カテゴリー「植物知識一般」の記事

2007年3月 9日 (金)

ゴクラクチョウカ(極楽鳥花)-2

Strelitzia reginae

極楽鳥花-2は極楽鳥花-1を読んでからお読みくださいね。

昨日は「ゴクラクチョウカのお花は爬虫類が花粉の運びやだったかもしれない、ちょっと珍しいお花かも…」って記事でした。

今日はその理由の説明です。

まず下の写真。ゴクラクチョウカのお花のメシベとオシベが入っている青い棒のように見える部分です。1つのお花に1本ずつあります。

3_101

まじまじと今まで見たことが無かったので、おおー、こんな格好をしてるんだーと思いました。

青いお皿のような格好をしている部分から飛び出しているのが(写真の右側の白いの)どうもメシベのようです。

このままではオシベは見えません。どこだ??

メシベの先っぽを指で押してみました。

あ、なんか入ってる。なんか出てきた。花粉です。

4_81

もっと開いてみます。

すっごいぞー。花粉だらけ。

オシベの先っぽから花粉が出てくるんじゃなくて、長い花粉が入っている袋があって、そこからどこどこ花粉がでてきているみたい。

この花粉、サラサラしていません。濡れちゃった小麦粉みたい。ちょっと粘り気もありました。

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上のものだと花粉がいっぱい過ぎてオシベの様子がわからないので、もう少し咲き始めのお花の先っぽを押してみました。

糸みたいなオシベが整然と並んではいっているのを見る事ができました。

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10_29

再びお花の全体像。蜜は右奥に入っています。

現在、原産地でゴクラクチョウカの蜜を吸いに来るタイヨウチョウ類は、この青い部分に「とまることはめったになく、花の側面にしがみついたり、上向きに広がったオレンジ色の花弁にぶら下がり、身を乗り出して蜜を吸います。ちょうど葯(オシベの花粉が入っている部分のこと)が飛び出してくるのを避けようとしているようなかっこう」なので、花粉は鳥には全く付かないのだそうです。(資料より)

じゃ、この子、ゴクラクチョウカは誰に花粉を運んでもらうためにこんな格好をしているの?

再び疑問に立ち戻ります。

そこで登場するのが爬虫類。人間が属する哺乳類よりも、鳥よりも早くに地上に出現した動物です。

爬虫類の中でもトカゲのような動物がこのお花の蜜を吸いに来たらどうなるでしょう?

青い棒のような部分に、よっこらしょと寝そべるようにのりかかると思いませんか?

そしたらどうなるでしょう?

葯が飛び出してきて、上の写真のように花粉がどこどこ出てきます。トカゲちゃんのおなかは花粉だらけ。

めでたく蜜を吸ったトカゲちゃんが次のお花に移動します。メシベは飛び出していますから、よそで付いてきた花粉はまずそこのメシベの柱頭に付きます。トカゲちゃんは新たな花粉をつけて、また別のお花に移動するという寸法。

おおーー、めでたく受粉完了です。すごいねー。

資料にはこんなふうに書いてあってこの項が締めくくられていました。

「ストレリチアはもともとトカゲを誘うようなかたちで進化をとげたのかもしれませんが、いつのまにかトカゲのかわりに、もっとすばやく蜜を吸うことのできるタイヨウチョウ(アフリカ~アジアの熱帯に分布する蜜食の鳥)がストレリチアにやってくるようになると、野生のストレリチアのほとんどは花粉を運んでもらえず、種子をつくることができなくなってしまったのです。」

今では野生ではほとんどタネをつけなくなってしまったゴクラクチョウカちゃん。人間が知らない進化の歴史のはるか昔の彼方には、ゴクラクチョウカちゃんの蜜を吸って生きていたトカゲがいたのかもしれません。ゴクラクチョウカのお花はそんな進化の歴史にまで思いを馳せられる秘密が潜んでいたのでした。

面白いでしょー!!!!

