carnivorous Plants of Singapore」 P85

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2006年1月25日 (水)

ヒヨケザル

Cynocephalus variegates

Common name : Malayan Colugo , Flying Lemur

上の写真がヒヨケザルちゃんのアップ。シンガポール動物園の木にくっついているのを発見。(でも檻の中ではなくて、外で野生のヒヨケザルが飛んできてくっついていたの)。写真を撮りました。でもこの写真は友人のKさんのもの。私は不幸なことに、この日カメラを忘れてしまっていたので、撮れませんでした(号泣!!!)。

下の写真がちょっと引いて撮ったもの。どこにヒヨケザルちゃんがいるか見つけられますか?

昨日、ブキティマの説明版のバージョンでヒヨケザルちゃんを紹介したので、今日は自分の持ってる情報で紹介です。

東南アジアの熱帯雨林はアマゾンやアフリカの熱帯雨林に比べると、つる植物が少なめで、フライングする動物が多いんですって。トカゲもリスもムササビもみんな飛びます。この子もその一つ。

分類上、どこに入れたらよいのかわからない動物なのだそうで、哺乳類というのは確かなんですが、サルの仲間に入れられたり、コウモリの仲間に入れられたり、はたまた、モグラの仲間に入れられたりしたそうですが、紆余曲折を経て、今は「ヒヨケザル科」という独立した科に入れられました。

ヒヨケザル科は1属2種しかいない、とてもレアーな動物なんだとか。この子はそのうちの1種。

メスは時々おなかに赤ちゃんを抱えていて、時々、赤ちゃんがおなかの横からのぞいているのを見ることができます。夜行性なので、目がとても大きく、愛らしいの!!!!!かわいいーーーー!!!

ボルネオの動物を紹介した本とかではとても珍しいと書かれていたので、いるとしても見る事は難しいだろうと思っていたのですが、私は3回くらい見ています。(えっへん!…なぜいばる?)

1度は動物園。1度はブキティマのビジターセンターの脇の木。1度はマクリッチリザーバーの周りのトレイルで。自然保護区を歩いていると先に見つけた人が、「あそこにいたよ」とか教えてくれるのです。

ブキティマのビジターセンターのお兄さんは「夜にこの周りの木に登って、木の葉を食べているんだよ」と教えてくれました。「よくいるよ」とのことでした。

こんなに都会になっているシンガポールですが、ヒヨケザルちゃん観察って意味では意外と穴場のスポットなのかもしれません。

この後写真を追加しました。追加の記事はコチラです。こっちも見てね。

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2005年12月 7日 (水)

シンガポールロードデンドロン

Melastoma malabathricum

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ノボタン科 Melastomataceae ( バラ亜綱 フトモモ目 )

原産地:シンガポールとその周辺

Common Name: Straits Rhododendron, Sendudok.シンガポールロードデンドロン

知っておられるとは思うけど、ロードデンドロンというのはシャクナゲのこと。シンガポールロードデンドロンはもちろんシャクナゲの仲間ではありません。

イギリス人はきれいな花を見るとすぐに「○○ローズ」と名前を付けるのだけど、イギリス人がバラと同じくらい好きなシャクナゲの名前を使ってこのお花はこう呼ばれるようになりました。

シンガポールの森の周辺など明るい場所に普通に生えている高さ2~3mの潅木です。シンガポール植物園では、パームバレー横のレインフォレストエリアの外辺の緑の中によく咲いています。

日本で園芸店で出回っているノボタンと同じ属でよく似ています。

お花の直径は6~7cmくらいでしょうか。きれいな紫の花びらに黄色のおしべが印象的です。

実はこのおしべ、黄色の部分は虫を呼び寄せるための仕掛けで、その先の色の着いていない部分に、本当のおしべがあり、先っぽの袋のようになった中に花粉が入っています。甲虫などがやってきて羽音をたてると、その音に反応して袋が開いて花粉が出てくるのだとか。うーん、さすが。

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これは若い実です。

これが熟すと実の下の部分がぱかっと割れて、中の粒々の種が顔を出します。これが、ほんのり甘くて、粒々した感触がして、鳥が大好き!

人間が食べても大丈夫とのことだったので、ちょっとお味見。甘くはないけど、食感が面白かったです。黒い粒々なので、食べると口の中が黒く染まります。(でも皆さんは絶対に食べないで!!このブログを見て食べておなかをこわしたと言っても、責任は持ちません!!別のものと間違えたら大変です)

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属名の学名 「Melastoma」の「Melas」はギリシャ語で黒色のこと (メラニン色素のメラニンも同じ語源)  「stoma」は口のこと。シンガポールデンドロンの実を食べると口が黒く染まることから、こんな学名になったのだそうです。

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帽子のように周りの部分が完全に取れたところ。

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実と新葉を使った下痢止めの漢方薬がシンガポールでは売られているそうです。

参考文献:「1001 Garde Plants in Singapore」P169

      「Wayside Trees of Malaya」Corner  P486

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2005年12月 4日 (日)

あり植物 マカランガ

Macranga triloba

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トウダイグサ科 Euphorbiaceae (バラ亜綱 トウダイグサ目)

原産地:インドシナ、西マレシア

Common Name: Common Mahang

マカランガは属の名前。地元ではコモンマハンと呼ぶのが普通のようです。

熱帯雨林の中は生存競争が激しくて―栄養分の争奪戦のための―あの手この手を考えて進化してきているところが、すごく面白いんだけど、これもその代表選手の一つ。

アリ植物という言葉を聞いたことがありますか?

ブキティマやマクリッチなどの、森の少し明るいところによく生えているこの植物は、私達にとっては「あり植物」の代表選手です。茎についている黒い輪が目印です。

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左の写真を見てみて。小さなアリがマカランガの茎にたむろしているでしょう?

このアリ(学名 Crematogaster borneensis)はこの茎の中にがあります。茎に小さな穴(このありだけが通れるような大きさの)が開いていてそこから出入りするのです。

アリはこの巣の中で子どもを育て住むだけでなく、アリマキを育てそれらが出す甘い汁をエサにします。つまり栽培をしているというわけ。スゴイネーーー!

マカランガは写真にも写っている黒い輪みたいなところに栄養分をためて、アリに提供もしています。

ここまで書くとアリばっかりいい思いをしているようですが、マカランガもその見返りをアリから受けています。

例えば、茎の中でアリやアリマキが死ぬとその死骸がマカランガの栄養分になります

また、生存競争の激しい森の中で、つる植物などがマカランガに絡みついてきたりすると、アリがこれを噛み切って、マカランガを守り、マカランガの美味しそうな葉を食べに昆虫などがやってくると、その昆虫を撃退するのだそうです

こういった持ちつ持たれつの関係を 「共生関係」 と言い、このようにアリに住まいを供給して共生関係を持っている植物のことを 「アリ植物」 と言います。トウダイグサ科だけでなくて色々な科にアリ植物はあります。特に厳しい環境に置かれている植物に多いです。

マカランガは1.5mくらいの高さのものをよく見かけますが、3~5mくらいの高さになって、花や実をつけているのも、たまに目にすることがあります。

マカランガの仲間の種類は他にもいくつかあって、これらもよく森の中で見かけますが、全部が「アリ植物」というわけではありません。

資料:「A Guide To The Bukit Timah Nature Reserve」 P74

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