9_33

今回、さらにTOMは発見。

花粉もベタベタしてるけど、お花の根元からこんなベタベタゼリー状のものが出ていました。トカゲが這い登ってきてここを通過するとベタベタのノリがおなかに付きます。さらに青い棒の上に乗って花粉が付けば、より確実に花粉はたくさんおなかにくっつきます

そのための仕掛けかしら…なーんてTOMの妄想は果てしなく広がっていったのでした。わはは。

資料:「植物の私生活」デービッド・アッテンボロー 山と渓谷社 P114

この資料、すっごく面白いです。読み物としても最高!定価は面白いのにたったの3200円。買って損はないよー。シンガポールにいる方は日本人会の図書室にあるのでぜひ読んでみて下さい。

ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae

原産地:南アフリカ

Common name: Bird Of Paradise , Crane Flower、ゴクラクチョウカ、ストレリチア、ストレリッチア

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ゴクラクチョウカ(極楽鳥花)-1

Strelitzia reginae

本帰国にむけてとってもバタバタ走り回っている日々です。PCを日本に送り出す前にブログはあと何回書けるかな?日本でネット環境が整い次第、再会しますので、またよろしくお願いしますね。(ペコリ)

10万アクセス突破…も ありがとう!嬉しいなあ。感謝感謝!!!

さて。ゴクラクチョウカこと、ストレリチア(orストレリッチア)です。

キャメロンハイランドで何回かきれいにお花が咲いているのを見ました。シンガポールではなぜかあんまり見かけないので、ここしばらくはあんまり気にしてもいなかったお花です。日本では切花や鉢花として売られているので、名前は知らないまでも、姿かたちを知っている人も多いですよね。

1_139

全体の形はこんなんです。

葉っぱの形がヘリコニアやバナナに似ていて、確かにショウガ目の仲間なんだなーとわかります。

今回注目して欲しいのはお花!

というか、ある本を読んだ時に 「ゴクラクチョウカのポリネーターは爬虫類かもしれない」 ということが書いてあって、いつかゴクラクチョウカのお花を見る事があったら、実物をよく見てやろうと思っていたのでした。

ポリネーターというのは花粉の運び役のこと。

植物は生き残るために、多様な遺伝子を持つ必要があって、そのために花粉を作り、それを別の個体のメシベの柱頭に運んでもらって、新しい遺伝子の個体を作ります。

植物は一人では歩けないので、その役目を他のもの、例えば風や水などの無機物、虫や鳥などの動物にお願いしてきましたお花が多様な色と形を持つわけは、花粉をいかにして運んでもらうか…試行錯誤した結果なんです。

で。多くの植物が風や虫や鳥に花粉を運んでもらっている中、数としては多くないんだけど爬虫類に運び役を頼んでいる植物もあるんだって。

一般的にはゴクラクチョウカは鳥が花粉を運ぶと考えられているらしいんだけど、どうもそうではなさそうだという考え方もあるんだって。

何故って。鳥が花粉を運んでいるところを誰も見ていないんだって…。 (大笑!…なのになんで鳥がポリネーターって誰もが思ってるんだろう?人ってこういう思い込みをするところが厄介ですねー(苦笑)

確かに鳥は蜜を吸いにやってくるんだけど、花粉が体に付くようには動かない らしい。これでは花粉の運び屋としての役割は果たせません。

ついでに言うと、現在では自然の状態ではゴクラクチョウカはほとんどタネを付けないんだそうです。これはタネを作る能力がないからではなくて、人工受粉をしてやればタネができるんだけど、ほっておくとできないんだって。つまり、ゴクラクチョウカの場合、本来の花粉の運び役が現在その役目を果たしていないということを示唆しています。だからくだんの蜜を吸いに来る鳥たちは、ゴクラクチョウカにとっては花粉の運び屋ではなく、ただ蜜を盗みにやってくるぬすっと(盗人)ってわけ。

というわけで「本当の花粉の運び屋はなんなんだー?」という疑問がわいて来る訳で、「トカゲとかの爬虫類ではないか?」という話が出て来るわけなんです。面白いでしょ。

さて、下のがよく知っているゴクラクチョウカのお花の形。どこがどこだかわかりますか?

青い棒のような部分にオシベとメシベがしまわれています。

オレンジの色の部分は花びら(でいいのかな?)。下の写真の部分全部が1つの花というわけではなく、写真下のほう(包?ごめん、正しい漢字が出てこないよ…)の部分から次々の新しい花が出てきて、全体としてこんな形になっているようでした。下の写真では、古いお花が右側に反り返るようにして2個あり、一番新しいお花が左側に1個あって、合計3個のお花があって、こんな形になっています。(1つの花につき1本ずつ、青い棒のようなものがある ので、判断できるんだけど…わかる?)

8_45

2_127

わかりやすいように一番咲きはじめのお花が1つしか咲いていないものの写真です。古い花がないから、反り返ってるものがないでしょ。だから1つのお花の形がよくわかりますよね。

たぶん古いお花は受粉能力は無くしてしまっているんだけど、古いお花が残って色の量を多くすることで、 花粉の運び屋の目により付きやすいようにしているんだろうな。

ああ、もう時間切れ。思ってたより長くなっちゃった…。」続きはまた明日にでも。

ねね!

すっごくゴクラクチョウカのお花に興味が出てきません?? (続く)

資料:「植物の私生活」デービッド・アッテンボロー 山と渓谷社 P114

ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae

原産地:南アフリカ

Common name: Bird Of Paradise , Crane Flower

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2007年2月26日 (月)

学名の読み方

この間、「学名の読み方がわからなーい!」と騒いでいたら、コメントやメールで皆様からご助言をいただきました。ありがとうございました!

メールでmidoriさんがこんなサイトがあるよ…と教えてくれたので、自分だけで読んでいるのはもったいないなと思い、皆さんにも提供。

1.簡単なラテン語の読み方http://www.geocities.jp/kummerowia/weblatino.html

2.植物の学名について  http://www.aromakankyo.or.jp/aeaj/faq/plantname.html

「そっかー」と思ったけど、頭にちっとも浸透してこないぞ…。さび付いた頭に涙…ですぅ。

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2006年10月16日 (月)

たくよう-托葉-

1_48

「たくよう-托葉」って言葉を聞いたことがありますか?

広辞苑によると「普通葉の葉柄の基部にある葉片。双子葉植物に多く見られ、形・大きさは変化が大。バラ科・マメ科・アカネ科などで著しいが、全くこれを欠く植物もある 」

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同じ電子辞書に入っている生物事典では「葉柄のもとにつくふつう1対の葉状の小片。そえ葉ともいう。大きさや形はさまざまで、エンドウでは大きく発達して葉身のようになり、サルトリイバラでは巻きひげになっている。

森を歩いていると、色々な托葉に出会います。先週の木曜日にはかわいい托葉にいっぱい出会いました。このとき撮った托葉の写真を紹介…。

上の2枚の写真は同じ植物。下が托葉のアップ。

「いや、何?かわいいー!なんか飾りでも付けてるみたい~」って騒いでパチっ。植物の名前は聞かないで(汗 (^^;;

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お次の2枚も同じ植物。上から見るとどうってことはない植物に見えるけど、葉っぱをめくって托葉を見ると、なんとも個性的。

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ドレスを着ているみたいでしょ。

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こんな格好の「うふふっ」って両手を合わせているみたいな子もいました。

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普通の枝なんですけど、よく見るとアイビーの葉っぱみたいなかわいいかわいい托葉ちゃんが…。

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葉っぱが若いうちにはあって、後から落ちてしまう托葉や、まったくないものなどもあります。花などが乏しい森の中では植物を見分ける時にとっても役だってくれています。

他にもたくさんの面白い托葉があるんだけど、今回はちょっとだけ…。

書いてるうちに「オタク葉」なんじゃないかと思えてきた…。あまりにもマニアックというかどうでもいい世界なんですけど…。

でもカワイイって思いませんか?!!!

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2006年10月13日 (金)

絞め殺しの木の育ち方

1_45 昨日の続きです。

どうやってこんな「けったいな形」の木ができてくんでしょ???

そう思いませんか?

絞め殺しの木の性質を持つのはイチジクちゃんの仲間の一部。

ご存知の通り、イチジクの実は食べられます。熱帯のイチジクもしかり。

おいしい実をつけて、哺乳類や鳥に食べてもらい、種子を運んでもらう…という戦術で自分のテリトリーを広げています。

イチジクを食べた子たちのウンチはどこに運ばれていくのでしょう?動物たちは色々なところにウンチを落とします。ウンチと一緒に再び外界に出た場所、それがイチジクちゃんの新しい生活場所になります。

あるものは木の上に落とされます。動物のウンチと一緒に落とされるので、天然の肥料に包まれた形になっていて、なんとも好都合

1_44

しかし!!

発芽したイチジクの赤ちゃん は、木の上で生活をはじめたので、お水も肥料もそこにはありません。

しょうがないので、根っこをずんずん下に下ろして、水や肥料を供給してくれる土を探します。

このとき降りていく細い根っこを気根(きこん)と言います。

ここで問題です。

イチジクの実が動物達の大切な食料であるなら、植物達の食料はなんでしょう?

答え:お水お日様の光!!

光合成って知ってるでしょ??光合成で作り出すデンプンが植物達のご飯なんです。

デンプンの材料は二酸化炭素お水お日様の光。

熱帯の森で一番手にいれるのが難しいのはなんでしょう?

答え:お日様の光!!

熱帯の森って、たくさんの植物がひしめき合っているので、森の外側はものすごい光であふれているけれど、森の下の方は、たくさんの植物にさえぎられてほとんど光が届きません。熱帯の森の下層の植物達はいつも「もっと光を~~!Help Me!」状態。

雨はいっぱい降るから、何とかなる…でもお日様の光だけはどうにもムズカシイ…。

というわけで、イチジクちゃんは とりあえずはお日様の光を思う存分確保して、二の次のお水はその後に確保することにしたわけ。二酸化炭素はいっぱい空気の中にあるからね。

わかる?ケーキが大好きなTOMがビュッフェに行って食べるものがあんまりなかったら「ケーキをまず確保した上で、おかずを選びに行く」のと同じだー???(涙!)

2s_5

そんなわけで光を確保した絞め殺しイチジクちゃんたちは、今度はお水の確保に乗り出して、そのために一生懸命、気根を伸ばすんです。

がんばれー!!!イチジク!!!

発芽させてもらった木の幹に沿って伸びていったり、そのままダイレクトに下に伸びていったり。気根の伸び方はイチジクちゃんの種類によってくせがあるので、色々なタイプがあるけど、やってることは同じ。食糧確保!お水確保のために必死で根っこを伸ばしているんです。ああ、ケナゲ…。涙なしでは見守ることはできません…。そしてそして、ついに!!!!

気根が地面に付きました。パンパカパーーーーン!!!! 

もうお水の心配をする必要はありません。

お水お日様の光二酸化炭素を思う存分吸収して、思う存分ご飯が食べられます。もう怖いものなんてありません。 

.

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枝を伸ばします。葉っぱをつけてどんどん光合成をします。枝からは新しい気根を降ろしてよりたくさんのお水の確保をします。

いったん地面に着いた気根は今度は太くなっていきます。種類によっては太い幹のように見えるようになるものもあります。

最初にウンチを落とされたイチジクとは別の木のことをホストツリーと呼びますが、イチジクちゃんはこのホストツリーの周りにどんどんテリトリーを作って大きくなっていきます。

最終的に。

ホストツリーは幹も枝葉も絞め殺し無花果(イチジク)ちゃんに覆われてしまいます。そうすると…。

ホストツリーはお日様の光を浴びることができなくなるので、光合成ができなくなって、つまりはご飯を食べることができなくて枯れてしまいます!

はたから見ると、イチジクちゃんの幹やなんかがホストツリーを ぐるぐる巻きにして枯らしてしまったようにみえる ので「絞め殺しの木」って呼ばれるようになりました。でも実際は「絞めてる」んじゃなくて、「兵糧攻め」にして「餓死」させてるわけだな。

こわいー!なんて思わないでね。

絞め殺し無花果ちゃんは「素直に食糧確保にいそしんでいるだけ」なんだから。

下の写真はシンガポール植物園のレインフォレストエリアにあるジョホールフィグの木。今まさに絞め殺しされているかわいそうな木とイチジクちゃんの戦いの様子を見る事ができます。

ああ、時間切れだー。補足はまた明日。イラストはレインフォレストガイドの時に使うように描いたもの。わかりやすく説明するためにのものなので細かい突っ込みはしないように…。(イチジクは互生だよとか…)。調べ学習の子どもはコピーをしてそのまま使ったりしないこと!!

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Photo_58

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2006年10月11日 (水)

絞め殺しの木

絞め殺しの木」…なーんて物騒な名前なんでしょ。

熱帯で育つイチジクちゃんの仲間にこういう名前で呼ばれる種類のものがいっぱいあるのです。

今日紹介するような写真の木、シンガポールだけでなくって東南アジアならどこででも見られるんだけど、思い当たるところない??

3_35

上の写真ぜひぜひクリックして大きくして見てみてください。なんか…スゴイでしょ。オーストラリアのケアンズで見たカーテンフィグに匹敵するんじゃないかって思ったんだけど…。

チャンギ方面でヘリテージツリーを見て歩いている時に教えてもらった木。こんなに大きくて迫力があるのに、この木はヘリテージツリーにはなっていません。(カッコよくてTOMは大好きなんだけどなー)

こんな風に枝から、なんか糸みたいなものを沢山たらしている木は絞め殺しの木

1_42

こんな風に他の植物に巻きつくように根だか、茎だか、幹だかが伸びているのも絞め殺しの木

.

前に紹介をした日本でもおなじみの観葉植物のベンジャミン絞め殺しの木

ベンジャミン1 と ベンジャミン2

.

ベンジャミンと同じように観葉植物としておなじみのゴムノキ絞め殺しの木。下の写真がそう。人の大きさと比べてね。こちらでは他のゴムを出す木と間違えないようにインドゴムノキって呼びます。

1_43

下のはキリニーロードで撮った絞め殺しの木。 写真のように、太い1本の幹ではなくて、何本もの細い幹みたいなのが集まってるような木があったら、これも締め殺しの木。

2_52

イチジクの仲間(クワ科イチジク属)は世界に800種類くらいあるそうですが、絞め殺し無花果(イチジク)の性質を持つ種類200種類くらいなんだそうです。

え、でも…多い!!!

さて、どうしてこのイチジクちゃんたちは「絞め殺しの木」なんて怖い名前で呼ばれるんでしょ?

どうやってこんなけったいな形の木ができてくんでしょ???

これについてはまた明日(^_^)(^_^)(^_^)(^_^)( ^ _ ^ )

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2006年8月18日 (金)

男と女の話-2

できれば先に「男と女の話」をご覧下さい。

植物にも男と女があります。
ただし、人間のように個体そのものが「性」を持つこともあれば、お花が「性」を持っていたり、はたまたオシベやメシベという形で1つのお花の中で別の「性」があったり、本当に色々!

Photo_38 そもそも。
「花」って何でしょう?
「人間は太古から花をめでていた、昔々の人間(?)のお墓にも花を供えていた痕跡がある…」なーんて何かのお墓の発掘結果の発表が世間で話題になったこともありましたが、(興味があればコレコレをお読みください)
「じゃ、結局、花ってなんなの?」
という問いに「植物の生殖器」と即座に答える人は、そうは多くないと思います。

Photo_39 そうなんですよ。ちょっと恥ずかしいけれど「植物の生殖器」が花なんです。小学校か中学校でやったでしょ。
お花には「メシベ」と「オシベ」と「花びら」と「ガク」と「子房」があるよ…って。
で、「メシベにオシベの花粉が付くと、子房の中にタネができるよ」…とも勉強したはず。

でもね。
現実にはこの5つ(上の青表示のものね)が全部揃っている花ばっかじゃなくて
雌花の場合は子房とメシベはあるけど、オシベはないし、
雄花の場合はオシベはあるけど、子房とメシベはないし、
ましてや「花びらやガクは無いお花」は山~~のようにいっぱいあります。

2_11 学校の勉強が片手落ちだなって思ってしまうのは、全部揃った基本形(両性花)は勉強するけれど、そうでないものの話はあんまりしない。一方、習った子どものほうは、最近は「実際のものを見る」という体験に乏しいから「植物はみーんな両性の花を咲かせる」と思ったまんま何にも考えずに大人になっちゃうことが多いのです。

でも最初に書いたように、植物は「多様な性」を持っていて、それがすっごく面白いの。
特にお花を咲かせる被子植物の多様さはスゴイ!おまけにそれぞれにドラマがあります。
(突然、性転換しちゃう植物もあるんだよー!!人間の何歩も先を行っちゃってる感じでしょ?)

Photo_40 植物の生殖器が「花」って言ったけど、正確には「オシベとメシベと子房」が生殖器にあたる部分で、 「花びらやガク」といった、人間が花を「花」と認識する部分は生殖活動を行うための「仕掛け」とか「舞台」とかの部分

この仕掛けが、虫や鳥や哺乳類などをも巻き込んでの、「騙しあい合戦」の様相を呈していていちいち笑えるんだよー!!!

で、ついつい「このオシベってどうなってるんだ…?」なんて道の真ん中に座り込んで写真を撮っているところを知人に見られて「タングリンモールの前で怪しい動きをしていたでしょ?」なんて後で言われちゃうんだな…TOMは…(涙!)

で、植物の男と女。
前回、男と女のいる理由は
「多様な遺伝子を持った子孫をいっぱい残すためだー」って書いたんですが、
よく私達が見る「メシベとオシベを1つの花の中に持った両性花は大きな問題を持っている」ということにお気づきの方も多いでしょう。

多様な組み合わせの遺伝子を作り出すためには、「自分の花粉で自分が受精してしまってはなんとも都合が悪い」んだな…。(笑)
近親婚になっちゃうんだよ。

つーことで、進化の最初の段階では両性花だった被子植物は、「性」を多様に変化させて、できるだけ近親婚をしないための工夫を重ねてきたのでした。

例えば、「1つの花の中でメシベとオシベが成熟する時期をずらす」とか、「雌花と雄花を別々に咲かせるようにする」とか、もっと進んで「動物のように雌花しか咲かない個体と雄花しか咲かない個体に分ける」とか。
そしてこれらに風や虫や鳥が加担して花粉は別の個体に運ばれるようになっているわけ。

今までこのブログの中で紹介してきた植物達の多くもこの「近親婚」をしないための工夫をしてきています。

色々な植物達の男と女…(ああ、恥ずかしいわぁ)

ココナッツの場合

ルリダマノキの場合 

スパティフラムの場合 http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2006/05/post_9830.html
              http://tropicalplant.air-nifty.com/top/2006/05/post_958d.html

オスモキシロンの場合

でもさぁ。タネを作る目的はそれだけじゃないでしょ?
個体を増やしたり植物体の状態では生きにくい冬や乾季をタネで過ごしてやり過ごすって目的もあるんじゃないの?と思う人もいるでしょ。
その通り。色々頑張ったけど上手く他の個体との結婚ができないときもあります。
そんな場合の保険も植物の多くはかけています。

この話はまた次の機会に…。

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2006年8月16日 (水)

男と女の話

男と女、どうして性があるんでしょう?
どうして植物は花を咲かせるんでしょう?

答え。
多様な遺伝子を持った子孫をいっぱい残すため…
であります。

Photo_34ただ、種としての個体を増やしたいなら、アメーバみたいに分裂していけばこと足ります。どんどん分裂して増えていけばよいのよ。

でも。
多くの生物はそうしていません。

人間も女は着飾り、男は力を誇示してパートナーを探すでしょ。何でそんな面倒なことをするんでしょ。生きていくためだけなら、必要ないじゃん。植物もオシベとメシベがあったり、雄花と雌花があったり、雄株と雌株があったり、男と女があります。

すごいよね。
人間と植物、こんなに違っているように見えるのに、おんなじなんだよー!!

Photo_35で、男と女、二つの性を作って、双方から半分ずつ遺伝子を出し合って、合わせると遺伝子の新しい組み合わせを持った個体が生まれる。あっちでもこっちでも色んな組み合わせが起きて、どんどん新しい遺伝子を持った個体が生まれてくる。

人間なら頭のいい奴、色白の奴、手先が器用な奴、寒いのが好きな奴、ボーっとしてるのが好きな奴、色んなのがいる。
例えば、明日地球がすごく寒くなったら、「異常なくらいに寒いのが好きな奴」だけが生き残るかもしれない。
例えば、明日宇宙から隕石が降ってきて人類が滅亡するというニュースが流れたら、「頭のいい奴」や「手先が器用な奴」は何とか生き残ろうとあがいた挙句、パニックに巻き込まれて死んでしまい、「ボーっとしているのが好きで、隕石が落ちてくるのも知らなかった奴」だけが生き残るかもしれない。

誰が滅亡して、誰が生き残るかなんて偶然の産物でしかないけど、例えば、明日何かが地球に起こって、人類が滅亡しそうなことになったとしても、何十億人の何十億通りの遺伝子の組み合わせのうち、ほんの10人の10通りの遺伝子が何らかの偶然で滅亡から逃れられる因子を持っていれば、そのほんの10人が生き残って、人類はやり直すことができる。
命はつながっていく。
変化する環境に対応できる遺伝子を持った個体が、ほんの少しでいいから、いれば、ノアの箱舟の話は成立する。

そのために男と女はいて、色々な遺伝子の組み合わせを作るべく、涙モノの努力をしてるわけ。
(そう思うと、私達って…誰か、姿の見えないものに踊らされてるのねーなんて思ってしまうわ…)

均一な性質を持つということは、生物にとっては不利でしかない。例え、見かけ上、それがよい性質のように見えても、均一であればあるほど、何かが起こったときに対応できる柔軟さに欠けて、絶滅してしまう。

造園屋さんの立場から身近な例をあげると。

Kimura3 春にパンジーで花壇を埋め尽くしたとする。
色が多少違っていたとしても、遺伝子的にはさほど変わりの無い均一な個体群。アブラムシ、病気…、やられるときは全部一緒。あっと言うまに全部やられて全滅してしまい、花壇は見るも無残な姿に変身!!!やられないためには予防の農薬をまいたりしないといけない

春に色々な植物で花壇を埋め尽くしたとする。
パンジーはやられるけど、色々な植物全部がアブラムシに弱いわけではないし、病気にかかるわけではないので、パンジーが枯れても花壇全体はきれいなまま…。農薬もまく必要もない。

アナタはどっちがいい?

閑話休題。

今の地球上では、お花を咲かせる植物が植物界の頂点にいて、種類も一番多い。たった1億数千万年前に地球上に登場したお花がどうして成功したか。お花を咲かせて、虫や哺乳類などをうまーくあの手この手で利用して新しい遺伝子の組み合わせの数をを効率よく増やして、シダや裸子植物たちを圧倒してきたからに他ならない。

生物の世界では男と女があることはとっても重要で、多様性は善。その理由は生き残るため。

書いてしまえばたったの一行か二行。
でも考えたことも無かったという人が、あまりに多いのよー。

ちゅうことで。
この話を原則として、動物園の話や熱帯雨林を守ろう…なんて話に発展していく予定です。(いつの話になるかは神のみぞ知る…わはは)

上の写真はサンドボックスツリーの雌花と雄花。

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2006年6月11日 (日)

ポインセチアの謎

シンガポールに来てから、ずっと疑問に思っていたことがありました。

シンガポールの街路樹や公園の樹木にポインセチアが全く使われていないのは何故?

沖縄にいた友達が、沖縄ではポインセチアが外でいっぱい咲いていてきれいだったとか聞いたことがあります。原産地メキシコでは、5~6mもの低木になり、クリスマスシーズンには木が赤く染まっていって、とっても美しいとのこと。日本にいたときに、ポインセチアは南国ではきっとすごくいい造園材料になるのだろうと思っていたのに、シンガポールでは全くといって見かけません。

シンガポールはクリーン&グリーンシティを作り出すために、世界中の熱帯・亜熱帯から8000種にも及ぶ植物を集め、この地で育つ植物を研究し、選抜して、この国の緑化をはかってきたそうです。そのため、私達が街中で見る植物のじつに8割はネイティブではなく、外来種で占められています。

丈夫で美しいポインセチア、どうしてシンガポールでは全然、植えられていないんでしょう?(もちろんクリスマスシーズンの鉢植えはいっぱい出回りますよ。)ものすごく不思議でした。ポインセチアが使えない理由が絶対になにかあるはず。

TOMなりに考えていたのは、ポインセチアは短日植物だから、夜昼の長さがあまり変わらないシンガポールでは、つぼみをつけることができないのでは?という理由。

でもサンダカン(ボルネオ島)に行った友人の話ではサンダカンではたくさん植えられていて、赤い色がきれいだったよとのこと。

サンダカンとシンガポール、そんなに違うのか?

気になったら調べてみるのがTOM。

シンガポールの夜の時間。一番短い時で11時間48分。一番長いときで11時間58分。その差たったの10分

サンダカンの夜の時間。一番短い時で11時間33分。一番長いときで12時間13分。その差46分

サンダカンは北緯5度54分。シンガポールは北緯1度22分。気候もそんなに違うとは思っていなかったけど、お日様の出ている時間にはけっこうの差があったのですね。

ちなみにポインセチアの原産地メキシコでは、北部のGuaymasでの夜の時間は、10時間5分~13時間38分(差3時間33分)、南部のSalina Cruzでの夜の時間は、10時間55分~12時間50分(差2時間5分)

ポインセチアのつぼみは夜の長さが11時間30分よりも長くなると作られるのだそうです

ん?シンガポールはずーっと1年中11時間30分以上の夜の長さがあるぞ? ってことは、短日植物ってことと、シンガポールにポインセチアが植えられていることは関係がない???

ということで、調べれば調べるほどわからなくなる、ポインセチアの謎なのでした。

ところで。ここまでいっぱい「夜の長さ」という表現をしました。これに注目をしたのは「つぼみたちの生涯」という本を読んだからです。この本には、植物がつぼみをつける原因と、つぼみが実際に植物につき、開花するまでの不思議の謎解きがされていて、面白いです。

TOMは単純に短日植物(昼が短くなるとつぼみをつける植物)とか長日植物(昼が長くなるとつぼみをつける植物)という言葉で覚えていたのですが、その定義がはっきりできてスッキリもしました。

植物がつぼみをつけるきっかけとして昼夜の長さが関係する場合、大切なのは「夜の時間」だということがこの本には書いてありました。以下、ポイントだけまとめて。

・植物は夜の長さを葉で計っていて、15分の差も正確に知ることができる。 (すごい!)

・つぼみをつけるのには「ある一定の長さの暗黒の闇の時間」が必要。この闇を照明をつけたりして中断すると、暗闇の効果は消えてしまう。

・短日植物は限界暗期以上の暗闇を感じるとつぼみをつけるもの。長日植物は限界暗期以下の暗闇を感じるとつぼみをつけるもののことを言う。限界暗期とは「つぼみが生まれるか生まれないかのギリギリの境目の暗闇の長さ」のこと。

上記のTOMのまとめを一読してわからない方は是非、本をお読みください。わかりやすく書いてあって面白いです。

で。ポインセチアに戻ります。

メキシコの気候も調べてみました。メキシコは北部のGuaymasでも1年の気温は20℃~30℃。植物が花を咲かせるのは、植物にとって都合の悪い季節を種で越したいからのはずですが、気温だけを見ると、寒さをこらえるために種を作るとは考えにくいなあーと思っていたら、ありました。

種を作りたがる原因。降水量。たぶんコレだ。

1月~6月くらいに、ほとんど雨がない時期があるのですたぶんこの時期を種で過ごしたいのでしょう。

で、ポインセチアちゃんはクリスマスシーズンに花をつけたいわけだ。で、それまでに花を咲かせるために、夜の長さが11時間30分を越えると「せーの!」でつぼみをつける習性を持つようになったんだろうなとTOMは予測しています。

ちなみに2006年に「夜の時間」が11時間30分を越えるのはGuaymasで9月8日、   Salina Cruzで8月27日でした。つまり8月後半から9月の頭にかけて、つぼみをいっせいに作り始めて、来るべき乾季に備えるというわけ

日本でポインセチアをクリスマスシーズンに咲かせたい場合は、この習性を利用して、8月後半から夜の長さを確保するためにポインセチアの鉢植えにダンボールをかぶせたりしてつぼみをつけさせます。コレは常識。(赤い部分は花ではありませんが、花が咲くときに一緒に赤くなるので、つぼみがつかなければ、ポインセチアの観賞価値である、あの赤色のホウは色づかないのです。)

再びシンガポール。「何故、シンガポールの街路樹にポインセチアが植えられないのか」結局わかりません。一定の暗黒の時間が必要ということなので、もしかしたら都市で明るいために、必要な「暗闇の時間の確保」ができずにつぼみをつけることができず、植えられることがないのかもしれません。もしくは、限界暗期がじつは11時間30分ではなくて、12時間以上必要で、シンガポールは夜が12時間を越えることはないので、つぼみがつくれないから…のどちらかかな?と思います。

謎は解決しませんが、つぼみの謎がちょっと解けたということでTOM的には、ま、いいか…と。

真相をご存知の方がいたら、教えて下さい。

原産地でのポインセチアに興味がある人はコチラを参照して:

          メキシコに住む人が書いたブログです。  

          メキシコを紹介してあるホームページです。

参考資料:つぼみたちの生涯

      理科年表1997年版

      世界の気象情報に関するホームページ(スゴイ役に立ちます。今回あげた夜の時間は6/22と12/22の昼の時間から出したものです)

長文におつきあい、ありがとうございました。

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